無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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蜜月

蜜月

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 お互いに見つめ合って、コツンと額をひっつけあって、どちらからともなく微笑み合う。


 「緊張……してる? 」


 してないと言えば嘘だ……。

 そうナディアは心の中で呟く。


 「俺は情けない事に緊張しまくり」


 へらっと笑う薬師にナディアは、きょとんとして彼を見た。

 彼が緊張?

 思いもしなかったから驚いた、ナディア。


 「薬師様も、緊張なさるのですね」


 ふふっと笑うナディアに、ふわりと笑う薬師。


 「薬師ってのをやってるとね、表情筋が役目を果たしてくれないんだよね。だから感情が面に出ないだけなんだよね」


 今の薬師からは、『薬師』であっても敬語が出ないのは、素の本人に近いからだ。

 櫂で有ればもう少し言葉が崩れるからまだまだ彼は緊張している最中と言う訳だ。

 果たしてそれがナディアに伝わるのか?


 「お互い様なのですね。私達、夫婦ですから、こう言う事には慣れている筈ですのに。不思議ですわね」

 「ん~、ナディアとするのは初めてだからかな?  無理強いはしたく無かったのにこんな事になって、半ば強制的だから俺自身、戸惑ってる。君に嫌われたくは無いからね…… 」


 そんな内心を暴露して、薬師は不安と困ったような感情をない交ぜにした、複雑な表情をして見せた。

 そんな薬師を見て、ナディアはそっと彼の頬に手をやった。

 薬師も、戸惑う事無く、首を彼女の手が有る方へ傾け、そっと自分の手を重ねた。

 昔からやっていた彼等の心の交流の仕方。

 ナディアの中に、凪の記憶が無ければ出来ない仕草に、薬師はさとる

 『良いのだ』と。

 ナディアの中に、ちゃんと薬師への愛が存在しているのだと。

 彼女はそっと自分から、重ねるだけの優しいくちづけを薬師の唇に落とした。

 それが合図だった。

 たった三日しか無い彼等の『蜜月』の。


 始まりの合図であった。


 そっと合わせるだけの口付けから、互いの気持ちを、愛し合う方向へ高める為の口付けに変わるのに、さほど時間は要らなかった。


 ナディアの歯列をなぞり口を開けてと行為で示す薬師に、彼女は恐る恐る彼を招き入れた。

 中へと入り込んだ彼は、逃げ隠れするナディアの舌を探し出すと絡め取って引き出した。

 そして今度は自分の口内へと誘い込む。

 ぷるりと震えるナディアの身体は、薬師に翻弄されて、少しずつ熱を帯びて行った。


 「んっ……んんっ…… 」


 喉の奥から快楽に陥るくぐもった乙女の声が零れて、薬師は彼女を抱えて主寝室へと消えて行った。



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