404 / 869
404:塩
しおりを挟む
ずっしりと重い。
エビはまだ匂いはしない。
生きてるのもいるしね。
裏通りに入って、真空にして、そのまま収納。
白身の魚はどうしようか?
今回はいいか。
化粧水屋の前まで戻り、そこから気配を消し、また裏通りに入った。
しばらく進んで、通りに戻れば大丈夫。
大きな塩屋さんの前にでた。
「すいません。海水から作った塩をください。」
「いらっしゃい。はじめてだね?ピクトで売るのなら、これだ。」
3種類。一番安い塩を勧められた。
皆が知ってる話なんだな。
「この横のは?」
「これより、高い。金に余裕があればこれは王都で売れる。」
「その横は?」
「一番高い。が、一番うまい。ここの者しか買わない。」
「おいしいんでしょ?王都では売れない?」
「ふーん。1銀貨で教えてやろうか?」
「お願いします。」
「ここで扱っている塩は作っている場所が違う。
場所が違うってことは作り方が微妙に違う。
それと距離も違う。そうなると乾燥具合も違う。
一番うまい塩はここで食うからうまい。王都に運んでいく間に、
真ん中の塩と同じ味になる。」
「ん?じゃ、一番おいしい塩をピクトに持っていったら、
中間位のおいしい塩になる?」
「そうなるな。だが、ピクトの連中は味覚がおかしいのさ、
この一番安い塩がうまいという。物を知らない連中なんだ。」
要は乾燥具合と味の好みか。
「難しいですね。」
「そんなことはない。ピクトで売るか、王都で売るかだ。
ここで食べるならこれ。簡単だろう?」
いやいや、どこが?
「んー、じゃ3種類、ください。」
「おい、こっちは親切で教えてやったんだぞ?金はもらったが。
始めたんだろ?買って損するぞ?」
「物は試しですよ!この背負子にそれぞれ3種類。
同じ量でください。」
「は!勝手にすればいい。それの背負子か。
全部で120リングだ。」
やはり高いな!
「高いですね。ちなみにお安いのだけだと?」
「60」
「真ん中の全部だと?」
「120」
「お高いの全部だと?」
「180」
んー?
3、2、1なんだよね?
で、3は時間が経てば2になると。
3、2、1は確保したい。
「すいません、今の無しで。」
「そうだろ?」
「お高いのを4つ。あとは真ん中の1つ。お安いのは1つ。
「・・・・。」
「いや、乾燥を防げればいいのではないかと。
この魚の袋を使えばおいしいまま、王都に運べる。
ピクトまでは持たないかもしれないけど、持てば儲けもので、
珍しくて買ってくれるかも。ね?試す価値あるでしょ?」
「これで?ああ、なるどな。魚の皮ね。毛は処理してるんだ。
王都までは、そうだな。いいかもしれない。
だがピクトはダメだと思うぞ?あいつらは物を知らないから。」
「王都で売れれば売り切ります!」
「ま、がんばれ。この袋、数はあるのか?」
「ええ。10袋ほど。」
「6つだな。のこり4つの袋は売ってくれるか?」
「1つ2リングですよ?」
「かまわない。」
魚の皮は1枚5銀貨だ。2枚使っているから1リング。
毛の処理と手間で1リングだ。
他の人がすればもっとかかるだろう。
塩で150リング。袋を8リングで売ったから142ングだ。
今度ここに来るときに袋があれば売ってくれと言われた。
化粧水の瓶と魚の袋。
もう一度来るのことになるな。
もう月が昇って半分だ。
誰もいない境界を抜けて、ひたすら歩いていく。
途中何台かの荷馬車が追い越していった。
月が沈むと同時にダカルナの王都に入れるのだろう。
歩きでは月が昇る頃か。
ニバーセルの大門は月が昇れば閉まるが、
ダカルナは港町同様24時間体制だそうだ。
塩、3種類は収納。これは売らない。
他はそれぞれを魚の皮にいれて乾燥具合を確かめないと。
まじめに歩いて王都に向かっている。
「寝ずに大丈夫か?」
「そうだね、よくないね。この頃不規則だ。
だけど、頑張るよ。王都の守衛に宿を紹介してもらって、
そのまま寝ずに商売をしよう。
半分くらいで様子を見よう。売れれば良し、売れなければ、砂漠に向かおう。
合わさりの月の日までには砂漠を超えたほうがいいでしょ?」
「そうだな。コットワッツ同様、砂漠石の回収をしているだろうからな。」
「だよね。あまりよそ様に見られるのも嫌だろうから。超えたら、いったん、
コットワッツに戻ろうか?化粧水の入れ物と、魚の袋を作っておく?」
「魚はイリアスの東の海でいいだろう。・・・気になるか?」
「ああ、送ったところだね。ううん。そんなことはない。
あの外壁がいい餌場になってればいいと思うよ。うん、魚はそこで。
瓶は形は考えてあるんだ。単純だよ?細長くすればいいだけだから。
絵にかけばすぐ作ってくれるかな?」
「出来上がれば、引き返すのか?」
「それなんよ。魚の袋はいつでもいいかな?あれを見本に作ればいいしね。
たぶんあまりよろしくない仕上がりだと思うけど。
化粧水の瓶はいいと思うんだよね。
あの例のオイル入れにもなる。ガラスの瓶はまだ普及してないでしょ?
もらったのは貴重なものだったんだ。
それでも、密封性がないからね。」
ゼムの奥さんがくれたときは、貴重なものだとは思ったけど、
そこまで希少性があるとは思っていなかった。
結婚のお祝いの最大級の物だったんだ。
「とにかく、まじめに歩くよ。荷重かけて。
出ないよニックさんに笑われるからね。」
「そうだな。走るか?」
「いや、人目がある。まじめに、まじめに。
そうそう、塩を運ぶロバ、んーここでは駱駝馬かな?
その話をしてあげようか?」
「どんな話だ?」
「んーとね、商人がいて、荷物を駱駝馬に運ばせているの。
その荷は塩ね。どこの世界でも塩は貴重だ。
遠い場所か街に塩を運んでいる。
毎日重たくて重たくて、駱駝馬は川の近くでよろけてしまったんだ。
するとどうなる?塩は水に流されて、積み荷は軽くなった。
馬は思ったね。
はっはーん、水に入れば荷は軽くなる!
覚えたぞ!!ってね。
商人は余りにも重い荷を持たせたことを反省したんだ。
半分以下に減った塩を何とか売りさばいて、今度はそこで綿を仕入れた。
綿花の方だね。
詰め込んで詰め込んで、塩と同じぐらいに大きさにしたけど、
荷は比べ物にならないほど軽い。
これで、よろけて川にはまることはないだろうってね。
行きではまった皮に近づいた。
馬は思ったね。
また川にはまったら荷は軽くなる!
どっぼーん!
どうなったと思う?
商人が慌てて引き上げようとしても、
綿が水を含んで重くなったる。落ちないようにしっかり結わえてある。
とうとう馬はおぼれ死んだって。
狡いことをしたらダメって話。」
「・・・・。」
「ん?突っ込みどころ満載?」
「いや、なんというか、商人も災難だな。」
「ああ、そっちか。そうだね。良かれと思ってやったことが、
真逆になったら困るよね。
どうすればよかったのかな?」
「そうだな。この荷は綿だから水を含むと重くなるから気を付けろと注意する?」
「・・・ここではそうなるか。馬と意思の疎通ができるもんね。
故郷ではダメだな。各々が勝手にそう思ってるんじゃないかって。
人間だけが分かってないかもしれないけどね。」
「愛しい人は?故郷では?」
「わからんよ。こっちに来てから。動物全般はどっちかというと苦手だったかな?
考えていることが分からないから。」
「人もそうだろ?」
「そうだよ?でもわかる必要がないって思ってたの。人はね。
でもさ、犬とか猫とか。ああ、小さな動物ね、彼らはなんか訴えてるんよ。
でも、分からなかったの。だから余計に申し訳なくて苦手だったな。」
「そうか。」
「うん。」
そんなくだらない話をしながら進んでいく。
月が沈んでもひたすら進む。
旅の話は、イソップ物語。
ガチョウと黄金の卵も、鳥と話し合えばよかったのに、となった。
なるほど。
あの鳥も食べるから意思の疎通は行はないが、
大事にしている、ペット的な立場だとわかり合えるんだ。
イソップ物語の人と絡む話は全てダメになるな。
金の斧と銀の斧も素早く奪えといわれた。
なるほど。
「そういえばさ、櫓宿で買った若かりし頃の剣のマティスの武勇伝は、
実際どうなの?」
「遠征にはガイライ、ニックの隊にいた。そんなことを許すと思うか?」
「常に10人ほど侍らせるっての?んー、ガイライもニックさんも一緒にとか?」
「・・・ないな。それ、ガイライが聞けば泣くぞ?」
「ん?その間は何?」
「侍らせてはいないが、宿営地には押しかけていた、女が。」
「おお!!」
「なぜ喜ぶ?」
「きゃー!マティス様がこっちを見たわ!!って?」
「!!聞いたのか?」
「おお!その人たちは今どうしてるんだろうね。
今のマティスを見てもわからないのかな?」
「どうだろうか?あの宿の女将もその時代を知っているが、
分からなかっただろ?話だけなんだろうな。」
「そうか。・・・そのさ。」
「・・・みな、嫁に行ってる。子も、孫もいるだろう。」
「え?そんな年齢?ああ、そうか、そうだね。
そのだれも訪ねてこなかったの?その話はだれから?」
「誰も来なかった。話はタロスからだ。
もともと砂漠には誰も来ない。」
タロスさんが守ったのか?
関わりを絶ったのか?
タロスさんは謎だな。
「だいぶたってから街に出入りしてたんでしょ?
知ってる顔というか、その人たちと会うことはなかったの?」
「ないな。ゼムのところか、本屋か石鹸屋。ザバスのところ。
そこだけだからな。声を掛ける娼婦も腕と眼帯で、
ダメだとわかる。」
「おお。これは、どうなんだろう?」
「?なにが?」
「んー、マティスには災難だったけど、わたしは良かったなって。
人の不幸を喜んではダメなんだけど、こればっかりは。うん、よかったなって。」
「それでいい。私もあなたが来てくれてうれしいのだから。」
「そっか。うん。よかったね。」
「ああ、よかった。」
心から良かったと思ってしまった。
誰かが、通っていたとか、街に行ってあったとか、
そんなことは聞きたくないけど、知りたいと思ってしまう。
なんて嫌な女だ。
わたしは逆に聞かれても困らないからか?
数えるほどの相手との話。
付き合っていたと、言えるかどうか。
その場の雰囲気でそうなったこともある。
好きだ、愛してるなんて言ったことも言われたこともないな。
ああ。
「マティス?」
「どうした?」
「マティス、わたしはあなたが好きだ。愛しています。」
「!私もだ。愛しい人を愛している。」
「うふふふふ。」
「愛しい人。もっと言って?」
仕方がないな。
一休さんの替え歌を歌った。
もちろん、マティスには大うけだった。
あーあー、なむさんだー。
エビはまだ匂いはしない。
生きてるのもいるしね。
裏通りに入って、真空にして、そのまま収納。
白身の魚はどうしようか?
今回はいいか。
化粧水屋の前まで戻り、そこから気配を消し、また裏通りに入った。
しばらく進んで、通りに戻れば大丈夫。
大きな塩屋さんの前にでた。
「すいません。海水から作った塩をください。」
「いらっしゃい。はじめてだね?ピクトで売るのなら、これだ。」
3種類。一番安い塩を勧められた。
皆が知ってる話なんだな。
「この横のは?」
「これより、高い。金に余裕があればこれは王都で売れる。」
「その横は?」
「一番高い。が、一番うまい。ここの者しか買わない。」
「おいしいんでしょ?王都では売れない?」
「ふーん。1銀貨で教えてやろうか?」
「お願いします。」
「ここで扱っている塩は作っている場所が違う。
場所が違うってことは作り方が微妙に違う。
それと距離も違う。そうなると乾燥具合も違う。
一番うまい塩はここで食うからうまい。王都に運んでいく間に、
真ん中の塩と同じ味になる。」
「ん?じゃ、一番おいしい塩をピクトに持っていったら、
中間位のおいしい塩になる?」
「そうなるな。だが、ピクトの連中は味覚がおかしいのさ、
この一番安い塩がうまいという。物を知らない連中なんだ。」
要は乾燥具合と味の好みか。
「難しいですね。」
「そんなことはない。ピクトで売るか、王都で売るかだ。
ここで食べるならこれ。簡単だろう?」
いやいや、どこが?
「んー、じゃ3種類、ください。」
「おい、こっちは親切で教えてやったんだぞ?金はもらったが。
始めたんだろ?買って損するぞ?」
「物は試しですよ!この背負子にそれぞれ3種類。
同じ量でください。」
「は!勝手にすればいい。それの背負子か。
全部で120リングだ。」
やはり高いな!
「高いですね。ちなみにお安いのだけだと?」
「60」
「真ん中の全部だと?」
「120」
「お高いの全部だと?」
「180」
んー?
3、2、1なんだよね?
で、3は時間が経てば2になると。
3、2、1は確保したい。
「すいません、今の無しで。」
「そうだろ?」
「お高いのを4つ。あとは真ん中の1つ。お安いのは1つ。
「・・・・。」
「いや、乾燥を防げればいいのではないかと。
この魚の袋を使えばおいしいまま、王都に運べる。
ピクトまでは持たないかもしれないけど、持てば儲けもので、
珍しくて買ってくれるかも。ね?試す価値あるでしょ?」
「これで?ああ、なるどな。魚の皮ね。毛は処理してるんだ。
王都までは、そうだな。いいかもしれない。
だがピクトはダメだと思うぞ?あいつらは物を知らないから。」
「王都で売れれば売り切ります!」
「ま、がんばれ。この袋、数はあるのか?」
「ええ。10袋ほど。」
「6つだな。のこり4つの袋は売ってくれるか?」
「1つ2リングですよ?」
「かまわない。」
魚の皮は1枚5銀貨だ。2枚使っているから1リング。
毛の処理と手間で1リングだ。
他の人がすればもっとかかるだろう。
塩で150リング。袋を8リングで売ったから142ングだ。
今度ここに来るときに袋があれば売ってくれと言われた。
化粧水の瓶と魚の袋。
もう一度来るのことになるな。
もう月が昇って半分だ。
誰もいない境界を抜けて、ひたすら歩いていく。
途中何台かの荷馬車が追い越していった。
月が沈むと同時にダカルナの王都に入れるのだろう。
歩きでは月が昇る頃か。
ニバーセルの大門は月が昇れば閉まるが、
ダカルナは港町同様24時間体制だそうだ。
塩、3種類は収納。これは売らない。
他はそれぞれを魚の皮にいれて乾燥具合を確かめないと。
まじめに歩いて王都に向かっている。
「寝ずに大丈夫か?」
「そうだね、よくないね。この頃不規則だ。
だけど、頑張るよ。王都の守衛に宿を紹介してもらって、
そのまま寝ずに商売をしよう。
半分くらいで様子を見よう。売れれば良し、売れなければ、砂漠に向かおう。
合わさりの月の日までには砂漠を超えたほうがいいでしょ?」
「そうだな。コットワッツ同様、砂漠石の回収をしているだろうからな。」
「だよね。あまりよそ様に見られるのも嫌だろうから。超えたら、いったん、
コットワッツに戻ろうか?化粧水の入れ物と、魚の袋を作っておく?」
「魚はイリアスの東の海でいいだろう。・・・気になるか?」
「ああ、送ったところだね。ううん。そんなことはない。
あの外壁がいい餌場になってればいいと思うよ。うん、魚はそこで。
瓶は形は考えてあるんだ。単純だよ?細長くすればいいだけだから。
絵にかけばすぐ作ってくれるかな?」
「出来上がれば、引き返すのか?」
「それなんよ。魚の袋はいつでもいいかな?あれを見本に作ればいいしね。
たぶんあまりよろしくない仕上がりだと思うけど。
化粧水の瓶はいいと思うんだよね。
あの例のオイル入れにもなる。ガラスの瓶はまだ普及してないでしょ?
もらったのは貴重なものだったんだ。
それでも、密封性がないからね。」
ゼムの奥さんがくれたときは、貴重なものだとは思ったけど、
そこまで希少性があるとは思っていなかった。
結婚のお祝いの最大級の物だったんだ。
「とにかく、まじめに歩くよ。荷重かけて。
出ないよニックさんに笑われるからね。」
「そうだな。走るか?」
「いや、人目がある。まじめに、まじめに。
そうそう、塩を運ぶロバ、んーここでは駱駝馬かな?
その話をしてあげようか?」
「どんな話だ?」
「んーとね、商人がいて、荷物を駱駝馬に運ばせているの。
その荷は塩ね。どこの世界でも塩は貴重だ。
遠い場所か街に塩を運んでいる。
毎日重たくて重たくて、駱駝馬は川の近くでよろけてしまったんだ。
するとどうなる?塩は水に流されて、積み荷は軽くなった。
馬は思ったね。
はっはーん、水に入れば荷は軽くなる!
覚えたぞ!!ってね。
商人は余りにも重い荷を持たせたことを反省したんだ。
半分以下に減った塩を何とか売りさばいて、今度はそこで綿を仕入れた。
綿花の方だね。
詰め込んで詰め込んで、塩と同じぐらいに大きさにしたけど、
荷は比べ物にならないほど軽い。
これで、よろけて川にはまることはないだろうってね。
行きではまった皮に近づいた。
馬は思ったね。
また川にはまったら荷は軽くなる!
どっぼーん!
どうなったと思う?
商人が慌てて引き上げようとしても、
綿が水を含んで重くなったる。落ちないようにしっかり結わえてある。
とうとう馬はおぼれ死んだって。
狡いことをしたらダメって話。」
「・・・・。」
「ん?突っ込みどころ満載?」
「いや、なんというか、商人も災難だな。」
「ああ、そっちか。そうだね。良かれと思ってやったことが、
真逆になったら困るよね。
どうすればよかったのかな?」
「そうだな。この荷は綿だから水を含むと重くなるから気を付けろと注意する?」
「・・・ここではそうなるか。馬と意思の疎通ができるもんね。
故郷ではダメだな。各々が勝手にそう思ってるんじゃないかって。
人間だけが分かってないかもしれないけどね。」
「愛しい人は?故郷では?」
「わからんよ。こっちに来てから。動物全般はどっちかというと苦手だったかな?
考えていることが分からないから。」
「人もそうだろ?」
「そうだよ?でもわかる必要がないって思ってたの。人はね。
でもさ、犬とか猫とか。ああ、小さな動物ね、彼らはなんか訴えてるんよ。
でも、分からなかったの。だから余計に申し訳なくて苦手だったな。」
「そうか。」
「うん。」
そんなくだらない話をしながら進んでいく。
月が沈んでもひたすら進む。
旅の話は、イソップ物語。
ガチョウと黄金の卵も、鳥と話し合えばよかったのに、となった。
なるほど。
あの鳥も食べるから意思の疎通は行はないが、
大事にしている、ペット的な立場だとわかり合えるんだ。
イソップ物語の人と絡む話は全てダメになるな。
金の斧と銀の斧も素早く奪えといわれた。
なるほど。
「そういえばさ、櫓宿で買った若かりし頃の剣のマティスの武勇伝は、
実際どうなの?」
「遠征にはガイライ、ニックの隊にいた。そんなことを許すと思うか?」
「常に10人ほど侍らせるっての?んー、ガイライもニックさんも一緒にとか?」
「・・・ないな。それ、ガイライが聞けば泣くぞ?」
「ん?その間は何?」
「侍らせてはいないが、宿営地には押しかけていた、女が。」
「おお!!」
「なぜ喜ぶ?」
「きゃー!マティス様がこっちを見たわ!!って?」
「!!聞いたのか?」
「おお!その人たちは今どうしてるんだろうね。
今のマティスを見てもわからないのかな?」
「どうだろうか?あの宿の女将もその時代を知っているが、
分からなかっただろ?話だけなんだろうな。」
「そうか。・・・そのさ。」
「・・・みな、嫁に行ってる。子も、孫もいるだろう。」
「え?そんな年齢?ああ、そうか、そうだね。
そのだれも訪ねてこなかったの?その話はだれから?」
「誰も来なかった。話はタロスからだ。
もともと砂漠には誰も来ない。」
タロスさんが守ったのか?
関わりを絶ったのか?
タロスさんは謎だな。
「だいぶたってから街に出入りしてたんでしょ?
知ってる顔というか、その人たちと会うことはなかったの?」
「ないな。ゼムのところか、本屋か石鹸屋。ザバスのところ。
そこだけだからな。声を掛ける娼婦も腕と眼帯で、
ダメだとわかる。」
「おお。これは、どうなんだろう?」
「?なにが?」
「んー、マティスには災難だったけど、わたしは良かったなって。
人の不幸を喜んではダメなんだけど、こればっかりは。うん、よかったなって。」
「それでいい。私もあなたが来てくれてうれしいのだから。」
「そっか。うん。よかったね。」
「ああ、よかった。」
心から良かったと思ってしまった。
誰かが、通っていたとか、街に行ってあったとか、
そんなことは聞きたくないけど、知りたいと思ってしまう。
なんて嫌な女だ。
わたしは逆に聞かれても困らないからか?
数えるほどの相手との話。
付き合っていたと、言えるかどうか。
その場の雰囲気でそうなったこともある。
好きだ、愛してるなんて言ったことも言われたこともないな。
ああ。
「マティス?」
「どうした?」
「マティス、わたしはあなたが好きだ。愛しています。」
「!私もだ。愛しい人を愛している。」
「うふふふふ。」
「愛しい人。もっと言って?」
仕方がないな。
一休さんの替え歌を歌った。
もちろん、マティスには大うけだった。
あーあー、なむさんだー。
13
あなたにおすすめの小説
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる