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466:タンス3兄弟
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そこから怒涛の値切り交渉だ。
トックスさんのを見ていてよかった。
価値は分からないから、誰がどう作って、それで生活するならこの値段方式だ。
「それこそ、それはないな、全部で30リングだ。」
「買った!!」
お兄ちゃんズに拍手をもらった。
商売舐めてたんだ、わたしが。
値切ることが悪いことじゃない。勉強になった。
「タフトは200といえば200で買う。向こうでは400で売ってるだろうな。
それで買う奴がいるんだ。坊主が言う、価値を見出している。
別に悪いことではないな。」
絵付けタオル50枚と8銀貨のタオル10枚のお買い上げ。
ありがとうと、お茶とおかきをもらってもらう。
「チビ、すごかったな。
殺気があったぞ。」
「ええ。声を掛けることができなかった。」
「商売は命懸けだね。でも、当分いいです。疲れる。」
「そうか?宿にプカプカの売り込みは?」
「あ、それは大丈夫。売るのは!よし、行こう!結構時間を取ったからね。」
ビヤンさんの宿で。
3人組のタオルとプカプカの売り込みは拒否されました。
「わるいな。知り合いの行商が来ることになってるんだ。」
「ビヤンさん、ごめん。それ、わたし達だ。いまいろいろあって、3人で売ってるの。
ちい兄ちゃんはティスの弟なんだ。」
「うわ!あんたか!なんだ!言えよ! 」
「うん、なんか、行商夫婦?黒髪の女?いろんな人が探してるって。
いや、わたし達のことじゃないとおもうよ?
でも迷惑かけるかなって。」
「そうなのか?剣のマティスと赤い塊に懸賞金がついたのは知ってるよ?
剣のマティスがやられるんならそれは偽もんだよな?」
ニバーセルには行商夫婦のことより剣のマティスの方が主流だ。
なるほど。
タオルと絵付けタオル100枚、
プカプカクッションとシートもお買い上げ。
今からエスワさんの焼き鳥屋に行くというと一緒に行くという。
「親父!店番頼む!」
困った時の親父様。
「ああ、砂漠の民だな?」
ここでは、かつらを取ることにした。
セサミンはそのまま。
「お久しぶりです。以前はゆっくりお話しできなくて。
砂漠の民をご存じですか?」
「ああ、かなり昔だ。
ああ、あんたたちに似た人と来たよ。よく似てるな!息子さんかい?」
「・・・ええ。祖父と父ですね。世話になったようですね。」
「いやいや、酒飲んで、食って、街廻って。
どこが砂漠の民なんだって、思ったからな、覚えてるよ。」
「あははは!そうですか。きっと大きな砂漠石でも取った後なんでしょうね。」
「そうだな。金遣いは良かったよ。俺もうまい酒飲ましてもらったよ。」
「じゃ、一緒にどうですか?いまからエスワさんのところに行くんですよ。
その時の話聞かせてください。俺たちはいま、行商をして、懐があったかいですよ。」
「それは俺が出した金じゃないか!俺も飲む!奢れ!」
「もちろん!」
エスワさんのところは店を2つに分けていた。
前の店は人に任せて今、焼き鳥の方に。
煙が客席に入らないように工夫はしている。
が、焼いている方は煙がすごい。
ここでも、聞いた話、砂漠石を使って、煙を流す。
これで、ああ、ここの話なんだなって思うだろう。
エスワさんでの店のお約束。働く。働かされる。
ビヤンさんとビヤンさんの御父上の相手はセサミンが。
マティスは焼き、エスワさんは他の一品料理、わたしはホール係り。
「おあと、キモ3、ずり4、白子5入ります!」
「あいよ!」
「手羽焼3、上がったよ!}
「はい!お待ち!お酒おかわりは?はい!喜んで!」
「「喜んで!!」」
「やった!売り上げすごい!飲んでくれ!食べてくれ!
今度はちゃんと残しといたから!」
店が終わってからやっとご飯い有りつけました。
「愛しい人、さらご飯炊いたから。ご飯とな。」
「うん、ありがとう。鳥だしでお茶づけにする。」
「へー、いいな。」
竹炭と串、これからはコットワッツで買えると営業。
タオルも売る。
セサミンは若かりしころの父親の話を聞けたようだ。
同じように各地を回っていたようだ。もちろん徒歩と馬で。
結局、月が昇って半分まで飲んで、食べて。
ビヤンさんの宿に泊まった。
月が沈む前に出発、月が沈むとともにルポイドに入った。
「ん?行商?鳥肉?ああ!あの夫婦に?いいよ!
100だな?で、おんなじ?任せとけ!」
同じようにお任せで、売ってもらう。
朝のコーヒーを飲みたいのだ。
本場のコーヒーを!!
「ああ!いい香りだ!」
「あ!ドリップ式もあるね。これで、3つもらおうか?」
「知ってるのかい?これ、元首様が教えてくれたんだよ。
評判いいんだ。」
「おいしい!」
「そうかい?うれしいね。」
「砂漠で泊まれませんでしたね。」
「んー、予定は未定だ。また今度だね。
領地になったすぐ近くでもいいんだから。いつでも。子供たちも呼んでもいいよ。
テントに寝るのは楽しいから。」
「!それはいいですね。」
「・・・来たぞ?」
「わたし?どんな匂いがしてるんだろ?昨日、家に帰ってお風呂も入ったんだけど。」
「?」
店にどたどたと入ってくる人、エデトだ。
「エデト様!あの何か?」
「ああ、いいんだ。ん?だ、誰だ?」
眼鏡をかけて驚いている。
「え?行商の方ですよ?この方がここの元首エデト様だ。」
「へー、このひとがえらいさんなんだ。このコーヒーおいしいですね。」
「へ?」
(お間抜けエデト、到着は月の出後だと連絡が行ってないか?
いまは行商なんだ。3兄弟だよ?)
「わたしは、ああ、豆を買いに来た。」
「わ!元首自ら買いに来るお店なんだね。おじさんの店すごい!」
「え?そうだろ?そうなんだ。では、エデト様?どれを?」
「ああ、もうじき客人が来るから、良いものを。」
「はいはい。お待ちを。」
(渋みが少ないのが好き)
「渋みが少ないものを。」
「はいはい。」
「チビ?この方が元首?」
「みたいだね。」
(ガイライと同じだろ?)
(ああ!そうです!そうです!姉さん大好きっ子ですね!)
(お前も一緒だな)
(もちろん)
「はい。ありがとうございます。
代金はまとめて。」
「ああ、そうしてくれ。時に、行商の方々?」
「なんだ?」
「後程くる客人に、その前もって話があるときはどうしたらいいだろうか?」
「・・・知らんがな。」
「・・・。」
「ああ、お利口で、父ちゃんちでまっとくとか?
あの甘いものがあるとか?」
「なるほど!それで待っておこう。では。」
「いや、驚いたね。元気になってますます元気だ。」
「ご病気だったんですか?」
「詳しくは知らないけどね、臥せってたんだよ。そのあいだ、ドルガナとなにかあったじゃないかな?
いま、あれだけ行き来があったのに、少なくなってるんだ。」
「閉鎖してるとか?国境を?」
「あははは!それはないな。向こうから来るのが少なくなったってことだ。
こっちからはもともと少なかったからな、それは変わらないな。」
「へー、なんだろうね。」
「なにか怒らせたらしいぞ?エデト様を。で、砂漠石の購入もやめたと。」
「え!どうすんの?これから!」
「それは問題ない。他所の国から買うだけだからな。」
「あー、そうだね。びっくりした。」
「行商だろ?こういう話は仕入れないと。」
「そうだね。あ!樹石の話は知ってるよ?」
「樹石?なんだ?」
イリアスの樹石が安い。
コットワッツも樹石が取れると思って湿地を買ったが、すぐに出なくなった。
お間抜けだね、というとセサミンがむっとしてる。もう!かわいいな!
で、今度大々的に樹石の使い方の発表があるよと。
「燃料だろ?砂漠石とどう違う?」
「温度を維持できるんだよ。」
樹石の説明。
「へー。それで安いのか。いいな。
しかし、なにに使える?ここは薪も十分あるしな。」
「でね、これは一部しか知らない話。
樹石を燃やしきったら、白く軽くなるんだ。軽石。
これを粉々して水でこねて、乾燥させると、いろいろ使える。
一番いいのは樹石を燃やす器。もっといいのが温度維持。
これ、おすすめの商品。まだ、試作品。ここで使ってみない?」
コーヒーメーカーの温めてるとこだけ。
ウォーマー?
「もちろん、入れたてが一番おいしい。
でもさ、おじさんがいつも入れてくれるわけじゃない。
家で、飲むときにさ、たんびにお湯沸かしたりさ、
たんびにドリップするのって面倒じゃない?
3杯分まとめて入れても、2杯目、3杯目は当然冷める。
で、この上に置くと、ずっと温いまま。
もちろん、煮詰まる。うまくなくなる。
けど、コーヒーを飲めば、頭がすっきり、目が覚める!コーヒー万歳!
おいしいのは、今、抱えてる案件が終わってから入れて飲むから!
いま、暖かいのがほしいんだ!っていう、コーヒー中毒者に売る。
どうでしょうか?」
「チビ、ひどいな。」
「それはちょっと、ひどいよ?」
「あんたたちは、飲みたいっておもったら誰かが入れてくれるだろ?
違うんだ!一人になったら!手を伸ばして、せめて暖かいのが飲みたいの!!」
セサミンはルグが入れてくれるだろう、専用バリスタ!
マティスはこういうのを苦にならないタイプ。
コーヒーをこだわりの飲み物としてのむ。
コーヒーメーカーの最後の煮詰まったものなんぞ許せんタイプだろう。
しかし!飲みたいものは飲みたいんだ!!あったかいの!
「・・・わかる。わかるよ。うん。すごくわかる。」
やった!
「店のコーヒーをうまく飲んでほしい。もちろんだ。
しかし、常に飲んでほしい。入れるのが面倒といわれることもある。
うん。最初に3杯作って、味は落ちるが、暖かいまま。
いいな!何より、俺が欲しい。飲みたいときに飲みたい!わかるよ!
誰も入れてくれない!わかるよ!!!」
大きな樹石を砕いて使う。
砕くと温度は上がらない。それがちょうどいい。
丸くかたどった器に、2つほど。そこに網状にした軽石。
火傷に注意。
ここのおじさんにベスト温度を出してもらおう。
大きめのカップは軍曹のところで買ったものが有る。水差しらしいが使えるはず。
この形も研究してもらう。共同開発だ。
「近いうちにまたきますんで。
その時、教えて下さい。ああ、ダメ元なんで。気軽に。」
「ああ!わかった!」
「うまくいったらここの店の名前で売り出しましょう!」
「おお!いいな!」
「どうしてですか?売り出すんならコットワッツからでも。」
「なんでもかんでもコットワッツ発ってのはよくないよ?
でも、その土台を作るのは軽石を扱ってるコットワッツだけど。」
「ああ!そうか!」
「ここの店主にしたのは?別にどこでもいいだろ?」
「エデトが入って来た時、わたし達の前に出てくれたから?
とっさにああいうことが出来る人はいい人だ。
コーヒーもおいしいし。
あ、マティスが入れるコーヒーと別だよ?」
「当然だ。」
「おい!売れたぞ!あっという間だ。」
広場に行くと、守衛さんがすでに売りさばいてくれた。
すごいな。
前回同様、手数料を渡し、売り上げをもらう。
「このやり方で継続できないか?」
「コットワッツの冷凍庫?知ってるか?」
「ああ、聞いたよ。それが出れば、肉も海のもの腐さらず運べるんだろ?
ほんとかね?」
「なんとも。どっちにしろ、それがでまわると、この商売は終わりだな。」
「そうか、そうだな。」
「それまでに、こっちに来れたらまた頼むよ。あの夫婦もそうするだろうし。」
「お!そうか!その時は声かけてくれ!俺にな!」
「もちろん!頼むよ。」
「気さくに話しかけた守衛にはばれている。」
「あ、やっぱり?」
「でないとあの仕事はできないからな。
兄弟でも、夫婦でも、あの守衛に言えばいいようにしてくれるだろう。」
「それは良かった。」
後はテオブロマ、トウミギ。
テオブロマは今が時季ものだ。安くなってるかと思ったけど、
弱冠高い。なんで?
「これを絞ったら蜜が取れるんだ。その道具も売ってるよ。
これがうまい!どうだい!コーヒーに入れるんだよ。」
エデトめ、つぎつぎ商売をしているな。
こっちだって負けてはいない!
「兄さん!この蜜をさ、水に溶かして、飲むのは?
ほら、これ、ブラスのストローっていうんだけど、
これで、吸って飲むの。
冷凍庫が出回ったらさ、氷が手軽にできるっていうだろ?
暑い時に、氷入れて、これをさしてさ、飲んでもらうの。
1杯5銅貨とか。今は時期が悪いけど。準備しとくの悪くないと思うよ?」
ブラスのコップにストローを刺して、
テオブロマの蜜に井戸の水をいれる。ここでおいしい水を使うのは反則だ。
ちょっとぬるいでけど、甘い水。チョコ水。
「!うまいな!ん?ブラス?そうか、こういう管で?
中は洗ってるの?」
「そうだよ。口に触れるから削って。
10本5銅貨で。これは200本からの購入。どう?」
「んー、これさ、トウミギの茎を使えばいいんじゃないか?
あれはちょうどこの長さで折れるんだ。乾燥すればまさしくこの状態。
おい!ヘンケ!トウミギの茎ある?そこに敷いてるの持ってきてくれ!」
あのトウミギ屋さんに声を掛ける。
うそ!トウミギの茎ってそうなの?
敷いてる?そんなの見ないで捨てたよ!
・・・・。
ブラスのストロー計画はなくなりました。
トウミギの茎がちょうどいい。
削ることもしなくていい。
さっと、煮沸すればいい。
失敗の巻き、その3だ。
兄ちゃんはズは笑っている。
「チビ、氷、冷凍庫が売れますから。」
「・・・うん。」
「かわいいな!!」
クスナさんに売りつけなくてよかった。
輸送費を考えてもこっちの方が安い。
良いことを教えてもらったとテオブロマとトウミギは
お安くしてくれた。
第3形態の背負子で入るだけ。
タンス3兄弟で、テルマさんの家に向かった。
「よく来てくれました。ん?」
テルマさんちの前で待てるエデト。
暇なのか?仕事をしろよ?
「なにか怒っていますか?」
眼鏡を掛けたり外したり。
「怒ってないですよ?うん。あんたの国民は賢い。
頭の回転が速い。」
「ん?褒められるとうれしいですが?
どうして?」
マティスに答えを求める。
「いいんだ。かわいい落ち込み方だろ?」
「うわー、兄さん。そうなるんですね。」
「あとでたくさん慰めないとな。
自分がしでかしたことではそうもいかないだろ?
他のことでもだが、今回は仕方がないな。
一度あのトウミギの茎を見てて、気付かなかったのが。
いつもは何でも置いとくんだがな。トウミギに夢中になったから。」
「うん。大失敗の巻きだ。でも!売り出す前に気付いてよかったと。
うん、慰めるすべはある!」
「ああ、元気になった。良かった。」
「ふふふ。エデト様、元気そうで。」
「なんとお呼びすれば?」
「まずは中に入れてくれる?」
「もちろん!」
トックスさんのを見ていてよかった。
価値は分からないから、誰がどう作って、それで生活するならこの値段方式だ。
「それこそ、それはないな、全部で30リングだ。」
「買った!!」
お兄ちゃんズに拍手をもらった。
商売舐めてたんだ、わたしが。
値切ることが悪いことじゃない。勉強になった。
「タフトは200といえば200で買う。向こうでは400で売ってるだろうな。
それで買う奴がいるんだ。坊主が言う、価値を見出している。
別に悪いことではないな。」
絵付けタオル50枚と8銀貨のタオル10枚のお買い上げ。
ありがとうと、お茶とおかきをもらってもらう。
「チビ、すごかったな。
殺気があったぞ。」
「ええ。声を掛けることができなかった。」
「商売は命懸けだね。でも、当分いいです。疲れる。」
「そうか?宿にプカプカの売り込みは?」
「あ、それは大丈夫。売るのは!よし、行こう!結構時間を取ったからね。」
ビヤンさんの宿で。
3人組のタオルとプカプカの売り込みは拒否されました。
「わるいな。知り合いの行商が来ることになってるんだ。」
「ビヤンさん、ごめん。それ、わたし達だ。いまいろいろあって、3人で売ってるの。
ちい兄ちゃんはティスの弟なんだ。」
「うわ!あんたか!なんだ!言えよ! 」
「うん、なんか、行商夫婦?黒髪の女?いろんな人が探してるって。
いや、わたし達のことじゃないとおもうよ?
でも迷惑かけるかなって。」
「そうなのか?剣のマティスと赤い塊に懸賞金がついたのは知ってるよ?
剣のマティスがやられるんならそれは偽もんだよな?」
ニバーセルには行商夫婦のことより剣のマティスの方が主流だ。
なるほど。
タオルと絵付けタオル100枚、
プカプカクッションとシートもお買い上げ。
今からエスワさんの焼き鳥屋に行くというと一緒に行くという。
「親父!店番頼む!」
困った時の親父様。
「ああ、砂漠の民だな?」
ここでは、かつらを取ることにした。
セサミンはそのまま。
「お久しぶりです。以前はゆっくりお話しできなくて。
砂漠の民をご存じですか?」
「ああ、かなり昔だ。
ああ、あんたたちに似た人と来たよ。よく似てるな!息子さんかい?」
「・・・ええ。祖父と父ですね。世話になったようですね。」
「いやいや、酒飲んで、食って、街廻って。
どこが砂漠の民なんだって、思ったからな、覚えてるよ。」
「あははは!そうですか。きっと大きな砂漠石でも取った後なんでしょうね。」
「そうだな。金遣いは良かったよ。俺もうまい酒飲ましてもらったよ。」
「じゃ、一緒にどうですか?いまからエスワさんのところに行くんですよ。
その時の話聞かせてください。俺たちはいま、行商をして、懐があったかいですよ。」
「それは俺が出した金じゃないか!俺も飲む!奢れ!」
「もちろん!」
エスワさんのところは店を2つに分けていた。
前の店は人に任せて今、焼き鳥の方に。
煙が客席に入らないように工夫はしている。
が、焼いている方は煙がすごい。
ここでも、聞いた話、砂漠石を使って、煙を流す。
これで、ああ、ここの話なんだなって思うだろう。
エスワさんでの店のお約束。働く。働かされる。
ビヤンさんとビヤンさんの御父上の相手はセサミンが。
マティスは焼き、エスワさんは他の一品料理、わたしはホール係り。
「おあと、キモ3、ずり4、白子5入ります!」
「あいよ!」
「手羽焼3、上がったよ!}
「はい!お待ち!お酒おかわりは?はい!喜んで!」
「「喜んで!!」」
「やった!売り上げすごい!飲んでくれ!食べてくれ!
今度はちゃんと残しといたから!」
店が終わってからやっとご飯い有りつけました。
「愛しい人、さらご飯炊いたから。ご飯とな。」
「うん、ありがとう。鳥だしでお茶づけにする。」
「へー、いいな。」
竹炭と串、これからはコットワッツで買えると営業。
タオルも売る。
セサミンは若かりしころの父親の話を聞けたようだ。
同じように各地を回っていたようだ。もちろん徒歩と馬で。
結局、月が昇って半分まで飲んで、食べて。
ビヤンさんの宿に泊まった。
月が沈む前に出発、月が沈むとともにルポイドに入った。
「ん?行商?鳥肉?ああ!あの夫婦に?いいよ!
100だな?で、おんなじ?任せとけ!」
同じようにお任せで、売ってもらう。
朝のコーヒーを飲みたいのだ。
本場のコーヒーを!!
「ああ!いい香りだ!」
「あ!ドリップ式もあるね。これで、3つもらおうか?」
「知ってるのかい?これ、元首様が教えてくれたんだよ。
評判いいんだ。」
「おいしい!」
「そうかい?うれしいね。」
「砂漠で泊まれませんでしたね。」
「んー、予定は未定だ。また今度だね。
領地になったすぐ近くでもいいんだから。いつでも。子供たちも呼んでもいいよ。
テントに寝るのは楽しいから。」
「!それはいいですね。」
「・・・来たぞ?」
「わたし?どんな匂いがしてるんだろ?昨日、家に帰ってお風呂も入ったんだけど。」
「?」
店にどたどたと入ってくる人、エデトだ。
「エデト様!あの何か?」
「ああ、いいんだ。ん?だ、誰だ?」
眼鏡をかけて驚いている。
「え?行商の方ですよ?この方がここの元首エデト様だ。」
「へー、このひとがえらいさんなんだ。このコーヒーおいしいですね。」
「へ?」
(お間抜けエデト、到着は月の出後だと連絡が行ってないか?
いまは行商なんだ。3兄弟だよ?)
「わたしは、ああ、豆を買いに来た。」
「わ!元首自ら買いに来るお店なんだね。おじさんの店すごい!」
「え?そうだろ?そうなんだ。では、エデト様?どれを?」
「ああ、もうじき客人が来るから、良いものを。」
「はいはい。お待ちを。」
(渋みが少ないのが好き)
「渋みが少ないものを。」
「はいはい。」
「チビ?この方が元首?」
「みたいだね。」
(ガイライと同じだろ?)
(ああ!そうです!そうです!姉さん大好きっ子ですね!)
(お前も一緒だな)
(もちろん)
「はい。ありがとうございます。
代金はまとめて。」
「ああ、そうしてくれ。時に、行商の方々?」
「なんだ?」
「後程くる客人に、その前もって話があるときはどうしたらいいだろうか?」
「・・・知らんがな。」
「・・・。」
「ああ、お利口で、父ちゃんちでまっとくとか?
あの甘いものがあるとか?」
「なるほど!それで待っておこう。では。」
「いや、驚いたね。元気になってますます元気だ。」
「ご病気だったんですか?」
「詳しくは知らないけどね、臥せってたんだよ。そのあいだ、ドルガナとなにかあったじゃないかな?
いま、あれだけ行き来があったのに、少なくなってるんだ。」
「閉鎖してるとか?国境を?」
「あははは!それはないな。向こうから来るのが少なくなったってことだ。
こっちからはもともと少なかったからな、それは変わらないな。」
「へー、なんだろうね。」
「なにか怒らせたらしいぞ?エデト様を。で、砂漠石の購入もやめたと。」
「え!どうすんの?これから!」
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「そうだね。あ!樹石の話は知ってるよ?」
「樹石?なんだ?」
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これを粉々して水でこねて、乾燥させると、いろいろ使える。
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ウォーマー?
「もちろん、入れたてが一番おいしい。
でもさ、おじさんがいつも入れてくれるわけじゃない。
家で、飲むときにさ、たんびにお湯沸かしたりさ、
たんびにドリップするのって面倒じゃない?
3杯分まとめて入れても、2杯目、3杯目は当然冷める。
で、この上に置くと、ずっと温いまま。
もちろん、煮詰まる。うまくなくなる。
けど、コーヒーを飲めば、頭がすっきり、目が覚める!コーヒー万歳!
おいしいのは、今、抱えてる案件が終わってから入れて飲むから!
いま、暖かいのがほしいんだ!っていう、コーヒー中毒者に売る。
どうでしょうか?」
「チビ、ひどいな。」
「それはちょっと、ひどいよ?」
「あんたたちは、飲みたいっておもったら誰かが入れてくれるだろ?
違うんだ!一人になったら!手を伸ばして、せめて暖かいのが飲みたいの!!」
セサミンはルグが入れてくれるだろう、専用バリスタ!
マティスはこういうのを苦にならないタイプ。
コーヒーをこだわりの飲み物としてのむ。
コーヒーメーカーの最後の煮詰まったものなんぞ許せんタイプだろう。
しかし!飲みたいものは飲みたいんだ!!あったかいの!
「・・・わかる。わかるよ。うん。すごくわかる。」
やった!
「店のコーヒーをうまく飲んでほしい。もちろんだ。
しかし、常に飲んでほしい。入れるのが面倒といわれることもある。
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いいな!何より、俺が欲しい。飲みたいときに飲みたい!わかるよ!
誰も入れてくれない!わかるよ!!!」
大きな樹石を砕いて使う。
砕くと温度は上がらない。それがちょうどいい。
丸くかたどった器に、2つほど。そこに網状にした軽石。
火傷に注意。
ここのおじさんにベスト温度を出してもらおう。
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コーヒーもおいしいし。
あ、マティスが入れるコーヒーと別だよ?」
「当然だ。」
「おい!売れたぞ!あっという間だ。」
広場に行くと、守衛さんがすでに売りさばいてくれた。
すごいな。
前回同様、手数料を渡し、売り上げをもらう。
「このやり方で継続できないか?」
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ほんとかね?」
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「そうか、そうだな。」
「それまでに、こっちに来れたらまた頼むよ。あの夫婦もそうするだろうし。」
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「もちろん!頼むよ。」
「気さくに話しかけた守衛にはばれている。」
「あ、やっぱり?」
「でないとあの仕事はできないからな。
兄弟でも、夫婦でも、あの守衛に言えばいいようにしてくれるだろう。」
「それは良かった。」
後はテオブロマ、トウミギ。
テオブロマは今が時季ものだ。安くなってるかと思ったけど、
弱冠高い。なんで?
「これを絞ったら蜜が取れるんだ。その道具も売ってるよ。
これがうまい!どうだい!コーヒーに入れるんだよ。」
エデトめ、つぎつぎ商売をしているな。
こっちだって負けてはいない!
「兄さん!この蜜をさ、水に溶かして、飲むのは?
ほら、これ、ブラスのストローっていうんだけど、
これで、吸って飲むの。
冷凍庫が出回ったらさ、氷が手軽にできるっていうだろ?
暑い時に、氷入れて、これをさしてさ、飲んでもらうの。
1杯5銅貨とか。今は時期が悪いけど。準備しとくの悪くないと思うよ?」
ブラスのコップにストローを刺して、
テオブロマの蜜に井戸の水をいれる。ここでおいしい水を使うのは反則だ。
ちょっとぬるいでけど、甘い水。チョコ水。
「!うまいな!ん?ブラス?そうか、こういう管で?
中は洗ってるの?」
「そうだよ。口に触れるから削って。
10本5銅貨で。これは200本からの購入。どう?」
「んー、これさ、トウミギの茎を使えばいいんじゃないか?
あれはちょうどこの長さで折れるんだ。乾燥すればまさしくこの状態。
おい!ヘンケ!トウミギの茎ある?そこに敷いてるの持ってきてくれ!」
あのトウミギ屋さんに声を掛ける。
うそ!トウミギの茎ってそうなの?
敷いてる?そんなの見ないで捨てたよ!
・・・・。
ブラスのストロー計画はなくなりました。
トウミギの茎がちょうどいい。
削ることもしなくていい。
さっと、煮沸すればいい。
失敗の巻き、その3だ。
兄ちゃんはズは笑っている。
「チビ、氷、冷凍庫が売れますから。」
「・・・うん。」
「かわいいな!!」
クスナさんに売りつけなくてよかった。
輸送費を考えてもこっちの方が安い。
良いことを教えてもらったとテオブロマとトウミギは
お安くしてくれた。
第3形態の背負子で入るだけ。
タンス3兄弟で、テルマさんの家に向かった。
「よく来てくれました。ん?」
テルマさんちの前で待てるエデト。
暇なのか?仕事をしろよ?
「なにか怒っていますか?」
眼鏡を掛けたり外したり。
「怒ってないですよ?うん。あんたの国民は賢い。
頭の回転が速い。」
「ん?褒められるとうれしいですが?
どうして?」
マティスに答えを求める。
「いいんだ。かわいい落ち込み方だろ?」
「うわー、兄さん。そうなるんですね。」
「あとでたくさん慰めないとな。
自分がしでかしたことではそうもいかないだろ?
他のことでもだが、今回は仕方がないな。
一度あのトウミギの茎を見てて、気付かなかったのが。
いつもは何でも置いとくんだがな。トウミギに夢中になったから。」
「うん。大失敗の巻きだ。でも!売り出す前に気付いてよかったと。
うん、慰めるすべはある!」
「ああ、元気になった。良かった。」
「ふふふ。エデト様、元気そうで。」
「なんとお呼びすれば?」
「まずは中に入れてくれる?」
「もちろん!」
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