いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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441:新米

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では、寝ましょうということになる。
ベットは1つ。
わたしは床でいいですよ?というドーガー。
それはダメだろう。

ここはきちんとドーガーはベットに。
わたしとマティスは従者らしく、床に。

プカプカと魚の皮を敷き詰めた。


「そっちのほうがいい!!」

ドーガーの意見はあえなく却下。
低反発のマットレスなのだ。
うらやましそうにみるので、ドーガーのベットにも敷いてみる。
良いようだ。
すごいなプカプカ!

ほどよい疲れですぐに眠れる。
マティスが後ろから抱きかかえているが、
気にしない。むしろ安心だ。



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘

誰か上がってくるな。

(ドーガー?)
(起きてます)
(数人だ、女。お前の相手だけでなく、私たちの分もか?)
(勘弁してください)
(いいんだな?扉を開けなくするぞ?)
(もちろん。お願いします)

『ドーガー狙いの女どもは扉を開けることはできない。
もちろん従者狙いもだ。眠りを邪魔するな』

(早く結婚しろ)
(頑張ります)

結婚しても迫ってくるからな、この頃は。
暇なのか?世の女共は?



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘



「よく眠れたね!体もすっきり!
プカプカマットレス売れるね!」

まずは宿屋関係に売り込もう!

「朝ごはんはここを出てからだ。
長居は無用だ。」
「はーい。あ、身支度はちょっと家に帰るね。」


トイレはどうしても家です。
顔を洗って歯を磨いて。化粧水もちょっと付けましょう。

─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「いないな?」
「気配はないですね。音もしない。
あの後かなり長間気配は有りましたよね?」
「眠りの邪魔をする音や振動は聞こえなかっただけだろう。
身支度を済ませろ。
月が昇っている間に鍛錬で移動中にテン任せで寝るつもりだったが、
気を意識するというのなら移動中に、自分の呼吸、
筋肉、廻りの気配、これらを感じるようにすればいいだろう。
ちょどいいいな。」
「はい!」


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「お待たせです!」

プカプカも皆片付いていた。
ここのトイレと洗面で2人は身支度したようだ。
使わないと怪しまれるからね。

「世話になった。宿代と、米代はいくらになる?」
「あの?昨日は?」
「ああ、よく眠れた。寝ると何も聞こえないからな。
だから誰かは寝ずの番をするのだが、
ここはコットワッツ領。悪さするものもいないと安心して寝てしまった。
悪人でも来れば切って捨てるがな、夜這いの女でもだ。」
「ははい!そうですね。えっと、米の用意はその、まだなんです。」
「なんだ、そうか。ではまたの機会にしよう。宿代は?」
「そ、そんな。宿代はいりませんよ。米を買ってください。
直ぐ用意します。」
「いや、すぐに出ないと。宿代は20で足りるか?
ではな、世話になった。」

泊っただけだ。20は多くない?
出さないとセサミンが恥をかくということか?

テンたちにブラッシングをしてから出発だ。
ここのご飯は米を取った残りの草?だったようだ。
おいしくないそうだ。
もみ殻?ここではどんな形で実ってるんだろう?
少し進んだところで朝ごはんだ。
テンたちにはリンゴを出した。
次の宿では食事はこっちで用意するといって断ろう。

おにぎりとお味噌汁もどき。
「おいしいですね!」
「お味噌汁はもっとおいしいんだよ。これはお醤油の搾りかすだからね。
うん、それでもおいしいか。」

「おーい!あんたたち!!」

「モウ、領主館であった米屋だ。女でいいぞ。」
「あ!ほんとだ。ん、ん。おーいい!!」

コットワッツの祭りでお米とおにぎりを売った人だ。

「どうした!こっちに来たのか?」
「ええ、ドーガー様のお供で。食の祭りすごかったですね!」
「そうよ!くくく。あれな、この地域で参加したのは俺だけなんだ。
売れに売れただろ?皆がうらやましがったよ!
米を買いに俺をみな訪ねてくるんだ。あの時頑張ってよかったよ!
奥さんのおかげよ!」
「お米がおいしかったからですよ!
あ、お米買えますか?今欲しいんです。」
「いいよ!収穫したばかりなのがある!」
「・・・・お米って年に何回収穫できるんですか?」
「年?米は乾季だけだ。
食の祭りに出したのは早米。昨日収穫したのが中米。
来月のは後米で、1年分の収穫量がある。
大量に実るが、味は落ちるんだ。
中米が一番うまい。と、俺は思う。」
「売れるだけ売ってください!」
「はははは!もちろんだ!」
「ドーガー様!その荷車にいっぱい!いいですよね?」
「え?ええ。」

やった!新米で一番おいしいって!!
荷車を空にして、おじさんの家についていく。
売れるだけとはいえ、荷台に乗るだけだ。
それでも10樽。60リングだ。
当分米はいいだろう。
湿気にだけ注意と言われる。
カビが着くそうだ。
米に?麹?いや、単に湿度でかびるだけか?
少しだけ、実験用に放置する。
あとは収納。
良き買い物だった。



あとはラルトルガに入り、廻りに集中、気の鍛錬。
なかなかしゃべることもできない。
移動はテンたちに任せて、
あらゆるものに気を張り巡らす。
自分の息遣いにさえも意識をのせる。
これが難しい。
いわば、自分が何をしているか、実況しているようなものだ。
それを意識せずにする。
全てを意識するのに意識せず実況。

テンの筋肉が止る。ん?なんで?

「ん?」
「半分だ。腹が減るだろう?休憩だ。
テンにそう頼んでいたんだ。いまは何も考えなくていいぞ。
休憩だ。」
「はー。休憩大事!ドーガーは?どう?」
「ええ。同じく。」
「何か作ろう?なにがいい?」
「新米はお水に付けないといけなから、ラーメン?
ドーガーは?」
「お醤油味で!!」
「麺を湯がけばすぐだ。テーブルがいるぞ?
それの準備を。」
「「了解!!」」


テーブルと椅子。お水を出せばいい。
座って待ってる。

「モウ様?贈り物を、高価な贈り物をもらうというのは、
女性側は負担ですか?」
「ああ、難しいね。わたしの為にこれだけのことをしてくれるというのは
うれしい。相手に好意があればね。なければ迷惑の何物でもない。
オート君の場合はどれも入手不明の物ばかりで、
最初から自分の職務を理解してくれって言ってるはずだ。
入手先は詮索するなってね。
彼女さんは良からぬところから仕入れているかもしれないって思ったかもしれないね。
最初にメイガの花を渡すときに言ったんだよ。
贈り物もいいけど、愛の言葉も一緒にねって。
それで十分だって思たんでしょ?
ドーガーは?あの時愛の言葉は伝えたの?
紅を渡した時に。」
「え、ええ。お二人を娶りたいと。」
「ぶ!!直球だな!そ、それから?」
「雨の日までに迎えに行くからそのときに返事をと。」
「はやい!早すぎる!それであの子たちは?」
「待ってますと。」
「向こうも早い!それからやり取りは?」
「え?なにも。」
「なんでだ!!明日行くことは?」
「コットワッツの商品を持っていくとは伝えています。」
「ちがーう!!あんたが行くことをだよ!!」
「え?それはしていませんが?」
「ダメだ!ほんとダメだ!」

(セサミン!)
(え?姉さん?どうしました?)
(あしたドーガーが行くことは?先方に言ってるの?)
(ああ。イスナ殿とわたしが連絡を取っていますよ?
姉さんたちが行くことも伝えています。喜んでいましたよ。)
(イスナ殿はいいよ、ペリーヌとフローネにだよ?)
(そう促したんですが、ドーガーがしてなかったら知らないんじゃないですか?
イスナ殿も言ってないでしょう。あの2人、イスナ殿の娘ですよ)
(え?領主の娘?次期とか?)
(ああ、それはないです。男性のみ継承権があるんですよ。
森林の管理の関係だとか。3年前に念願の後継ぎが生まれています。
それまで、あの2人に自分の息子をという輩が多かったそうですよ。
婿になれば次期になれるとでも思っているそうです。
実際はそういう話ではないらしいですが。
だが、あまりにも露骨になってきたので、成人まえから、
使用人として傍に置いたそうですよ。この前の食の祭りで聞きました。
継承権のことは知らない話です。
情報管理は徹底してましたね。そちらの方が驚きですよ)
(じゃ、まだ、ドーガーは知らないと?)
(ええ。知ってしり込みすればそれまでだ。先に教える必要もない)
(そりゃそうだけど。
向こうにドーガーが行くということは伝えてるっていってもいいよね?)
(どうして?)
(どうしてもだよ!ペリーヌとフローネに伝えて!!
明日の半分に行くって!
準備があるんだよ!女は!!何だったらこっちからビャクを飛ばす!)
(え?そんな重要なこと?)
(当たり前だ!!この話奥さんたちにして怒られろ!!)
(そんな!いま、結婚して以来初めてじゃないかというくらい機嫌がいいのに?)
(だったら伝えろ!今すぐにだ!!)
(は、はい!!)
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