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97:第一探索隊
しおりを挟むゴムの樹液に、黒い実、黒い実の木の樹液、
サボテンの若葉と実、逆さ木の蔓と実、虫よけの草、匂い消しの草、
未検証の赤い実、黄色い実などなど。
当分戻ってこない予定だから、とれるだけ取った。
雨の日の次の日、茸祭りまで戻らない予定だからだ。
もっとも、移転でいつでもここに来れるが。
「樹液がすごい速さでたまっていくね。せかしているようで申し訳ない。」
「モグラもどきも数匹捕まえた。トカゲは眠っている場所はわかっているので取ってくる。」
「ん、わかった。さきにここで、バーベキューをしよう。
満天の星空の下のバーべーキュー。いいね。お肉とか、いろいろ焼いてたべるの。
家でやると煙がすごいから、ここでしよう。準備しとくよ。」
マティスが移転でトカゲの眠る場所まで行った。
台を組み、鉄で網を作り、海峡石で火口を作る。置くだけだけど。
準備は終わり。
待っている間に月無し石を取り出し眺めていた。
あの大きなのから、この小さいのが離れていったとする。
どうやって?動くの?なにが目的で?
石じゃなくて実は生物?え?虫系?
今は45個のおはじ状態。
砂にぶちまける。
「くっついていいよ?」
うにうにと1つになった。
「ばらけられる?」
45個に。
「どっちの状態のほうが君たちにとっていいの?」
バラバラのままだ。
「じゃあ、親元を離れて、探検しに行く途中だったとか?
ここはサボテンの森ってよんでるけど、ここに残りたい子はいる?」
3つほど光った。
「ん?残るの?なにかあったら連絡できる?みんで光の点滅で知らせるとか?」
光が、うおんうおんと点滅した。
「2回点滅したら、サボテンの森の君たちのところに来ればいい?」
うおんと皆で光る。
「わかったよ。3つってのがいい数だね。
一人じゃさみしいし、2人じゃ喧嘩する、3人がちょどいいと国語の教科書に載っていた
物語にあったよ。じゃ、第一探索隊諸君!頑張ってくれたまえ!!」
3つだけうおんと光って砂の中に沈んでいった。
「ははは、そうか、探検の途中でわたしたちは移動手段に選ばれたわけだね。
残りたい場所があったら教えて?ちなみに次は砂漠の端、森の端、タロスの木があるところだよ?
そこから街に行く。食料調達して、草原にいって海に行くの。どう?」
うおん、うおん、とランダムににぎやかに光った。
喜んでいるのか、だれがどこに残るのか話し合っているのかもしれない。
ま、想像だけどね。
「なにかおもしろいことでもあったのか?」
マティスが戻ってきた。手ぶらだが、きっと取れるだけ取ってきたのだろう。
「うん、わたしたちね、どうやら、月無し石のタクシー代わりにされてるみたいよ?」
「たくしい?」
石のやり取りを簡単に説明した。
「不思議だな。石が、物が、話をしたり、考えたりできるとは思わなかった。」
「考えたり話したりできるのがなんで人だけだとおもうの?
いろんなものにそれぞれの考えでつとめを果たしてるんだよ。
協力できるところは協力して、ダメなのはダメと。
今回はのあの小型たちはなんかダメな部類だったけどね。」
「そうだな。」
「けど、ま、おいしいお酒も手に入ったし。トカゲはそっちでさばいて?
野菜類はこっちで切るね。」
焼肉パーティーである。
「・・・合わないね。」
「・・・そうだな。」
「キンキンに冷えたビールか、白ワインかな?」
「そうだな!」
妖精のお酒、がっつり焼肉パーティーには合わなかった。
おそらくすごくおいしいんだけど、お肉のおいしい匂いの横では
なにかが違う。
「とにかく食べよう!」
妖精の酒は置いておいて、おいしく2匹分食べました。
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