無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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神獣玄武『ナナミ』

玄武の居場所

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 薬師は、世界樹ユグドラジルの枝をストレージにしまうと傍らのソファーに座る神獣二人に向き直った。


 「二人とも玄武の居場所が解るか? 」


 と、単刀直入に言い放つ。


『勿論』

「解りますわ。御案内致します」


 小さい身体で仁王立ちするルナティに、すっかり身体が良くなったにもかかわらず、何故だか悉陀の膝に、ちょこんと座らされ抱きかかえられている、エレオノラ。

 あぁ、この幼女と父親替わり、出来上がってしまったようですね。

 雰囲気がもう見ていられないくらい、甘々です。

 悉陀は一言も言葉を発しては居ませんが、エレオノラに向ける眼差しが甘ったるいです。


 「薬師様、張り合わないで下さいね…… 」


 流石は薬師の脇侍。

 彼の性格を理解しているのか、前もって苦言を呈するのは日光の役目。

 流石と言えよう。


 「神獣『玄武』ナナミは、彼女が守護する北の大地、オルレイン公国に有るイナス山の河口に有る神殿に住んでいました。石になった身体も多分其処だと思われます」


 悉陀の膝の上でにっこり笑うエレオノラは、大人びた表情でリビングの壁に掛かったタペストリーを指差した。

 其処には富士山そっくりの山の絵が丁寧に織られ、掛けられていた。


 『うんうん、あれがイナス山だよ』

 「うわ~、富士山じゃん。どこをどう見ても…… 」


 ルナティの言葉に月光が眉を寄せる。

 解るよ、その気持ち。

 その内、アルプス山脈やエベレストが出て来ても、きっと驚かないだろうなぁと、その山々を知る者達は嘆息する。

 その様子にきょとんとするのは、神獣達だけだった。

 あぁ、こういう事をきっと『聞くは気の毒、見るは目の毒』と言うのだろうなと、思ったのは間違い無い。

 そしてその反面、『こいつらにも外の世界を見せてやりたい』とも思った薬師だった。

 一番に見せてやりたいのはナディアだ。

 記憶にある事と、実際に己の目で見る事は明らかに違う。

 何時かこの箱庭から、外の世界が見られるようにしてやりたいなと思う薬師だった。





 馬車だと二週間は掛かる道のりを、薬師のどこでもドア吾空間移動ならあっと言う間だった。

 そして彼女もすぐに見つかった。


 「やはりそうか…… 」


 薬師は、彼女を見てそう呟いた。


 「薬師様、この方生きておられますわ……。こんな風になってもまだ諦める事無くこの山の神気を利用して崩壊を食い止めようと力を振るわれていますわ…… 」


 ナディアがそう薬師に訴えながら、少女像の頭を撫でるように触れた。


 「もう大丈夫。独りで頑張らなくても良いのですよ」


 そうナディアは、少女像に語り掛けた。

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