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276:ウリ
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「すまない。最近は特に反抗的だ。
改めて、村長のバルナだ。デイにようこそ、砂漠の民よ。ここで商売をするのか?」
「ああ。この豚を乳と卵、チーズと交換してほしい。それをイリアスで売りたいんだ。
仕入れになるから税も納める。豚3頭分と聞いたが?」
「そうだ。しかし、結構な量になるぞ?イリアスの一番近い村まで
赤馬で1日だ。歩けば3日かかる。氷もいるし、1日で溶ける。」
「大丈夫だ。赤馬で1日なら、砂漠の民でも1日だ。」
「そうなのか?それはすごいな。それだけの豚を抱えられるんだ、力もあるのだろう。
なら問題ないな。ここでは商売までしないが、共同でメーウーを飼っている。
豚としかも血を流していない豚と交換できるならみな喜ぶだろう。」
「あの、ここは何が名産なのでしょうか?」
「豚だ。コムは茶と馬だろ?ここは豚だ。豚の肉をあらゆるものに加工する。
ハムは名産といっていいな。帝都にもイリアスの王都にも納めている。」
「そのハムはここで買えますか?」
「もちろんだ。」
「乳酪は?」
「それもあるな。売り物ではないが。各家庭で作ってる。」
「やった!それも交換のなかに入れてもらえますか?」
「それこそ溶けるぞ?」
「大丈夫です。」
「そうか?では、27匹分の乳と卵、チーズ、乳酪と交換でいいか?」
「それでたのむ。分配は任せる。宿も紹介してもらえるか?」
「もちろんだ。守衛のトームリに案内させよう。
荷は出発の日に渡せるようにするが、さすがにこの量だ、2日は欲しいな。」
「では2日後に。」
案内してもらった宿は、こじんまりしたものだった。
お風呂もない。桶と砂漠石だ。
ここは海に近いが、海側は崖なので漁はしない。
近くの林で豚を狩り、それを加工して売る。
ハム、生ハムだった。これも大量に買うことにする。
通りには肉屋、というよりハム屋が並ぶ。ここで、仕入れてイリアスに売ったり、
コムや帝都に売る。
生ハムはここでも高級品だ。メロンかイチジクないかな?
家に戻って風呂に入るかと聞かれたが、せっかくなので、
ここで桶の風呂を体験する。宿のトイレも。
「どうした?」
「上下水道完備ってすごいことだったんだなって。」
「?」
「故郷ね、水はひねると出るし、トイレも、水を流して、汚水だけを貯めるところに送るの。
そういうのが普通にあったの。
ここは砂漠石があるから、水を出すことはお金のことは置いといてできるけど、
下水を処理するのは大変だなって。この、たまった汚物は誰かかが回収するの?」
「もちろん。」
「それはどうやって?」
「石使いだ。専門の。」
「ああそうか、石使い。
それをどうしてるんだろう?埋めるの?海に流すとか?肥料とか?」
「それぞれだな。農耕をしてるところは肥料にするし、海に近ければ海に捨てるだろう。
ここでは豚が名産となるなら、その豚が育つ林を大事にするだろう。
林にの近くに埋めるんではないか?」
「そうか。やっぱり砂漠石はすごいね。」
「それを自在に使うあなたが一番すごいんだぞ?」
「お願いしてるだけだよ?ものすごく我がままに。お社を建てて祀りたいよ。」
「信仰か?砂漠石を信仰の対象にしているところはないな。」
「そうなの?ありそうなんだけどね。あくまでも道具?
願いを叶えてくれるのにね。砂漠石様とは言わないね。
わたしならすぐそういっちゃうけどね。」
「そういわれればそうだな。?」
「ね?そういうもんだってなってるんだろうね。王都の研究院の研究内容が知りたいよ。」
「ろくなことはしていないと思うぞ?」
「あはははは!そんな感じだね。」
「それで、風呂は桶でいいんだな?いっしょに?」
「うん、やり方わかんないもん。狭い?寒い?」
「大丈夫だ。洗ってやろう。」
なんというか、狭いと恥ずかしいということがわかった。
寒くはなかたけど。
「この汚れた水は?」
「2階だから、そこに管があるだろ?そこから下に流す。」
「おお!この管は木?」
「木だな。ティータイは石を切り抜いている。
銅のところもあるぞ。」
「はー、すごいね。いきなり砂漠石先生と出会ってるから
いまさらながらそういうことに感心するね。」
「そうか?」
「うん、そうだよ。
さっぱりしたし、まだ月も昇らないから外に行こう。
おいしいご飯も食べないとね。
豚料理!ハム!楽しみだ!」
ここの人の服装は様々だ。メーウーがいるから草原の民のように
毛糸でざっくり編んだ者や、帝都のようにピッタリしたもの、
ニバーセルで一般的だと言われる服も着ている。
ただ、やはり砂漠の民の、このゆったりした服はない。
寒いので着込むから目立たないか。
宿では食事は出ないので、おすすめを聞いてみる。
「そうだな、ここは初めてなんだろ?だったら、肉屋がやってる食堂がいいな。
気に入ったら買ってくれっていう奴だ。
広場に行けばいくつかある。」
宿のお兄さん、この人は大人、が教えてくれる。
「愛しい人?あまり見るな。」
「え?ちらっと見ただけだよ?」
「わからなければ聞いてくれ。」
「うん、わかった。」
そんなにガン見しただろうか。気を付けよう。
こういうところは大抵ある広場に行くと、けっこうな人がいた。
買い付けか、ご飯時だからか。
並んでる。
「愛しい人?並ぶのはダメなんだな?」
「うん。あ!あそこもお肉屋で、横が食堂っぽいね。すいてるね?
あそこにしよう!」
「すいてるのはなんでかは考えないのか?」
「え?高いか、まずいか、人としてどうなのかってところかな?」
「わかっていて入るのか?」
「うん。高いのは、ほんとにおいしくて手間がかかっての事かもしれないし、
まずいのは、ま、仕方がないね。話のタネだ。
そこの主人が人としてどうだってのも、
不快な思いをさせて商売してる不思議さを研究すると思えば
腹も立たない。とにかく、並んで食べるのは嫌だ。」
「あなたがいいのならいいがな。」
「うん、まずかったら、横のものすごく並んでるところにはいろう。
その場合は許される。」
「はははは。そうか。では行こうか。」
少し離れたところから観察した結果、
すいている、というか客がいない方の食堂に入る。
「え?いらっしゃい。2人?」
「そうだ。おすすめのものを2人分。酒もおすすめのものを。」
「あ、ちょっと時間がかかるがいいか?」
「もちろん。あ、でも、先にお酒と、すぐにつまめるハム類下さい。」
「あ、そうだな。それならすぐだ。少しずついろいろ出してやろう。」
「やった!」
「うれしそうだな。」
「うん。少しずついろんなのたべれば、後で買うとき選べるでしょ?
ただ、覚えておかなくちゃねいけないけどね。
ティスが覚えておいてね?」
「ふふ、わかった。好きなように食べればいい。」
少し待っていると、イタ飯屋の前菜のようにハムが並んできた。
チーズもある。うれしい!
「さ、食べてくれ。」
さっそく頂く。
「おいしい!胡椒が効いてる!あ、白ハム!おお!朝ごはんの時に食べたい!ハムエッグ!」
「酒もうまいな。」
「お酒ってどこで作ってるの?」
「どこでも作ってる。酒祭りでもかなりの数があつまっただろう?」
「そうか!ん、あまいね。おいしい!このお酒もほしいね。」
「ご主人!この酒は売り物か?」
「気にいたんなら売るよ?」
「なんの酒だ?」
「ウリだ。」
「おお!それって今ありますか?食べたい!」
「ウリか?あるよ?食べるのか?」
半笑いでいわれた。
食べるものではないのだろうか?
「うん、大丈夫。もらえますか?」
「へんなもんがいいんだな。待ってろ。」
「愛しい人?ウリがすきなのか?」い
「ん?好きかな?サボテンより甘い感じ?」
「そうだな、サボテンよりも甘く、固い。しかし、食べないな。
それを酒にするというのは初めてだ。」
「これがウリだ。」
現物を持ってきて来てくれた。緑のトマト?といった感じだ。
ナイフも借りて、半分に切り、種を出す。あ、これもらっておこう。
結構大きな種だ。
実をくし形に切り、皮と実のあいだにナイフをいれ、一口サイズに。
一つつまんだが、固いが逆にわたしの好みだ。
その上に少し塩気が強い、やわらかい生ハムをのせる。
「じゃーん、生ハムメロン!
ハムとウリと一緒にどうぞ?」
「え?いっしょに?」
「え?おいしいよ?あ、わたしが先に食べるよ?」
「いや、まて、私が食べる。ドーガーが言うように愛しい人の、特に食べ物に関しては
全面的に信頼できる。ナマコの件で私はそう思った。」
「あれ、食べ物に関してだけ?」
「新しい扉云々のことを忘れたのか?」
「ああ、でも最終的に好きでしょ?」
「・・・はい。」
「うふふふふ。こんどゆっくりしようね?」
「はい。いや、うん。食べるぞ?」
「へへへへ。どうぞ?」
フォークを刺し、口に入れる。
「・・・うまいな。」
「ね?」
わたしもたべる。
「はー、おいしい。高級感があるね。この種もらって植えようね。
実も買っていこう。」
「いいな。」
「おまたせ。煮込み豚だ。」
「おお!いいにおい!」
丸々とした肉の塊を、赤茄で煮込んでいる。
豚の角煮のトマト版の脂身なし?
切り分けて食べるようだ。
もちろん、そういうのはマティスがしてくれる。
「さ、愛しい人。」
「ありがとう、ティス。」
トロトロ、でも脂っこくない。
「おいしい!トマトはわかるけど、あとなんだろ?
ティスわかる?」
「どれ?ああ、うまいな。赤茄、胡椒、公子、乳か?」
「え?そんなのはいってる?」
「旦那、すごいな。乳で先にゆでるんだ。それで、そのまま冷ます。
脂と乳の膜を洗い流してそれから旦那の言ったもので煮込むんだ。
本当はもっとやわらかい。すまないな、客なんかこないから、
冷ます工程をぬかしてる。それでもうまいけどな。」
「そうなんだ。これより柔らかいってすごいね。」
「ああ、ご主人、このウリも買いたいんだが、ここで売ってくれるか?
それとも別に?」
「へ?ウリを買うの?ウリはこの村じゃ、そこら辺になってる。
それを酒にする方法を俺が作って隠匿をかけたんだ。
そしたら、元手がただで商売してるってよ、嫌がらせで、本職の肉屋がこのざまだ。」
「はははは、みんな僻んでるんだね。」
「酒になるまでものすごく苦労したんだ。それを隠匿したっていいだろ?」
「そうだね。このお酒ものすごくおいしいもの。
うふふふ。良いことがあるよ。
ご主人、このお酒の原料のウリはどうしてるの?
仕込みはいつでどれぐらいの期間寝かすの?」
「ウリは今頃のものだ。寝かす期間は1年だな。
そんなことを聞いても作り方は教えないぞ?
その仕込みが大変なんだからな。」
「もちろん。これ、食べてみ?」
すこし怒っているご主人に生ハムメロンを勧める。
「ウリか?ウリは食べないんだよ。甘いが固い。
子供が腹を空かせたらかじるぐらいなんだ。それをハムで巻くなんて。
もったいないことしやがって!」
ますます怒る。ほんとここの人は贅沢だ。
道端になってるメロンをかじるだけとは。
「いいから、一緒に食べてみ?」
マティスはわたしが気に入った煮込み豚の味を研究している。
再現してくれるのだろう。
「・・・・」
ご主人は仕方がなく、つまんで口に入れた。
「!!!」
「おいしいでしょ?これって材料の組み合わせだけだから、
隠匿もかけられない。だから、みんなすぐに真似するね。
そしたら言ってやればいい。お前たちだって、同じだ、元手がタダなもので商売してるってね。
しかし、俺の酒は違う、こうなるまで研究をして努力をしたんだ、それに隠匿をかけたからって
卑怯だというのは筋違いだ。努力してから文句を言えってね。」
「・・・。」
「でも、この組み合わせを教えるのは、先にお酒の仕込みが終わってからだよ?
でないとあっというまに、ここいらのウリはなくなってしまう。
もしかしたら、これを専門に育てるところが出てくるかもしれないね。
そうなったら元手がただとか言えないか。よそで高値で売られたら
やっぱり嫌だものね。そこらへんは村長さんと相談したら?
豚とウリとが名産品だ。
そこにこのお酒。隠匿もいいけど、村上げて商売するのもいいかも。
権利を売ればいいんだ。このお酒にご主人の名前を入れるとかね。」
ご主人は黙って厨房に引っ込んでしまった。
「あら?おこっちゃた?いい方法と思たんだけど。」
「人の考え方は様々だ。隠匿も善し悪しだな。」
「そうだね。いい教訓だ。しかし、おいしいね。
一通り買いたいな。ご主人売ってくれるかな?」
ご主人がどたどたと大荷物を抱えて戻ってきた。
「今ある、ハム類、と酒だ。もらってくれ。
店は閉める。酒造りのほうが好きなんだ。ハムに合う酒を造りたいと
ずっと思ってたんだ。今の話を村長にする。
そして酒造り本格的にする。」
「え?そこまで話が飛ぶの?ここのハムおいしいのに。
食べられなくなるのは残念だよ?
本格的にするのはお酒造りでもいいけど、
そのとき、ちょっと食べれるように少しだけ作っておけばいい。
そうすれば、ハムに合うお酒ってのもわかるからますます売れるよ。」
「ああ、そうれもいいな。これは礼だ。もらってくれ。」
「ご主人。もともと買うつもりなんだ。きちんと商売をしてほしい。」
「しかし!」
「では、このウリを箱に3つほどもらおうかな。それが礼として受け取れる上限だ。
こちらから指定するのもおかしな話だがな。それ以上はいらない。」
マティスが凄みを聞かせて威圧する。
「あ、あああ。わかった。飛び切り甘いものを、箱に3つ。」
「そうだ。それを2日後ここを出るときに用意してくれればいい。
ハムと酒もその時に。ほかに乳も頼んでいる。村長に言えばわかるだろう。
さ、金額はいくらだ?」
しどろもどろするご主人はなんとか、正規の金額をだし、
それをマティスが払った。
明日の朝ごはん用に白ハムだけは先にもらう。
わたしたちが外に出るとご主人は外まで見送り、
頭を下げてくれる。
それを見ている隣の行列の人たちは、なにか粗相をしたんだろうと
小さな声で話をしていた。そのあと、ご主人が店を閉めたものだから、
わたしたちがクレーマーなような状態だ。
「ね?知ってる?」
「なんだ?」
「あの、ルカリアのライガーに言われたんだけどね、
赤い塊のモウって金にがめついんだっていう話があるんだって。」
「ああ、大会の時の話だな。そういってたな。生産院の男とのやり取りが
出回っているな。」
「そうなんだけどさ、がめついってなんなの?それにさ、今度は、
砂漠の民の夫婦は店をつぶしたって噂が流れるよ?」
「そうなるな。別に構わないだろ?」
「そうか、別にいいか!あはははは!ってそれはよくない!
そんな不当な評価でお店にはいられなくなったらいやでしょ?」
「そんな嘘の噂を信じてる店に入るほうが嫌だろ?」
「おお!ティスは天才だね。そりゃそうだ。うふふふ。」
「さ、今日は、宿に戻って休もう。
明日はどうする?2日ほしいと言ったから、明日一日はここで過ごすことになる。」
「うーん、街を探索して、海まで行ってみよう。」
「崖があるぞ?」
「うん。でも、問題ないでしょ?下りれるんなら下りたい。」
「そうか、ではそうしよう。」
改めて、村長のバルナだ。デイにようこそ、砂漠の民よ。ここで商売をするのか?」
「ああ。この豚を乳と卵、チーズと交換してほしい。それをイリアスで売りたいんだ。
仕入れになるから税も納める。豚3頭分と聞いたが?」
「そうだ。しかし、結構な量になるぞ?イリアスの一番近い村まで
赤馬で1日だ。歩けば3日かかる。氷もいるし、1日で溶ける。」
「大丈夫だ。赤馬で1日なら、砂漠の民でも1日だ。」
「そうなのか?それはすごいな。それだけの豚を抱えられるんだ、力もあるのだろう。
なら問題ないな。ここでは商売までしないが、共同でメーウーを飼っている。
豚としかも血を流していない豚と交換できるならみな喜ぶだろう。」
「あの、ここは何が名産なのでしょうか?」
「豚だ。コムは茶と馬だろ?ここは豚だ。豚の肉をあらゆるものに加工する。
ハムは名産といっていいな。帝都にもイリアスの王都にも納めている。」
「そのハムはここで買えますか?」
「もちろんだ。」
「乳酪は?」
「それもあるな。売り物ではないが。各家庭で作ってる。」
「やった!それも交換のなかに入れてもらえますか?」
「それこそ溶けるぞ?」
「大丈夫です。」
「そうか?では、27匹分の乳と卵、チーズ、乳酪と交換でいいか?」
「それでたのむ。分配は任せる。宿も紹介してもらえるか?」
「もちろんだ。守衛のトームリに案内させよう。
荷は出発の日に渡せるようにするが、さすがにこの量だ、2日は欲しいな。」
「では2日後に。」
案内してもらった宿は、こじんまりしたものだった。
お風呂もない。桶と砂漠石だ。
ここは海に近いが、海側は崖なので漁はしない。
近くの林で豚を狩り、それを加工して売る。
ハム、生ハムだった。これも大量に買うことにする。
通りには肉屋、というよりハム屋が並ぶ。ここで、仕入れてイリアスに売ったり、
コムや帝都に売る。
生ハムはここでも高級品だ。メロンかイチジクないかな?
家に戻って風呂に入るかと聞かれたが、せっかくなので、
ここで桶の風呂を体験する。宿のトイレも。
「どうした?」
「上下水道完備ってすごいことだったんだなって。」
「?」
「故郷ね、水はひねると出るし、トイレも、水を流して、汚水だけを貯めるところに送るの。
そういうのが普通にあったの。
ここは砂漠石があるから、水を出すことはお金のことは置いといてできるけど、
下水を処理するのは大変だなって。この、たまった汚物は誰かかが回収するの?」
「もちろん。」
「それはどうやって?」
「石使いだ。専門の。」
「ああそうか、石使い。
それをどうしてるんだろう?埋めるの?海に流すとか?肥料とか?」
「それぞれだな。農耕をしてるところは肥料にするし、海に近ければ海に捨てるだろう。
ここでは豚が名産となるなら、その豚が育つ林を大事にするだろう。
林にの近くに埋めるんではないか?」
「そうか。やっぱり砂漠石はすごいね。」
「それを自在に使うあなたが一番すごいんだぞ?」
「お願いしてるだけだよ?ものすごく我がままに。お社を建てて祀りたいよ。」
「信仰か?砂漠石を信仰の対象にしているところはないな。」
「そうなの?ありそうなんだけどね。あくまでも道具?
願いを叶えてくれるのにね。砂漠石様とは言わないね。
わたしならすぐそういっちゃうけどね。」
「そういわれればそうだな。?」
「ね?そういうもんだってなってるんだろうね。王都の研究院の研究内容が知りたいよ。」
「ろくなことはしていないと思うぞ?」
「あはははは!そんな感じだね。」
「それで、風呂は桶でいいんだな?いっしょに?」
「うん、やり方わかんないもん。狭い?寒い?」
「大丈夫だ。洗ってやろう。」
なんというか、狭いと恥ずかしいということがわかった。
寒くはなかたけど。
「この汚れた水は?」
「2階だから、そこに管があるだろ?そこから下に流す。」
「おお!この管は木?」
「木だな。ティータイは石を切り抜いている。
銅のところもあるぞ。」
「はー、すごいね。いきなり砂漠石先生と出会ってるから
いまさらながらそういうことに感心するね。」
「そうか?」
「うん、そうだよ。
さっぱりしたし、まだ月も昇らないから外に行こう。
おいしいご飯も食べないとね。
豚料理!ハム!楽しみだ!」
ここの人の服装は様々だ。メーウーがいるから草原の民のように
毛糸でざっくり編んだ者や、帝都のようにピッタリしたもの、
ニバーセルで一般的だと言われる服も着ている。
ただ、やはり砂漠の民の、このゆったりした服はない。
寒いので着込むから目立たないか。
宿では食事は出ないので、おすすめを聞いてみる。
「そうだな、ここは初めてなんだろ?だったら、肉屋がやってる食堂がいいな。
気に入ったら買ってくれっていう奴だ。
広場に行けばいくつかある。」
宿のお兄さん、この人は大人、が教えてくれる。
「愛しい人?あまり見るな。」
「え?ちらっと見ただけだよ?」
「わからなければ聞いてくれ。」
「うん、わかった。」
そんなにガン見しただろうか。気を付けよう。
こういうところは大抵ある広場に行くと、けっこうな人がいた。
買い付けか、ご飯時だからか。
並んでる。
「愛しい人?並ぶのはダメなんだな?」
「うん。あ!あそこもお肉屋で、横が食堂っぽいね。すいてるね?
あそこにしよう!」
「すいてるのはなんでかは考えないのか?」
「え?高いか、まずいか、人としてどうなのかってところかな?」
「わかっていて入るのか?」
「うん。高いのは、ほんとにおいしくて手間がかかっての事かもしれないし、
まずいのは、ま、仕方がないね。話のタネだ。
そこの主人が人としてどうだってのも、
不快な思いをさせて商売してる不思議さを研究すると思えば
腹も立たない。とにかく、並んで食べるのは嫌だ。」
「あなたがいいのならいいがな。」
「うん、まずかったら、横のものすごく並んでるところにはいろう。
その場合は許される。」
「はははは。そうか。では行こうか。」
少し離れたところから観察した結果、
すいている、というか客がいない方の食堂に入る。
「え?いらっしゃい。2人?」
「そうだ。おすすめのものを2人分。酒もおすすめのものを。」
「あ、ちょっと時間がかかるがいいか?」
「もちろん。あ、でも、先にお酒と、すぐにつまめるハム類下さい。」
「あ、そうだな。それならすぐだ。少しずついろいろ出してやろう。」
「やった!」
「うれしそうだな。」
「うん。少しずついろんなのたべれば、後で買うとき選べるでしょ?
ただ、覚えておかなくちゃねいけないけどね。
ティスが覚えておいてね?」
「ふふ、わかった。好きなように食べればいい。」
少し待っていると、イタ飯屋の前菜のようにハムが並んできた。
チーズもある。うれしい!
「さ、食べてくれ。」
さっそく頂く。
「おいしい!胡椒が効いてる!あ、白ハム!おお!朝ごはんの時に食べたい!ハムエッグ!」
「酒もうまいな。」
「お酒ってどこで作ってるの?」
「どこでも作ってる。酒祭りでもかなりの数があつまっただろう?」
「そうか!ん、あまいね。おいしい!このお酒もほしいね。」
「ご主人!この酒は売り物か?」
「気にいたんなら売るよ?」
「なんの酒だ?」
「ウリだ。」
「おお!それって今ありますか?食べたい!」
「ウリか?あるよ?食べるのか?」
半笑いでいわれた。
食べるものではないのだろうか?
「うん、大丈夫。もらえますか?」
「へんなもんがいいんだな。待ってろ。」
「愛しい人?ウリがすきなのか?」い
「ん?好きかな?サボテンより甘い感じ?」
「そうだな、サボテンよりも甘く、固い。しかし、食べないな。
それを酒にするというのは初めてだ。」
「これがウリだ。」
現物を持ってきて来てくれた。緑のトマト?といった感じだ。
ナイフも借りて、半分に切り、種を出す。あ、これもらっておこう。
結構大きな種だ。
実をくし形に切り、皮と実のあいだにナイフをいれ、一口サイズに。
一つつまんだが、固いが逆にわたしの好みだ。
その上に少し塩気が強い、やわらかい生ハムをのせる。
「じゃーん、生ハムメロン!
ハムとウリと一緒にどうぞ?」
「え?いっしょに?」
「え?おいしいよ?あ、わたしが先に食べるよ?」
「いや、まて、私が食べる。ドーガーが言うように愛しい人の、特に食べ物に関しては
全面的に信頼できる。ナマコの件で私はそう思った。」
「あれ、食べ物に関してだけ?」
「新しい扉云々のことを忘れたのか?」
「ああ、でも最終的に好きでしょ?」
「・・・はい。」
「うふふふふ。こんどゆっくりしようね?」
「はい。いや、うん。食べるぞ?」
「へへへへ。どうぞ?」
フォークを刺し、口に入れる。
「・・・うまいな。」
「ね?」
わたしもたべる。
「はー、おいしい。高級感があるね。この種もらって植えようね。
実も買っていこう。」
「いいな。」
「おまたせ。煮込み豚だ。」
「おお!いいにおい!」
丸々とした肉の塊を、赤茄で煮込んでいる。
豚の角煮のトマト版の脂身なし?
切り分けて食べるようだ。
もちろん、そういうのはマティスがしてくれる。
「さ、愛しい人。」
「ありがとう、ティス。」
トロトロ、でも脂っこくない。
「おいしい!トマトはわかるけど、あとなんだろ?
ティスわかる?」
「どれ?ああ、うまいな。赤茄、胡椒、公子、乳か?」
「え?そんなのはいってる?」
「旦那、すごいな。乳で先にゆでるんだ。それで、そのまま冷ます。
脂と乳の膜を洗い流してそれから旦那の言ったもので煮込むんだ。
本当はもっとやわらかい。すまないな、客なんかこないから、
冷ます工程をぬかしてる。それでもうまいけどな。」
「そうなんだ。これより柔らかいってすごいね。」
「ああ、ご主人、このウリも買いたいんだが、ここで売ってくれるか?
それとも別に?」
「へ?ウリを買うの?ウリはこの村じゃ、そこら辺になってる。
それを酒にする方法を俺が作って隠匿をかけたんだ。
そしたら、元手がただで商売してるってよ、嫌がらせで、本職の肉屋がこのざまだ。」
「はははは、みんな僻んでるんだね。」
「酒になるまでものすごく苦労したんだ。それを隠匿したっていいだろ?」
「そうだね。このお酒ものすごくおいしいもの。
うふふふ。良いことがあるよ。
ご主人、このお酒の原料のウリはどうしてるの?
仕込みはいつでどれぐらいの期間寝かすの?」
「ウリは今頃のものだ。寝かす期間は1年だな。
そんなことを聞いても作り方は教えないぞ?
その仕込みが大変なんだからな。」
「もちろん。これ、食べてみ?」
すこし怒っているご主人に生ハムメロンを勧める。
「ウリか?ウリは食べないんだよ。甘いが固い。
子供が腹を空かせたらかじるぐらいなんだ。それをハムで巻くなんて。
もったいないことしやがって!」
ますます怒る。ほんとここの人は贅沢だ。
道端になってるメロンをかじるだけとは。
「いいから、一緒に食べてみ?」
マティスはわたしが気に入った煮込み豚の味を研究している。
再現してくれるのだろう。
「・・・・」
ご主人は仕方がなく、つまんで口に入れた。
「!!!」
「おいしいでしょ?これって材料の組み合わせだけだから、
隠匿もかけられない。だから、みんなすぐに真似するね。
そしたら言ってやればいい。お前たちだって、同じだ、元手がタダなもので商売してるってね。
しかし、俺の酒は違う、こうなるまで研究をして努力をしたんだ、それに隠匿をかけたからって
卑怯だというのは筋違いだ。努力してから文句を言えってね。」
「・・・。」
「でも、この組み合わせを教えるのは、先にお酒の仕込みが終わってからだよ?
でないとあっというまに、ここいらのウリはなくなってしまう。
もしかしたら、これを専門に育てるところが出てくるかもしれないね。
そうなったら元手がただとか言えないか。よそで高値で売られたら
やっぱり嫌だものね。そこらへんは村長さんと相談したら?
豚とウリとが名産品だ。
そこにこのお酒。隠匿もいいけど、村上げて商売するのもいいかも。
権利を売ればいいんだ。このお酒にご主人の名前を入れるとかね。」
ご主人は黙って厨房に引っ込んでしまった。
「あら?おこっちゃた?いい方法と思たんだけど。」
「人の考え方は様々だ。隠匿も善し悪しだな。」
「そうだね。いい教訓だ。しかし、おいしいね。
一通り買いたいな。ご主人売ってくれるかな?」
ご主人がどたどたと大荷物を抱えて戻ってきた。
「今ある、ハム類、と酒だ。もらってくれ。
店は閉める。酒造りのほうが好きなんだ。ハムに合う酒を造りたいと
ずっと思ってたんだ。今の話を村長にする。
そして酒造り本格的にする。」
「え?そこまで話が飛ぶの?ここのハムおいしいのに。
食べられなくなるのは残念だよ?
本格的にするのはお酒造りでもいいけど、
そのとき、ちょっと食べれるように少しだけ作っておけばいい。
そうすれば、ハムに合うお酒ってのもわかるからますます売れるよ。」
「ああ、そうれもいいな。これは礼だ。もらってくれ。」
「ご主人。もともと買うつもりなんだ。きちんと商売をしてほしい。」
「しかし!」
「では、このウリを箱に3つほどもらおうかな。それが礼として受け取れる上限だ。
こちらから指定するのもおかしな話だがな。それ以上はいらない。」
マティスが凄みを聞かせて威圧する。
「あ、あああ。わかった。飛び切り甘いものを、箱に3つ。」
「そうだ。それを2日後ここを出るときに用意してくれればいい。
ハムと酒もその時に。ほかに乳も頼んでいる。村長に言えばわかるだろう。
さ、金額はいくらだ?」
しどろもどろするご主人はなんとか、正規の金額をだし、
それをマティスが払った。
明日の朝ごはん用に白ハムだけは先にもらう。
わたしたちが外に出るとご主人は外まで見送り、
頭を下げてくれる。
それを見ている隣の行列の人たちは、なにか粗相をしたんだろうと
小さな声で話をしていた。そのあと、ご主人が店を閉めたものだから、
わたしたちがクレーマーなような状態だ。
「ね?知ってる?」
「なんだ?」
「あの、ルカリアのライガーに言われたんだけどね、
赤い塊のモウって金にがめついんだっていう話があるんだって。」
「ああ、大会の時の話だな。そういってたな。生産院の男とのやり取りが
出回っているな。」
「そうなんだけどさ、がめついってなんなの?それにさ、今度は、
砂漠の民の夫婦は店をつぶしたって噂が流れるよ?」
「そうなるな。別に構わないだろ?」
「そうか、別にいいか!あはははは!ってそれはよくない!
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