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98:移動の準備
しおりを挟む食べて、飲んで、お風呂にはいって。いちゃいちゃして。
ここでも妖精の酒は合わなかった。冷やしてもだ。
ぼちぼち明るくなる。
真っ暗な空に輝く星たちがうすくなってきた。
やはり星は動かない。
24時間の星空は終わり、
太陽は昇らないのに明るくなってきた。
砂漠石に戻せるものは戻して、
お風呂の水は、森の回りに散ってもらった。
ただいま、と扉君に声を掛け、
タロスのテーブルで、もう一度、酒と種の検証だ。
「なんだろうね、おいしいことはおいしいんだけど、
今飲むものではないっていうのが分かるね。」
「そうだな。いろいろの状況で飲んでみようか?」
「寝る前とか?朝起きたときとか?あ、空腹時とか?」
「・・・抱き合う、前と後。」
「はいはい。じゃ、種食べる?」
「・・・食べる。」
「これのもっとおいしい食べ方も研究しないとね。
綿と皮は剥いて、そのままか、焼くか、お酒に入れるか、
炭酸に入れてみる?あ、妖精の酒の炭酸割とか?」
「それを。」
「はい、喜んで!!」
「・・・なんなんだ?それは?」
「気にするない。はい、お待ち、妖精の酒の炭酸割コットンシード添え一丁!!」
「・・・膨らんでないか?」
「え?」
ガラスのコップ風に作った砂漠石の中でどんどん膨らんでいる。
空気鉄砲事件から後、コップにはある程度衝撃に耐えるようにお願いしてある。
どの程度かというと、防弾チョッキになりえる衝撃の強さだ。
記憶にある綿花の種よりも大きく、お正月に食べる黒豆ほどの大きさだったのが、
炭酸を吸って大きくなり、さらに大きく膨らんでいくのを
押さえるように口は完全に閉じてしまっている。
透明な球体のなかに、象牙色の球体が納まっている。
テニスボールぐらいの大きさになった。
「なんか、きれいだね。飾っとく?」
「酒で膨らんだのか?炭酸で膨らんだのか?」
「おお!実験だよ!!」
結果、3:7で酒&炭酸。
最初に作ったものが一番大きくなった割合でした。
酒だけでもダメ、炭酸だけでもダメ。
2つを合わせた割合が、3:7だけが膨らんだ。
実験で使ったお酒も、種も、食べてもう、おなか一杯。
透明な球体は2つ。
1つはそのままに、1つは冷蔵庫に。
「おいしく食べれられるといいね。」
「やっぱり食べるんだな。」
「そりゃ、そうでしょ?どんな感じかな?食べれなかったら残念だね。」
「だめなら、すぐになにかつくるさ。」
「ほんと?今は何時?・・4月の2日。10時に夜が終わって、今は12時。お昼だね。
街にはいつ行く?」
「月が昇る少し前に街に入ろう。かれんだあの3の日の3時に月が昇るから
その3時間前ぐらいに出ようか?」
「ん、じゃ、あと12時間ぐらいで出発ね。
お土産にラスクを作ろう。あと、お祝いもらった人にはお礼になにか渡したいな。
雑貨屋さんにはチーズインハンバーグがあるからいいとして、
本屋さんには鉛筆と消しゴムでもいいかな?材料を見たらすぐにできるとおもうし、
もっといいものができると思うよ。
石鹸屋さんにはガラスで組んだキャンドル入れを、ゼムの奥さんにはゴムの良さが分かるものを。」
「はんばあぐはいいが、えんぴつやごむはまずいな。ガラスも。そこに行きついた技術の説明ができない。」
「そうか、もう少しすれば誰かが気づく内容なんだけどね。弟君に教える?」
「・・・それは少し考えさせてくれ。とにかく、ゼムのところに行こう。
ハゲチャビンがどうなったかも知りたいしな。」
「うん、タロスの木にもあいさつしなきゃね。
あー、乾季まで待たずに、植物を持っていく方法ないかな?
台所の横の植物たちも持って行きたいしね。黒い実の木も。なにか閃いたらいいんだけどね。」
「空間ごと入れても、入れた瞬間に時が止まるんだな?で、出しても復活しないと。」
「うん、ダメだった。」
「あの膜で覆ってから入れたら?扉君の説明でした空間をひねるとかなんとかの方法で。」
「ん?お?んーーーー、、、亜空間にさらされないで、膜で保護して、その周りは現実空間で
その外が亜空間?んーーーー?いけるか?先に悪いんだけど、あの薬草で実験してもいい?」
「かまわんよ。ダメならそれを料理に使うし、タロスの木は乾季まで待ってもらえばいい。」
「うん、じゃちょっと準備するね。で、とりあえず、こまごましたもの作っていこう。」
「ああ、そうしよう。」
ちょっと忙しく移動の準備を始めた。
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