いわゆる異世界転移

67:経口補水液

マティスだ。
そうおもった瞬間に、馬乗りになってきた。
何か言ってるが、頭と背中を強打。
空腹栄養不足。

フーっと血の気が引いた。



頭が痛い。吐き気もする。
水だ、塩分、経口補水液。
脱水症状か？そういえば水分はいつ取った？
からだが丈夫なのが自慢なのに。情けない。


目を開けるとまたマティスがいた。
何も言わずにこちらを見てる。なんか腹が立つ。
家に入ってきたのか？
わたし以外は入れないように扉君にお願いしたのに。
わたしといっしょだったから？
そもそもなんで扉君の前にいたんだ。
布団を干してそのまま樹液集めに行ったからか。
今度から自動で消えるようにお願いしよう。
あ、吐く。


起き上がり、支えようとした腕を払いのけ、
ベットサイドの石を一つ取り、部屋のトイレに入る。
げーげー吐きながら、砂漠石でミネラル入りの水を作り、
吐いては飲んで、吐いては飲んだ。トイレもする。
茶色い。疲れが出てるのか？

マティスが扉を叩きながら何か言ってる。
わたしもマティスの言葉が分からない。
拒絶してるんだ。泣きそうだった。

いつまでも籠ってるわけにもいかず、
外に出る。顔色の悪いマティス。
話したくない。
何か言ってる。聞きたくない。
あ、聞こえない。

マティスの声だけ？あーあーと声を出す。
ははは、声も出ない。話したくないから。
笑ってしまう。

マティスが肩をつかんで揺する。
痛い。
なんか、疲れた、お布団で寝たい。
あ、お布団。

マティスを振り払い、慌てて外に出た。
飛び上がり、よこに大きく広がってる枝に干した、
布団を回収した。ちょっと湿ってる？
マティスが横にいる。
飛ぶことも浮くことも完全に物にしている。
また何か言ってる。
首を振ってわからないと伝える。
とにかく、布団を家に入れさせて。
まためまいがするから。


布団を持とうとするがこれも無視してい扉をくぐる。
あ、ここで扉を閉めたらマティスは入ってこれない。
振り返るとわたしのシャツの裾を握っていた。
あ、また、血の気が引いていく。

布団ごと倒れ込んだ。
このまま寝てしまおう。
布団で寝れば夢から覚める。
そして仕事先から電話で起こされるんだ。



---おはようございます。今起きました。