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391:そんなもんだよん
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「晩御飯は何にしようか?
トウミギの天ぷらと照り焼き丼?」
「それはワイプがどんぶりものがいいと言ったからか?」
「ん?わたしが食べたいもの。照り焼きは、鳥を焼いて、
お醤油とお酒、ちょっとのお砂糖で
照りを出すの。甘じょっぱい感じ。
トウミギは、長く削いで、油で揚げるの。
野菜はカンランの千切りをご飯と照り焼きの間に入れればいいよ。
いっしょに作ろうね。」
「わかった。」
あとは砂ずりの炒め物とか?
「そのあとのおやつはポップコーン。
どうなのって感じだけどね。」
「樹脂蜜や、テオブロマの甘味、それとキトロスの皮をまぶすのは?
ちょこは今はいいだろう。」
「お!それいいね。ブランデーもいいかも。」
「ああ、それはいいな。」
湯舟につかりながら、
晩御飯の献立を考える。
「クジラは?」
「んー、あれは砂浜に行ったときに、炙ってみようかな。
あの内臓の匂いは強烈だったから。
腐ってるからだとおもったけど、もしかして、そういう匂いなのかも。
ちょっと、注意してやってみよう。」
「石は?」
「あれね。うん。あれももう少しきれいに洗うよ。
炙るんだと思うんだけどね。なんか、溶剤に溶かすとかなんとかだったけ?
んー、わかんないけど。
砂浜で炙りシリーズをやてみよう。
それで、セサミンに連絡は?」
「ワイプが戻ってからだな。
あの2人がルポイドの配下であの指示をもらっていたかもしれない。
だったら、セサミナに連絡をつけてやる必要もないからな。」
「そうだね。そこまで信用はできないか。」
おそらくライガーも来るだろう。
そうなるとガイライ達も来る。
全部で何人だ?
オート君もルカリさんも来るだろうか?
誰もいない師匠の家に入り、準備を始める。
「ルカリさんって貴族なんでしょ?ニバーセルの。
王族関係者ってことだよね。
ルカリアとも関係あるの?名前が似てるけど。」
「そうだったと聞いたことがあるぞ。
ルカリの名は家の名の通称だ。マティスやセサミナという名ではない。
それで、家名でもないな。
名前はややこしいんだ。」
「へー。じゃ、ライガーとルカリさんは親戚筋?」
「遠くもないが近くもない親戚筋だろうな。」
「面白いね。コットワッツは?こっちに親戚筋とかいてるの?」
「遠くというならいてるだろうな。」
「あはははは!最終的にはみな親戚って奴だね。」
「!そうなるな。」
「じゃ、師匠とも親戚だ。」
「・・・・。」
「あはははは!ほんと大好きっ子だね。」
「なんでそうなるんだ?」
「うふふふふ。さ、てんぷら。どう?熱いよ?軽く塩を振っただけ。」
「ふぉ、ふぉ、うまいな!ビールが飲みたい!」
「そうだね。そんな味だね。」
ああ、家中にお醤油のいい香りが立ち込める。
さきにビャクが帰ってきた。
「おかえりなさい。お疲れ様です。
クーちゃんも仕事なんだね。どう?順調?」
指先に執拗絡んでくるので、
おでこをカリカリと掻いてやる。
順調のようだ。
また料理の続きだ。
ちゃんと手は洗いますよ。
ニックさんが来るなら、日本酒のあても。
ワサビ菜はおすすめだ。
「モウ様!!」
一番はカップ君、チュラル君とルビス君だ。
クーちゃんも。
クーちゃんもまたおでこカリカリを要求する。
すっかりかわいい子になってしまった。
「おかえり。手を洗っといでよ?石鹸置いてるからそれでね。
カップ君、指先がきれいだともてるよ?故郷の歌にもあった。
爪もね。きれいにね。」
「はい。ワイプ様から連絡がありました。
今日はなんですか?」
「どんぶりものだよ?ご飯に鳥肉乗っけてるの。
あとはトウミギの天ぷら。油で揚げたものね。
馬の餌だけどおいしんだよ?」
「楽しみです。」
「ワイプ様たちは少し遅れてきます。
俺たちは手伝っておくようにって。
あと、オート院長と軍部の皆さんも。ライガーさんもです。」
「ああ、大丈夫。ライガーは何してんの?」
「ふふふ。扱かれていました。ニック殿に。」
「強いの?」
「大会は銃で優勝したってことで、
ニック殿が言うにはドーガーさんと同じぐらいって。」
「そうなんだ。それは鍛えないといけないねぇ。
じゃ、みなでマティスを手伝ってくれる?」
「はーい。」
手伝いが来たからわたしは、テーブルを少し大きくしておこう。
後、椅子と。
そとで、ポップコーンを作っておくか。
「えーとだれか一人手伝ってくれる?」
ルビス君が手伝ってくれるようだ。
「ん?また伸びたね。まだ痛い?」
「はい。湯舟につかれば取れます。が、さぼるとちょっと。
でも大分ましになりました。」
「そう。よかったね。」
「それで、あの双子の話。モウ様の故郷での話、
教えてください。」
「んー、やっぱりさ、一緒に生まれたっていう神秘性はあるよね。
だからいろんな話があるよ。
神様のはなしから、いい話、悪い話。
兄弟でも似るんだから双子だったら尚更似てる。
一卵性でも二卵性でもね。
で、気持ちが通じ合うっていうのがある、っていう話。」
身代わりだとかそういう話はしないで、
楽しい話を。最終的には六つ子の話になった。
だよん、だよん、そんなもんだよんの歌の方だ。
そんなもんだよ、というのは真理だとおもう。
「通じ合うのは?ほんとですか?」
「物語の中だからね、なんとも。
でもさ、同じことを考えてたとか、予感とかない?」
ボン、ボンとポップコーンを作り、
それに塩、メイガ、赤粉、樹脂蜜、テオブロマ甘味、キトロスのジャム。
バターもあるし、バター醤油も。
これを絡めていく。
出来上がるたびに味見。
「あ!やっぱり!なんか食べてると思った!!」
チュラル君がやって来た。
これは通じるなにかか?
「あははは。味見だけだよ?
そっちは?マティスの料理の味見してたでしょ?」
「え?なんでわかるんですか!!」
「口元、照り焼きのたれがついてるよ?」
「!!」
「ずるい!!」
「何言ってんだよ!お前の方こそずるい!
俺はちゃんとお前の分持ってきたのに!」
「おれだって、残してるよ!お前の分!さきに味を見たほうが
あとでたくさん好きなのを食べれるから!」
「あははは!たくさん食べてね。」
お酒に漬け込むものも作っておこう。
ボン、ボン、ボン。
「愛しい人、皆がやってくるぞ?」
「はーい。おやつはこんなもんでしょ。
さ、おやつは所詮おやつだ。おなかすいたね~。」
「おかえりなさい。お疲れさま。」
「!!モウ、殿。え?ああ、赤い塊殿に?」
「うん。あのあと大丈夫だった?言っとくけど、
あれは師匠がやったことだからね。」
「いえ、あの動きすらわからなかった。
目覚めれば、ここでした。
出発までニック殿に手ほどきをお願いしています。」
「じゃ、槍術なのね?」
「もともとはそれを。」
ニックさんはやはり、教え上手で教え好きなようだ。
「さ、ともかくご飯にしよう。手を洗って来てね?
石鹸で!」
みな不思議そうにするが、洗ってくれ。
がっつり照り焼き丼をお代りするのは
お若い人たち。
ルカリさんはご飯少なめ、カンラン多めだ。
ニックさんはお刺身とワサビ菜がお気に入りになった。
最初にもらった5本がもうない。
渓谷に取りに行かねば。根付いているかな。
オート君はトウミギの天ぷらに驚いていた。
「いえ、馬の飼料で王都でまとめて買っています。
ルポイドも産地ですが、
デルサートル、中央大砂漠に挟まれている国ですね、
その国から海路で、ピクトを横断して入ります。
いや、うまいので。驚きました。」
「食後の甘味はこれを使ったものですよ。
良ければお持ち帰りください。彼女さんに。」
「ありがとうございます!!」
「モウ、またあなたはオート院長を甘やかす。
マティス君の殺気が飛びますよ?」
「かまわん。オートは団員なんだ。ワイプ死ね死ね団の。」
「マティス殿、その名前からして素晴らしい団体だということが分かります。」
「さすがだ、オート。どうすればワイプが死ぬかを考える団体だ。
私とお前、スーとビャクも団員だ。」
「なるほど、わかります。
スーとビャクが大変ですが、仕事と割り切っているところが素晴らしい。
ビャク、この実をあげよう。うまいぞ?」
ビャクは人気者だ。
クーちゃんは自分の巣箱で、乾燥トウキビを器用に、
一粒ずつはがしながら食べている。
あとはワサビ菜もシャリシャリとおいしそうに食べていた。
いつになるかわからないけど、ちょっと相談したいことがあると
先にいておく。
トックスさんのことは認識しているようだ。
いつでも、という返事がもらえた。
「モウちゃん、この辛いの。
赤粉と違う、うまさだな。つーんと来るのがいい。」
「お酒に会いますよね?
カニ身に付けてもおいしいと思いますよ。」
「おお!いいな、それ。」
「また、持ってきときますね。
きれいな水があるとこで育つそうですよ?ツイミさんが教えくれたんです。」
「ははは、こんな風においしく食べたことはなかったですがね。
このトウキビも。そのままかじってました。
湯がくんですね。」
「そのままでも、少し甘いですよね。
でも、一番おいしいのは収穫後すぐですよ。
1日に経ってもだめ。取った瞬間です。
来年の収穫時に仕入れてきます!」
その場で収納すればいい。
なんなら畑を全部買っても問題ない。
稼がねば!
ライガーはルカリさんの家に泊っているそうだ。
にこやかに話をしている。
「ガイライ?どうした?」
「いえ。うまい食事、ありがとうございます。
特別なものではない、ましてや馬の餌としてあるものが、
これほどうまいものになるというのに驚いています。」
「んー、でも、このお醤油はまだ特別だよ?」
「ええ、そうでしょう。それでもです。
これは、広めてもいいものなのですか?」
「どうぞ?制限することなんてしないよ?
ただ、ワサビや、トウキビがみんなに広まって、
取りつくしてしまったり、馬達のご飯がなくなるなんてことがあったら嫌だけどね。
あと、盗んだり?高値で売ったり?
一時的なことは仕方がないけどね。
デルサートル?ってところから買っているのは、
馬の餌だ。金額も安いんだろうね。
それを人間が食べるんだったら、きっと値上げしてくる。
こんなの人が食べるもんじゃない、馬の餌だっていう人達には
いい迷惑だ。それだけだね。問題は。」
「そうですね。」
翌日に出る物のこともマティスに話してもらう。
「さ、食後の甘味を食べようか。
このトウキビを膨らしたものに味を付けたんだよ。
甘味ばっかりじゃないけど、お酒をしみ込ませているのもあるから。
オート院長にはいろいろな味を詰めたものをお土産に。
ルカリ殿は塩味だけね。
これ、間食にいいですよ?
脂っこくないから。なんにせよ、食べる量と運動の量なんですよ。」
「勉強になります。あの体操もいいようですよ?
わたしには直接の効果は分かりませんが。」
「ふふふ。生徒さん?」
「はははは、そうです。このトウキビのお菓子も紹介していいですか?」
「いいけど、作り方はちょっと特殊だよ?
外で作って見せようか?」
樹石のコンロにフライパン、そしてフタ。
ボン、ボン、ボン。
「フタをしないと飛んでいくし、フタを置くだけだと
フタごと飛ぶの。重石をのせないとダメみたい。
危ないからね、それだけ注意ね。あと熱いから火傷と。」
オート君とルカリさんはお土産をもらって帰っていった。
オート君はさっそく彼女のところに。
ルカリさんはお酒を飲まないので。
ライガーも残りたそうだったが、宿の主が帰るんだ、
一緒に戻っていった。
カップ君たちも酒のみの相手はしてられんと、
一通りの味をもって各自の部屋に戻った。
「さ、師匠?どうでした?」
あの2人がいたから聞けなかたんだ。
「ルポイド、ドルガナ、両方に雇われていたようですね。
今回のことでいろいろ調整をしていたようですよ。」
「そうだろうね。内部に誰かいないと、すぐに破綻する。」
「あと、もう一人、女官は完全にドルガナの人間です。」
ガイライとニックさんには簡単にマティスが説明している。
時間系列で、順序良くと言われていた。
「あと、赤い塊と名乗った石使い、
元うちの石使いでしたよ。ああ、帰りにね、牢屋をちょっと覗いてきました。
わたしをみて迎えに来たと思ったのか、ペラペラと話してくれましたよ。」
「連れて帰ってきたんですか?」
「まさか。わたしはそこまで暇じゃないんで。
いずれしかるべきものが来るでしょうとだけ。」
「しかし、拘束されたままだったんだ。」
「向こうもいろいろあるんでしょうね。
エデト元首には話してますから、どうするかお決めになるでしょう。」
「厳しいねー。」
「あなたが甘いんですよ?」
「いや、別にどうでもいいんで。」
「それはそうですね。」
「モウちゃん、クジラを食べたのか!」
「ええ!おいしかった!」
「だろうな。俺も一度だけあるんだ。討伐してもなかなか食わしてもらえん。」
「ガイライは?」
「わたしは2回ですね。それで、骨と皮とあの石の身をもらったと?」
「ええ。骨と皮はトックスさんに何か使えないか相談しようと思って。
石の身は食べれないかなって。」
「それはないな。さすがに今までにいろいろ試しているだろうさ。」
「そうかな?表面の身を剥いで、それがものすごくおいしかったから
あとはいいやってなってるかも。」
「んー、そうだな。俺も試そうとはしてないな。しかし、焼いてるもんもいたぞ?
それで食えてたら、俺の耳にもはいる。結局、
表面の肉を取ったら、即埋め立ったからな。」
「いろいろ試してみます。
食べられる方法が分かればその方法を買い取ってくれるらしいですよ?」
「うまかったら食わしてくれな。」
「もちろん。
そうだ、ニックさんはあの軍部隊長知ってますよね?ガイライも。」
「知ってるさ。ずっとあのおっさんだ。チャクボより長寿だな。」
「元首のお父さんだって知ってましたか? 」
「今聞いて驚きました。」
「やっぱり、外部は知らないことなんですね。
ルポイドの国民はみな知ってるようですよ。
当たり前過ぎて話題にもならないような感じで。
それで、最近テルマさんのおじいさまがなくなったと。」
「そうか、どんどん引き継いでいるのか。」
「3世代で統治してるって言ってました。」
「それも一つの方法だろうな。ここ、ニバーセルは違う。
王族の誰かだ。王の息子だからと言って次の王になるわけではない。」
「どうやって決まるの?」
「知らん。王と名乗るものが王なんだ。」
「・・・ざっくりだね。」
「モウちゃんよ。あれだ。誰でもいいんだよ。」
「なるほど。」
ガイライはクジラの討伐に誘われたというと、
ぜひ参加しようと言ってくる。
肉がおいしかったらねーと返事。
月が沈む前になんとかお開き。
イリアスの砂浜に戻ることが出来た。
モモを回収せねば。
トウミギの天ぷらと照り焼き丼?」
「それはワイプがどんぶりものがいいと言ったからか?」
「ん?わたしが食べたいもの。照り焼きは、鳥を焼いて、
お醤油とお酒、ちょっとのお砂糖で
照りを出すの。甘じょっぱい感じ。
トウミギは、長く削いで、油で揚げるの。
野菜はカンランの千切りをご飯と照り焼きの間に入れればいいよ。
いっしょに作ろうね。」
「わかった。」
あとは砂ずりの炒め物とか?
「そのあとのおやつはポップコーン。
どうなのって感じだけどね。」
「樹脂蜜や、テオブロマの甘味、それとキトロスの皮をまぶすのは?
ちょこは今はいいだろう。」
「お!それいいね。ブランデーもいいかも。」
「ああ、それはいいな。」
湯舟につかりながら、
晩御飯の献立を考える。
「クジラは?」
「んー、あれは砂浜に行ったときに、炙ってみようかな。
あの内臓の匂いは強烈だったから。
腐ってるからだとおもったけど、もしかして、そういう匂いなのかも。
ちょっと、注意してやってみよう。」
「石は?」
「あれね。うん。あれももう少しきれいに洗うよ。
炙るんだと思うんだけどね。なんか、溶剤に溶かすとかなんとかだったけ?
んー、わかんないけど。
砂浜で炙りシリーズをやてみよう。
それで、セサミンに連絡は?」
「ワイプが戻ってからだな。
あの2人がルポイドの配下であの指示をもらっていたかもしれない。
だったら、セサミナに連絡をつけてやる必要もないからな。」
「そうだね。そこまで信用はできないか。」
おそらくライガーも来るだろう。
そうなるとガイライ達も来る。
全部で何人だ?
オート君もルカリさんも来るだろうか?
誰もいない師匠の家に入り、準備を始める。
「ルカリさんって貴族なんでしょ?ニバーセルの。
王族関係者ってことだよね。
ルカリアとも関係あるの?名前が似てるけど。」
「そうだったと聞いたことがあるぞ。
ルカリの名は家の名の通称だ。マティスやセサミナという名ではない。
それで、家名でもないな。
名前はややこしいんだ。」
「へー。じゃ、ライガーとルカリさんは親戚筋?」
「遠くもないが近くもない親戚筋だろうな。」
「面白いね。コットワッツは?こっちに親戚筋とかいてるの?」
「遠くというならいてるだろうな。」
「あはははは!最終的にはみな親戚って奴だね。」
「!そうなるな。」
「じゃ、師匠とも親戚だ。」
「・・・・。」
「あはははは!ほんと大好きっ子だね。」
「なんでそうなるんだ?」
「うふふふふ。さ、てんぷら。どう?熱いよ?軽く塩を振っただけ。」
「ふぉ、ふぉ、うまいな!ビールが飲みたい!」
「そうだね。そんな味だね。」
ああ、家中にお醤油のいい香りが立ち込める。
さきにビャクが帰ってきた。
「おかえりなさい。お疲れ様です。
クーちゃんも仕事なんだね。どう?順調?」
指先に執拗絡んでくるので、
おでこをカリカリと掻いてやる。
順調のようだ。
また料理の続きだ。
ちゃんと手は洗いますよ。
ニックさんが来るなら、日本酒のあても。
ワサビ菜はおすすめだ。
「モウ様!!」
一番はカップ君、チュラル君とルビス君だ。
クーちゃんも。
クーちゃんもまたおでこカリカリを要求する。
すっかりかわいい子になってしまった。
「おかえり。手を洗っといでよ?石鹸置いてるからそれでね。
カップ君、指先がきれいだともてるよ?故郷の歌にもあった。
爪もね。きれいにね。」
「はい。ワイプ様から連絡がありました。
今日はなんですか?」
「どんぶりものだよ?ご飯に鳥肉乗っけてるの。
あとはトウミギの天ぷら。油で揚げたものね。
馬の餌だけどおいしんだよ?」
「楽しみです。」
「ワイプ様たちは少し遅れてきます。
俺たちは手伝っておくようにって。
あと、オート院長と軍部の皆さんも。ライガーさんもです。」
「ああ、大丈夫。ライガーは何してんの?」
「ふふふ。扱かれていました。ニック殿に。」
「強いの?」
「大会は銃で優勝したってことで、
ニック殿が言うにはドーガーさんと同じぐらいって。」
「そうなんだ。それは鍛えないといけないねぇ。
じゃ、みなでマティスを手伝ってくれる?」
「はーい。」
手伝いが来たからわたしは、テーブルを少し大きくしておこう。
後、椅子と。
そとで、ポップコーンを作っておくか。
「えーとだれか一人手伝ってくれる?」
ルビス君が手伝ってくれるようだ。
「ん?また伸びたね。まだ痛い?」
「はい。湯舟につかれば取れます。が、さぼるとちょっと。
でも大分ましになりました。」
「そう。よかったね。」
「それで、あの双子の話。モウ様の故郷での話、
教えてください。」
「んー、やっぱりさ、一緒に生まれたっていう神秘性はあるよね。
だからいろんな話があるよ。
神様のはなしから、いい話、悪い話。
兄弟でも似るんだから双子だったら尚更似てる。
一卵性でも二卵性でもね。
で、気持ちが通じ合うっていうのがある、っていう話。」
身代わりだとかそういう話はしないで、
楽しい話を。最終的には六つ子の話になった。
だよん、だよん、そんなもんだよんの歌の方だ。
そんなもんだよ、というのは真理だとおもう。
「通じ合うのは?ほんとですか?」
「物語の中だからね、なんとも。
でもさ、同じことを考えてたとか、予感とかない?」
ボン、ボンとポップコーンを作り、
それに塩、メイガ、赤粉、樹脂蜜、テオブロマ甘味、キトロスのジャム。
バターもあるし、バター醤油も。
これを絡めていく。
出来上がるたびに味見。
「あ!やっぱり!なんか食べてると思った!!」
チュラル君がやって来た。
これは通じるなにかか?
「あははは。味見だけだよ?
そっちは?マティスの料理の味見してたでしょ?」
「え?なんでわかるんですか!!」
「口元、照り焼きのたれがついてるよ?」
「!!」
「ずるい!!」
「何言ってんだよ!お前の方こそずるい!
俺はちゃんとお前の分持ってきたのに!」
「おれだって、残してるよ!お前の分!さきに味を見たほうが
あとでたくさん好きなのを食べれるから!」
「あははは!たくさん食べてね。」
お酒に漬け込むものも作っておこう。
ボン、ボン、ボン。
「愛しい人、皆がやってくるぞ?」
「はーい。おやつはこんなもんでしょ。
さ、おやつは所詮おやつだ。おなかすいたね~。」
「おかえりなさい。お疲れさま。」
「!!モウ、殿。え?ああ、赤い塊殿に?」
「うん。あのあと大丈夫だった?言っとくけど、
あれは師匠がやったことだからね。」
「いえ、あの動きすらわからなかった。
目覚めれば、ここでした。
出発までニック殿に手ほどきをお願いしています。」
「じゃ、槍術なのね?」
「もともとはそれを。」
ニックさんはやはり、教え上手で教え好きなようだ。
「さ、ともかくご飯にしよう。手を洗って来てね?
石鹸で!」
みな不思議そうにするが、洗ってくれ。
がっつり照り焼き丼をお代りするのは
お若い人たち。
ルカリさんはご飯少なめ、カンラン多めだ。
ニックさんはお刺身とワサビ菜がお気に入りになった。
最初にもらった5本がもうない。
渓谷に取りに行かねば。根付いているかな。
オート君はトウミギの天ぷらに驚いていた。
「いえ、馬の飼料で王都でまとめて買っています。
ルポイドも産地ですが、
デルサートル、中央大砂漠に挟まれている国ですね、
その国から海路で、ピクトを横断して入ります。
いや、うまいので。驚きました。」
「食後の甘味はこれを使ったものですよ。
良ければお持ち帰りください。彼女さんに。」
「ありがとうございます!!」
「モウ、またあなたはオート院長を甘やかす。
マティス君の殺気が飛びますよ?」
「かまわん。オートは団員なんだ。ワイプ死ね死ね団の。」
「マティス殿、その名前からして素晴らしい団体だということが分かります。」
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私とお前、スーとビャクも団員だ。」
「なるほど、わかります。
スーとビャクが大変ですが、仕事と割り切っているところが素晴らしい。
ビャク、この実をあげよう。うまいぞ?」
ビャクは人気者だ。
クーちゃんは自分の巣箱で、乾燥トウキビを器用に、
一粒ずつはがしながら食べている。
あとはワサビ菜もシャリシャリとおいしそうに食べていた。
いつになるかわからないけど、ちょっと相談したいことがあると
先にいておく。
トックスさんのことは認識しているようだ。
いつでも、という返事がもらえた。
「モウちゃん、この辛いの。
赤粉と違う、うまさだな。つーんと来るのがいい。」
「お酒に会いますよね?
カニ身に付けてもおいしいと思いますよ。」
「おお!いいな、それ。」
「また、持ってきときますね。
きれいな水があるとこで育つそうですよ?ツイミさんが教えくれたんです。」
「ははは、こんな風においしく食べたことはなかったですがね。
このトウキビも。そのままかじってました。
湯がくんですね。」
「そのままでも、少し甘いですよね。
でも、一番おいしいのは収穫後すぐですよ。
1日に経ってもだめ。取った瞬間です。
来年の収穫時に仕入れてきます!」
その場で収納すればいい。
なんなら畑を全部買っても問題ない。
稼がねば!
ライガーはルカリさんの家に泊っているそうだ。
にこやかに話をしている。
「ガイライ?どうした?」
「いえ。うまい食事、ありがとうございます。
特別なものではない、ましてや馬の餌としてあるものが、
これほどうまいものになるというのに驚いています。」
「んー、でも、このお醤油はまだ特別だよ?」
「ええ、そうでしょう。それでもです。
これは、広めてもいいものなのですか?」
「どうぞ?制限することなんてしないよ?
ただ、ワサビや、トウキビがみんなに広まって、
取りつくしてしまったり、馬達のご飯がなくなるなんてことがあったら嫌だけどね。
あと、盗んだり?高値で売ったり?
一時的なことは仕方がないけどね。
デルサートル?ってところから買っているのは、
馬の餌だ。金額も安いんだろうね。
それを人間が食べるんだったら、きっと値上げしてくる。
こんなの人が食べるもんじゃない、馬の餌だっていう人達には
いい迷惑だ。それだけだね。問題は。」
「そうですね。」
翌日に出る物のこともマティスに話してもらう。
「さ、食後の甘味を食べようか。
このトウキビを膨らしたものに味を付けたんだよ。
甘味ばっかりじゃないけど、お酒をしみ込ませているのもあるから。
オート院長にはいろいろな味を詰めたものをお土産に。
ルカリ殿は塩味だけね。
これ、間食にいいですよ?
脂っこくないから。なんにせよ、食べる量と運動の量なんですよ。」
「勉強になります。あの体操もいいようですよ?
わたしには直接の効果は分かりませんが。」
「ふふふ。生徒さん?」
「はははは、そうです。このトウキビのお菓子も紹介していいですか?」
「いいけど、作り方はちょっと特殊だよ?
外で作って見せようか?」
樹石のコンロにフライパン、そしてフタ。
ボン、ボン、ボン。
「フタをしないと飛んでいくし、フタを置くだけだと
フタごと飛ぶの。重石をのせないとダメみたい。
危ないからね、それだけ注意ね。あと熱いから火傷と。」
オート君とルカリさんはお土産をもらって帰っていった。
オート君はさっそく彼女のところに。
ルカリさんはお酒を飲まないので。
ライガーも残りたそうだったが、宿の主が帰るんだ、
一緒に戻っていった。
カップ君たちも酒のみの相手はしてられんと、
一通りの味をもって各自の部屋に戻った。
「さ、師匠?どうでした?」
あの2人がいたから聞けなかたんだ。
「ルポイド、ドルガナ、両方に雇われていたようですね。
今回のことでいろいろ調整をしていたようですよ。」
「そうだろうね。内部に誰かいないと、すぐに破綻する。」
「あと、もう一人、女官は完全にドルガナの人間です。」
ガイライとニックさんには簡単にマティスが説明している。
時間系列で、順序良くと言われていた。
「あと、赤い塊と名乗った石使い、
元うちの石使いでしたよ。ああ、帰りにね、牢屋をちょっと覗いてきました。
わたしをみて迎えに来たと思ったのか、ペラペラと話してくれましたよ。」
「連れて帰ってきたんですか?」
「まさか。わたしはそこまで暇じゃないんで。
いずれしかるべきものが来るでしょうとだけ。」
「しかし、拘束されたままだったんだ。」
「向こうもいろいろあるんでしょうね。
エデト元首には話してますから、どうするかお決めになるでしょう。」
「厳しいねー。」
「あなたが甘いんですよ?」
「いや、別にどうでもいいんで。」
「それはそうですね。」
「モウちゃん、クジラを食べたのか!」
「ええ!おいしかった!」
「だろうな。俺も一度だけあるんだ。討伐してもなかなか食わしてもらえん。」
「ガイライは?」
「わたしは2回ですね。それで、骨と皮とあの石の身をもらったと?」
「ええ。骨と皮はトックスさんに何か使えないか相談しようと思って。
石の身は食べれないかなって。」
「それはないな。さすがに今までにいろいろ試しているだろうさ。」
「そうかな?表面の身を剥いで、それがものすごくおいしかったから
あとはいいやってなってるかも。」
「んー、そうだな。俺も試そうとはしてないな。しかし、焼いてるもんもいたぞ?
それで食えてたら、俺の耳にもはいる。結局、
表面の肉を取ったら、即埋め立ったからな。」
「いろいろ試してみます。
食べられる方法が分かればその方法を買い取ってくれるらしいですよ?」
「うまかったら食わしてくれな。」
「もちろん。
そうだ、ニックさんはあの軍部隊長知ってますよね?ガイライも。」
「知ってるさ。ずっとあのおっさんだ。チャクボより長寿だな。」
「元首のお父さんだって知ってましたか? 」
「今聞いて驚きました。」
「やっぱり、外部は知らないことなんですね。
ルポイドの国民はみな知ってるようですよ。
当たり前過ぎて話題にもならないような感じで。
それで、最近テルマさんのおじいさまがなくなったと。」
「そうか、どんどん引き継いでいるのか。」
「3世代で統治してるって言ってました。」
「それも一つの方法だろうな。ここ、ニバーセルは違う。
王族の誰かだ。王の息子だからと言って次の王になるわけではない。」
「どうやって決まるの?」
「知らん。王と名乗るものが王なんだ。」
「・・・ざっくりだね。」
「モウちゃんよ。あれだ。誰でもいいんだよ。」
「なるほど。」
ガイライはクジラの討伐に誘われたというと、
ぜひ参加しようと言ってくる。
肉がおいしかったらねーと返事。
月が沈む前になんとかお開き。
イリアスの砂浜に戻ることが出来た。
モモを回収せねば。
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【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
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12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
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※カクヨムにも投稿しています
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