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405:遠火の強火
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月が昇り始めるころに、
ダルカナの王都、大門前に着いた。
問答はない。
積み荷の検査もない。
名前と何をしに来たかだけだ。
販売ならどこから何を仕入れてきた迄を報告。
仕入れなら出るときに何を買ったかを報告。
これはどこで売るかは予定だけでいい。
いわゆるビックデーターという奴か?
ダルカナは情報の国だ。
「行商のティスとモウだ。売るものは、モウ?」
「イリアスの港町フェルトナで仕入れた毛長ボットのチーズ、
ダカルナのニッケで塩と小エビです。」
「小エビ?あの?」
「そうです。焼いて食べればおいしかったんで。
今から焼いて売れば大丈夫。
広場で食べ物をうってもいいんですよね?」
「いいけど。ああ、お前たち内陸者だな?」
「そうだ。わかるのか?」
「わかるさ。騙されたんだよ。あれがうまいって。
それも勉強か。広場で店を出すのは自由だ。
後始末はきちんとな。ゴミは持ち帰り。水も自分たちで用意しろ。」
「わかった。それと、これを。」
宿を聞かなくては。1銀貨を渡す。
「いい宿屋を教えてくれ。」
「・・・お前、このことを誰に聞いた?
この話を知ってるのにエビを買ったのか?」
「櫓宿の女将だ。エビを買うと言ったらお前と同じような顔をしたな。」
「ああ、それでも仕入れたのか。・・・物好きだな。
広場に入って5軒目。レルギーの宿がいいだろう。
広場の真ん中だ。」
「ありがとう。」
「小エビを売るのか?化粧水は?」
「化粧水はきっとほかの人も仕入れて売ってるからね。
ここではいいよ。
小エビは串に刺して塩焼き。竹炭で焼けばいいと思うんだ。
ひと串、そうだね、1銀貨だ。屋台価格だ。
下ごしらえに手間がかかるけど、そこは土下座級だ。」
「コットワッツの商品は?」
「そうなんだよね。これは失敗した。
売ると、櫓宿の女将の耳に入る。あの人に疑いをもたれたくない。
ピクトで荷を受け取るって設定は押し通すよ。」
「そうか。」
「それで、200串売ってしまったら、砂漠に向かおう。
あの毛長ポットのチーズをさ、前にやったみたいにトロトロにしてさ、
それを茹でたエビにからめるのもいいよね。これは5銅貨を上乗せで。
殼も剥いてあげるんだから。
あとね、その時取るエビの頭は油でカリっと上げるの。
これ仕入れた油でやってみよう。
油を売るわけじゃないんだから報告も必要ないでしょ?」
「それはうまいのか?」
「たぶん。」
「さきに試そう。」
「うん。おいしくて売るのがもったいなくなるかも!
ビールに合うんよ。」
「なるほど!」
レルギーの宿は確かに広場の真ん中だが、流行っていなさそう。
なんでここを紹介してくれたんだろ?
「すいませーん。守衛さんに紹介されました、行商の物です。
ティスとモウと言います。月が沈むまでお願いします。」
奥からおじさんが出てきた。
「へー。守衛がか?なんだ?食いもんでもうるのか?」
「そうです。わたしたちどうやら世間知らずなようで、
ここのこといろいろ教えてほしいんです。お願いします。」
「へー。それは誰から教えてもらった?」
「櫓宿のミフィルさんです。」
「へー。じゃ、守衛に金も渡したのか?」
「ええ。」
「どんな奴だった?」
「ん?どんな?」
覚えてるわけがない。
「ティス?」
「歳は40前か。すこし右肩が下がっている。
元から守衛ではない。前の仕事での癖が出ている。
筋肉は付いているな。この頃はそれを使うことはしていない。
爪先はきれいだ。髪色は主殿と同じか。
ああ、主殿の親戚か何かだな、よく似ている。」
「・・・ティス?そこまで細かいことはいいと思うよ?」
「あはははは!間違いないな。それは俺の倅だ。
ここはもとは食堂だ。宿もやってる。
広場の真ん前だから、ここから食いもんを売るのにうってつけなんだ。」
なるほど。
あの木戸を開ければいいんだ。いいねー。
キッチンがあるしね。火も使い放題だ。
「上の宿は月が沈むまで2リング。風呂はない。
勝手に桶で湯あみをしてくれ。
いろいろ教えてほしいってことだな?
3リングだ。どんなことを聞いてくれてもいいし、
何でも教えてやろう。聞かないと損だぞ?
ああ、こっちからも教えてやるから。
知らないことは聞きようがない。
ここの台所を使うなら、そうだな、5リングでいいな。
水は井戸が裏にあるし、ゴミ捨て場もある。
そのテーブルや椅子も使ってもいい。どうだ?」
「素晴らしい!!お願いします!」
台所も好きなように使ってくれていいと言われた。
レンタルキッチンなのかな?
いいね。
準備をしないと。
カンランを2つほど買ってきてもらう。
じっと見ているからだ。
手数料込みで1銀貨。
5つで1銀貨だったから、まぁいだろう。
その間に、背ワタと取ったエビに串を刺す。
足が長いので、それも短く、腹に切り込みも入れる。それが100本。
頭を取って、皮をむき、湯がいたもの、100本。
味見用は別で作っている。当然だ。
「うまく剥くもんだな?」
「こういう系の下準備は手伝ってたからね。さ、とりあえずこんなもんで。
横で塩も売ろう。いくらが相場か教えてもらわないとね。」
3種類の塩。
買ってすぐに味見をしたが確かに値段で味が違っていた。
お高いものは甘味があるのだ。
今は?
「わたしには同じなんだけど?」
「そうだな。変わりないと思うぞ?」
「戻ったぞ。2つでいいんだな?できるだけ大きいもの。」
「おかえりなさい。すいません、助かりました。
ティス、これをさ、これぐらいの四角に切って。
お皿にするから。で、中の方はさらに小さく。
端の方は湯がけばいい。
チーズと頭の唐揚げの横に添えよう。」
「お前たち、そのエビを売るのか?」
「ええ、そうです。それと塩と。
あの、いろいろ教えてもらえますか?塩の相場ってどれぐらい?」
「いや、まずはそのエビは売れない。」
「ん?どうして?地域的に食べちゃダメなものでしたか?」
「いや違う。誰が半生や丸焦げの物を食べるんだって話だ。」
「ああ、それは大丈夫。先に焼きましょうか?
ちょっと、半分くらい木戸開けて、煙がこっちに来たら困る。」
軽石で固めた長細い枠の中に竹炭を熱している。
底に網を置き、塩を振ったエビを焼く。
じっくりね。遠火の強火だ。
塩はお高いものを使ってる。
カンランの葉っぱ皿にのせてはいどうぞ。
「頭をこう、がしっと。あ、その味噌がうまい。吸います。
で、脚をむしって、殻をこう、っペロッと。
で、あー、おいしい!!塩加減ちょうどいいね!」
ゴミ箱を置かないといけないな。
あと、手拭きと。タオルを置いておこう。
自分たち用にもっていたということで。
「うまい!!」
「よかった。これ、一番高い塩なんです。
横で売ろうかなって。魚の皮で包んできたんで乾燥は少ないみたい。
どうですか?」
3種類の塩を味見してもらった。
「これが一番安いもの?で、中塩、高塩?」
「そうですね。中塩っていうんですね?値段から?」
「そうだ。ピクトで安塩なんて言うなよ?」
「じゃ、なんていえば?」
「1番塩だ。」
「なるほど。で、どうです?高塩?売れますかね?」
「ここでは安塩は売れない。中塩が一番よく売れる。
しかし、安塩が中塩と同じぐらいか。
普段は安塩をこの器1杯で5銅貨、中塩が1銀貨、高塩が1リングだ。
魚の皮か。考えたな。」
「塩屋さんも今度来るときに持ってきてくれって。
1枚2リングで買ってくれましたよ?」
「はん。明日になったら1枚5リングで売ってるだろうな。」
「おお!材料が1リングで、手間が1リングですよ?」
「そんなもんだ。しかし、その分上乗せしたほうがいいな。
安塩とかの名前も出さないほうがいいが、どうするかな。」
「すこし味見用に並べて、5銅貨、1銀貨、1リングだけ言いますよ。
上乗せはいいです。エビが売れるほうがいいんで。」
「そうか。それで、その剥いてるのは?」
「これはチーズに絡めて。横のカンランも実はおいしいんですよ?
これは1.5銀貨。さっきのは1銀貨。」
「2銀貨だな。頭は?」
「これはまとめて、油で揚げます。
お酒のあてですね。どうぞ?」
「・・・。酒は?酒は売らないのか?」
「ないですもん。」
「ここで売ってもいいか?中で!」
「どうぞ?5つで、よこにカンラン置いて、1銀貨?
20個しかないですよ?」
「3つでいい。食べた後の頭は?」
「いや、それはダメですよ。それは処分ですね。
で、それと殼を捨てるものはここに。足元に捨てられると
後から来るお客に嫌がられる。
手拭きはコットワッツのタオル!売り物なんですが、
もうこれしかなくて。濡らして、手を拭いもらいます。」
「わかった。良し。たぶんこれはすぐに売り切れる。
100と100か。もうないのか?」
「あと300ほど。」
「準備しておけ。しかし、まー、よくこれを売る気になったな。」
「食べておいしかったからですよ?」
「どこで食べた?」
「櫓宿の隣の食堂。」
「そんな料理を出していたか?わからんな。」
「そうですか?」
「まぁ、いい。そら、木戸を開けて、焼き始めろ。
さっきの匂いで、表に人が集まってる。
中で酒が飲めると言え。」
「でも、あては頭だけ?」
「問題ない。簡単なものは作れる。ここはもとは食堂なんだ。
おれも作れるさ。
大体ここの人間はチーズと干し肉、豆があればいいんだ。
余ってる酒をすべて売り切るぞ!いいな!」
「「おーー!!」」
「さぁさぁ、いらはい、いらはい!
尾頭付きのエビの串焼きだ!新鮮産地直送!
小さいなんて笑っちゃいけない!小さいからこそ味が凝縮されてるんだ!
笑って文句言うのは物を知らない奴なんだよ!
ささ、一つ騙されたと思って食べてごらん!
1本1銀貨だ!だまされたって話の種になるだろ?
どこぞのお間抜けが小エビを売ってたってね!
そこで笑うのはほんとの物しらずだ!ここの人はそんなこたーないね!
知ってるよ!確かめなきゃダメな性分なんだ!
そうだろ?兄さん!さ、食べておくれよ!
こっちは毛長ポットのチーズが絡んでいるよ!
2銀貨だ!
とろとろだ!冷める前に食べておくれ!
横にあるカンランは中のやわらかいところなんだ!
しってる?これがまたおいしい!
ささ、どうだい!
お?兄さん!さすがだ!買ってくれるのかい!
よし!じゃ、わたしが食べ方を教えてやろう!
まずは頭をばきっと!この頭のみそをじゅって吸う。
歯に自信がるなら食べてもいい。
後は脚を剥いて、殼も剥いて、うーまーい!!
さ!どうだい?」
「おお!」
さっそく同じように食べていく。
「うまいだろ?こっちのチーズは頭と殼は剥いてるから食べやすい!
中ではうまい味噌の入ったエビの頭を油で揚げたものも売ってるよ!
だって酒が飲みたくなるじゃないか!ささ、酒も飲めるよ!よっといで!!」
どんどん売れる。どんどん焼いていく。
外はわたしとマティスが捌いていたけど、中が込みだすと
マティスは中を手伝ってもらうことにする。
生焼けと焦げを出さなければ大丈夫。
頭のところからおいしい汁が出てくれば火が通った証拠だ。
「うまいな!味は塩だけ?」
「お!なんだい、ここの兄さんはなんて物知りなんだ!
そうだよ、ニッケで仕入れてきたんだ!
ささ、味を見てから買っておくれ?いつもの塩よりきっとうまいはずだよ?
ちなみにこのエビには!
なんと!一番お高いのをつかっておりまーす!!
一杯1リングだ!
ん?ちょっとまって!もしかして、エビがおいしいんじゃなくて、
この塩がおいしいのかも!?
え?そうなの?
それはお家で確かめて!!ささ、まずはエビの串焼き食べてって!
チーズもトロトロだよ!
頭はカリっとおいしいよ!
ここの宿屋の酒を全部飲み干してくれ!ささ、いらはいいらはい!!」
「手はそこで拭いておくれ!
いいだろ?残念ながら売り物じゃないんだ!
コットワッツの新製品!タオルっていうだ!
また、機会があれば持ってくるよ!ああ、伸びるだろ?
それはゴムだ。これも売りもんじゃない!ごめんよ!
え?いやいや、強盗に襲われたんだよ!イリアスで!
走ったね!必死のパッチ!え?パッチ?
いや、わたしもくわしくはしらないけど、こう、死に物狂い?
そういうときに言うんだよ!そうそう、必死のパッチ!!
で、走ったんだよ!後ろからはアヒルが、クーアーって追いかけてくる!
うわーって荷物の大半は投げ捨てて!
イリアスが港町フェルトナの門まで走った!!
”どいてーー!!”
下り坂で止まらない!!
門番は言う!
”止まれーー!!”
無理だってんだ!!
え?アヒルもいたよ後ろに。
だけど肝心の強盗をのせてないんでやんの。
単にアヒルと競争してただけだったんだ!
そりゃ、もう、門番は怒ったね!
もう全面降伏!
いやー、怖かった。
はじめての罪状がアヒルと競争の罪?
これじゃ、なくに泣けない!
あははははは!!!
ま、話をすれば分かってくれたさ!」
串を買いつつ、話を聞いていく。
笑って、中で一杯やろうかねと。
「名のある強盗団だと聞いたよ?怖いねー。
知ってるかい?」
「ああ、ルトウエル団だろ?護衛を付けない暢気な行商を襲うんだよ。」
「ああ、まさにわたしたちだ。」
「殺されなかっただろ?」
「いやいや、その何とか様?それに捧げようなんて言われたよ?
だから走って逃げたんだよ?え?殺されないの?
それは決まってるの?」
「そう聞いてるぞ?」
「おかしな話だ。殺されたものは誰にも言うことはできないんだよ?
生き延びたものの話だけだ。
きっと、少人数の行商はやられてるんだよ。
ちょっと怖すぎるね。イリアスの王様何やってるんだろうね。」
「・・・そうだな。」
「おっと!悪口じゃないよ?よそのことをとやかく言う筋合いはないんだ!
ささ、兄さんも買っておくれ!
イリアスで仕入れたこのチーズが絶品だ!」
「・・・頂こう。」
「なかでお酒も飲めるよ!飲んでいって!」
思案顔のお兄さんは5人ほどで入っていった。
200+300売り切った。
マティスは、宿の主の手伝いをしていた。
ここで出せるものは、じゃがいもにバターとメイガをのせる。
チーズも溶かして乗せる。
米と玉葱と干し肉を炒めたもの、焼き飯ね。
あまりうまくないと言われた毛長ポットの唐揚げ。
もちろんポテトフライもある。
ジャンクフードばかりだ。
途中守衛さんも覗きに来た。
そのまま、出てこなかったから手伝わされてるんだろう。
エビがなくなり、カンランにチーズを掛けたものも売り、
そのカンランもなくなり、チーズも確保以外もなくなり、
とうとう宿の酒もなくなった。
タオルも、頻繁に洗う、ゴミも捨てる。
身体中が炭火焼きの匂いだ。
あー、焼肉食べたい。エビは当分いいい。2、3日だけだが。
塩も売れまくった。
皆味見をして、安いのと高いほうを両方買っていく。
どこで仕入れたかは言わなくていいと言われたので、
いやー、わかんないまま仕入れたんですよーとだけ。
売り上げ183リング!すごい!
「ありあとやんしたー!!」
と、お高い塩を売り切って中に入ると、
お昼寝会場となっていた。
ダルカナの王都、大門前に着いた。
問答はない。
積み荷の検査もない。
名前と何をしに来たかだけだ。
販売ならどこから何を仕入れてきた迄を報告。
仕入れなら出るときに何を買ったかを報告。
これはどこで売るかは予定だけでいい。
いわゆるビックデーターという奴か?
ダルカナは情報の国だ。
「行商のティスとモウだ。売るものは、モウ?」
「イリアスの港町フェルトナで仕入れた毛長ボットのチーズ、
ダカルナのニッケで塩と小エビです。」
「小エビ?あの?」
「そうです。焼いて食べればおいしかったんで。
今から焼いて売れば大丈夫。
広場で食べ物をうってもいいんですよね?」
「いいけど。ああ、お前たち内陸者だな?」
「そうだ。わかるのか?」
「わかるさ。騙されたんだよ。あれがうまいって。
それも勉強か。広場で店を出すのは自由だ。
後始末はきちんとな。ゴミは持ち帰り。水も自分たちで用意しろ。」
「わかった。それと、これを。」
宿を聞かなくては。1銀貨を渡す。
「いい宿屋を教えてくれ。」
「・・・お前、このことを誰に聞いた?
この話を知ってるのにエビを買ったのか?」
「櫓宿の女将だ。エビを買うと言ったらお前と同じような顔をしたな。」
「ああ、それでも仕入れたのか。・・・物好きだな。
広場に入って5軒目。レルギーの宿がいいだろう。
広場の真ん中だ。」
「ありがとう。」
「小エビを売るのか?化粧水は?」
「化粧水はきっとほかの人も仕入れて売ってるからね。
ここではいいよ。
小エビは串に刺して塩焼き。竹炭で焼けばいいと思うんだ。
ひと串、そうだね、1銀貨だ。屋台価格だ。
下ごしらえに手間がかかるけど、そこは土下座級だ。」
「コットワッツの商品は?」
「そうなんだよね。これは失敗した。
売ると、櫓宿の女将の耳に入る。あの人に疑いをもたれたくない。
ピクトで荷を受け取るって設定は押し通すよ。」
「そうか。」
「それで、200串売ってしまったら、砂漠に向かおう。
あの毛長ポットのチーズをさ、前にやったみたいにトロトロにしてさ、
それを茹でたエビにからめるのもいいよね。これは5銅貨を上乗せで。
殼も剥いてあげるんだから。
あとね、その時取るエビの頭は油でカリっと上げるの。
これ仕入れた油でやってみよう。
油を売るわけじゃないんだから報告も必要ないでしょ?」
「それはうまいのか?」
「たぶん。」
「さきに試そう。」
「うん。おいしくて売るのがもったいなくなるかも!
ビールに合うんよ。」
「なるほど!」
レルギーの宿は確かに広場の真ん中だが、流行っていなさそう。
なんでここを紹介してくれたんだろ?
「すいませーん。守衛さんに紹介されました、行商の物です。
ティスとモウと言います。月が沈むまでお願いします。」
奥からおじさんが出てきた。
「へー。守衛がか?なんだ?食いもんでもうるのか?」
「そうです。わたしたちどうやら世間知らずなようで、
ここのこといろいろ教えてほしいんです。お願いします。」
「へー。それは誰から教えてもらった?」
「櫓宿のミフィルさんです。」
「へー。じゃ、守衛に金も渡したのか?」
「ええ。」
「どんな奴だった?」
「ん?どんな?」
覚えてるわけがない。
「ティス?」
「歳は40前か。すこし右肩が下がっている。
元から守衛ではない。前の仕事での癖が出ている。
筋肉は付いているな。この頃はそれを使うことはしていない。
爪先はきれいだ。髪色は主殿と同じか。
ああ、主殿の親戚か何かだな、よく似ている。」
「・・・ティス?そこまで細かいことはいいと思うよ?」
「あはははは!間違いないな。それは俺の倅だ。
ここはもとは食堂だ。宿もやってる。
広場の真ん前だから、ここから食いもんを売るのにうってつけなんだ。」
なるほど。
あの木戸を開ければいいんだ。いいねー。
キッチンがあるしね。火も使い放題だ。
「上の宿は月が沈むまで2リング。風呂はない。
勝手に桶で湯あみをしてくれ。
いろいろ教えてほしいってことだな?
3リングだ。どんなことを聞いてくれてもいいし、
何でも教えてやろう。聞かないと損だぞ?
ああ、こっちからも教えてやるから。
知らないことは聞きようがない。
ここの台所を使うなら、そうだな、5リングでいいな。
水は井戸が裏にあるし、ゴミ捨て場もある。
そのテーブルや椅子も使ってもいい。どうだ?」
「素晴らしい!!お願いします!」
台所も好きなように使ってくれていいと言われた。
レンタルキッチンなのかな?
いいね。
準備をしないと。
カンランを2つほど買ってきてもらう。
じっと見ているからだ。
手数料込みで1銀貨。
5つで1銀貨だったから、まぁいだろう。
その間に、背ワタと取ったエビに串を刺す。
足が長いので、それも短く、腹に切り込みも入れる。それが100本。
頭を取って、皮をむき、湯がいたもの、100本。
味見用は別で作っている。当然だ。
「うまく剥くもんだな?」
「こういう系の下準備は手伝ってたからね。さ、とりあえずこんなもんで。
横で塩も売ろう。いくらが相場か教えてもらわないとね。」
3種類の塩。
買ってすぐに味見をしたが確かに値段で味が違っていた。
お高いものは甘味があるのだ。
今は?
「わたしには同じなんだけど?」
「そうだな。変わりないと思うぞ?」
「戻ったぞ。2つでいいんだな?できるだけ大きいもの。」
「おかえりなさい。すいません、助かりました。
ティス、これをさ、これぐらいの四角に切って。
お皿にするから。で、中の方はさらに小さく。
端の方は湯がけばいい。
チーズと頭の唐揚げの横に添えよう。」
「お前たち、そのエビを売るのか?」
「ええ、そうです。それと塩と。
あの、いろいろ教えてもらえますか?塩の相場ってどれぐらい?」
「いや、まずはそのエビは売れない。」
「ん?どうして?地域的に食べちゃダメなものでしたか?」
「いや違う。誰が半生や丸焦げの物を食べるんだって話だ。」
「ああ、それは大丈夫。先に焼きましょうか?
ちょっと、半分くらい木戸開けて、煙がこっちに来たら困る。」
軽石で固めた長細い枠の中に竹炭を熱している。
底に網を置き、塩を振ったエビを焼く。
じっくりね。遠火の強火だ。
塩はお高いものを使ってる。
カンランの葉っぱ皿にのせてはいどうぞ。
「頭をこう、がしっと。あ、その味噌がうまい。吸います。
で、脚をむしって、殻をこう、っペロッと。
で、あー、おいしい!!塩加減ちょうどいいね!」
ゴミ箱を置かないといけないな。
あと、手拭きと。タオルを置いておこう。
自分たち用にもっていたということで。
「うまい!!」
「よかった。これ、一番高い塩なんです。
横で売ろうかなって。魚の皮で包んできたんで乾燥は少ないみたい。
どうですか?」
3種類の塩を味見してもらった。
「これが一番安いもの?で、中塩、高塩?」
「そうですね。中塩っていうんですね?値段から?」
「そうだ。ピクトで安塩なんて言うなよ?」
「じゃ、なんていえば?」
「1番塩だ。」
「なるほど。で、どうです?高塩?売れますかね?」
「ここでは安塩は売れない。中塩が一番よく売れる。
しかし、安塩が中塩と同じぐらいか。
普段は安塩をこの器1杯で5銅貨、中塩が1銀貨、高塩が1リングだ。
魚の皮か。考えたな。」
「塩屋さんも今度来るときに持ってきてくれって。
1枚2リングで買ってくれましたよ?」
「はん。明日になったら1枚5リングで売ってるだろうな。」
「おお!材料が1リングで、手間が1リングですよ?」
「そんなもんだ。しかし、その分上乗せしたほうがいいな。
安塩とかの名前も出さないほうがいいが、どうするかな。」
「すこし味見用に並べて、5銅貨、1銀貨、1リングだけ言いますよ。
上乗せはいいです。エビが売れるほうがいいんで。」
「そうか。それで、その剥いてるのは?」
「これはチーズに絡めて。横のカンランも実はおいしいんですよ?
これは1.5銀貨。さっきのは1銀貨。」
「2銀貨だな。頭は?」
「これはまとめて、油で揚げます。
お酒のあてですね。どうぞ?」
「・・・。酒は?酒は売らないのか?」
「ないですもん。」
「ここで売ってもいいか?中で!」
「どうぞ?5つで、よこにカンラン置いて、1銀貨?
20個しかないですよ?」
「3つでいい。食べた後の頭は?」
「いや、それはダメですよ。それは処分ですね。
で、それと殼を捨てるものはここに。足元に捨てられると
後から来るお客に嫌がられる。
手拭きはコットワッツのタオル!売り物なんですが、
もうこれしかなくて。濡らして、手を拭いもらいます。」
「わかった。良し。たぶんこれはすぐに売り切れる。
100と100か。もうないのか?」
「あと300ほど。」
「準備しておけ。しかし、まー、よくこれを売る気になったな。」
「食べておいしかったからですよ?」
「どこで食べた?」
「櫓宿の隣の食堂。」
「そんな料理を出していたか?わからんな。」
「そうですか?」
「まぁ、いい。そら、木戸を開けて、焼き始めろ。
さっきの匂いで、表に人が集まってる。
中で酒が飲めると言え。」
「でも、あては頭だけ?」
「問題ない。簡単なものは作れる。ここはもとは食堂なんだ。
おれも作れるさ。
大体ここの人間はチーズと干し肉、豆があればいいんだ。
余ってる酒をすべて売り切るぞ!いいな!」
「「おーー!!」」
「さぁさぁ、いらはい、いらはい!
尾頭付きのエビの串焼きだ!新鮮産地直送!
小さいなんて笑っちゃいけない!小さいからこそ味が凝縮されてるんだ!
笑って文句言うのは物を知らない奴なんだよ!
ささ、一つ騙されたと思って食べてごらん!
1本1銀貨だ!だまされたって話の種になるだろ?
どこぞのお間抜けが小エビを売ってたってね!
そこで笑うのはほんとの物しらずだ!ここの人はそんなこたーないね!
知ってるよ!確かめなきゃダメな性分なんだ!
そうだろ?兄さん!さ、食べておくれよ!
こっちは毛長ポットのチーズが絡んでいるよ!
2銀貨だ!
とろとろだ!冷める前に食べておくれ!
横にあるカンランは中のやわらかいところなんだ!
しってる?これがまたおいしい!
ささ、どうだい!
お?兄さん!さすがだ!買ってくれるのかい!
よし!じゃ、わたしが食べ方を教えてやろう!
まずは頭をばきっと!この頭のみそをじゅって吸う。
歯に自信がるなら食べてもいい。
後は脚を剥いて、殼も剥いて、うーまーい!!
さ!どうだい?」
「おお!」
さっそく同じように食べていく。
「うまいだろ?こっちのチーズは頭と殼は剥いてるから食べやすい!
中ではうまい味噌の入ったエビの頭を油で揚げたものも売ってるよ!
だって酒が飲みたくなるじゃないか!ささ、酒も飲めるよ!よっといで!!」
どんどん売れる。どんどん焼いていく。
外はわたしとマティスが捌いていたけど、中が込みだすと
マティスは中を手伝ってもらうことにする。
生焼けと焦げを出さなければ大丈夫。
頭のところからおいしい汁が出てくれば火が通った証拠だ。
「うまいな!味は塩だけ?」
「お!なんだい、ここの兄さんはなんて物知りなんだ!
そうだよ、ニッケで仕入れてきたんだ!
ささ、味を見てから買っておくれ?いつもの塩よりきっとうまいはずだよ?
ちなみにこのエビには!
なんと!一番お高いのをつかっておりまーす!!
一杯1リングだ!
ん?ちょっとまって!もしかして、エビがおいしいんじゃなくて、
この塩がおいしいのかも!?
え?そうなの?
それはお家で確かめて!!ささ、まずはエビの串焼き食べてって!
チーズもトロトロだよ!
頭はカリっとおいしいよ!
ここの宿屋の酒を全部飲み干してくれ!ささ、いらはいいらはい!!」
「手はそこで拭いておくれ!
いいだろ?残念ながら売り物じゃないんだ!
コットワッツの新製品!タオルっていうだ!
また、機会があれば持ってくるよ!ああ、伸びるだろ?
それはゴムだ。これも売りもんじゃない!ごめんよ!
え?いやいや、強盗に襲われたんだよ!イリアスで!
走ったね!必死のパッチ!え?パッチ?
いや、わたしもくわしくはしらないけど、こう、死に物狂い?
そういうときに言うんだよ!そうそう、必死のパッチ!!
で、走ったんだよ!後ろからはアヒルが、クーアーって追いかけてくる!
うわーって荷物の大半は投げ捨てて!
イリアスが港町フェルトナの門まで走った!!
”どいてーー!!”
下り坂で止まらない!!
門番は言う!
”止まれーー!!”
無理だってんだ!!
え?アヒルもいたよ後ろに。
だけど肝心の強盗をのせてないんでやんの。
単にアヒルと競争してただけだったんだ!
そりゃ、もう、門番は怒ったね!
もう全面降伏!
いやー、怖かった。
はじめての罪状がアヒルと競争の罪?
これじゃ、なくに泣けない!
あははははは!!!
ま、話をすれば分かってくれたさ!」
串を買いつつ、話を聞いていく。
笑って、中で一杯やろうかねと。
「名のある強盗団だと聞いたよ?怖いねー。
知ってるかい?」
「ああ、ルトウエル団だろ?護衛を付けない暢気な行商を襲うんだよ。」
「ああ、まさにわたしたちだ。」
「殺されなかっただろ?」
「いやいや、その何とか様?それに捧げようなんて言われたよ?
だから走って逃げたんだよ?え?殺されないの?
それは決まってるの?」
「そう聞いてるぞ?」
「おかしな話だ。殺されたものは誰にも言うことはできないんだよ?
生き延びたものの話だけだ。
きっと、少人数の行商はやられてるんだよ。
ちょっと怖すぎるね。イリアスの王様何やってるんだろうね。」
「・・・そうだな。」
「おっと!悪口じゃないよ?よそのことをとやかく言う筋合いはないんだ!
ささ、兄さんも買っておくれ!
イリアスで仕入れたこのチーズが絶品だ!」
「・・・頂こう。」
「なかでお酒も飲めるよ!飲んでいって!」
思案顔のお兄さんは5人ほどで入っていった。
200+300売り切った。
マティスは、宿の主の手伝いをしていた。
ここで出せるものは、じゃがいもにバターとメイガをのせる。
チーズも溶かして乗せる。
米と玉葱と干し肉を炒めたもの、焼き飯ね。
あまりうまくないと言われた毛長ポットの唐揚げ。
もちろんポテトフライもある。
ジャンクフードばかりだ。
途中守衛さんも覗きに来た。
そのまま、出てこなかったから手伝わされてるんだろう。
エビがなくなり、カンランにチーズを掛けたものも売り、
そのカンランもなくなり、チーズも確保以外もなくなり、
とうとう宿の酒もなくなった。
タオルも、頻繁に洗う、ゴミも捨てる。
身体中が炭火焼きの匂いだ。
あー、焼肉食べたい。エビは当分いいい。2、3日だけだが。
塩も売れまくった。
皆味見をして、安いのと高いほうを両方買っていく。
どこで仕入れたかは言わなくていいと言われたので、
いやー、わかんないまま仕入れたんですよーとだけ。
売り上げ183リング!すごい!
「ありあとやんしたー!!」
と、お高い塩を売り切って中に入ると、
お昼寝会場となっていた。
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この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
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