無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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第二部:事の始まり

その頃

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その頃、ナディアはと言うと、崖の中腹の出っ張りで、意識を無くし倒れていた。

側にはライオンちゃんのぬいと、何故か・イ・ヌ・が彼女の側をうろついている。

このイヌだが、ご存知の方も居るだろうが、薬師とナディアの娘、フィリーが産まれて一週間で世界樹の屋敷に現れたあの勘違い・・獣人公爵である。

何故彼が此処に居るかというと、普段は薬師の屋敷に詰め、フィリーの遊び相手になっていた。

はてさて、この人狼がフィリーの番に昇格出来るのは何時のことになるのやら。

と、言うのはさて置いて、イヌが此処に居る理由だが、それは単なる里帰りだった。

ナディアが迷い込んで倒れているこの谷合は青龍と朱雀の守護する国の県境であった。

ナディアが倒れているこの谷は、青龍の守護する華臙国で、山東省はこのイヌの父親が治める領地であった。

そう、この山がある土地に、彼は数年前まで住んでいたのだ。

そんなイヌが此処に里帰りしていたと言うのが、吉と出るのか、凶と出るのか、それは誰にも判らなかった。


『大丈夫かなぁナディア様…… 』

「さてな、忘却の谷を渡って来たんだろう? 」


イヌ、(いい加減イヌ呼ばわりも可哀想か名前を入れてやろう…… )


『う、うん…、問題……だよねえ』

「目覚めてからのお楽しみか……。マジ笑えねぇ。オレはあの御方・・がこええよ…… 」

『うん。おいらも怖い…… 』


思わず二匹はブルッと震える。

世界樹の屋敷の当主を思い浮かべて、事の重大さをひしひしと噛み締めた。


「『神様仏様~』」


あぁ……もう、祈らずにはいられない。




───────────────
─────────
───



「んっ………… 」


鈴を転がしたような声がして、ライオンちゃんのぬいと、人狼の俊傑は慌てて声のした方を振り返った。

其処には、白い小さな花を髪や服に付けた少女のような女性が、身体を起こしていた。

薄い茶色の髪が光に当たるときらきらと反射する。

瞳の色も茶色だが、彼女が纏うと天使のようだった。

身体の線も緩やかに波打って、その凹凸は少女と言うより、女性の曲線だった。

ナディア=ナギ=ルリコウ。

神名を宵闇の女神と呼ぶ。

目覚めて身体を起こす彼女は、女の色気を漂わせた美しき成人女性だった。


「んっ……、此処は? 何処? 」


辺りを見回す彼女に、


『ナディアさまぁぁぁぁっ!! 』


涙と鼻水(あるのかよ…おい)を飛ばしながら、ライオンちゃんのぬいはナディアに抱き着こうとして、



避けられた。

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