無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

文字の大きさ
121 / 220
秘密

新展開②

しおりを挟む

 「「あああ。折角の器が壊れちゃったよ。流石、宵闇の女神。怖い怖い。」」


 そうちゃかされて、ナディアのこめかみがピクリと震える。

 確かに彼女は女神となった。

 その元来持つ特性の為、夜の女神とも呼ばれる女神だが、その事を知る者はそうそういないと言うのが現状なのだが……。

彼女の二つ名を知るこの男は一体何者なのか。

 いぶかしんでる間にも、事は進んでいく。


 「「薬師様の片割れまでも現れたんでは歩が悪いよね~っ、ってことで、今は退散する事にするよ。でもきっと、薬師様は僕の提案に答えてくれる筈だよ。だって、其処の公爵令嬢はこの世界でしか生きられないんだもの。それに、薬師様はとぉ~ってもお優しいから、4獣神を見捨てられないし、ナディアの家族も死なせたくは無いでしょう? 言っとくけど、下手な回避方法は無いよ。あったら僕が試してる。」」


 考え付くことは総て試した。

 彼は、そう言っているように聞こえた。

 勿論、そうなのだろう。

 でなければ、彼とてこの様な暴挙には出ない筈だ。

 薬師は、そう確信を持っていた。

 薬師には彼の正体が見抜けていた。

 彼だって、元来は心優しく穏やかな神なのだ。


 「「本当に、もう逸れしか無いんだよ。僕だって解ってる。貴方を犠牲にして、神ご殺しの罪を背負って、ナナミが喜ぶ筈など無いって事は。其れでも、僕はこの世界を救う! 」」


 一瞬だが、双子の瞳に人形では無い生気が宿った。

 人形に憑依するものの本来の輝きだった。

 逸れによって薬師は、この出来事の黒幕の正体を完璧にさとる事となってしまった。

 そして、薬師が目を細めて睨んだ時には、双子の人形はその場から欠き消えていたのだった。


 「逃して仕舞いましたね…… 」

 「ん? あぁ、そうだね。でもその内やだでも会う事になるさ 」


 薬師はそう言って、扉を睨むようにねめつけた。


 「ナディア、来てくれてありがとうな」


 そのまま言葉を発して、今度はナディアをちゃんと見て顔を綻ばせた。


 「お腹空いたね。戻って腹ごしらえしよう。色々話したい事もあるし」

 「はいっ、わたくしもです! 」


 そして、ナディアもにこにこと笑った。
しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...