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25:オイル
しおりを挟む無意識に力を使うことの恐ろしさを知った。
合わさりの月の夜の涙ではない、風呂で流した涙でもない、
ただただ恐ろしくて泣いた。
彼女の言う大丈夫だという言葉で、心は平穏になっていく。
抱きしめる腕の中で安堵した。
そしていま、風呂の扉の前に立っている。
言葉にしなくてはと、体が冷えていた理由を話すと、彼女が同意してくれた。
風呂も一緒にはいるし、石鹸も同じものを使うという。
なんという世界なのだろう。自分と同じ香りを相手がまとっていたら自分の香りをかいだだけで
相手を思い出してしまうではないか。いや、それはいいことなのか?
香りに関しては繊細な話だ。誰も彼も気を使う。
なのに、にこやかに私の香りが好きだと言い、寝床の匂いだとも言った。は、恥ずかしい。
羞恥の基準が違うようだ。
悶々としていると、着替えを取りにいていた彼女が戻ってきた。
いいんだよな?同意はもらった。あ、彼女は雨の日以外でも子供ができる。
男は年中種を作り出すが、女は雨の日だけ。でも彼女は違うという。
それにオイルがない。なんてことだ。
「おまたせです。ん?どうしたの?」
「あ、あの、抱いたら子はできるのか?それにオイルは持ってる?はずないよな。痛い思いをさせる。」
「子供?ああ、うーん、そうか、避妊具なんてないのね?
できないと思うよ。わたしの体のサイクルは結構正確にわかるんだ。だから大丈夫。
で?オイル?何に使うの?マッサージ?」
「できないのか。いまはまずいからな。よかった。
なにって。性交のやり方が違うのか?男のあれを女のそこに入れるわけだろ?
男はいつでも出せるが、女は雨の日に、その、なんだ、濡れる。その日以外にするには濡らさないと。
女は自分の気に入った香りをオイルに付けて持ってるんだ。
男が持ってる場合は貴族かよっぽどの伊達男だ。俺は持っていない。
だから、その、できないことはないが、女性は痛い思いをする、あ、2回目からは大丈夫だ。」
恥ずかしかったが、違う世界の人間なんだ。
こういうことこそ言葉にしないといけないと思い説明をした。
彼女は目を瞠って驚いていた。が、
「ぶひゃひゃ!!」と大笑いした。なぜ?
「うん、やっぱり体のつくりが違うんだね。大丈夫だよ。ね?とにかくお風呂に入ろう。」
手を引くように風呂に引っ張っていった。
中に入ると豪快に服を脱ぎだした。
胸当てを外すと、張りのあるい乳房がさらに飛びだした。
私はシャツを腰に巻いたままだったのでそれを外す。
彼女の体は本当に美しかった。体のつくりは違うというのは納得だ。
傷が残らなくてよかった。もし次にあんなことがあっても、無意識に治してしまうだろう。
それは許してほしい。
私の体はあちこちに爆裂の痕が残っている。小さいものばかりだが
左腕と腰には大きく傷が残っている。
腕は動くようになったが傷はそのままだ。
その後ろから彼女が私に抱き着く。
「なっ」
「傷だらけだね。痛みがあれば消すけど?」
「いや、痛みはない。消すこともない。これが私だから。」
「うん。」
そういうと、腰の傷にチュッと音を立てて口づけを落とした。
振り返り彼女を抱きしめ口づけをする。
この前とは違い受け入れてくれる。拒むどころか彼女から舌先を私のものに絡めてきた。
先ほどから大きくなる自身が彼女の肌にこすれる。
んっ
何とも言えない声を漏らす。
唇から首筋、鎖骨へと舌を這わせ、
胸の先をつまみ、もう片方へと吸い付いた。
髪を掴み胸に押し付けて、声が漏らす。。
あっ・・ん
顔を見上げ、その声を上げた唇にもう一度吸い付いた。
腰に手をやり、そのまま、柔らかな尻をもむ。
さらに前に滑らせ指を這わす。
なっ
え?
同時に声が出る。
「濡れてる・・」
彼女は顔を真っ赤にして叫んだ。
「濡れるのっ!普通なのっ!抱き合ってキスしてこれからセックスするんだとなれば
子供とか関係なく濡れるのっ!それが普通なの!!」
なんて、なんて自由な世界なんだ。
濡れた指先をひとなめした。不思議な味だ。
オイルではない。彼女自身の味だ。契ではないのに味わえるとは。
それをみて彼女は雄たけびを上げる。
「ギャー!!何してんの。さっき、トイレにもいったの!ウォシュレットだけど、
洗ってないのに!!お風呂が先なの!!」
涙目になっていた。
人前で堂々と肌をさらすのにこういうことは恥ずかしいらしい。
・・・かわいい。
「フフっ」
「なに?その笑いっ」
「いや、かわいいなと。」
「!!そいうことは言わなくてもいいの!!お風呂いくよっ!!」
そのまま、透明な扉を押して入っていった。
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