いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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343:法の厳守

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しかし、どうしたものか。
最終的には物理でご理解いただこう。

ラーメン等、振る舞いの仕込みもあるので、
マティスはそのまま台所で。
帰りのお土産はパイシチューなので、器をまた買いに行く。
どこでも売っているものなので、違う店で少しづつ買った。

チョコの使い方なども説明。味見をしつつまたイチャイチャしてしまう。
チョコレートプレイに興味津々だった。いうんじゃなかった。
いや、わたしもやってみたい。うん。



砂漠から戻った風で、外に出てみると、
なるほど、お嬢様方がお待ちだ。
簡易の小屋?監視小屋もできている。
すげーなおい、暇なんだな?
そんなことをする時間があれば、それこそ、いい男を街で探せばいいのに。
思い込むと一途なのか?怖いな。


とにかく家に入ろう。
しめっぱなしだったから掃除はしないと。
それと水くみだ。
おお!なんか生活している!素晴らしい!
とにかく水だ。


扉に手を掛けるとファンという感じでわたしを受け入れてくれた。
結局、火が付かないようにはしたが、
家の中にはわたしとマティスが認めたものしか入れない。
鶏館形式だ。

それを見張り小屋から見ていた、お嬢さんズが駆け寄ってきた。

「あなた!ここの人?」
「・・・。」
「言葉が分からないの?ここの家の使用人かと聞いています!」
「・・・言葉はわかりますよ?」

すごいな、そうくるんだ。
おもしろいからさくっと無視して家に入る。
扉は自動で閉まり、彼女たちは入れない。当たり前だ。

ざっときれいにして、水を樽に入れておこう。
それで、お茶にしよう。

扉がものすごく叩かれている。
ノックではない、破壊の音だ。

表はさすがに怖いから裏から井戸に出よう。
滑車は作ってもらっている。
いずれポンプを作りたい。ゴムができるから作れるのかな?
こう、吸い上げて、フタして、押し出す?
原理を説明して誰かに作ってもらおう。

桶を落として引き上げる。
ああ、鍛錬ということで、がんばるべー。


水音に気付いたのか、またどやどやとやってくる。

「あなた!どうして無視するのですか!」
「主人から見知らぬ人と会話をするなと言われております。」
これは本当だ。
「主人!剣のマティス様ね?答えなさい!」
「主人から見知らぬ人と問答はするなと言われております。」
これも本当だ。

「わたしはマティス様の婚約者です。」
「ぶ、ふ、うー、、・・・どなたが?あなたたち全員が?」
3匹の子豚呼吸法だ。
笑ってはいけないin異世界。

言い切った彼女に残りのお嬢たちが一斉に責め立てる。

「カーリー!よくそんなこと言えるわね!
いつなったの?一度も会ったことないくせに!
わたしのほうが何度も見てるわ!
貴方なんてマティス様はしらないわよ!」
「わたしは違うわ!恋人なの!親にはまだ内緒。
雨の日にわたしが訪れて契を結ぶのよ。」
「そうよね、雨の日前に決めてしまうのもいいけど、やっぱり、
こちらが訪れなくては。」
「ここは仮住まいなんでしょ?領主館にお部屋はあるのよね?
それとも別館があるのかしら?
たくさんの人が訪れるんじゃないの?雨の日に。
そのなかでマティス様は私だけをお部屋に招待するのよ。」

わたしもその馬鹿な会話に参加したほうがいいのだろうか?


「主人は砂漠の民です。
領主セサミナ様は弟君になりますが、領主館に部屋や、別館はありません。」

いえばセサミンが喜んで用意しそうだ。

「え?本当にここに住んでいるの?」

ちょっとがっかりしている。そのままあきらめてくれればいいのに。

「ええ、それに、主人には唯一の伴侶がいます。
その者以外とは契をかわしません。そう宣言しています。」
「あなたが知らないだけよ。それでいつ戻っていらっしゃるの?
それと、しかたがないわね、ここでお茶の用意をしてくださいな。」
「・・・どうして?」
「あなたの主人なるからよ、わたし、わかったわよ!わたしたちの誰かが!
もしかして全員かもしれない。だって領主様の兄君で、剣のマティス様だもの」
「わ、わたしの主人ですか?ぶ、ふ、あはははは!そっちの路線はないな。
あー、だめだ。笑ってしまった!ぶふふふふ。」
「!なにあなた!失礼ね!首よ!首!」
「はぁー。わたしの主人はマティスです。主人というのは亭主ですよ。
夫、ダーリン、旦那様。
言葉が分かりませんでしたか?
マティスはわたしの主人で唯一です。マティスも同じです。
家を燃やしただけでも飽き足らず、まだこんなことに時間をかけるのか?
罪を認めず、親を引っ張り出し、償いもせず、まだ自分の思い込みだけで
話をするのか?あはははは!
他の男が選ばぬ理由はそこだな?
あれから毎日あそこで待っていたのか?帰るのを?
なんともご苦労なことだ。トイレ、便所はどうしてたんだ?そこらへんでか?
あはははは!始末はきちんとしておいてくれよ?
ここは領主セサミン様も訪れるからな。」

「あなたが?あはははは!
こっちだって笑ってしまう!その黒い髪!異国のものでしょ?
そんな人が領主の血縁者になることなんてありえない!!」
「へー。それはセサミナ様がおっしゃったのか?」
「そうよ!」
「ふーん、では本人に、わたしの弟、セサミナ様に聞いてみようか?」
「ええ、聞けばいいわ!」
「・・・なぜ、そんな嘘をいうんだ?自分でわかっているだろ?
今の時点でお前は領主の義理であるが姉に無礼を働いているんだぞ?」
「は!こっちだって!よくもマティス様の唯一と嘘が言ましたね!
それにあなたは知らないかもしれないけど、
領主様を勝手に弟というだけで不敬罪なんだから!
わたし火事のことですこし調べたのよ!」
「なんだ?自分の罪の大きさが怖くなったのか?」
「!違います!ここは誰の土地でもない、何をしようと勝手なんだから!
誰の土地でもないものをだれがどうしようと勝手なんだから!
ええ!火をつけたわ!何もない家で月が沈むまで待ったのよ!
腹立たしいたらなかったわ!」
「認めたのか?火をつけたことを?最後まで貫き通せ、そういう嘘はな。
で、ここは法の恩恵がない場所。
だから実力主義だろ?ここでなにをされようと自己責任だ。
それも勉強したか?」
「もちろん。だから火をつけたってなにしたって罪にならない。」
「そのことでセサミナ様と話はしなかったか?
そんなことを言う輩には石を使ってでも法を守らすと。」
「話はしたわ。その時はわからなかったけど、守るのになんの支障もないわ。」
「そうか。すごいな。わたしは法を必ず守ると宣言できることを尊敬する。
他の人たちも同じなのか?
黒髪の異国者は領主の血縁者になりえない。
マティスの唯一なんてとんでもない。
わたしが領主を弟と呼ぶだけで不敬罪。
ここは無法地帯、火をつけても構わない。
そして、法は必ず守ると?」

みなが一様に頷いた。

「あなたは不敬罪で強制労働よ!」
「そうか。はははは。ばかだな。寒かろうと家に入ることは許したのに。
火をつけたことも、その罪を償わないことも別に構わなかったのに。」
「ばか?なに?そんなことはいいからマティス様はどこにいらっしゃるの?
使用人のくせに、伴侶と名乗ることも罪になるんだから!!」
「そうか、そうか。不敬罪というのは怖いな。」



(セサミン?聞いていた?)

お嬢たちとの会話はセサミンに筒抜けだ。

(我が領民だと思うと情けないですね。わたしはどうしたらいいですか?)
(ま、ここにおいで?もういい時間だ。あとのみんなは歩きか馬でしょ?
ツイミさんたちはここに移動できないしね)
(わかりました)
(ああ、湿地の2人も呼んでいいよ?街にいるってマティスから聞いたよ)
(はい)

「なにだまってるのよ!」
「セサミナ様が来たようだ。」
「そんな嘘をよくいうわね!!」

志村ーうしろーって奴だ。
・・・・これを若い子相手にしたら、
どなたですか?って言われたのをおもいだした。


「セサミナ様、ようこそいらっしゃいました。」

振り返れば王子様のようなセサミン。かっこいいな。
彼女たちは一応礼をとる。
そういうのはできるんだ。

「この者らは?」
「彼女たちはマティスの自称、婚約者または恋人で、黒髪のわたしが、
セサミナ様の縁者というのはあり得ないとおっしゃる方々ですよ。」
「ほう?」
「それに加え、ここに火をつけたと認めました。が、それは問題なくて、
法を守ることも問題ないと。あれから法の勉強もしたそうで。」
「法の勉強をな。」
「セ、セサミナ様はどうしてここに?」
「見回りですか?」
「あ、そうなんですね?
でも、いいところに。このおんな・・
「姉上?マティス兄上は?」
「マティスはがんばって台所に。先に呼んだのはね、ルグとドーガーの前で
威厳を保つためね。おいしいものできたんだ。さきに食べてみてね。」
「それはうれしいです。はしゃがぬようにいつも気を引き締めるのですが。」
「うふふ。今回、ドーガーはダメだと思うよ?」
「甘味ですね?あー、楽しみだ。」
「そうなの。うふふふ。話すこともいっぱいあるんだ。」
「そうですか。では、この者たちのことを先に。」

「セサミナ様?姉上というのは冗談ですよね?」
「マティス様の伴侶というのは?」

次々質問をする。ほんと、自分のことしか考えないのね。

「お前たち?わたしはあの時申したな?
ここは兄上と唯一の伴侶、わたしの姉上が住まう場所だと。
で?火をつけたと認めるのか?」

「!領国でないところで何をしようと罪にはならないでしょ?
火をつけたってなにをしたっていいはずよ!
それに、家はこうしてあるじゃない!!」
「・・・。家は親切な石使いが来て移築してくれたんだよ?
イヤー感謝、感謝。」
「その石使い殿にはわたしも感謝しているのです。
その方と共に旅をしたいほどに。」
「うふふふ。それは楽しそうだ。」

きっと兄弟がじゃれ合う旅になる。


「さ、その件は不問にしたんだ。仕方がない。
だが、姉上を侮辱したこと、わたしが黒髪を認めないといった嘘をついたこと。
勝手に兄上の婚約者だと名乗ったこと。
これらは許すこともできない。まさしく不敬罪だ。
髪の色なぞ、その人物を構成するうえでなんの要素にもならない。
異国の者でも自国の者でも、見るのはその人物の本質だ。
お前たちは領民だが、それこそ、お前たちが縁者になることなぞ、
到底認めることはできない。」
「ああ、セサミナ様?謝罪してくれればそれでいいですよ?
もちろん、2度とマティスに絡むなと。
それとあの小屋と、おそらくそこらでしたであろう物の始末。
法の厳守というのはなかなかに厳しいから。」
「・・・姉上、甘いですね。」
「いや、よく見れば子供だよね?成人してすぐ?
大人げないことはいかんと、王都でも思ったんだよ。」
「彼女たちは、そこまで若くはないですよ?
んー?40ぐらいでしょうか?」
「失礼な!35よ!」
他のお嬢もみな頷く。35でその考え方はダメだろ。
「・・・そうなんだ。うん。・・・わかんないな。」
「あんた!自分が若いからっていい気になってるんじゃないわよ!!」
「うーわー。言われてみたい言葉の一つだったよ。それ?
わたし48なんだ。」

「「「「「!!」」」」」

「年齢の話はやめておこう。お互い墓穴を掘っているようなもんだ。
マティスはわたしの夫。ほかの誰にもなびかない。」
「あんたより若いわたしの方がいいに決まってる!」
「それを決めるのはマティスだ。だが、そんな選択肢はない。
だって、選択に行く前にわたしがつぶすからね。

ふん!」

と、水桶置場に使っていた岩を砕く。
もう、物理で訴えます。

「「「「「!!」」」」」


「ここは無法地帯。殺されても文句は言えない。
さ、選べ?死以外は謝罪か法の厳守か。どっちだ?」
「・・・。」
「どちらも嫌だというのはダメだよ?そうなると不敬罪で強制労働だ。
それは場所は関係ないだろう?
そういったのはあなたたちでしょ?
っていうか、そうなの?」
「不敬罪はそうです。」
「そうなんだね。わたしも気を付けよう。それで?どっち?」
「謝るなんていやよ!なにも悪いことはしていない!
法の厳守でいいわ!!」
「・・・勉強したんだよね?じゃ、頑張ってね?」

セサミンが握れるほどの石を出し、宣言する。

『この者たちは我が領国、コットワッツの法の厳守を』

石が砂となって消えた。

「では、これからは我が領国のため、父母の為、兄弟の為、
近隣の住民の為、勤勉に励み、礼節を重んじ、
嘘を付かず、迷惑を掛けず、人として尊敬される人生を送ってくれ。」


「「「「「・・・。」」」」」

「破ったらどうなるの?」
「刑罰は書いてませんが、石の契約と同じでしょう。
腹を下さす、足の小指が痛い、鼻水がでる、
寝癖が治らない、髪が抜けるなどですね。」
「・・・怖いね。」
「そうですね。よくよく考えると強制労働より厳しいかもしれません。」

「痛い、小指が痛い!」
「髪が抜けていくわ!」
「ちょっと、どうなってるの!わたしはなにも悪いことはしていない!
法は守っている!いやだ!鼻水が!!」

「よく考えろ、すでに領主に迷惑を掛けているだろ?
それに、父母に迷惑も掛けている。
働いていない。嘘もついている。他にもあるようだな。」


彼女たちは脱兎のように逃げていった。
あーあ。領主様に挨拶しなきゃ。礼節は大事だよ?


「愛しい人!」
「マティス!結局、法の厳守になったよ。かっこ悪いね。」
「そんなことはないぞ?素晴らしかった。」
「マティスは何でもそう思うから。
セサミンが来てくれないと終わらなかったよ。ありがとう、領主様。」
「そうだな、ありがとうセサミナ。」
「はー、自分で顔がにやけるのが分かります。
しかし、最初の段階ではっきりさせればよかった。申し訳ない。」
「親御さんが出張ってきたのね?」
「ええ。最近羽振りがいい豪商です。スパイラルと取引をしています。
それでわたしも強く出れなかった。」
「仕方がないね。そういうのは。どれぐらいもつの?」
「心がけ次第でしょうね。常に悪態を心の中で持っていたら死ぬまでです。
これは良い刑罰かもしれません。」
「んー、罰にはならないよ?何かを犯した罰には区切りが見えないと頑張れない。
矯正?そっちには使えるかな?
それでも、心からできるようにならないと意味ないしね。」
「そうですね。」
「さ、皆が来るまでまだ時間がかかる。
さきにチョコレートとココア、これで休憩しよう。」


セサミンは即ひれ伏した。








「よかった、先に食べさせてもらって。
ルグとドーガーも同じような状態になるでしょう。
そのなかにわたしが入ることはあの2人だけならまだしも、
他の目もありますからできません。」
「チョコとフルーツとアイスを組み合わせたものもあるけど、それは
ガイライも師匠もツイミさんも声をあげず泣いたからね。
それは今日の食後ね。」
「わかりました。気合を入れましょう。」
「ふふ、ツイミさんとこの弟たちも来るから、そっちが大騒ぎだよ。
そうそう、ラーメンは誰がお店するの?」
「うちの厨房係です。
領主主催ですので、はんばーがーとラーメンと。
先ほど兄上がいらっしゃったときに一通り教えていただきました。
おしょうゆも分けていただきました。」
「そ。それでね、今日ラーメン出すときに見せるけど、器ね、
メジャートで作ってもらったんだ。たぶん近いうちに売り込みに来るから
良ければ買ってあげて。その人にこれも作ってもらったの。
さっき食べたジャム。それを保存する容器ね。
カンランの葉を挟んでいたんだけど、
これをゴムに変えたらさらに密封性が上がるよ?
これね。」
「密封性?必要ですか?」
「うふふ。腐ったり、カビたりせずに長持ちするよ。
ここでもカビるって通じるってことは、
食べ物がなんか白とか、黒とか?なんかがつくんだよね?で、
食べるとおなかを下す。」
「ええそうです。食べ時を逃したものですね。」
「そうか、言葉が違うんだ。カビ、それって菌類だよ?茸とおなじ仲間。
ここからくすりとかができる。チーズとかでも使ってるとおもうよ?
お醤油にも麹っていうのが作用している。あー、これは詳しくないんだ。」
「!え?そうなんですか?茸と同じ?え?植物なんですか?」 
「んー、茸は植物でも動物でもない、菌類っていうものだんだけど、
最近の話じゃ、動物に近いらしいよ?これはごめん、聞きかじった程度。」
「きんるい?はー、、本当に研究することが山積みです。
おしょうゆも研究次第で作ることもできるんですね。」
「ま、ゆっくりね。でね、これは陶器なんだけど、ガラスでできないかな?
たぶん問題ないと思うけど、値段がかかるんだったら陶器かな?
その器屋さんが来たらゴムと陶器の組み合わせで密封容器を考えてみて?
冷蔵庫に入れるにしても、長持ちするよ。
冷蔵庫に食品を入れる保存容器ね、これも考えればいい。
ガラスにしたかったのは中身が見えるから。
ガラス窓とかが一般に普及するほうが先かな?」
「その器屋はいつきますか?」
「今日の夜、ラーメンを届ける約束をしてるの。それで、これはいけるって
本人が思えばすぐ来ると思うよ?」
「必ず来ますね。わかりました。」
「あとね、樹石のこと、先にイリアスの領主に伝えて?
そのほうがもめなくていいし、
お世話になった最初の村の村長さんに教えておきたいんだ。
きっと買占めがあるから。先に伝えておけば、
領民が困ることがないでしょ?余れば他国に売ればいいけど、
いつも使っている人たちが買えなくなるのはよくないからね。
あとは羽毛のことかな?トックスさんからも話があるとおもう。」
「イリアスとは良好な関係を築いていきたい。わかりました。」
「ざっとこんなもんかな?シチューパイは今日のお土産ね。
あとはないよね?セサミン案件は?」
「食の祭りに馬の籠を出すんではないのか? 」
「そうだそうだ!馬のリグナさんっていう馬さんと仲良くなって閃いたんよ。
馬で来るお客さんもいるでしょ?その時に馬用の餌籠を売るの。
なんか、この前の会合でテンがほかの馬相手に自慢したらしいよ?
コットワッツではサボテンや茶葉を食べさせてもらってるって。
で、マトグラーサのお馬さんはリンゴのことを言いたかったけど、
根のこと知らなかったから、悔しい想いをしたんだって。
で、茶葉とリンゴとカンランのセット。茶葉の等級で金額も違う。
それだけだと飼い主もお金出しにくいからね、手前で馬を預かろうかなって。
餌付き、ブラッシング付き。
馬はね、きっとそこからてこでも動かない。リグナおすすめっていえば
絶対に皆が集まるって。どう?」
「リグナ!あの軍馬ですね?うちのテンたちもそうですが、
ワイプ殿のスーとホーも一歩引いているというか、
尊敬というのでしょうか?そんな態度でしたね。
しかし、姉さんが馬あいてに商売するのですか?」
「うん。ダメ?」
「いえ、その考えはありませんでしたので、良いことかと。
しかし、姉さんは祭りを廻れませんよ?」
「交代で回るよ?ツイミさんところの弟組に手伝ってもらう。」
「なるほど。わかりました。広場の横を確保しましょう。」
「やった!ありがとう!」
「いえ、馬のことまでは気が廻りませんでしたから。
おそらく何もしなければ、人と馬と馬車とで危なかったでしょう。」
「そうだね。主催者は安全面まで気を配らないとね。」
「はい。」
ちなみに今、
マティスはわたしを抱きかかえ、常にわたしの安全を確保している。

「それと、今日は号泣もの?
それから姉さんの舞、で爆笑もの?と聞きましたが?」
「そうそう。順番はそんな感じ。
一人舞台でね。恐ろしい子と言わせてみせるよ?
みんなはおこたに入って見てね。お茶とお茶請けは出すから。
それから、着替えて舞うよ。」
「恐ろしい?」
「いやいや、頑張るってこと。」
「そうですか?舞の時に楽器がいるかと思って持ってきたんですよ。
わたし、弾けますよ?」
「ほんと?すごいね!お願いしようかな?マティス?いい?」
「・・・私も弾く。」
「ん?マティスダメって言ってなかった?」
「うまくはないが、下手でもない、はず。」
「姉さん、兄さんは本当にうまくもないし、下手でもないですよ?
わたしはうまいと自分で言えます。」
「おお!やっぱりお貴族様はすごいね。楽器は?リュート?」
「そうです。」

出してきたのはギターと琵琶を合わせたようなもの。
軽くマティスに1曲弾いてもらう。短いものだ。


「素敵!マティス!これでうまくないっていうの?」
「姉さん、わたしも同じものを弾きますよ?」


次はセサミンだ。

「・・・・なるほど。うん。和音?それがあるかないか?
わたしも音楽、楽器はちんぷんかんぷんだけど。うん、セサミン、うまいね。
もっと聞いていたい。もちろん、マティスのも。今度星の下で奏でて?
次は2人で弾いてみて?」

セサミンは本当にうまいのだろう。素人でもわかる。
マティスも本人が言うように可もなく不可もなくだ。
それが2人となると、デュオ!すごい!



「素敵!コットワッツ兄弟で売り出せるよ!
でも、これ、どこで弾くの?わたしが躍っている前?後ろ?」
「見たいから前だ。」
「あはは!じゃ、前で。今の曲で一回踊るよ。
うん、覚えたよ?それで次は音なしでまた違った感じで踊るよ。
2人はそれをじっくり見て?
先に音を聞いているから、見ている人には余韻があるから。」

それから、領主館とこことを往復して用事をすませ、
2人でリュートの練習している。
なんだかかくし芸大会っぽくなってきた。
ドーガーとトックスさんの手品も披露してくれるかしら?





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