無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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秘密

君と語ろうか?

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 帝国から遥北に、巨大な山があった。

 それは地球の富士山にも似た、荘厳で大きな山だった。

 その頂上は広く、大きな穴が穿たれていて温かな熱を湛えている休火山だった。

 お椀のような穴の底には、誰がどうやって建てたのか真っ白な大理石で出来た神殿が建っていた。

 パルテノン神殿のあの映像を思い浮かべて頂ければ、分かり易いだろうか。

 あれが遺跡等では無く、普通に使われている状況を想像して頂ければ、問題は無いかと思う。

 その中心に位置する場所に、その像は有った。

 少女が大理石の上に座っている。

 そんな造りの石像だった。

 その像の足は、ドレスで隠れていて見えないが、スカート部分がふんわりとお椀を伏せた形に盛り上がっているところを見ると、女の子がぺたりと座り込んで居るのだろう事が伺える。

 そして、両手を大理石に付け祈るような表情で目を閉じていた。

 その姿はまるで聖女のようで、神々しい。

 そして御多分に漏れず、彼女は美少女であった。


 そう、皆まで言わなくても解るだろう。

 彼女が何者だったのか。

 彼女こそ、あの男●●●が語った『ナナミ』即ち、『玄武』だった。

 今にも動き出しそうな石像。

それが『玄武』の成れの果て、だったのだ。

 人っ子一人訪れない休火山に据えられた神殿、其処に現れた人影。

 疲労の色をそのかんばせに浮かべて、悲しげに石像に微笑み掛ける青年。

 彼も、迷う事無き神の一人。

 薬師程の美貌と輝きこそ無いが、彼もそこそこ強い力を有して居る事が伺える。

 類い希なる美貌を持っ青年神。

 力と美しさは比例する。

 逸れを具現化する彼は、つい今し方薬師と一戦交えて話し合いをして来た所で、薬師が予想した人物。

薬師の志を認め、影ながら応援していたかけがえのない悪友しんゆうの一人。

 弥勒菩薩。

 彼は、そう呼ばれる青年だった。


 「ナナミ、久し振りだね。元気にしてた? 」


 彼は彼女の前に座り込んで、覗き込むように見た。


 「なんてね。言っても解らないよね。ねぇ、ナナミ。僕ね、とうとう薬師に言ってしまったよ。世界の存続の為死んでくれって。悪役って結構難しいね。彼を上手く煽れてると良いんだけどね。どうだったと思う? 」


 弥勒はそう言って、歪んだ笑みを見せた。

 泣きそうな歪んだ笑みを……。

 彼は何を考え、何故そんな顔をするのか。

 何を企んで居るのか……。

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