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51:バッカス
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次の日も、マティスはわたしのベットで寝ている。
毛布も持ち込みだ。
「いいけど、なんで?」
「・・・下敷きの寝心地がいい。」
「あ、やっぱり?毛布の間に違う厚みの空気の層をいれてるの。こだわりました。
同じもの作るよ。」
「・・・いいにおいがする。」
「同じ石鹸使ってるよね?」
「・・・ダメか?」
「ダメじゃないけど、ちょっと狭いかな?拡げようか?」
「お願いします!」
クイーンサイズにした。
持ち帰った薬草は、石で作った植木鉢がよかったのか、
マティスの台所の横の小部屋に並べてある。
適度に水分を補給する優れものだが、ちょっと弱弱しくなっている。
マティスのというぐらい、着々と自分の城を形成している。
手伝ったのは、ラップをいつでも使えるようにしたことと、
丸い氷ができる製法皿を作ったぐらいだ。
それと、すぐ横にトイレ。各部屋トイレ付。
自分の部屋はほとんど使っていないようだ。
わたしの作業部屋も拡大はしていないが充実している。
素材がいつでも取り出せるようになった。
鉄のフライパン、包丁、銀のフォークにスプーン。
磨くのは大変なので、砂漠石でコーティング。
銅のフレームでスケッチパットも作った。
砂漠石をガラスのようにしたものをメッシュと砂漠の砂でサンド。
指でなぞれば、望む色の砂を吸い付ける。
保存ができないが、紙がないので、物の説明をするのに便利だ。
棒状の砂漠石でなぞれば文字が書ける。
これは砂鉄を吸い上げる。
2つ作り一つはマティスに。喜んでもらえたようだ。
これで、文字と言葉を覚えようとおもう。
数字はなんとか覚えたが、言葉は理解できるが書けないのだ。
マティスは数字のみ習得済み。時計も読める。
からだの鍛錬もしている。マティスが。
わたしは軽く型をおさらいするだけだが、
マティスはじっくりと両手使いの槍の型を繰り返す。
なので、朝と夜はマティスだが、昼はわたしがつくっている。
チャレンジャーだな、マティスは。
といっても、簡単なもの。朝に焼いたパン、これがまたおいしい。
フランスパン系のもので、バケットサンドで、はい、出来上がり。
入れるものは、サボテン・トカゲの干し肉・普通に焼いたものなどなど。
チーズを一度焼いてパリパリにしたものを挟んだものはおいしかった。
不思議鞄に植物は生きたまま入れられるかという実験は、
残念ながら、薬草たちはだめだった。
そのままの状態で保存はできるが、外に出すと、枯れる。
つかり、袋にいれたあとは死んでしまうのだ。
空気を一緒に入れたり、水に浸してみたり、おもいつくことをやってみたけどダメだった。
草だからか?
1年に1度降る雨。その雨の日の4回前から乾季らしい。
このとき、木々は眠りに入る。そのときに、鞄に入れることができれば、
出すまで眠り続けるのではないだろうか?
乾季が来るのはあと2回の合わずの月が過ぎてから。
乾燥しきってから引き取りに来ることにした。
そして、海峡石。
青は水
赤は火
透明は風というか空気
あとあるのは緑・黄色、この前来てくれた紫。
形は八面体が多いが丸いものもある。色の濃淡もある。
街で売買されているのは小さい色の薄いものだけらしい。
台所やお風呂に使っている、色の濃い大きいものは、
早い話、国宝級とのこと。
うむ、大金持ち。
が、売ることはできない。捕まる。
街に行ったときに、お金に換えるのは、この薄い小さなものにするとして、
この緑と黄と紫は?
「緑だからこう、草原がでてくるとか?植物に影響を与えるとか?」
「・・・そんな色の石がいいのか?指輪の?」
「んー?この緑じゃないな、もっとこう、青っぽいような緑のような?」
「普段は青で光の角度で緑になる石があるらしい。それはどうだろうか?」
「!!それ!それがいい!そういう石あるのね?」
「ああ、話に聞いただけだが、それを探しながら世界を回るのもたのしいだろう。」
「うわ♪いいねそれ。マティスに送る赤い石もいっしょに探そうね。」
「ああ。」
「で、話戻って、この黄色。・・・。・・・。・・・・。」
「?」
「水でも、火でも、風でもないです。」
「火だと危ないだろ!」
「あ、違うのはわかるから、なんとなく。念のためね。」
「緑と紫もか?」
「うん、黄色はね、光っぽいのよね。
この世界のさ、月の光は反射してるんだか、自ら光ってんだかわからないんだけど、
沈んだ後のあの明るさは何の光?」
「?言っていることがわからない。なんのってなんだ?」
「んー、そうなるか。星は?」
「ほしとは?」
「月以外にそらで光ってるのってない?月が出ない日のそらって何がある?」
「ああ、無数の小さな光が輝いている。あれはきれいなんだ。
その日はみな家に籠るが、外に出れば小さな光が見える。
月の影響もないから砂漠も静かだ。よく、その日は一人で砂漠を見上げていた。
タロスも雨の日は街に行かないが離れはじめから会わずまでは毎日街に行ってたからな。」
「おお、家の前で待ってるって奴ね。」
「ああ、一晩に何軒も廻るそうだ。」
「で、雨の日は行かずか。あ、それは置いておいて、その光を星って呼んでるの。
そうか、星は有るんだね。わたしもみたいな。」
「え?その日は家に籠るんだぞ?」
「ずっとじゃないでしょ?」
「ずっとだ。」
「・・・そうなんだ。その日は1日何時間ぐらいになあるの?」
「あの時計でいう1時間が・・・40時間?」
「うそん、1日半以上、こもりっぱなしのしまくり?」
「飯は食うぞ?」
「食べなきゃ死ぬよ!そういうものなのね、わかった。でも、少しだけ空が見たい。」
「そばにいるならいいさ。外でもいい。」
「・・・話を戻すよ。」
「ふふ、楽しみだ。」
「もう!・・・でだ、えーと、星の話じゃなくて、月がでてないときのあの光は、
前にも話したっけ?元の世界は太陽っていう月の親玉みたいなのが昇って沈んでたの。
月と同じように見えてたんだけど、こっちでは見えない。
でも、暖かい光は有る。影もできる。元の世界の月はその太陽の光を反射して輝いてるの。」
「???」
「わたしもくわしくは説明できない。その太陽の光、月が沈んだあとの光が植物には必要ってことは
同じよね。」
「そうだ、光が必要だ。それと水も。だから乾季はほとんどの草花は枯れ、樹木は仮死状態だ。」
「ここに持ってきた薬草は砂漠石の水が効いてるのか育ってる。
けど、光があればさらにいいかもしれない。砂漠石の光ではなくてね。」
「ん?」
「で、やっと本題。
この黄色いものは光、月の光ではないものを出すんじゃないかなって。」
「おお!!」
マティスが拍手をしてくれた。わたしがマティスの槍の演武を見て感動したときにやったら、
すごいという代わりに拍手をするようになった。
「といことで、光らせます。でも、むっしゃ強い光線だと失明するから、
はい、このサングラスをどーぞ。」
「さんぐらす?」
「そう、砂漠石大先生と、この素材、金銀銅、鉄。あとはわからない物質。
色付きますか?とお願いすれば、これだけの色ガラスができました。」
赤、橙、黄、緑、青、紫、赤紫、黒、茶、乳白
20cm角ぐらいの板ガラスを並べていく。
「おお!!」
またしても拍手が。
「でも、この大きさが限界。これ以上大きくなると、色がつかない。
混ぜる鉱石も十分あるんだけど、ダメみたい。
色ガラスを使ったときこの大きさだったのよ、それが影響してるみたい。
で、茶色のガラスと銅でサングラス。
これを通してみると直撃は免れる。はず。」
「これを通してみて光が出てるかどうかはわかるのか?」
「んー、直撃しなければ大丈夫よ。」
「・・・常にそういう感じなんだな。」
「そうです。行くよ! 光れ!」
片手にサングラスもどき、片手をめいいっぱいのばして、
ただ、光れという。声色も変えない、力も入れない。
青い海峡石から水をだすようなそんな軽い感じ。
ふわーっと光がでる。月の光でもない、石の光でもない、
そう、昼白色!それ!
砂漠石の光は電球色っぽかったけど、これは自然な光。
「明るいな。」
まじかで見るとまぶしいが、天井にあれば自然の光。
黄色は太陽光、と思うことにする。
さっそく、天井に付けてる砂漠石を回収。
黄色の海峡石を取付て言った。
一つで、十分な明るさを出してくれる。
薬草の部屋のも。これで、もっと元気になれば万々歳だ。
あとは、緑と紫。
「緑は、今は使えない気がする。その時になったらわかるっぽいな。
なので、保留。
紫は・・・」
青は水、赤は火。
その2つの色を混ぜて紫。ではお湯?
違う、火はエネルギーの変換だ。赤から火を連想したから
コンロに使っているだけ。
青も水を想像したからだ。
空気中のものを変換してるに過ぎない。
ただ、ここではない場所からだ。
あれだけの水量をこの地下の空気で賄っていては干乾びる。
質量保存の法則は生きている。
砂漠石と違って特定のものに特化しているのは事実だ。
だから使うときに決めてしまえばいい。
途方もない明後日の方向に行かなければ最初に決めたことが普通になる。
黄色は光関連だ間違いはなかった。
そこに行きつくまでの想像力がやはり物を言うのだと思う。
ながながと光の説明をしたのもそうなればいいとおもったからだ。
そう、説明した。
「そうなのか?」
「うん。方向性があってるから行けたんだと思うよ。
黄色をもって、うんうんしても、水も火も風もでなかったでしょ?」
「そうか。」
「あ、ちなみに、空を飛ぶ練習の時に説明した話は、嘘だからね。」
「え?そうなのか?でも、飛べるし、浮く。ほら。」
マティスがふよふよ浮いてる。かわいい。
「いいのよ、そんなものかーっておもって身に付ければ。
でも、あのとき説明した時の話を、物理のわかる人にしたら恥かくからね?」
「あの時の話は難しくてよくわからなかった。でも、練習すればできるものなんだと思った。」
「それが目的だからいいのよ。飛べるよーってゆっても、なんで?ってなるからね。」
「これからも愛しい人の話は理解できなくても受け入れよう。」
「それもダメよ。そういう時は聞いて?全部が全部うのみはダメよ。」
「そうか、そうだな。」
「で、この紫。水系ってのはわかるのよ。水が出る。
じゃ、どんな水?っていう話。」
「ここで、こうだと決めればそうなると?」
「おそらく。」
「お湯はいらない。青で十分。湿度?雨?そうなると赤の要素がない。」
「・・・決めてもいいか?」
「ん?なんかある?いいよ。これはマティスが決めて。当たればそれが普通になる。」
マティスに紫の海峡石を渡した。
グラスをバーテンダーが取り出すように作り、
こちらをみてあの悪い顔をする。
どうするんだろう?まさか精力剤をだすとか?
「うまい酒だ。」
トクトクと琥珀色の液体がグラスに注がれた。
「うわー、バッカスの石か。」
「ばっかす?」
「お酒の神様だよ。すごい、マティス天才!」
惜しみない拍手をおくる。
「精力剤だったらどうしようかと思った。」
「そんなものなくても、いつでも大丈夫だ!」
「え?あれから一緒に寝るだけだから、あれかなーって。」
「ちがう!起きたとき腰が痛いのはつらいだろう?だから。」
「あ、そうか、、、あれは運動不足だからよ。
3日ほどしか運動してないけど、最初より息は上がらなくなったよ?」
「・・・そうか、では今夜はそれを確かめよう。」
「あ、そうなの、、、そうですか。えーっと、で、お酒の味は?」
「ふふ。」
出したお酒を香りを確かめつつ一口飲む。
どこのソムリエだ?
「どう?」
「・・・うまい。が、飲んだことのある味だ。」
「新たなお酒ではなくて記憶にある味ってこと?」
「そうだ、家を出る前の日、父が母の話をしながら一緒に飲んだものだと思う。」
「一口、頂戴?」
「ああ。」
グラスを受け取り一口飲む。
強い。一口でドクンドクンする。洋酒は苦手だが
うまいというのはわかる。
マティスはもう一つグラスを出し、見覚えのある色の酒をだした。
「うむ、思っている酒がでるな。ゼムにもらった酒だ。」
またグラスを寄こす。
飲めば毎日飲んでいたお酒の味だ。昨日で終了したのだが。
「すごい、おんなじ味!!」
「これで酒問題は解決だ。街に行ったら片っ端からうまい酒を飲みまくろう。
そうすればいつでも飲めるぞ!」
「すごい!マティス天才!!」
では、わたしの記憶にあるうまい酒は?
「わたしもだしてみていい?元の世界の。」
「でるだろうか?」
「たぶんね。働き始めたときの最初の社員旅行で飲んだ日本酒がね、
記憶にある中で一番おいしかったとおもう。
そのあとへべれけになって、大変だったけどね。」
「にほんしゅ?へべれけ?酔っぱらったってことか?」
「そう、ごみ箱抱えて、大変だったんだ、廻りが。」
「・・・そうか。」
「そのお酒、そういう記憶があるから、あれはおいしいお酒で飲みすぎたんだって記憶がずっとあるの。」
グラスではなく小さなぐい飲み2つと、とっくりを作る。
1つに注ぎ、先に呑んでみる。ああ、そうだ、この味だ。うまい。魚介類が食べたい。
マティスにも持たせ、お酒を注ぐ。
「さ、召し上がれ。」
「・・・ああ、これは、初めて飲む酒だ。強い酒だとおもうが、もっと飲みたくなるな。」
「でしょう?でもすきっ腹にはあとで大変よ。
さ、ご飯を作ろう。手伝うよ。そうだ、ビールだ、ビール飲みたい。」
「びいる?酒だな?どんな?」
「風呂上がりにこれが飲みたくて、だけど、作れないから炭酸水をつくったのよ。
シュワシュワしてる麦のお酒。」
「エールか?あれはうまくないぞ?シュワシュワもしていない。」
「ここのはそうなの?大丈夫、おいしいって!さ、ご飯ご飯。何にしようか?」
風呂上がりの楽しみもでき、
明日の夜に外に出る。多めに肉を使っても問題ない。
ビールに合う肉ということで、あらゆる部位のトカゲの焼肉となった。
うまい。
毛布も持ち込みだ。
「いいけど、なんで?」
「・・・下敷きの寝心地がいい。」
「あ、やっぱり?毛布の間に違う厚みの空気の層をいれてるの。こだわりました。
同じもの作るよ。」
「・・・いいにおいがする。」
「同じ石鹸使ってるよね?」
「・・・ダメか?」
「ダメじゃないけど、ちょっと狭いかな?拡げようか?」
「お願いします!」
クイーンサイズにした。
持ち帰った薬草は、石で作った植木鉢がよかったのか、
マティスの台所の横の小部屋に並べてある。
適度に水分を補給する優れものだが、ちょっと弱弱しくなっている。
マティスのというぐらい、着々と自分の城を形成している。
手伝ったのは、ラップをいつでも使えるようにしたことと、
丸い氷ができる製法皿を作ったぐらいだ。
それと、すぐ横にトイレ。各部屋トイレ付。
自分の部屋はほとんど使っていないようだ。
わたしの作業部屋も拡大はしていないが充実している。
素材がいつでも取り出せるようになった。
鉄のフライパン、包丁、銀のフォークにスプーン。
磨くのは大変なので、砂漠石でコーティング。
銅のフレームでスケッチパットも作った。
砂漠石をガラスのようにしたものをメッシュと砂漠の砂でサンド。
指でなぞれば、望む色の砂を吸い付ける。
保存ができないが、紙がないので、物の説明をするのに便利だ。
棒状の砂漠石でなぞれば文字が書ける。
これは砂鉄を吸い上げる。
2つ作り一つはマティスに。喜んでもらえたようだ。
これで、文字と言葉を覚えようとおもう。
数字はなんとか覚えたが、言葉は理解できるが書けないのだ。
マティスは数字のみ習得済み。時計も読める。
からだの鍛錬もしている。マティスが。
わたしは軽く型をおさらいするだけだが、
マティスはじっくりと両手使いの槍の型を繰り返す。
なので、朝と夜はマティスだが、昼はわたしがつくっている。
チャレンジャーだな、マティスは。
といっても、簡単なもの。朝に焼いたパン、これがまたおいしい。
フランスパン系のもので、バケットサンドで、はい、出来上がり。
入れるものは、サボテン・トカゲの干し肉・普通に焼いたものなどなど。
チーズを一度焼いてパリパリにしたものを挟んだものはおいしかった。
不思議鞄に植物は生きたまま入れられるかという実験は、
残念ながら、薬草たちはだめだった。
そのままの状態で保存はできるが、外に出すと、枯れる。
つかり、袋にいれたあとは死んでしまうのだ。
空気を一緒に入れたり、水に浸してみたり、おもいつくことをやってみたけどダメだった。
草だからか?
1年に1度降る雨。その雨の日の4回前から乾季らしい。
このとき、木々は眠りに入る。そのときに、鞄に入れることができれば、
出すまで眠り続けるのではないだろうか?
乾季が来るのはあと2回の合わずの月が過ぎてから。
乾燥しきってから引き取りに来ることにした。
そして、海峡石。
青は水
赤は火
透明は風というか空気
あとあるのは緑・黄色、この前来てくれた紫。
形は八面体が多いが丸いものもある。色の濃淡もある。
街で売買されているのは小さい色の薄いものだけらしい。
台所やお風呂に使っている、色の濃い大きいものは、
早い話、国宝級とのこと。
うむ、大金持ち。
が、売ることはできない。捕まる。
街に行ったときに、お金に換えるのは、この薄い小さなものにするとして、
この緑と黄と紫は?
「緑だからこう、草原がでてくるとか?植物に影響を与えるとか?」
「・・・そんな色の石がいいのか?指輪の?」
「んー?この緑じゃないな、もっとこう、青っぽいような緑のような?」
「普段は青で光の角度で緑になる石があるらしい。それはどうだろうか?」
「!!それ!それがいい!そういう石あるのね?」
「ああ、話に聞いただけだが、それを探しながら世界を回るのもたのしいだろう。」
「うわ♪いいねそれ。マティスに送る赤い石もいっしょに探そうね。」
「ああ。」
「で、話戻って、この黄色。・・・。・・・。・・・・。」
「?」
「水でも、火でも、風でもないです。」
「火だと危ないだろ!」
「あ、違うのはわかるから、なんとなく。念のためね。」
「緑と紫もか?」
「うん、黄色はね、光っぽいのよね。
この世界のさ、月の光は反射してるんだか、自ら光ってんだかわからないんだけど、
沈んだ後のあの明るさは何の光?」
「?言っていることがわからない。なんのってなんだ?」
「んー、そうなるか。星は?」
「ほしとは?」
「月以外にそらで光ってるのってない?月が出ない日のそらって何がある?」
「ああ、無数の小さな光が輝いている。あれはきれいなんだ。
その日はみな家に籠るが、外に出れば小さな光が見える。
月の影響もないから砂漠も静かだ。よく、その日は一人で砂漠を見上げていた。
タロスも雨の日は街に行かないが離れはじめから会わずまでは毎日街に行ってたからな。」
「おお、家の前で待ってるって奴ね。」
「ああ、一晩に何軒も廻るそうだ。」
「で、雨の日は行かずか。あ、それは置いておいて、その光を星って呼んでるの。
そうか、星は有るんだね。わたしもみたいな。」
「え?その日は家に籠るんだぞ?」
「ずっとじゃないでしょ?」
「ずっとだ。」
「・・・そうなんだ。その日は1日何時間ぐらいになあるの?」
「あの時計でいう1時間が・・・40時間?」
「うそん、1日半以上、こもりっぱなしのしまくり?」
「飯は食うぞ?」
「食べなきゃ死ぬよ!そういうものなのね、わかった。でも、少しだけ空が見たい。」
「そばにいるならいいさ。外でもいい。」
「・・・話を戻すよ。」
「ふふ、楽しみだ。」
「もう!・・・でだ、えーと、星の話じゃなくて、月がでてないときのあの光は、
前にも話したっけ?元の世界は太陽っていう月の親玉みたいなのが昇って沈んでたの。
月と同じように見えてたんだけど、こっちでは見えない。
でも、暖かい光は有る。影もできる。元の世界の月はその太陽の光を反射して輝いてるの。」
「???」
「わたしもくわしくは説明できない。その太陽の光、月が沈んだあとの光が植物には必要ってことは
同じよね。」
「そうだ、光が必要だ。それと水も。だから乾季はほとんどの草花は枯れ、樹木は仮死状態だ。」
「ここに持ってきた薬草は砂漠石の水が効いてるのか育ってる。
けど、光があればさらにいいかもしれない。砂漠石の光ではなくてね。」
「ん?」
「で、やっと本題。
この黄色いものは光、月の光ではないものを出すんじゃないかなって。」
「おお!!」
マティスが拍手をしてくれた。わたしがマティスの槍の演武を見て感動したときにやったら、
すごいという代わりに拍手をするようになった。
「といことで、光らせます。でも、むっしゃ強い光線だと失明するから、
はい、このサングラスをどーぞ。」
「さんぐらす?」
「そう、砂漠石大先生と、この素材、金銀銅、鉄。あとはわからない物質。
色付きますか?とお願いすれば、これだけの色ガラスができました。」
赤、橙、黄、緑、青、紫、赤紫、黒、茶、乳白
20cm角ぐらいの板ガラスを並べていく。
「おお!!」
またしても拍手が。
「でも、この大きさが限界。これ以上大きくなると、色がつかない。
混ぜる鉱石も十分あるんだけど、ダメみたい。
色ガラスを使ったときこの大きさだったのよ、それが影響してるみたい。
で、茶色のガラスと銅でサングラス。
これを通してみると直撃は免れる。はず。」
「これを通してみて光が出てるかどうかはわかるのか?」
「んー、直撃しなければ大丈夫よ。」
「・・・常にそういう感じなんだな。」
「そうです。行くよ! 光れ!」
片手にサングラスもどき、片手をめいいっぱいのばして、
ただ、光れという。声色も変えない、力も入れない。
青い海峡石から水をだすようなそんな軽い感じ。
ふわーっと光がでる。月の光でもない、石の光でもない、
そう、昼白色!それ!
砂漠石の光は電球色っぽかったけど、これは自然な光。
「明るいな。」
まじかで見るとまぶしいが、天井にあれば自然の光。
黄色は太陽光、と思うことにする。
さっそく、天井に付けてる砂漠石を回収。
黄色の海峡石を取付て言った。
一つで、十分な明るさを出してくれる。
薬草の部屋のも。これで、もっと元気になれば万々歳だ。
あとは、緑と紫。
「緑は、今は使えない気がする。その時になったらわかるっぽいな。
なので、保留。
紫は・・・」
青は水、赤は火。
その2つの色を混ぜて紫。ではお湯?
違う、火はエネルギーの変換だ。赤から火を連想したから
コンロに使っているだけ。
青も水を想像したからだ。
空気中のものを変換してるに過ぎない。
ただ、ここではない場所からだ。
あれだけの水量をこの地下の空気で賄っていては干乾びる。
質量保存の法則は生きている。
砂漠石と違って特定のものに特化しているのは事実だ。
だから使うときに決めてしまえばいい。
途方もない明後日の方向に行かなければ最初に決めたことが普通になる。
黄色は光関連だ間違いはなかった。
そこに行きつくまでの想像力がやはり物を言うのだと思う。
ながながと光の説明をしたのもそうなればいいとおもったからだ。
そう、説明した。
「そうなのか?」
「うん。方向性があってるから行けたんだと思うよ。
黄色をもって、うんうんしても、水も火も風もでなかったでしょ?」
「そうか。」
「あ、ちなみに、空を飛ぶ練習の時に説明した話は、嘘だからね。」
「え?そうなのか?でも、飛べるし、浮く。ほら。」
マティスがふよふよ浮いてる。かわいい。
「いいのよ、そんなものかーっておもって身に付ければ。
でも、あのとき説明した時の話を、物理のわかる人にしたら恥かくからね?」
「あの時の話は難しくてよくわからなかった。でも、練習すればできるものなんだと思った。」
「それが目的だからいいのよ。飛べるよーってゆっても、なんで?ってなるからね。」
「これからも愛しい人の話は理解できなくても受け入れよう。」
「それもダメよ。そういう時は聞いて?全部が全部うのみはダメよ。」
「そうか、そうだな。」
「で、この紫。水系ってのはわかるのよ。水が出る。
じゃ、どんな水?っていう話。」
「ここで、こうだと決めればそうなると?」
「おそらく。」
「お湯はいらない。青で十分。湿度?雨?そうなると赤の要素がない。」
「・・・決めてもいいか?」
「ん?なんかある?いいよ。これはマティスが決めて。当たればそれが普通になる。」
マティスに紫の海峡石を渡した。
グラスをバーテンダーが取り出すように作り、
こちらをみてあの悪い顔をする。
どうするんだろう?まさか精力剤をだすとか?
「うまい酒だ。」
トクトクと琥珀色の液体がグラスに注がれた。
「うわー、バッカスの石か。」
「ばっかす?」
「お酒の神様だよ。すごい、マティス天才!」
惜しみない拍手をおくる。
「精力剤だったらどうしようかと思った。」
「そんなものなくても、いつでも大丈夫だ!」
「え?あれから一緒に寝るだけだから、あれかなーって。」
「ちがう!起きたとき腰が痛いのはつらいだろう?だから。」
「あ、そうか、、、あれは運動不足だからよ。
3日ほどしか運動してないけど、最初より息は上がらなくなったよ?」
「・・・そうか、では今夜はそれを確かめよう。」
「あ、そうなの、、、そうですか。えーっと、で、お酒の味は?」
「ふふ。」
出したお酒を香りを確かめつつ一口飲む。
どこのソムリエだ?
「どう?」
「・・・うまい。が、飲んだことのある味だ。」
「新たなお酒ではなくて記憶にある味ってこと?」
「そうだ、家を出る前の日、父が母の話をしながら一緒に飲んだものだと思う。」
「一口、頂戴?」
「ああ。」
グラスを受け取り一口飲む。
強い。一口でドクンドクンする。洋酒は苦手だが
うまいというのはわかる。
マティスはもう一つグラスを出し、見覚えのある色の酒をだした。
「うむ、思っている酒がでるな。ゼムにもらった酒だ。」
またグラスを寄こす。
飲めば毎日飲んでいたお酒の味だ。昨日で終了したのだが。
「すごい、おんなじ味!!」
「これで酒問題は解決だ。街に行ったら片っ端からうまい酒を飲みまくろう。
そうすればいつでも飲めるぞ!」
「すごい!マティス天才!!」
では、わたしの記憶にあるうまい酒は?
「わたしもだしてみていい?元の世界の。」
「でるだろうか?」
「たぶんね。働き始めたときの最初の社員旅行で飲んだ日本酒がね、
記憶にある中で一番おいしかったとおもう。
そのあとへべれけになって、大変だったけどね。」
「にほんしゅ?へべれけ?酔っぱらったってことか?」
「そう、ごみ箱抱えて、大変だったんだ、廻りが。」
「・・・そうか。」
「そのお酒、そういう記憶があるから、あれはおいしいお酒で飲みすぎたんだって記憶がずっとあるの。」
グラスではなく小さなぐい飲み2つと、とっくりを作る。
1つに注ぎ、先に呑んでみる。ああ、そうだ、この味だ。うまい。魚介類が食べたい。
マティスにも持たせ、お酒を注ぐ。
「さ、召し上がれ。」
「・・・ああ、これは、初めて飲む酒だ。強い酒だとおもうが、もっと飲みたくなるな。」
「でしょう?でもすきっ腹にはあとで大変よ。
さ、ご飯を作ろう。手伝うよ。そうだ、ビールだ、ビール飲みたい。」
「びいる?酒だな?どんな?」
「風呂上がりにこれが飲みたくて、だけど、作れないから炭酸水をつくったのよ。
シュワシュワしてる麦のお酒。」
「エールか?あれはうまくないぞ?シュワシュワもしていない。」
「ここのはそうなの?大丈夫、おいしいって!さ、ご飯ご飯。何にしようか?」
風呂上がりの楽しみもでき、
明日の夜に外に出る。多めに肉を使っても問題ない。
ビールに合う肉ということで、あらゆる部位のトカゲの焼肉となった。
うまい。
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