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18:無知の知
しおりを挟むトイレの横に8畳ほどの空間を作りとりあえず、床、天井、壁と
300角のタイル状にした不思議石を貼ることにした。
不思議石は半透明なので、先に大判うすい板で土壁を押さえてからである。
防水も兼ねる。
2重になったそれは程よく透明感のある白い色合いがでた。
ほんとは露天風呂っぽく外の景色を眺めながら入りたいところだが
こう、遠くの景色をここに伝達する
方法が思い浮かばない。ライブカメラみたいな?
電波とか、カメラの理屈がわからないから閃きもしない。
この年ではじめてもっと勉強しておけばよかったと後悔。
広く浅い知識でもはそこからアイデアが広がるからね。
無知は罪だ。無知の知は正しい。
白い壁を眺めるのも面白くないので、有り余る砂をガラス状にしたものに挟んで風景っぽくした。
おお、砂漠のオアシス。床面にちょっと深めの湯舟を作り、天井近くに間接照明。
ガラススクリーンの向こうはシャワー室。ミストもでるよ。
で、ここに供給されるお湯は青い海峡石。普通の湯舟の倍以上の大きさを満たしても
なんの変化もない。もしかして急になくなるかもしれないがそうなったらそれで仕方がない。
温度調節もできた。すごい。これを湯舟とシャワー室に取付。取り付ける台はもちろん不思議石。
すごいよ君たち、愛してる。
排水はトイレと同じで、どこぞにうまく流れてね。
脱衣と入り口廻りも作った。石鹸とかあるのかな?
あー、異世界定番の石鹸の作り方も知らない。
いや、子作りの仕方が違うけど娼婦が職業として成り立っているのなら
体を清潔に保つ方法もあるだろう。それをマティスがもってるかどうかだ。
湯あみの時なんか使ってたかな?ずっと見てたわけじゃないしね。
ん?ベットはいい匂いがしてたから大丈夫かな?
とりあえず、ちょっと熱めのお湯を張っておこう。
もちろん、いいところで湯は止まる。その制御は不思議石さん。
さきにひとっぷろ浴びたいが、着替えを調達しないとね。
なんか、余ってる布切れもらえるかな?
「できたよーん」
あれから、時間の石が3つ動いていた。22時だ。
マティスのほうも片付けが終わったのか、かなりすっきりした空間になっていた。
空き箱を利用したのか棚まで作ってある。
「もう、できたのか?」
「うん、いい感じに。こっちもだいぶ片付いたね。あ、石は遠慮なく使ってよかったのに。」
風呂でかなり使うつもりでまた、鞄に戻したが、マティスも使うと思って
結構な量を渡しておいた。それを使ったようだがそんなに減ってはいない。
「いや、かなり贅沢につかったぞ。材料としても。
あんたの話したように願いの大きさに石はあまり関係なかった。少しの石があればそれで賄える。
これはすごいことだぞ?国の根底が覆される。石に頼らなくてもいいんだから。」
「んー、でも、不思議石としての価値はあるでしょ?なんにでも変形できるんだから。」
「そうか、そちらでも消費することになるのか、、、」
「ま、国のことはお偉いさんや弟君にまかしておけばいいよ。
ほんとのえらいさんは気づいてると思うしね
だから、子供の時から制御できるようにしてるんだと思うよ。」
「そうだろうか?」
「必要は発明の母っていってね。こうしたらこうなるのにって思わないとできないのよ。
いままで、だれもこの砂漠石の事で不満なんかでなかったんでしょ?
儲けようと思って砂漠に入って全滅したってのも聞いたけど、それは別な話だしね。」
「気づかなかったのは今の暮らしに不満がなかったからか?」
「不満というか、うまく統治していたってことよ。
弟君もちょっとあれだったけど、統治者としてはうまくやってるんじゃないの?」
「そうか?だったらいいんだが・・・」
「そうよ、きっとね。ま、かかわりたくないけどね。」
「ははは、そうだな。ああ、この棚を片付けたら飯を作る。
まだかかりそうだからその間、ゆっくりしていていいぞ?」
「あ、なにか布切れもらえないかな?体の時間を止めてたわけだから老廃物なんかはでなかったのね?
だから服も着た切りすずめでよかったけど、ここで、ご飯食べてお風呂にはいったら、たぶん体は動き出す。
トイレも使うようになる。だから着替えが欲しいんだ。
石から布を作ってみたけど、半透明なのよ。
靴もできればほしいです。サイズはどうとでもなるから。材料が欲しい。」
「靴はいてなかったのか?それは?」
足もとをみて聞いてきたが、
「これ?靴下。地面に足がついているようでついてないの。常に浮いてる状態。」
「・・・すごい。」
「うん、すごいはわかったから、布ある?」
「ああ、タロスのものがある。誰かが使ったほうがタロスも喜ぶ。
物を大事にする人だったから。よかったら使ってくれ。
下着類さすがにないが、作れるんなら、この布地で作ればいい。」
そういって、タロスさんの使っていただろう服一式と、肌触りの良い布を一束出してくれた。
タロスさんの使わなくなった服も大事なんだね。遠慮なく使わしてもらう。
なにに使う布か?と聞いたら、やはり下着や体をふいたりする布とのこと。
この世界は下着なんかは自分で作るのが普通らしい。
言霊の力があるからいいようなもののなければ厳しい世界だ。
タロスさんの服が入った箱と布をもらい、先に自分の部屋をつくることにした。
それに、わたしの寝床も作らないといけない。
この広い空間はマティスん家って感じだから、ちょっと離れたところに仕切りを作って
壁にベットと棚を作った。洞窟っぽい意匠。
壁に穴が開いていてそこがベット。ポコポコ壁に棚を埋め込んだ感じ。
いいーねー。
タロスさんの服はサイズ的ぴったりだった。腰ひもで縛るタイプのズボンと前開きのシャツ。
少しほつれたりしていたので、一度ばらして、無裁縫でしあげる。肌触りが良い
寝間着もつくる。ちょっと大きめのズボンとシャツでOK。
下着はちょと苦労したが、それらしくおパンツとブラができた。
いままでノーブラだったのよ。これ、何カップだろうか。いい。
どてらコートと裏地カバンは余った布や革で補強と装飾を施した。いい。
鏡が無いけど土から取り出した銀がある。あと、金も。
その銀を薄くのばしてガラス状の不思議石の裏に貼る。
ちょっと曇っているが、立派な鏡だ。そういえばこの世界にガラスはないのか?
窓には・・・なかったな。木の扉だけだった。後で聞いてみよう。
「おーいい、飯ができたぞー。」
「はーい。」
ご飯の合図をもらうのは何年ぶりだろうか?懐かしくてちょっと泣けた。
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