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75:お披露目
しおりを挟む「オハヨウ、愛しい人。」
「・・・うーん、・・・今何時?」
「ナンジ?時計か?・・・8時だ。」
「うそ!!遅刻!!
・・・ちがう・・会社やめてる、しかも、ここは違う世界。
うーん、おはようございます。愛しの人・・・
ごめん、無しで、マティス、おはようございます。」
「愛しの人でも、いいぞ?」
「いや、ちょっとゆっただけ。うん、起きよう。」
あのあと、2人して眠ってしまったが、
INのまま眠るなぞ不可能。
笑いながらダッシュでお風呂に向かった。
からだのどこかは触れ合いながら、
小さなころの弟さんとの話、もらったお祝いの話、
日持ちはしないと念を押されたらしいが、
乳と卵も大量にある。
大食い嫁認識にさらに拍車がかかったようだ。
いいよ、実際に勤めに出ていた時のランチのごはんは
聞かれずとも大盛だったし、逆に”少な目”といえば、
心配されもした。
ここはまだ領内だから、どこかに出ないといけないこと、
海に行こか?山に行こうか?砂漠でなくてもいいって。
タロスの木は乾季までお留守番、
扉君の空間ねじれのこと、
砂漠に瞬間移動したことなどを話した。
「そのねじれを不思議空間に応用したということは
そうだな、そうなのだろうと思える。
では、いきなり外に出れたのは?」
「うーん、あの時は、逃げなきゃって、おい、そんな目で見るな、
拗ねるな、拗ねるるな。
あの時はだ、ね?で、逃げなきゃって、いや、違うな、
逃げろって思ったのよ、命令形ね。
思うに、物をさ、呼ぶときに、こっちに来てほしいって思うでしょ?
それと同じ。自分を上から見る感じで、
呼び寄せる。どうしてあの砂漠だったかはわからないけどね。
定番的に自分の行ったことのある場所限定か?」
「いったことのある場所限定?」
「そうそう、それともあの距離が限界か・・・
うん、のぼせる、限界だ。出よう。」
亜空間における不思議空間が存在するのなら、
ワープ航法もありだわな。
マティスはうんうん唸っている。
考えるな!感じるんだ!と励ましておいた。
お布団は、さっぱり”きれい"にして、腕枕をしたそうにしていたが
枕神様があるので断った。
三大欲求のうち2つは満たされたのだ。
あとは睡眠欲のみ、おやすみなさい。
そして朝?うん。8時は朝だ。
「月は?」
「ちょうど沈んだところだ。」
「おお!朝だね。」
「朝ごはんか?」
「いや、夕べいっぱい食べたから、コーヒーだけで。」
「そうだな。では、入れて来よう。
荷物の整理もしたいしな。コーヒーと軽くつまむものを用意して
運動場はそのまま?だったらそこに行こう。
荷を広げたい。」
コーヒーと昨日の残りをもって運動場で
荷物のお披露目をしてもらうことになった。
馬のない幌馬車1台とマティスが先々で買って、
こっそり鞄に入れていたさまざまなもの。
「そうそう、炭水化物不足だったのよ。
お米はいっぱいあるの?小麦は?」
「ああ、たくさんあるぞ。幌馬車にいっぱいだ。」
「駱駝馬は帰れたのかな?ハゲチャビンも?」
「ん?そんな名前だったかな?帰れたと思うぞ。駱駝馬は賢いからな。」
「そうかー、落ち着いたら生き物を飼うのもいいかもね。
鶏とか、乳が出るもの、メーウーだっけ?」
「メーウーはさみしがり屋だから大量にいないとだめなんだ。
数匹ではすぐに痩せてしまう。乳も毛も取れない。」
「おお、そうなんだ。乳・・・牛乳はどれくらいあるの?」
「樽が1つだ。卵は20ほど。砂糖と香辛料は心配しなくてもいい。
あと、野菜類、布、綿はどうにかなるかと思って
麻と絹をたくさん、ああ、ブラシの材料もある。」
つぎつぎ出てくる、食材と布、染料もあった。
「これは、ゼムのおかみさんがお前にとくれたものだ。」
「おお、レース編みの袋だ。可愛いね。開けていい?」
「もちろん、中はなにか私もしらないんだ。」
開けるときれいなガラスのビンと布が入っていた。
ガラスって貴重らしいのにいいのかな?
ガラス瓶の中は液体が入っていた。
手に取るととろりとした感触、無臭?
「なんだろこれ?化粧水?乳液?」
「・・・・オイルだ。」
「オイル?・・・ああ!オイルね、あの!
なるほど。花嫁さんの贈り物なんだ。
じゃ、これは?」
拡げると、これらが入っていた袋より繊細なレース布だった。
「それはなんだろう?何に使うんだ?」
花嫁に送るレース?花嫁衣裳?違うな?
「・・・ああ、わかった、わかった。なるほど。」
おそらく夜の下着用だ。愛されなさいってことか。
なるほど。
「わかったのか?なんだ?」
「うん、これは女性用だね。うん。できたら教えるよ。」
「そうか?それと、これは本屋がくれた異国の風習がのった本だ。
海なら北に行けばいい。魚がうまいらしいぞ。
さらっと見た感じではそれぞれの国の食文化が載っていた。」
「おお、いいね。それはゆっくり熟読しよう。これは?」
ミンサーをくるんでいた紙と同じ包みがあったので
指さすと、雑貨屋の店主が祝いといってくれたものだそうだ。
「おお、飴屋のおや、ご主人ね。センスがいいから楽しみだ。
開けるよ?」
「いいのか?センスが?」
「そうだよ、あ?なんだろう?あ!!爪切りだ!すごい!
作れなかったのよ、これ!
こっちは、おお!耳かき!!すごい!角度がいいな!!」
作るのをあきらめた爪切りと、作ろうと思っていた耳かき。
すごいな、欲しいものが分かってらっしゃる。
「?そんなにいいものなのか?」
「そうだよ?耳掃除、これでできるよ?」
「掃除?ガムを噛むんだぞ?その棒でどうするんだ?」
「あれ?しないの?じゃこれはなんであるの?」
「それも、仕入れたはいいが何に使うかわからんといっていたものばかりだ」
「どこから仕入れたのかな?」
「肉挽き機とおなじ国だ。」
「おお、工業が発展してるんだったね、その国にもいってみようね。
?ってことは耳掃除はしたことないの?」
「?だからガムを噛む。街でも砂漠人ほど噛まないが、たまに噛む。」
「そうなのか、うん、、、じゃ、ちょっと、ここに、膝枕してあげるからここに。」
少しやわらかめの床に正座はしんどいので胡坐をかく。そして、太ももを叩いた。
太ももの頭をのせてもしかったのに組んだあしの間にすっぽり頭をのせる。
いや、いいけど。
「それでいいから横向いて?そう?ゆったり、まったりしててね?
あ、やらしいこと禁止ね、あぶないから。」
なんの疑問も持たず、尻をなでるな。
「危ない?何をするんだ?」
「ん?だから耳掃除、はい、しずかにね?」
こしょこしょと外から静かに触れるだけのように、感触を馴れさせていく。
「ふあ、あ、その棒を突っ込むのか?あ、あ。」
こしょばがりの敏感マティスはぴくついている。かわいいな。
「そう、じっとね、しててね、動くとだめよ?」
なんか、奥に見える!綿棒も後で作ろう、綿はたくさんある。
カリカリ
「あ、がりって感じ。痛くはないよね?」
「うん、気持ちいい。」
また、幼くなっている。
もう少し、胸で抑え込む。なるほど、耳かきサービスって
ほんとサービスだな。
変なとことで感心しつつ、ちょっと、力を入れて、ガリリととる。
「うわ!!大物!!ほら見て!!」
乾燥耳だけど、大物が取れた。
耳掃除はするのもしてあげるのも大好きです。
首をひねり手に落とした耳垢を見るマティス。
「え?これ?耳のなかに?」
「そう!あんまりするのはよくないっていうけど、たまにするのはいいと思うんだ。
うんじゃ、次反対。」
気持ちよかったのか、すぐに反対の耳も向けてきた。
こちらは大物なしだったかそれでも、細かいのはある。
小さな紙を呼び寄せて、拭き取りながら、こしょこしょ続けた。
最後にふーっと息を掛けた終わり。
「どう?」
「・・・こっちもふーって」
「ふふ、はいはい・・・ふーー。」
満足そうだ。
「ね?いいものもらったね。」
「ああ、素晴らしい。あ、交代しようか?」
「あ、これっはだいじょうぶ、自分する。
マティスはしてほしかったらいって?いつでもするよ?」
するのはいいが、してもらうのは怖い。
自分でさっさと掃除。うん、気持ちいい。
ちょっと残念そうだが、いつでもしてもらえるとわかったご満悦だ。
そんな荷物のお披露目をすまし、食料は食糧庫
布類は綿部屋、マティスの部屋は新たに作業部屋の横に、
わたしの部屋は2人の寝室となった。
お昼はお弁当にしてもらって、黒い実の樹液と
ゴムであろう樹液の回収に行くことにした。
やっとパターンIのスローライフが始まる。
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