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176:運営管理
しおりを挟むそこからは大変。
なにがって、200人+3人の大移動。人力で。
昨日の大食堂にえっちらおっちら運ぶ、運ぶ。
剣士以外の従者が総動員。
剣士というだけで幅を利かせていたのか、ここの人たちには
あまり好かれてはいないようだ。扱いが雑だ。
その野戦病院化された大食堂に奥方と娘たちも並ぶ。
ルグ、ドーガーも参加。
背にはチーズ製造機を担いで、一定のリズムで上下しながら運んでいる。
いいですねーと、師匠も参加。
3人だけ小刻みな縦揺れで人を運んでいる。
ああ、馬鹿なんだ。
マティスは海鮮丼の準備とフルーツタルトを作っている。
いくらがないので、ちょっとレア気味な牛じゃぶにしてもらった。
わたしはその様子を放心状態のファンロと一緒に眺めていた。
ファンロの横には資産院からの人が2人、何かを読み上げている。
粉飾決算?なんかそんなことを言われている。
コットワッツの領土も狙っていたようだ。
天候さえよければと言っていたが、そうそう安定した天候が続くこともない。
豊作、不作とあって当然なのにここ最近はずっと豊作だとして偽っていたらしい。
で、融資を獲得。でも、税は払えない。お目こぼしをしてもらうために
資産院に出入りし接待。
資産院の人間はその裏まで読めない。接待を受けるだけ受ける。見返りはしない。
で、次はメディングに。これは応えてくれる。
コットワッツを押さえればいいんじゃないか?といわれ、情報をせっせと仕入れる。
それにもお金がいる。ようは、実はこの領国、借金だらけである。
娘の資産は、あの対話時点のものなのだが、
土地だけなので1/10はコットワッツに移行できている。
リングを要求していれば0だ。
あとの運営管理は資産院がするそうだ。
銀行が乗り込んできた感じか?
だいぶ時間がかかってしまったが、仕方がない。
隣の部屋を借りそこで昼食。お昼をたべる習慣はここでもないが、あれば食べる。
6人分と資産院の2人、なぜかファンロも一緒に食べた。
ここのお米と牛だ。うまいのだろう、涙ぐんでいた。
カニ刺しを初めて食べた3人はものすごい勢いだ。
もちろん、あれだけ食べた師匠たちも。
緑茶が出てまったりした後にフルーツタルトが出た。
作ったのはマティスだが、ドーガー監修だ。おいしい!フルーツの盛り具合もいい!
久々のケーキという感がある。
当然、師匠は絶賛。資産院の2人も喜んでいた。
ここの果物で作ったといえば、ファンロがまた泣いている。
院から出ての外回りは皆が嫌がり押し付け合ったが、
来てよかったと。
いや、仕事しようぜ?
この2人は暗部残留組ではなく生粋の数字変態らしい。
師匠がこっそり教えてくれた。
なので、決闘関連も一切興味なしだ。
わたしのことをアバクスの小型版の発案者だと紹介してもいいかと聞かれたが、
丁重に断った。変に期待されても困る。
資産院2人はまだ仕事があるので当分ここに残るそうで、
そこから急いで王都に向けて出発した。
荷物はすべて収納。
セサミンたちは交代で館に帰りお風呂に入って、着替えていく。
このことは領主の力だということにしているらしい。
わたしも家に帰り、赤い塊として。マティスも黒のボディースーツに赤の上着だ。
マティスは面布、わたしは口元を隠している。
ええ、極悪人夫婦とは私たちのことです。そんな意匠。
師匠の弟子夫婦とはラルトルガで別れたことになる。
結局、タンタン暗殺者入れ替わり説も極悪人説もなくなり
何だったんだ?と思っていたら、まー出るわ出るわ。
最初の一団を一掃してから、布陣を変えた。
先頭はルグとドーガーで、その次は師匠の馬車、殿はマティス。
師匠の馬車の中に扉君を出した。
セサミンの馬車と、セサミン、わたしは家で待機。
マティスの植物園を紹介したり、トランポリンで飛んでみたり、
タオルの使い道などをいろいろ話したり、
ちょっとしたステンドグラス教室を開いて、まー早い話が遊んでいた。
作ったステンドグラスのランプシェードは奥さん達にプレゼントだと。
はいはい。
わたしもマティスとお揃いのペンダントを作った。
いい感じである。
もちろん晩御飯の用意もした。
材料を切っていくだけだが、たのしかったです。
てんぷらというより串カツになった。揚げながら食べるのだ。
肉を多めに用意すればいいだろう。
たれもそれっぽく作っておく。ごまだれも。
お吸い物と茶わん蒸しも。すは入らずうまくできたと思う。
(愛しい人、王都の城壁前だ。出ておいで。)
(はーい)
「セサミン、城壁前だって。行こう!」
「はい!」
扉を開けると、そこは部室の中のようだった。
むさい!臭い!
仕事をした証拠にと、
適当にとらえたそうだ。同じだけの数は再起不能で転がして来たみたいで、
質が落ちていると師匠が嘆く。いいことじゃないの?
馬たちにはご苦労様と、水を出し、きれいにしてあげた。
ついでに、マティスたちも。
これも自分たちにできるかと問われたが、汚れの移動はできるが、
すっきり、しゃっきりは無理だと。
ドーガーの水筒の澄まし汁はなくなったので補給。
あまり、これに頼らないようにするんだよ?とだけ言っておく。
各領主たちが集まっているのか、門前は結構混んでいる。
先頭はワイプ師匠。銀の毛並みのスーとホーが神々しい。
この艶を常に維持するように言われ、ワイプ師匠は凹んでいた。
その次は、赤いビロードにまたがったコットワッツ領主。
両脇に徒歩で護衛赤い塊が控える。
胸元にはお揃いのペンダント。マティスがすごく喜んでくれた。
その後ろが、2頭並んでのルグとドーガー。
馬車はセサミンのポッケに収納した。
銀の馬、赤毛の馬、その馬上にの最新モードの上着を着る領主とその従者。
で、赤と黒の悪役2人組。
弟よ、ねーちゃんとにーちゃんは迷惑かけてない?
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