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149:餅は餅屋
しおりを挟むまったりと湯舟につかりながら、今日食べたものおさらいだ。
カニもおいしかったがウニも絶品だった。
ウニとおもったのは色と味がそれだったから。
外形と大きさは違うのだろう。いまは聞くまい。
マティスがわたしをうしろから抱きかかえ
また首筋に鼻をうずめている。
「んー?まだカニのにおいする?」
「いや、お前の匂いがする。
お前ほど魚の生臭い匂いは気にならないが、この匂いが嗅げないのはダメだ。」
「なれるんだろうね。部屋に入ってきて2人がさ、一度出て、また戻ったでしょ?
あれ、廊下に出て、いつもの匂いを嗅いで、この部屋ではしなかったって気付いたからだよ。
だから、鼻がおかしいとかそうじゃないのね、きっと。匂いってなれるから。」
「ああ、私もこの匂いに慣れてしまった。ないとだめだ。」
「もう!」
「もう合わさりの月なんだね。はやいね。」
お風呂でくたくたになる手前までいちゃついて、
いまはお茶摘み。月の光の下ではないがしかたがない。
と、いっても、ほんの少しだけしかないので、蒸して、いま揉みながら乾燥させている。
お茶のよい香りはする。
うる覚えの記憶で、確か揉んでいたなと、熱いのですこし風を送りながら。
かなりいい加減だが、見た目は緑茶葉だ。
作った急須と湯のみで飲んでみる。
「はぁー、おいしい。」
「いいな、これは」
「ねー。」
2回分くらいしか取れなかったので、1番茶分は置いておく。これを2番、3番、4番と味比べだ。
とりあえず、朝のコーヒーの代わりに緑茶を飲むことにした。
時間がないので、寝ることもせずにそのまま、砂漠トカゲの染にはいる。
マティスにはデザイン画を作ってもらう。
「セサミンは紫かな?」
「ああ、きれいだな。あいつの瞳は薄い紫だ、映えるだろう。」
「で、あの2人は赤ね。」
「なぜ?」
『彼らはわたくしの配下なのですよ?』
「なるほど。あのぼでぃすうつを着てやるとルグあたりがひれ伏しそうだな。」
「あ!思った!ルグってそういうの弱そうだね?」
「だが、するなよ?あれは私専用だ。」
「しないしない!あんな恥ずかしいの!」
「しかし、よろこんでさまざま型を披露してくれたではないか。あれはよかった。また見せておくれ。」
「・・・はい、また今度ね。」
「ふふふ、顔が赤いぞ?」
あとはカピカピになったウサギ、あえて言うウサギの毛を復活させた。
ぬるま湯という、体温に近い温度で振り洗いをすればいいようだ。
後は同じように、オイルでトカゲの裏で仕上げた。
「ニバーセルは毛皮を着るほど寒くなる?」
「そこまではいかないな。首元に毛糸をまくぐらいだ。」
「そうか、じゃ、襟巻にしようかな。」
「そんなにたくさん作るのか?」
「んー、もうね、トックスさんに頼もうかなと。トカゲの皮とマティスが描いた絵と渡して。
で、襟巻と、毛皮の縫い付けも。あ、今着る上着の2人の襟ぐりは緑ね。おそろい。」
「では、毛皮は足らないだろう?」
「うん、これはこっちで作ってしまおう。で、あとはトックスさんに丸投げ。
それができたらアスクだっけ?港町にいって海鮮を仕入れてようかなと。」
「ああ、それがいいな。では、急いで豚の解体をしてしまおう。」
狩った豚をとりあえず血抜きをして、皮をはぐ。
そこからは一枚一枚水洗いをするつもりだったが、
「それが出来上がりなら、そうなってもらえば?」
と、手抜き方法をささやかれたので、そう、お願いした。
わたしが試行錯誤した2つは、付け替え用の襟ぐりにしてもらおう。
月が沈むころにはすべての準備も済み、トックスさんの店先に移動した。
毛皮は鬼のように背負子に積んでいる。
ちょうど、出てきたトックスさんが、わたしたちをみて驚いている。
「おわ!あんたたちか!早いな!どうした?
ああ、あんたたち、その上着のことを宣伝してくれたんだろ?あのあと、何人か買いに来てくれた。
本番の上着はさすがにまだ早かったようだ。で?どうした?」
「ああ、タロスの話をしただろ?私たちの服にもお願いしたくて
トカゲの皮を持ってきたんだ。ここで、買った5着にこの色合いで、
このように縫い付けてほしい。それと、本番の上着に魚の毛でなく、
この毛皮を付けてほしいんだ。頼めるか?」
だったら店に入ってくれ、と案内され
あとは頼むと、彼女は昨日見ることができなかった服を見に行った。
まずはトカゲの皮を見せる。
「へー、うまく染めてるじゃないか、それを?ああ、これはわかりやすい。
へー、いいな。」
「素人が書いたものだ、色だけ守ってもらえればあとはいいようにしてくれればいい。」
「いや、このままで十分だよ、ま、ちょっとだけいじらせてもらうか。で、どの毛皮にするんだ?」
「これだ、足りるだろうか?」
「!!俺も長年毛皮を扱ってるが、、恥を忍んで聞くが、これはなんの?」
「豚だ。」
「あははは!嘘はいいよ、豚じゃないことは見たらわかる。触ればもっとだ。
こんなに艶は出ない。色と水分を含んだ後の長さはそうだが、豚ではない。
俺だって、昔研究したんだ、豚のあの長い毛が使えないかってな。
血を含ませず、這いで、乾燥させて。でも、それだけだ。
縮れて、みすぼらしい毛になっただけだ。ブラシも通らない。これは豚じゃない。」
「ああ、トカゲの皮の裏で撫でるんだ、そうすれば余分な毛が抜けて、艶が出る。
あとはオイルで撫でるだったかな?」
「オイルはわかる。トカゲの皮の裏?しかし、、」
疑うようなので、これは何だと聞かれたときにだすようにといわれた、艶を出す前の毛と
加工していないトカゲの皮をだした。
トックスはそれを受け取ると、シャッシャッと梳いていく。
さすが本職だ。動きに無駄がない。
「・・・てくれ。」
「?なんて?」
「売ってくれ!」
「?いや、加工してくれとお願いしているんだ。」
「この毛皮を売ってくれ!」
「豚を狩って、血を含ませずに剥ぐことまでしたんだろう?
あとは、トカゲの皮の裏で梳くだけだ。」
「じゃ、このトカゲの皮を売ってくれ!」
「このトカゲの皮はこれしかない。これはみな装飾に使ってほしい。」
「じゃ、砂漠トカゲを狩ればいいのか?」
「砂漠の変動の話は聞いてないか?
揺れはここまで来ないか。ニバーセルのコットワッツに砂漠が砂漠にさった。
ああ、違うな、砂だけになった。砂トカゲはいなくなった。
ほかの砂漠の砂トカゲのことは知らない。」
「・・・」
「べつに、砂トカゲが一番いいというわけでもないだろ?
もっと他のもので試せばいいさ。」
「砂漠石の隠匿は?」
「いや、しない。こういうのはなんといったか?モウ!」
なにかこういうときに言う言葉があたんだが、なんだったか。
彼女を見れば、2着の上着をあてがっては悩んでいる・
「モウ?どうした?」
「んー、こっちとこっちどっちか買おうかと思うんだけど、
どっちがいいかな?」
「どちらでもいいぞ?よく似合う。」
「違うぞ?ティス君。この場合は、その答えは×だ。君の意見を聞いているのだよ?」
「?では、そちらの裾が短いほうがいいな。」
「ん?そう?んー、そうだね、んじゃ、こっちを買おうか。
ん?そのこと?」
「いや、違う。ほら、金山の話で、モチャハモチャだったか?」
「ん?あははは!餅は餅屋ね。
何事においても、それぞれの専門家にまかせるのが一番良いってことでね、
上手とは言え素人では専門家にかなわないってことだよ。それが?」
「ああ、このトカゲの皮を使って艶を出す方法を石の隠匿に掛けるの聞かれたからな、
専門家のほうがもっといいものができるということがいいたかったんだ。」
「ああ、なるほど、毛皮は毛皮屋で、意味わかる?」
「ああ、そうだ、それだ。」
「しかし!捨てるだけだった豚の毛が、ここまでなるんだ。ものすごい儲けになるんだぞ?」
「そうかな?そりゃ多少の儲けになるけどさ、毛皮があったって、それを加工して服に仕立てないと
意味ないからね。あー、でも、乱獲になって豚が絶滅してお肉が食べれなくなるのはダメか。
んー、そこらへんはどうぞ、トックスさんのお好きに。」
「!!この加工法を譲ってくれるのか?」
「だから、毛皮は毛皮屋ということで。あー、でもちょっとお願い。
豚の毛皮ではなくて、なんか別の名前で。」
「?」
「いや、気持ちの問題で。豚の毛皮って、こう、なんとなく、お肉を着てるような、ね?」
「名前を変えるのか、それは面白いな。それも、いいのかこちらで決めても?」
「どうぞ、どうぞ。」
「あんたたちの名前を付けることもできるが?」
「あ、それダメ!絶対ダメ!砂漠の民云々もダメ!」
「そ、そうか?」
「ええ、それだけはお願いします。ティス、お話は終わり?」
「ああ、肝心なところはまだだ。それで、頼めるか?
月が昇るころに取りに来たい。」
「襟ぐりの加工5着と、毛皮仕立て2着分?」
「あ、この毛皮で、取外しのきく襟ぐり2つ、これとこれ用と、こう、首周りだけに巻く毛皮?それを3着。」
「ああ、付け替えできるか、それも面白いな。それと首周りだけね。ほかには?」
「毛皮仕立ての分はなんとなくお揃いで。襟ぐり赤は完全にお揃いの大きさが違うもので。
紫はどれよりも高貴な感じで。緑はわたしたちのなの。だからお揃い。こんな感じかな。」
「それ以外は任せてもらえるんだな。」
「あ!内側に小袋をさらに付けてください。それでお願いします。ティスは?」
「ああ、それでいい。」
「じゃ、それで。あ、それと、これと、これの大きいのと。これは先にください。
ちょっと、砂漠の民の服は目立ちすぎるようなので。着て帰りたいです。」
「ああ、すこし寒そうに見えるからな。この2つは持って行っていいぞ。
宣伝にもなるしな。」
「あ、それはダメ。次から頼みにくくなる。ちゃんと商売してください。
頼んだ分も。適正価格で。」
「そうか、そうだな。では、その2着で10リングだ。」
さっそく取り掛かると言って、開けたお店を閉めて作業にかかるようだ。
「じゃ、モウ、ここから隣町に行こうか。」
「はーい。海!どんなかな?」
「向こうではどんなものなんだ?」
外に移動してから、海に向かって行った。
ガムを噛みながら。
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