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345:我が心の配下
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なんとかおひねりも回収した。
セサミンとガイライだな?ものすごく入ってる。
遠慮なく頂きましょう。
布団を取り除いたテーブルで、
コットワッツ組+トックス、リンゴ4兄弟、
軍部+師匠、わたしたちと湿地組にわかれて焼肉だ。
「あの、なんとお呼びすればいいのでしょうか?」
「ん?モウと、こっちはマティスで。
おじさんとおばさんでもいいよ?」
「モウ様、マティス様と。」
「できればさん付けの方がいいな?」
「・・・無理です。」
「あははは!ま、呼び名はなんでもいいよ。さ、食べて食べて!」
「はい!」
「ああ、あとでラーメンと特別な甘味があるからね?
それが入る余地は残しておいてよ?」
「はい!」
「奥方様!特別な甘味とは?」
よこのテーブルからドーガーが食いつく。
「ああ、ドーガー、我が心の友!
残念ながら、一口食べれば、ドーガーはひれ伏す。
コットワッツの次席としての貫禄もありゃしない。」
「な!それはわたしは甘味は好きですよ?
あまくない、このバリバリも。
今までだって、奥方様が出す甘味には感動を覚えています。
それがひれ伏すなんて!」
バリバリというのおかきのことだ。
「うふふふ。ま、それは食べてからのお楽しみだ。
頑張りたまえ、心の友よ!」
「モウ!先ほどの布団ですか?あれが欲しいのです。
トックスさんに注文したら羽毛は服飾に使うと。
このこたつといっしょに売り出すまでまてません。」
「そうなんだよ領主さんよ?あれがもっと欲しい。羽毛。
ローブあるだろう?あの形で、綿を入れる代わりに羽毛を入れるんだ。
軽くて温かい。毛皮でなく気軽に着ることが出来る。」
「早々にイリアスと交渉しましょう。食の祭りの後にでもすぐ。
個人ではなくイリアス領国からも参加の申し込みが来ています。
姉さん?わたしもあの布団とこのテーブルが欲しいのです。
上で何かを焼けるというのはいいですね。」
「これね。汚れを移動できるならいいけど、一般には別の方がいいよ?
お手入れが大変なものは売れないからね。」
「なるほど。ん?では、布団をどかさなくてもよかったのでは?」
「いや、確実に油とかが飛ぶ。そしてシミになる。
もちろん、きれいにはできる。でも、汚れるとわかっているのなら外す。
でないとわたしがわたしのかーちゃんに怒られる夢を見る。」
「・・・なるほど。」
「それに火を使うからね、危ないよ?
布団がなくてもいまは十分あったかい。
いいよ、布団とこのおこた。持って帰ればいい。
ツイミさんも母さんにも持って行ってあげたら?寒いでしょ。」
「ああ、うれしいです。母も喜びます。」
「わたしたちにもいいですか?」
アバサネとルコールが聞いてきた。
「もちろん。ほら!アバサネ君たち!これらがあってもダメなんだから!
樹石を売らないと!!」
「まって!姉さん!樹石の販売は一括でコットワッツが行いますから!」
「そうなの?アバサネ君?物の価値というのは需要と供給で決まる。
最低の卸価格を決めて、売り上げによっての収益を要求するんだよ?
領主だからといってなんでも二つ返事で了承してはいけないよ?」
「姉さん!!アバサネ!ルコール!もちろん、そういう取り決めだぞ?
話したよな?わたしをひどい商売人のように言わないでください!!」
「あはははは!!それで?樹石の研究はどうなった?」
油紙ならうまく1枚で大丈夫だそうだ。
そこにコットワッツ製とわかるように砂漠石で封をする。
これは一般に使う方法らしい。
燃やすのならそのまま燃えるし、
温度維持に使うなら少しめくってしまえばいい。
暖炉の温度維持では紙は燃える。懐炉ぐらいならそのまま。
新品かどうかもわかる。
封は砂漠石でするので偽物対策にもなる。
「へー考えたね。その封印は2人の店の名前にすればいい。屋号だね。
封印を破ったものは燃えないように封に仕込めばいいね。
そしたら、炬燵に使ったものが燃えることもない。
燃やすのなら、紙を完全に取るか、火にくべるかだ。
こたつや懐炉に使う樹石が燃えたら大変だからね。」
「「はい!」」
肉を焼き、酒を飲み、樹石のはなし、アヒルのこと、羽毛のこと。
「トックスさん!例の奴、見せてくださいよ!
ドーガーも弟子入りしたんでしょ?ドーガーも見せてよ!」
「ふふふ、待っていました!まずはわたしのをご覧下さい!」
ドーガーがのりのりで見せてくれる。
「ではでは、じゃじゃーん!はい、はい、はい!!!」
ほんとに弟子入りして教えてもらったんだ。
動きが滑らか!気持ち悪いぐらい!!
「すごい!ドーガー!」
「すげー!!」
子供組は大絶賛!!
そしてドーガーはジョジョ立ち。ここでするのか・・・・。
そして真打登場!トックスさんだ。
「驚くなよ?練習したら、こんなことまでできるようになったんだ。」
コットワッツ、砂漠の端で大絶叫が響き渡った。
え?トックスさんは人?
脚はそんな方向に曲がらないし、首はそこまで曲がりません。
子供組が弟子入りしたのは言うまでもない。
ドーガーも兄弟子としてジョジョ立ちを教えている。
青いアヒルのライバルが誕生したかもしれない。
一息ついて、ラーメンだ。
「ラーメンはどっち?ツイミさんたちは前に食べたものと違う味?豚骨ね?
トックスさんもね。
他はお醤油があっさり目だよ?
じゃ、豚骨5つにお醤油10?はい、よろこんで!
あ、師匠は悪いけど、器はどんぶりね。」
移動があるからあっというまに運ばれる。
皆がズゾーっ食べていく。
はーおいしい。
「セサミン?その器とレンゲ、いいでしょ?
それで食べればさらにおいしいような気がする。
実際、大きく開いてるから食べごろまですぐ冷めるし、重ねて収納できる。
軽くて持ちやすいしね。
食の祭りにそれで出せばいいんじゃないかなって。」
「すごいです!姉さん!」
「あとで、器屋さんにラーメンを届けてくるから、
売り込みに行くように言っておくね。」
「ええ、お願いします。あの密封の容器も、
大きくすれば樹石の保存にいいのではと。」
「あ!ほんとだね。それもいいかもね。
最初にちょっと高めに容器入れ込みで売って、
で、その容器を持ってきてくれれば、お得に買えるとかね。」
「なるほど。まとめてお得ですね。」
「そうそう。じゃ、そろそろ甘味を出そうかな?
アイスがはいってるから、お布団は戻すよ。チョコレートっていうものなんだ。
まだまだ研究途中だから、どうやって作るかはまだ内緒ね。
でも、おいしいからね、みんなに食べてほしいんだ。」
「え?それは隠匿をかけるということですか?」
「違うよ?新年まで待ってほしいんだ。それまでいっぱい研究したいの。」
「おお!それは楽しみですね。で、それがひれ伏すると?」
「そうだよ?うふふふ。じゃ、みなさん、召し上がれ。」
先に食べた3人はなんとか我慢はしている。
セサミンは意地でも感情を表に出さない。
無表情でパフェを食べている。
鬼気迫るものがある。
ルグ、トックスさん、ニックさんは泣いた。
子供たちはうひょひょ状態だ。
座って食べなさい!!
ドーガーは固まっている。
そしておもむろに立上りスライディング土下座。
すごい、初めて見たよ。
「わたくし、ドーガーはセサミナ様にお仕えする身でございますが、
こころはいつでもモウ様に!!」
「ドーガー!わたしにもそんな忠誠は誓っていないだろ!!」
「いえ、セサミナ様、これは仕方がないです。
わたくし、ルグのこころはいつでもモウ様に!!」
「ルグ!!!お前もか!!」
セサミンが吠えている。
「あはははは!よしよし、我が心の忠臣、ルグ、ドーガーよ。
その気持ち確かに受け取った。
これ以降はより一層、セサミナの為に尽くせ。
それが我の為だ。」
「「はっ!承知!!」」
「もちろん報酬はあるぞ?
チョコレートが滝のようにながれ、
そこに果物を絡めて食べるチョコレートマウンテンというものがある。
新年にはそれが食べれると思う。その2番権利を与えよう。
ああ、1番はマティスだから。」
「「はっ!恐悦至極!」」
「姉さん!それなんですか?え?滝のように?このちょこが?え?」
「うふふふ。楽しみにしておきたまえ。
新年は振る舞いがあるんでしょ?わたしからの振る舞いはそれだね。
その時は奥さんも子供も呼べばいい。まずは今日の面子と身内限定だ。
そこでチョコレートのお披露目だ。」
「なるほど、新年はコットワッツですね。」
「うむ、調整せねば。」
「みんなでたのしもうね。でも、それまでは内緒ね?」
「はい!!」
覚えていたらね。
最後にココアだ。
これも皆が喜んだ。
「じゃ、今日はこれで、お開きだ。
あ、歯は磨こうね。ニンニク料理の後だから。師匠たちも、ツイミさんも。
お土産にチョコとパイシチューが入ってるから。
チョコは自分たちだけで食べてね。
だれかにあげてもいいけど口止めはしっかりとね。
パイシチューは、窯で温めて。
それを崩して食べてね。食べ方も紙に書いてる。早めにたべて。
セサミンとルグ、ドーガーたちには家族分あるから。
ああ、ニックさんはルカリさんの分もね。
大丈夫、食べても太りはしないって。
もちろん、オート君のもね。
師匠とトックスさんの家にある窯は砂漠石で調整できるから、
おいしく焼いてくれくれってお願いすればいいから。
ガイライも師匠の家でいっしょに食べればいいよ。
師匠はもう直接帰るでしょ?」
「ええ。みな配下ですから運びます。馬も大丈夫でしょう。」
「アバサネ君とルコール君は?」
「馬を宿で預かってもらっています。今日も泊まって明日帰ります。」
「そうか、馬君にもお土産入れておくから。
涼しいところに置いとけばいいかな。
みんな、おひねりありがとうね。身内に甘やかされてる感じがするから
ほんとにこれで食べていけるかどうかちょっと疑問だけどね。」
また、子供たちが笑い出す。
「モウ様!あれ、仕事中に思い出したら死活問題ですよ?」
「あははは!そこはぐっと腹筋を鍛えようね。がんばれ!」
「「「はい!」」」
「じゃ、わたしたちは器屋さんところに行くから。
ではでは、皆さま、気を付けて帰ってね?
それと、ここの家は片付ける。サボテンの森に帰るよ。
なにかあったら、根性で呼んでくれればわかるから。」
あの兄2人が来た時や、3日殺しの解呪のことで
セサミンが呼んだ時のように。それぐらい必至なことなら大丈夫だ。
それを説明すると皆が納得してくれた。
アバサネ君とルコール君を街までルグが送り、
トックスさんはセサミンとドーガーが送る。
ツイミさんたちとスーとホー、ナルガを王都に送る師匠。
もちろん、おこたはお持ち帰りだ。背中にそれぞれが背負っている。
お約束のハグもして、ガイライとニックさんも帰っていく。
リグナもガイライの馬として。
「さ、6人前のラーメンを届けて来よう。」
「味はどうする?」
「豚骨でいいんじゃないの?お醤油は説明がしにくいから。」
自称天才職人の店主と弟子が4人、奥さんと6人で待っててくれたようだ。
言い値で器を作らせてくれる得意さまだ。
そわそわと店を閉めずに待っててくれた。
もちろん絶賛してくれた。明日にでもコットワッツに出向いてくれる。
ばたばたしたけど、これで食の祭りまでゆっくりできるかな?
いろいろあったけど、わたしがすることでもない。
ガイライと師匠にお任せだ。
「愛しい人、帰ろう。」
「うん、お家に帰ろう。」
タロスさんの家周辺は元に戻した。家も片付けた。
もう、ややこし事はごめんである。
わたしたちが帰るところはサボテンの森だ。
緑の石を使って森を再現するのもいいな。
「とにかくゆっくり寝よう。マティスも寝てないよね?
お風呂はもういいや。きれいにだけして、寝よう。」
「ああ、おいで?ここは寒いからな。抱き合って寝ないと。」
「うん。また、音楽聞かせてね。すごくよかった。」
「そうか?それはうれしいな。楽しみがまた増えてしまったな。」
「うん、いっぱいいっぱい増えるよ、楽しいことが。
だって、生きてるもの。」
「そうだな。生きているな。」
「つとめているんだよ。」
「そうだな。」
「うん、マティス、おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ、愛しい人。」
セサミンとガイライだな?ものすごく入ってる。
遠慮なく頂きましょう。
布団を取り除いたテーブルで、
コットワッツ組+トックス、リンゴ4兄弟、
軍部+師匠、わたしたちと湿地組にわかれて焼肉だ。
「あの、なんとお呼びすればいいのでしょうか?」
「ん?モウと、こっちはマティスで。
おじさんとおばさんでもいいよ?」
「モウ様、マティス様と。」
「できればさん付けの方がいいな?」
「・・・無理です。」
「あははは!ま、呼び名はなんでもいいよ。さ、食べて食べて!」
「はい!」
「ああ、あとでラーメンと特別な甘味があるからね?
それが入る余地は残しておいてよ?」
「はい!」
「奥方様!特別な甘味とは?」
よこのテーブルからドーガーが食いつく。
「ああ、ドーガー、我が心の友!
残念ながら、一口食べれば、ドーガーはひれ伏す。
コットワッツの次席としての貫禄もありゃしない。」
「な!それはわたしは甘味は好きですよ?
あまくない、このバリバリも。
今までだって、奥方様が出す甘味には感動を覚えています。
それがひれ伏すなんて!」
バリバリというのおかきのことだ。
「うふふふ。ま、それは食べてからのお楽しみだ。
頑張りたまえ、心の友よ!」
「モウ!先ほどの布団ですか?あれが欲しいのです。
トックスさんに注文したら羽毛は服飾に使うと。
このこたつといっしょに売り出すまでまてません。」
「そうなんだよ領主さんよ?あれがもっと欲しい。羽毛。
ローブあるだろう?あの形で、綿を入れる代わりに羽毛を入れるんだ。
軽くて温かい。毛皮でなく気軽に着ることが出来る。」
「早々にイリアスと交渉しましょう。食の祭りの後にでもすぐ。
個人ではなくイリアス領国からも参加の申し込みが来ています。
姉さん?わたしもあの布団とこのテーブルが欲しいのです。
上で何かを焼けるというのはいいですね。」
「これね。汚れを移動できるならいいけど、一般には別の方がいいよ?
お手入れが大変なものは売れないからね。」
「なるほど。ん?では、布団をどかさなくてもよかったのでは?」
「いや、確実に油とかが飛ぶ。そしてシミになる。
もちろん、きれいにはできる。でも、汚れるとわかっているのなら外す。
でないとわたしがわたしのかーちゃんに怒られる夢を見る。」
「・・・なるほど。」
「それに火を使うからね、危ないよ?
布団がなくてもいまは十分あったかい。
いいよ、布団とこのおこた。持って帰ればいい。
ツイミさんも母さんにも持って行ってあげたら?寒いでしょ。」
「ああ、うれしいです。母も喜びます。」
「わたしたちにもいいですか?」
アバサネとルコールが聞いてきた。
「もちろん。ほら!アバサネ君たち!これらがあってもダメなんだから!
樹石を売らないと!!」
「まって!姉さん!樹石の販売は一括でコットワッツが行いますから!」
「そうなの?アバサネ君?物の価値というのは需要と供給で決まる。
最低の卸価格を決めて、売り上げによっての収益を要求するんだよ?
領主だからといってなんでも二つ返事で了承してはいけないよ?」
「姉さん!!アバサネ!ルコール!もちろん、そういう取り決めだぞ?
話したよな?わたしをひどい商売人のように言わないでください!!」
「あはははは!!それで?樹石の研究はどうなった?」
油紙ならうまく1枚で大丈夫だそうだ。
そこにコットワッツ製とわかるように砂漠石で封をする。
これは一般に使う方法らしい。
燃やすのならそのまま燃えるし、
温度維持に使うなら少しめくってしまえばいい。
暖炉の温度維持では紙は燃える。懐炉ぐらいならそのまま。
新品かどうかもわかる。
封は砂漠石でするので偽物対策にもなる。
「へー考えたね。その封印は2人の店の名前にすればいい。屋号だね。
封印を破ったものは燃えないように封に仕込めばいいね。
そしたら、炬燵に使ったものが燃えることもない。
燃やすのなら、紙を完全に取るか、火にくべるかだ。
こたつや懐炉に使う樹石が燃えたら大変だからね。」
「「はい!」」
肉を焼き、酒を飲み、樹石のはなし、アヒルのこと、羽毛のこと。
「トックスさん!例の奴、見せてくださいよ!
ドーガーも弟子入りしたんでしょ?ドーガーも見せてよ!」
「ふふふ、待っていました!まずはわたしのをご覧下さい!」
ドーガーがのりのりで見せてくれる。
「ではでは、じゃじゃーん!はい、はい、はい!!!」
ほんとに弟子入りして教えてもらったんだ。
動きが滑らか!気持ち悪いぐらい!!
「すごい!ドーガー!」
「すげー!!」
子供組は大絶賛!!
そしてドーガーはジョジョ立ち。ここでするのか・・・・。
そして真打登場!トックスさんだ。
「驚くなよ?練習したら、こんなことまでできるようになったんだ。」
コットワッツ、砂漠の端で大絶叫が響き渡った。
え?トックスさんは人?
脚はそんな方向に曲がらないし、首はそこまで曲がりません。
子供組が弟子入りしたのは言うまでもない。
ドーガーも兄弟子としてジョジョ立ちを教えている。
青いアヒルのライバルが誕生したかもしれない。
一息ついて、ラーメンだ。
「ラーメンはどっち?ツイミさんたちは前に食べたものと違う味?豚骨ね?
トックスさんもね。
他はお醤油があっさり目だよ?
じゃ、豚骨5つにお醤油10?はい、よろこんで!
あ、師匠は悪いけど、器はどんぶりね。」
移動があるからあっというまに運ばれる。
皆がズゾーっ食べていく。
はーおいしい。
「セサミン?その器とレンゲ、いいでしょ?
それで食べればさらにおいしいような気がする。
実際、大きく開いてるから食べごろまですぐ冷めるし、重ねて収納できる。
軽くて持ちやすいしね。
食の祭りにそれで出せばいいんじゃないかなって。」
「すごいです!姉さん!」
「あとで、器屋さんにラーメンを届けてくるから、
売り込みに行くように言っておくね。」
「ええ、お願いします。あの密封の容器も、
大きくすれば樹石の保存にいいのではと。」
「あ!ほんとだね。それもいいかもね。
最初にちょっと高めに容器入れ込みで売って、
で、その容器を持ってきてくれれば、お得に買えるとかね。」
「なるほど。まとめてお得ですね。」
「そうそう。じゃ、そろそろ甘味を出そうかな?
アイスがはいってるから、お布団は戻すよ。チョコレートっていうものなんだ。
まだまだ研究途中だから、どうやって作るかはまだ内緒ね。
でも、おいしいからね、みんなに食べてほしいんだ。」
「え?それは隠匿をかけるということですか?」
「違うよ?新年まで待ってほしいんだ。それまでいっぱい研究したいの。」
「おお!それは楽しみですね。で、それがひれ伏すると?」
「そうだよ?うふふふ。じゃ、みなさん、召し上がれ。」
先に食べた3人はなんとか我慢はしている。
セサミンは意地でも感情を表に出さない。
無表情でパフェを食べている。
鬼気迫るものがある。
ルグ、トックスさん、ニックさんは泣いた。
子供たちはうひょひょ状態だ。
座って食べなさい!!
ドーガーは固まっている。
そしておもむろに立上りスライディング土下座。
すごい、初めて見たよ。
「わたくし、ドーガーはセサミナ様にお仕えする身でございますが、
こころはいつでもモウ様に!!」
「ドーガー!わたしにもそんな忠誠は誓っていないだろ!!」
「いえ、セサミナ様、これは仕方がないです。
わたくし、ルグのこころはいつでもモウ様に!!」
「ルグ!!!お前もか!!」
セサミンが吠えている。
「あはははは!よしよし、我が心の忠臣、ルグ、ドーガーよ。
その気持ち確かに受け取った。
これ以降はより一層、セサミナの為に尽くせ。
それが我の為だ。」
「「はっ!承知!!」」
「もちろん報酬はあるぞ?
チョコレートが滝のようにながれ、
そこに果物を絡めて食べるチョコレートマウンテンというものがある。
新年にはそれが食べれると思う。その2番権利を与えよう。
ああ、1番はマティスだから。」
「「はっ!恐悦至極!」」
「姉さん!それなんですか?え?滝のように?このちょこが?え?」
「うふふふ。楽しみにしておきたまえ。
新年は振る舞いがあるんでしょ?わたしからの振る舞いはそれだね。
その時は奥さんも子供も呼べばいい。まずは今日の面子と身内限定だ。
そこでチョコレートのお披露目だ。」
「なるほど、新年はコットワッツですね。」
「うむ、調整せねば。」
「みんなでたのしもうね。でも、それまでは内緒ね?」
「はい!!」
覚えていたらね。
最後にココアだ。
これも皆が喜んだ。
「じゃ、今日はこれで、お開きだ。
あ、歯は磨こうね。ニンニク料理の後だから。師匠たちも、ツイミさんも。
お土産にチョコとパイシチューが入ってるから。
チョコは自分たちだけで食べてね。
だれかにあげてもいいけど口止めはしっかりとね。
パイシチューは、窯で温めて。
それを崩して食べてね。食べ方も紙に書いてる。早めにたべて。
セサミンとルグ、ドーガーたちには家族分あるから。
ああ、ニックさんはルカリさんの分もね。
大丈夫、食べても太りはしないって。
もちろん、オート君のもね。
師匠とトックスさんの家にある窯は砂漠石で調整できるから、
おいしく焼いてくれくれってお願いすればいいから。
ガイライも師匠の家でいっしょに食べればいいよ。
師匠はもう直接帰るでしょ?」
「ええ。みな配下ですから運びます。馬も大丈夫でしょう。」
「アバサネ君とルコール君は?」
「馬を宿で預かってもらっています。今日も泊まって明日帰ります。」
「そうか、馬君にもお土産入れておくから。
涼しいところに置いとけばいいかな。
みんな、おひねりありがとうね。身内に甘やかされてる感じがするから
ほんとにこれで食べていけるかどうかちょっと疑問だけどね。」
また、子供たちが笑い出す。
「モウ様!あれ、仕事中に思い出したら死活問題ですよ?」
「あははは!そこはぐっと腹筋を鍛えようね。がんばれ!」
「「「はい!」」」
「じゃ、わたしたちは器屋さんところに行くから。
ではでは、皆さま、気を付けて帰ってね?
それと、ここの家は片付ける。サボテンの森に帰るよ。
なにかあったら、根性で呼んでくれればわかるから。」
あの兄2人が来た時や、3日殺しの解呪のことで
セサミンが呼んだ時のように。それぐらい必至なことなら大丈夫だ。
それを説明すると皆が納得してくれた。
アバサネ君とルコール君を街までルグが送り、
トックスさんはセサミンとドーガーが送る。
ツイミさんたちとスーとホー、ナルガを王都に送る師匠。
もちろん、おこたはお持ち帰りだ。背中にそれぞれが背負っている。
お約束のハグもして、ガイライとニックさんも帰っていく。
リグナもガイライの馬として。
「さ、6人前のラーメンを届けて来よう。」
「味はどうする?」
「豚骨でいいんじゃないの?お醤油は説明がしにくいから。」
自称天才職人の店主と弟子が4人、奥さんと6人で待っててくれたようだ。
言い値で器を作らせてくれる得意さまだ。
そわそわと店を閉めずに待っててくれた。
もちろん絶賛してくれた。明日にでもコットワッツに出向いてくれる。
ばたばたしたけど、これで食の祭りまでゆっくりできるかな?
いろいろあったけど、わたしがすることでもない。
ガイライと師匠にお任せだ。
「愛しい人、帰ろう。」
「うん、お家に帰ろう。」
タロスさんの家周辺は元に戻した。家も片付けた。
もう、ややこし事はごめんである。
わたしたちが帰るところはサボテンの森だ。
緑の石を使って森を再現するのもいいな。
「とにかくゆっくり寝よう。マティスも寝てないよね?
お風呂はもういいや。きれいにだけして、寝よう。」
「ああ、おいで?ここは寒いからな。抱き合って寝ないと。」
「うん。また、音楽聞かせてね。すごくよかった。」
「そうか?それはうれしいな。楽しみがまた増えてしまったな。」
「うん、いっぱいいっぱい増えるよ、楽しいことが。
だって、生きてるもの。」
「そうだな。生きているな。」
「つとめているんだよ。」
「そうだな。」
「うん、マティス、おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ、愛しい人。」
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どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
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「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。
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