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「素晴らしい!こんなに美しい絵画は初めて見ましたぞ!」
「ははっ…ありがたいお言葉です……」
次の日、私はわざわざ家まで来てくださった絵の依頼主が来て絶賛のお言葉をもらっていた。この依頼主は以前にも何枚か私に絵の依頼をしてくれている。
「そんなに顔にクマができるまで、この絵に情熱を注いでくださったのですな!!」
「いえ、まぁ、はい…」
依頼主は私が寝ずに絵を仕上げたと勘違いしているようだった。
結局、私はあの晩全く眠れなかった。ようやくロバートくんに解放されたのが朝で彼が起きる前に部屋から逃げるように、いや、逃げた。ロバートくんには申し訳ないし自分から誘っといて声を掛けずに居なくなるとか非常識ではあるのだが顔を見るのがとてつもなく恥ずかしかったからだ。
「…それにしてもアルロ殿、もしかして最近恋をしているのではないね?」
「…………へ?こ、こい?な、何を急に??!!」
突然何を言い出すんだこの人は?!私は思わず動揺していつもより大きな声を出してしまった。
「いやはや、絵を見ればわかりますぞ、この神の表情、これは恋をした人間にしか描けない。わたくしにはわかりますぞ!!」
依頼主は絵画から私に視線をずらし、ウィンクしながら手をグッドポーズした。
は、恥ずかしい!!!別に恋はしてないと思うがロバートくんとのキスでその絵を仕上げた訳だからある意味合っているというかなんというか!
「で、そのお相手は誰ですな?」
もはや絵画よりも私の恋愛事情の方が気になっているようだった。
「あ、相手は何も、私は結婚して夫が居ますから!!ご存知ですよね?!?!」
「えぇ、若くハンサムな方だと知っておりますが、しかしこう言ってはあれですが、戦略結婚でしかもお相手は男、今はもう同性愛は珍しくなくなってきたようですが、アルロ殿は彼に愛を感じているのでしょうか?」
依頼主の言葉は私にとって図星だった。正直、ロバートくんのことは愛したことはなかった。というか私は彼にどんな感情でいたのかわからない。
でも、嫌いではない。夫夫として仲良くしたい気持ちは本当だ。
「……少なくとも、私は彼が好きですよ。最近彼の本当の姿を見ることが出来て嬉しいんです。笑顔がとても素敵なんですよ。もっと、出来れば私に見せて欲しいんです。」
今まではアデリーナを通して彼のことを知った。けど、本当はアルロとして彼のことを知りたい。もし無理ならせめて隣に立ちたいのだ。
そう思い、無意識に私は自分の胸に手を添えた。
「…!これは大変失礼しました、先程の失言をお許しください。」
依頼主は頭を下げた。
「い、いえ!頭を上げてください…」
「どうやらアルロ殿は夫殿に恋をしているようですな!」
「……へ?」
わ、私がロバートくんに恋をしている?!!!何故先程のセリフでそう解釈したのだろうか?!
「ち、ちがいます!わ、私は別に!!」
「先程夫殿のことを話す時のアルロ殿は恋をした人間そのもの!今、夫殿のことを考えると心臓がドキドキしませんか?」
そう言われると変に意識してしまいそうになる。けど、確かにロバートくんのことを考えるたびに心臓がドキドキしている気がする。
「…し、します…」
「やはり!いやはや人間恋をすれば世の中が変わるものですな!それで、この神がキスしようとしているということはもしやアルロ殿、夫殿にキスをしたいと思っていらっしゃるのではないですかな?」
「これ以上は何も喋りませんからね?!!」
「ははっ…ありがたいお言葉です……」
次の日、私はわざわざ家まで来てくださった絵の依頼主が来て絶賛のお言葉をもらっていた。この依頼主は以前にも何枚か私に絵の依頼をしてくれている。
「そんなに顔にクマができるまで、この絵に情熱を注いでくださったのですな!!」
「いえ、まぁ、はい…」
依頼主は私が寝ずに絵を仕上げたと勘違いしているようだった。
結局、私はあの晩全く眠れなかった。ようやくロバートくんに解放されたのが朝で彼が起きる前に部屋から逃げるように、いや、逃げた。ロバートくんには申し訳ないし自分から誘っといて声を掛けずに居なくなるとか非常識ではあるのだが顔を見るのがとてつもなく恥ずかしかったからだ。
「…それにしてもアルロ殿、もしかして最近恋をしているのではないね?」
「…………へ?こ、こい?な、何を急に??!!」
突然何を言い出すんだこの人は?!私は思わず動揺していつもより大きな声を出してしまった。
「いやはや、絵を見ればわかりますぞ、この神の表情、これは恋をした人間にしか描けない。わたくしにはわかりますぞ!!」
依頼主は絵画から私に視線をずらし、ウィンクしながら手をグッドポーズした。
は、恥ずかしい!!!別に恋はしてないと思うがロバートくんとのキスでその絵を仕上げた訳だからある意味合っているというかなんというか!
「で、そのお相手は誰ですな?」
もはや絵画よりも私の恋愛事情の方が気になっているようだった。
「あ、相手は何も、私は結婚して夫が居ますから!!ご存知ですよね?!?!」
「えぇ、若くハンサムな方だと知っておりますが、しかしこう言ってはあれですが、戦略結婚でしかもお相手は男、今はもう同性愛は珍しくなくなってきたようですが、アルロ殿は彼に愛を感じているのでしょうか?」
依頼主の言葉は私にとって図星だった。正直、ロバートくんのことは愛したことはなかった。というか私は彼にどんな感情でいたのかわからない。
でも、嫌いではない。夫夫として仲良くしたい気持ちは本当だ。
「……少なくとも、私は彼が好きですよ。最近彼の本当の姿を見ることが出来て嬉しいんです。笑顔がとても素敵なんですよ。もっと、出来れば私に見せて欲しいんです。」
今まではアデリーナを通して彼のことを知った。けど、本当はアルロとして彼のことを知りたい。もし無理ならせめて隣に立ちたいのだ。
そう思い、無意識に私は自分の胸に手を添えた。
「…!これは大変失礼しました、先程の失言をお許しください。」
依頼主は頭を下げた。
「い、いえ!頭を上げてください…」
「どうやらアルロ殿は夫殿に恋をしているようですな!」
「……へ?」
わ、私がロバートくんに恋をしている?!!!何故先程のセリフでそう解釈したのだろうか?!
「ち、ちがいます!わ、私は別に!!」
「先程夫殿のことを話す時のアルロ殿は恋をした人間そのもの!今、夫殿のことを考えると心臓がドキドキしませんか?」
そう言われると変に意識してしまいそうになる。けど、確かにロバートくんのことを考えるたびに心臓がドキドキしている気がする。
「…し、します…」
「やはり!いやはや人間恋をすれば世の中が変わるものですな!それで、この神がキスしようとしているということはもしやアルロ殿、夫殿にキスをしたいと思っていらっしゃるのではないですかな?」
「これ以上は何も喋りませんからね?!!」
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