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傍若無人が二人(薬師)
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「袖なし着てそう?」
固唾を飲んで見守っていた魔王の口から、その言葉が発せられる。
ついに言った。待っていた回答ではあるが、決して望んでいなかった答えだ。
この魔王は、前世での俺の姉だ。名前は思い出せないが、その傍若無人ぶりは鮮明に記憶に残っている。
そして今、くそ小説「貴族学園らぶみーどぅー」の舞台となる世界でその悪役が二人揃ってしまった。魔王である姉とモラハ様である。悪夢以外の何ものでもない。
そうだ、気づかなかったことにしよう。嫌なことは忘れるに限る。そう思いながら、俺は現実逃避を決め込むことにした。
「……虫が嫌いなのですから、袖なしはやめておきましょうね」
「ん? そうね?」
姉の短い返事に、内心で滂沱の涙を流していると、気づけば川から上がってきたモラハ様は大きな魚を手でしっかりと掴んでいた。捕まえたばかりの魚だからか、ピチピチと暴れている。
「これも食べれるか?」
「あ、はい。もちろんです。その魚も焼きますね。風邪を召されてもいけませんので、こちらをお使いください」
そう言ってハンカチを渡す。それしかもってねぇーし。どうにか絞って使えば拭けるだろう。
「うん」
モラハ様が素直に応じたことに俺は感動した。いつもは必ず反論しなければ気が済まないようなお子様だ。今はイレギュラーなことばかり起きているからかもしれないが、このまま素直な金髪デブでいてほしい。そう考えていると、ふと魔王が俺たちに視線を向けた。
「二人はどういう関係なの?」
「見てわかりませんか?」
「主人と下僕?」
惜しいっ! でも俺は下僕じゃねぇよ!!!
「モラハ様の側近です」
友人と言ったらモラハ様が拳を振り回して追いかけてきたから、もう側近でいいやって思っている。側近候補だし。
そう考えていると、姉の目がギラリと輝いた。
「腰巾着ってことでしょ? 下僕よね。主従関係のラブもいいわね。ちょっとあのデブをやせさせなさいよ」
やめろ。身も蓋もない言い方するな。腐女子黙れ。そして俺の仕事を増やそうとするな。
「とにかく今日は早く食べてから寝ましょう。皆心配しているはずですからね。公爵家へ戻るため朝一番で移動します」
「魚しかないのか?」
「モラハ様、食べ物があるっていうだけで幸せなことなんですよ。梅干しの種とか、そこら辺の小石とか食べたくないでしょ?」
「うめぼしってなんだ? それに、小石なんて食うもんじゃないだろ?!」
「あ、梅干しはわかりませんでしたか。どちらにしても、お腹がすくとなんでも口に入れたくなるもんなんですよ。そこらへんにたくさんあるし。そういえば、小石を炒めて食べる人もいるそうです」
記憶の片隅に、どこかの国で小石を炒めて食べる人たちを見たテレビ番組が浮かぶ。もちろん、石自体は食べずに口から吐き出していたけど、あれは伝統らしい。本気で石を食べるわけではないのだろう。
「小石なんて食わないからな。それに石を食い物なんて認めないぞ」
認めようが認めなかろうが、伝統っつってんだろうが。俺だって小石なんか口に入れたことはない。目の前の金髪デブにぶん殴られて口に土が入ったことはあるけどな。
「じゃぁ、魚を大事に食べましょう。モラハ様が捕ってきた魚も焼けたら食べられますよ」
「それは楽しみだな。初めて捕まえた魚だから」
モラハ様が少し誇らしげに言う。彼の目が微かに輝き、すでに火に炙られている魚の皮がぱりぱりと弾けいい香りがしている。自分が捕った魚も同じように焼けるのを想像でもしているのだろう。モラハ様から渡されたぴちぴちしていた魚は俺が石に叩きつけておとなしくさせ串に刺した。
「そうですね。初めてをたくさん経験していけば、素敵な大人になれますよ」
経験値を積むんだから多少は……クソのような未来を回避するためにも、横暴なわがまま小僧にしてはいけない。
「ふーん」
モラハ様は気のない返事をしながら、焼けた魚を無言で食べ始めた。その横で魔王である姉は、怒涛の勢いで焼き魚を次々と平らげている。胃袋は底なしなのか?
俺の! 俺の分まで食ってやがるっ! くそっ、焼きが追いつかねー!
そういや、俺って引きこもりだったのか? この疑問が頭から離れない。姉に聞くべきか、でも聞いたら弟だと白状したようなものだ。死ぬまで姉の下僕にされる未来しか見えない。俺は悶々と悩みながら妙な焦燥感に襲われていた。
その夜、俺は激しい腹痛に襲われしばらくの間、隠れた茂みから出てこれなかった。生焼きだったのかな……。
二人はすやすやと葉っぱのハンモックでおとなしく寝ている。
月明かりが葉の隙間から差し込み、風がそよそよと吹き抜ける中、ようやく痛みが少し引いてきた。そこで、ジョブを賢者に変更し、エクストラヒールをかけてみたが、思ったように効かない。なんで?! もしかして、食あたりには効果がないのか!?
それでも、葉っぱで尻が擦り切れてるんじゃないかと思うほどだった痛みは消えていたので、外傷には効く魔法なのかもしれない。
詳しい効果を確認したところ限定的な効果であることがわかった。
エクストラヒール:通常の「ヒール」よりも効果が高く、一度に多くの人の傷を治すことができる。主に切り傷や打撲、骨折などの外傷に即効性はあるが、内臓系のダメージや毒、病気などには効果はない。
痛みが完全に治まるまで我慢しなければならないなんて、辛すぎる……。明日も朝早いのに、このままでは寝られそうにない。そこで、他に適切なジョブがないか調べてみた結果、「薬師」というジョブを見つけた。これなら薬を作れるはずだ。
「ジョブ変更:薬師!」
『あーーーたしっ! あたしっ、あたしっ、あたしあたしあたしあたしっ!』
自己主張強いなっ!!! しかも姉と同じ一人称で紛らわしい!
自己主張が強いジョブというのは、どれも同じだけどさ。まぁいいや、誰も見てないし腹も痛い。さっさと薬作ろう……。
薬草の知識から腹痛に効く薬を作り、何とか事なきを得た。
とりあえず、胃薬も作っておいた。あの二人といるなら今後、きっと必要になるはずだ。
固唾を飲んで見守っていた魔王の口から、その言葉が発せられる。
ついに言った。待っていた回答ではあるが、決して望んでいなかった答えだ。
この魔王は、前世での俺の姉だ。名前は思い出せないが、その傍若無人ぶりは鮮明に記憶に残っている。
そして今、くそ小説「貴族学園らぶみーどぅー」の舞台となる世界でその悪役が二人揃ってしまった。魔王である姉とモラハ様である。悪夢以外の何ものでもない。
そうだ、気づかなかったことにしよう。嫌なことは忘れるに限る。そう思いながら、俺は現実逃避を決め込むことにした。
「……虫が嫌いなのですから、袖なしはやめておきましょうね」
「ん? そうね?」
姉の短い返事に、内心で滂沱の涙を流していると、気づけば川から上がってきたモラハ様は大きな魚を手でしっかりと掴んでいた。捕まえたばかりの魚だからか、ピチピチと暴れている。
「これも食べれるか?」
「あ、はい。もちろんです。その魚も焼きますね。風邪を召されてもいけませんので、こちらをお使いください」
そう言ってハンカチを渡す。それしかもってねぇーし。どうにか絞って使えば拭けるだろう。
「うん」
モラハ様が素直に応じたことに俺は感動した。いつもは必ず反論しなければ気が済まないようなお子様だ。今はイレギュラーなことばかり起きているからかもしれないが、このまま素直な金髪デブでいてほしい。そう考えていると、ふと魔王が俺たちに視線を向けた。
「二人はどういう関係なの?」
「見てわかりませんか?」
「主人と下僕?」
惜しいっ! でも俺は下僕じゃねぇよ!!!
「モラハ様の側近です」
友人と言ったらモラハ様が拳を振り回して追いかけてきたから、もう側近でいいやって思っている。側近候補だし。
そう考えていると、姉の目がギラリと輝いた。
「腰巾着ってことでしょ? 下僕よね。主従関係のラブもいいわね。ちょっとあのデブをやせさせなさいよ」
やめろ。身も蓋もない言い方するな。腐女子黙れ。そして俺の仕事を増やそうとするな。
「とにかく今日は早く食べてから寝ましょう。皆心配しているはずですからね。公爵家へ戻るため朝一番で移動します」
「魚しかないのか?」
「モラハ様、食べ物があるっていうだけで幸せなことなんですよ。梅干しの種とか、そこら辺の小石とか食べたくないでしょ?」
「うめぼしってなんだ? それに、小石なんて食うもんじゃないだろ?!」
「あ、梅干しはわかりませんでしたか。どちらにしても、お腹がすくとなんでも口に入れたくなるもんなんですよ。そこらへんにたくさんあるし。そういえば、小石を炒めて食べる人もいるそうです」
記憶の片隅に、どこかの国で小石を炒めて食べる人たちを見たテレビ番組が浮かぶ。もちろん、石自体は食べずに口から吐き出していたけど、あれは伝統らしい。本気で石を食べるわけではないのだろう。
「小石なんて食わないからな。それに石を食い物なんて認めないぞ」
認めようが認めなかろうが、伝統っつってんだろうが。俺だって小石なんか口に入れたことはない。目の前の金髪デブにぶん殴られて口に土が入ったことはあるけどな。
「じゃぁ、魚を大事に食べましょう。モラハ様が捕ってきた魚も焼けたら食べられますよ」
「それは楽しみだな。初めて捕まえた魚だから」
モラハ様が少し誇らしげに言う。彼の目が微かに輝き、すでに火に炙られている魚の皮がぱりぱりと弾けいい香りがしている。自分が捕った魚も同じように焼けるのを想像でもしているのだろう。モラハ様から渡されたぴちぴちしていた魚は俺が石に叩きつけておとなしくさせ串に刺した。
「そうですね。初めてをたくさん経験していけば、素敵な大人になれますよ」
経験値を積むんだから多少は……クソのような未来を回避するためにも、横暴なわがまま小僧にしてはいけない。
「ふーん」
モラハ様は気のない返事をしながら、焼けた魚を無言で食べ始めた。その横で魔王である姉は、怒涛の勢いで焼き魚を次々と平らげている。胃袋は底なしなのか?
俺の! 俺の分まで食ってやがるっ! くそっ、焼きが追いつかねー!
そういや、俺って引きこもりだったのか? この疑問が頭から離れない。姉に聞くべきか、でも聞いたら弟だと白状したようなものだ。死ぬまで姉の下僕にされる未来しか見えない。俺は悶々と悩みながら妙な焦燥感に襲われていた。
その夜、俺は激しい腹痛に襲われしばらくの間、隠れた茂みから出てこれなかった。生焼きだったのかな……。
二人はすやすやと葉っぱのハンモックでおとなしく寝ている。
月明かりが葉の隙間から差し込み、風がそよそよと吹き抜ける中、ようやく痛みが少し引いてきた。そこで、ジョブを賢者に変更し、エクストラヒールをかけてみたが、思ったように効かない。なんで?! もしかして、食あたりには効果がないのか!?
それでも、葉っぱで尻が擦り切れてるんじゃないかと思うほどだった痛みは消えていたので、外傷には効く魔法なのかもしれない。
詳しい効果を確認したところ限定的な効果であることがわかった。
エクストラヒール:通常の「ヒール」よりも効果が高く、一度に多くの人の傷を治すことができる。主に切り傷や打撲、骨折などの外傷に即効性はあるが、内臓系のダメージや毒、病気などには効果はない。
痛みが完全に治まるまで我慢しなければならないなんて、辛すぎる……。明日も朝早いのに、このままでは寝られそうにない。そこで、他に適切なジョブがないか調べてみた結果、「薬師」というジョブを見つけた。これなら薬を作れるはずだ。
「ジョブ変更:薬師!」
『あーーーたしっ! あたしっ、あたしっ、あたしあたしあたしあたしっ!』
自己主張強いなっ!!! しかも姉と同じ一人称で紛らわしい!
自己主張が強いジョブというのは、どれも同じだけどさ。まぁいいや、誰も見てないし腹も痛い。さっさと薬作ろう……。
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