いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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195:嫌味

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師匠は酒祭りはどうでもいいが、明日の受領のリング運び込みの
調整と管理はしないといけにないので帰っていった。

遠い距離を帰っていく。
鶏館は収納しているので移動はできない。
途中、厩に寄って、テンたちの様子を見てきたが、
先にルグたちが茶葉をあげていたのでご機嫌だった。
ここではきちんと世話もしてくれているみたいで、良かった。
スー兄の口添えもあったみたいで、すんなり受け入れられている。
また、来ると挨拶だけして、外れの館跡地までぞろぞろと戻ることになった。

誰かがいるということで、またマスクをつける。
わたしもマティスが面布を外した時点で外せばよかった。

「だれ?」
「ダードとリップルの母君だ。あと何人かが気配を消しているな。」
「おお!真打登場!
こういう場合は、お茶出すのかな?」
「茶を?なぜ?」
「え?お客様でしょ?こう、粗茶でございますがって。」
「ぶは!わざわざ、粗末な茶をだして、それを言うのですか?」
「いや、セサミン、これは故郷の習慣であって、ほんとに粗末なものを出すわけじゃなくて
謙遜していうというか、うーん、やっぱりおかしな言い方なんだ。」
「?姉さんの故郷はいろいろ不思議な習慣があるのですね。」
「いや、こっちの方がおかしいよ?」
「ふふふ、そうでしょうか?」
「そうだよ?どちらにしろ、お茶を出すテーブルも椅子もない。
 館がないからね~。」

館の土地には伐採した木がバランスよく組まれている。
一本でも倒れると皆倒れる。らせん状に組まれているのだ。

さすがに外で待っているわけにもいかずに
馬車の中でお待ちのようだ。
あのお嬢が乗ってきた馬車よりも大きく豪華だ。
4頭立てで馬自体も豪華に装飾されている。
馬は嫌そうだ。
わたしに”察してくださいよ”と言っているようだ。難儀よのぉ。

馬車から覗くダードに
マティスの後ろを歩いていたセサミンが前にでて挨拶するようだ。


「これはこれは、ダード院長ではないですか。鶏館へそうこそ。
ダード院長の計らいでこの区画はコットワッツが使えることとなりました。
ありがとございます。それで、なにか?
資産受け渡しは明日の月が昇ってからですよね?
もしかして、お持ちいただいたとか?」

「引き渡しの場所と時間に変更はない。
ここに来たのは確認に来ただけだ。
資材搬入の取り決めは許可書にある通りだからな。」
「ええ、持ちろん。門を通っての搬入は不許可と。この王都内で調達せよとのことですよね。
それは承知しておりますよ。」
「その通りだ。館が、以前よりも豪華になっているという話を聞いたから寄ったんだがな。」
「館があれば問題なのですか?門の出入りはすべて押さえておいでなのでしょう?
森の木材なり、街でなり、館を建てることに何の問題なないはずですが?」
「そうだ、街の資材、森からの資材だけならな。」
「では、ここに例え、豪華絢爛な建物があっても何の問題もありますまい。」
「そうだ。ふん、これがコットワッツ領主が言う鶏館なのか?」
「これではないですが、ま、近いものは有りますね。」
「はははは!とんだ無駄足だった。ルタネ、戻るぞ。」
「ああ、ルタネ様もいらっしゃたんですか?父上が亡くなり、わたしが領主となって、
兄弟の母君たちはみなそれぞれご実家に戻られたので、ほんにお久しぶりでございます。
お元気そうでなによりです。」
「セサミナも、それに、マティスも。久しぶりですね。」

「控えろ!セサミナ様は現コットワッツ領主、マティス様はその兄君。
貴様なぞに呼び捨てされる身分ではないわ!しかも馬車内からとは!
ダート様の妹君が次期副院長だとは聞いていたが、ここまで常識知らずとは!
ダート様が仕事もさせずにかくまっているという噂は本当なのですな!」

ルグが吠える!
えー、ここでのルグは怒りんぼキャラなのかしら?
ドーガーがひたすら空気となるように身動きしない。

「ルグ、許してやれ。ルタネ様は今は亡きリップル兄上の母君、
多少なりとも縁は合ったのだ。
一度ぐらい昔の気持ちのままで接されてもかまわないだろう?
次回合うときは資産院副院長として我ら辺境領主のために奔走してくれるのだ。
多めに見てやれ、今はな。」

うわぉ!セサミンは嫌味の宝石箱やでー。
マティスは顔を真っ赤にしている妹さんを凝視している。
いや、違うな、ドレスか?あれはちょっと下品だよ?

「そう、今はな。では、コットワッツ領主殿。失礼する。」
「ええ。あ、お忘れ物ですよ?兄上、お願いします。」

あら、お仕事なのね。
マティスは姿を消すと森にいたのだろうか、3人の男を馬車の前に投げ出した。
「な!し、知らん!出せ!」

3人をほっぽっていっちゃた。
どうするんだろう?
「資産院のものなら、ワイプに言えばいいだろう。」

とりあえず、5本の木は横によけて、鶏館を元に戻した。
御三方はそとに出しとけと言うけれど、仕事でやったことなので、
クッションを出してそこに寝かせておく。

目が覚めたら勝手に帰るだろう。
おなかはいっぱいなので、たくさんかったブドウを凍らせておくことにした。
もちろん、種と皮は移動。
このブドウはこんな感じで実がなるのか?と一般的なブドウの絵をかくと
これは土中になるものだと言われた。
だから皮が固いし、とれたてだよよ言ってるのに土がついているのか。
わたしがブドウと呼んでいるが、きっとマティスは違う言葉で言ってるのだろう。
味が近いものに翻訳されるのか?便利なようで、生物学的には不便だ。
おいしく食べれればいいか。








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