いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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「姉さん?大丈夫なのでしょうか?」
「うん。膜張ってるし。豚とボット、野生のボットがいるみたいだよ。」
「あの体当たりしている?」
「してるね~。」

ボットが突進してきている。
で、次々失神。

「ぼろもうけだよね。」
「そうですか?あの、縁が盛り上がってきてるんですが?」
「え?」

モグラたたき、豚叩き!!
豚が地面を掘って中に入ってくる。
あんたたちもう冬眠してるんじゃないの?
砂漠石に寄って来るのか、この中が暖かいとわかったからか?

ボットはいい。豚だ。
「セサミン、顔を出したら、額を撃って!!」
「はい!」


「「ぶひゃはひゃひゃひゃひゃ!!」」

「戻ったぞ?なんだ?」
「もう!ご飯つくって!!」
「もう何もできませんので、できたら起こしてください。」

「ん?大量だな!すごいぞ、2人とも!」

後処理はマティスにお任せして眠ることにします。









─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「トックス、ドロインからだ。
セサミナの奥方たちのドレスはこれを使えと。」
「旦那!あー、そうか。あの店で結局買わなかったからな。
10色?」
「いや、薄い黄色と薄い桃色だと言ったら、何か番号をいって、
その前後2枚ずつ?
白刺繍も途中だが見せてもらった。素晴らしい出来だった。
完成が待ち遠しい。」
「え?途中の物を見たのか?旦那、すごいな。俺は見たことがない。」
「そうなのか?もちろん愛しい人は見てないぞ?」
「ドロインが見せなかったのか?」
「ん?私が見せなかった。」
「ああ。なるほど。」
「セサミナがな、ドロインのことをタトーロインと呼んで叱られていたな。」
「ああ、あの街、あの家では嫌がるな。
逆に夜会ではタトーロイン、タトーロイン卿だ。中央の名家だから。」
「中央か、なるほどな。背負子も売れたぞ?タオルも、ガウンも。
ここぞとばかり愛しい人が売り込んでいた。
その刺繍布をセサミナが200リングで買ったからな。
回収する勢いだ。」
「え?これ?1枚?」
「10枚。」
「あー。」
「最初は甘味を出して、これで十分だといったんだがな、
愛しい人が、そんなことされると遊びに来にくくなると。払うというしな。
で、200リングだ。かなり負けてもらったな。
なのに、商品をさらに売り込むのはさすが、愛しい人だ。」
「10枚200で、さらに・・・遊びに来にくいから。そうか。」
「トックスも出来上がりの前でも顔を出したほうがいいぞ?
すこしがっかりしていたからな。」
「そうか?ああ、そうだな。旦那たちは王都まで廻るんだろ?
それが終わったぐらいで頼んでもいいか?」
「もちろんだ。いつでも言ってくれ。では、戻る。」



すぐさま戻れば、膜の廻りはボットの山。
中は縁に沿って豚が並んでいた。
2人で狩ったのか!すごいな!

しかし、2人はすぐに寝てしまった。
起きそうにないな。
月が昇るのをあのデッキで見るのなら、そこで寝かそうか?

豚を収納。毛の処理は後だ。
ん?気絶しているだけか?袋に入れて空気を抜く。
ボットもか?
砂漠石の膜に集まったのか?
砂漠石?

2人を木の上のデッキに作った寝床に寝かす。
プカプカの寝床だ、疲れも取れるだろう。
膜をさらに貼り、月無し石に留守番を。


荒野に戻り、砂漠石を置く。

・・・・膜が目立ったのか?
月ももうすぐ昇る。

来た!






─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘



「・・・・マティ?ん?外?」
「起きたか?もうすぐ月が昇るぞ?」
「あ!」
「セサミナ?起きろ!」
蹴りを入れて起されるセサミン。領主なのに。

「うげ!え?どこ?外?あ!兄さん!姉さんも!」
「いいから。ほら、月が昇る。」



ああ、これはきれいだ。
一瞬の闇から、月が明るく昇っていく。
数日で合わさりだ。ほとんど重なっている月。
日の出でよりも明るい?違うな、見ることが出来るから。


「兄さん!怖い!!」
「こっち。」

セサミンが震えていた。わたしとマティスで抱きしめる。
だけど、目はそらさず、じっと見ている。
わたしたちもだ。

半分になる前に、皆のおなかが鳴った。
皆だ。わたしだけではない。

「今日は軽くな。
愛しい人が好きなチーズのだ。肉も入っている。」
「これ好き!」

さすがマティスだ。
連日食べすぎだ。
明日は焼き鳥だしね。

どこで寝るかということになった。

「あの荒野で砂漠石は使えないな。
ボットと豚が突進してきた。」
「そう!ボットはいいよ、勝手に突進して、気絶してくれたから。
豚は地面掘って入ってくるから、それをセサミンと。ね?」
「わたし、あんなに早く動いたのは初めてですよ。
打込んでいる間に、向こうで土が盛り上がって!
最後はもう笑いながら。
豚が新たに掘るところが無くなってやっと終わったと。
そしたら兄さんが戻ってきたんですよ。」

「そうか。それも楽しいな。
私は砂漠石を置いて待っていた。
しばらくしたら、数十頭突進して来たな。
大量だ。ボットの捌き方を教えてもらわないとな。
サイと同じか、豚と同じか。最初は本職に聞こうと思う。」
「誰だろ?師匠?」
「それはないな。あれは知っているだけだ。
セサミナ?あの宿の主。ハンバーグ屋の。あれを紹介してくれ。」
「ああ、そうですね。適任だ。王都に着いたらさっそく。」
「じゃ、ここで寝ようか。テント野宿するつもりだけど、
膜は張らないにしても、砂漠石は結構使うから。
明かりとか、骨組みにも使うし。」


ここで、簡易ゴエモン風呂を交代で。
わたしはトイレのみ自宅。
月明かりの中、ぐっすり寝ました



月が沈むと同時にフレシアに。
もう、ここは5リング払う。だってそれ以上に儲けさせてもらってます。
ありがとうお蚕様。

市場でガルッス爆買い。これはわたしたちの分とルポイドに売る分。
あとはエリングさんの店以外の店を見て回る。
それが終われば、ビヤンさんの宿のところに行って、営業。
お昼は焼き鳥。エスワさん、営業してるだろうか。うん、してもらおう。
それから、ルポイドに移動して、鳥肉を守衛さん売ってもらう。
で、本場コーヒーを堪能。
テオブロマは買っておこう。
トウミギも。
で、今度こそ、砂漠で泊まろう。
お肉焼いて、チーズ焼いて。

月入りと共に領主セサミナ、護衛赤い塊、
ルポイド入国。


「どうかな?こんな予定。」
「砂漠に泊るというのはいいですね。
経験ないですから。でも、夜ですよね?
その、大丈夫でしょうか?」
「端だからね、大丈夫っぽいよ。」
「そうですか。では、それで。鳥肉は売らないんですか?」
「私たちが売れば2銀貨だが、守衛が売ると3銀貨。
手間代を払っても、そのほうがいい。ゆっくりできるしな。」
「なるほど。」
「今だけだよ。冷蔵馬車が普及すれば売れないね。
保存が効くもの。桑の葉の効果も不要になる。
それ以上に日持ちがするっていうのならいいけど、
ダメだったんだ。常温で日持ちするのが桑の葉。」
「そうですか。じゃ、そこから、ナルーザから文句が出そうですね。」
「くふふふ。出ないね。冷蔵庫を持ち歩く人はいない。
桑の葉巻きはその鮮度を保つんだよ。
お肉に、生肉に巻くんじゃなくて、ちょっとしたものに巻く。
ハンバーガーとかね。ラーメンとか。
温かいものを巻けば、暖かく、冷たいものなら冷たく。
アイスクリームを食べるときに容器に巻いていれば、
結構時間がたっても冷たいまま維持できる。
食べてる途中であつあつのものが冷めるのっていやでしょ?
わたしは早食いだからそういうのないけど。
これが維持できる。便利葉っぱだ。
けどま、これは砂漠石でもできる。
でも、お高いからね。葉っぱで。1枚1銅貨だから。この金額には勝てない。」
「それは便利です!」
「が、ところがどっこい。この恩恵はナルーザ周辺だけ。
4日しか持たないのは変わりない。
移動はできるけど、それは論外だ。
だから、ナルーザはそこに勝機を生み出してほしい。」
「それをナルーザに?」
「どうかな?いちゃもん付けられたらでもいいかな?こっちから動くことはない。
冷蔵庫を買わなくてもうちは桑の葉があるっていうだろうね。
こっちはもちろんです。
うらやましい!冷たいものも、暖かいものも、気軽に持って帰る。
お店で買ったものがそのまま食卓に!ここで、利点を褒めるのね。
それができない我々は冷蔵庫と保温庫です。
ナルーザ周辺以外のお住まいの方にお勧めです。
もちろん、ナルーザの方にも。
桑の葉がある分さらに便利にお使いいただけますってね。」
「なるほど!」

ガルッスを仕入れ、お野菜も買う。
そこから人気のないところに移動中のお話。
ウィンドショッピングは領主館の周辺がいいということに。

領主館は歩いていくには遠いが、セサミンが移動できる。
セサミンが移動すれば、そこに行けるので、それで2人は移動。

ラルトルガに近い成金趣味が漂う。
トックスさんのダウンと、スカーフを巻いている3人組。
2人は見目がいい。
目立つが、廻りは同じように派手だ。
見目ではなく、服そのものが。

金額は高いのだろうか?
売値は高い、買値は半額で買えるとおもうのが、
この街の人の特徴なのだとか。

「露天出すのも怖いね。」
「倍の金額を言えばいいんだろ?」
「そうだけどさ。半値で買えるっておもってるんなら、
自分のところも半値にされるって思わないのかな?」
「自分の商品は別だとおもっているとか?」
「ここには何度か来たこともありますが、
お蚕様の決まりは聞いたことはあります。
しかし、実際に行われているとは思いませんでした。」
「他領国の領主を案内するならそうなるだろうね。」
「金額も高いという印象ですね。しかし、それはその領国のこと。
なにも思わなかった。戻り次第の領内視察は、
領主ということは伏せて回ってみましょう。」
「それはいいかもね。でも、だれか詳しい人といっしょに。
ザムさんか、ザバスさんと廻ったほうがいいかもね。
ルグもドーガーも庶民ではないから。」
「そうですね。そうしましょう。」
「それで?店は?なにか買うか?」
「いや、欲しいものあったら、買おうかなっておもったけど、
ないからね。布も買ったばっかりだし。
あー、糸があれば欲しいかな?」
「糸ですか?布ではなくて?」
「うん。袋縫ったりするの、同じ色のほうがいいでしょ?
あ!裁縫道具!縫い針とか!いいのありそう!」

それらしい道具屋さんに。
レース編みの編針だろうか?細いのがずらりと並んでいる。
ザムさんお奥方にもらったレースはこれで作ったのだろうか?
ああ、完成品も売ってる。へー。
マティスが見たら欲しがるだろうな。
「ご主人!これはいくらだ?」
「へ?ま、お兄ちゃんかうの?」
「いいだろ?ああ、あれようではない。普段のものだ。」
「チビ?普段って?」
「・・・寝るときの?夜用?」
「お兄ちゃんはそれを?」
「知らんの?こっちにきてから最初以外ほぼ、お兄ちゃんの手作り下着だよ?」
「おお!!」

「1枚200リングだよ。」
「・・・。」

高い。半額になっても100リング。
1枚って言っても、20cm×1mだ。
それだけ手間はかかっているのだろう。
だけど嫌だ。おパンツにそれはない。

「お兄ちゃん。嫌だ。
高すぎる。それで作ったものは着れない、はけない。
価値観が違いすぎる。嫌だ。」
「ダメでなく嫌か。」
「うん。ごめん。」
「ご主人、すまない。俺たちには高すぎた。
お蚕様のことを言って半値、それでも、ああ、ダメか。
それにここはそのままの金額なんだろ?
これを買う方はやはり貴族か?」
「ここ、この街で買い物は初めてなんだな?
お蚕様で半値になるのはこの街以外だな。
で、買うのは誰か?タフトの行商が仕入れる。
ここの街は大体がタフト向けだ。
どっから来たんだ?」
「・・・コットワッツから。」
「ああ、だったら、そうなるな。なにしに来たんだ?」
「行商だ。ここには時間があったから、
見学だ。糸と裁縫道具が買えればいいと。」
「行商?コットワッツから?タオルか?」
「知ってるのか?」
「ティンクの街のエリング、あの店で見たよ。
この店じゃおけないが、個人的に欲しいんだ。ちょうど品切れでな。
次に入るのはいつかわからんと言ってたから。
あるなら買うよ?」
「ここのやり方は俺たちには不向きなんだ。
エリングの店のやり方でいいか?値切りなしだ。1枚8銀貨。
1枚5銅貨もある。50枚以上なら絵付けができる。」
「エリングのやり方ね!あれも変わった女だ。
絵付けか。50枚もいらんな。」
「自分で使う分じゃないですよ。お客さんに、おまけとか、宣伝とか?
人にあげるんですよ。」
「ただで?丸損だな。」
「あー、大量に買ってくれたお客さんに、ちょっと値引きはするでしょ?
その時にあげたりは?」
「ああ、それはあるな。なるほどね。絵柄は?」
「糸巻や、縫い針?ここのお店の名前とか。」

とにかく3人で絵柄タオルを勧める。
レースはあきらめてもらおう。
ゼムの奥さんにどこで買ったかを教えてもらえばいい。
半額となって100でも嫌だ。
ドロインさんの2000はいい。
その価値はある。
いや、このレースに200の価値がないと言っているわけではないんだ。
200、単純計算200万円。ない、それはない。
白い刺繍布は2000万円?マティスがご満悦だからいいのだ。もちろんわたしも。
んー、難しいな。

店の隅を借りて絵付けをしている。
ハンコを作り、色を塗り、転写。で、石で固定。
お願いでなければ、流れ作業だ。2人でできる。

その間、レースを手に取って、考え込んでしまった。

「坊主もほしいのか?」
「ん?いや、高いなって。
価値はひとそれぞれだから。
ぼくたちだって、これ以上に高い買い物をしたことあるよ?
それはその価値があるとおもったからだ。
こんなにすてきなのに、それを買えない、その価値を見出せないのが、
残念なんだ。」
「いくらなら買う?」
「ん?んー、手編みは高いの知ってるよ?
これ作るのにどれだけ時間がかかる?10日?
慣れれば早い?月に3枚?4枚かな?
それだけで生活?そんなに出るもんでもないはず。
月3枚。手が空いてる時だけだ。
ちょっとここは物の値段は高いかな?
15じゃ、しんどいね。派手だし。30?
1枚4で卸て、月12リング。うん。これくらい。
で、ここで、5か6か。6リング。
6万円か。贅沢品だな。
でも、お兄ちゃんが、ほしい!っていうなら、6リングなら許すかな?
うん。6リングですね。」
「・・・坊主、面白い考え方をするな。」
「ん?そう?ここで、こうやって見せてるってことは需要があるんだ。
毎回、200で売ってることはない。
街の人、なんか、違う段取りがあるはず。
それはこの街の人か、この国以外の人は知らんでしょ?
聞かないよ?それは筋違いだ。」
「商売人なら、必ずすることだ。だから、お前たちは生粋の商売人ではない。
売りは良かったぞ?だが、仕入れは違う。そうだろ?」
「・・・?あ!値切りか!」
「そうだ。お蚕様は関係ない。その価値を知ってるか見いだせるかだな。
だから、あの兄ちゃんには200だ。あれは、それでも買うんだろう?」
「うわー、そうか。そうだね。
なるほど!店主!これは?この白のレースと黒のレース。
糸は各色と、編針、縫い針!あ!リボンもある!これ、おいくら?」
「そうだな?全部で200リングだな。」
「くふふふふふ。それはないな。」

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