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473:運がいい
しおりを挟む中央砂漠に。
セサミンの絨毯で移動です。
先に西砂漠。
人が入れない中央部。
やはり、ぽぽぽぽと吐き出している。
また、演奏と踊りを。
おひねりとしていただくことにする。
デルサートルの回収方法はダメだ。
統治者の力無しで、暴力で石を回収させている。
入国税を納めるために入る人たちもだ。
こんなことをしたら、誰も次から入国しない。
「そうでもないようですよ?
一定以上納めれば、あとは取り放題のようだ。
砂漠石を取るという欲にかられたものだけが、より多く取っている。」
「ほかの欲が上回らないのかな?うまく誘導できている?
暴力ってのはこわいね。」
城人に買われた人たちは、逆に従順だ。
ほんとうにおかしくなっている。
か、おかしくなったふりをしている。
何人かが一斉に走り出した。
砂漠の奥に向かって。
誰も止めないし、笑っている。
死にに行くようなものだ思っているからだろう。
今彼らは逃げるという欲のみ。
ここから離れることのみ。
逃げおおせたら、そこは砂漠だ。
街に帰ることも、山を目指すこともできない。
水も食料もないから。
「愛しい人。見るな。」
「うん。大丈夫。うん、ほんとだよ?」
東の砂漠は、コットワッツ式。
ネルウカートか、リリクか。
どちらの国かわからない。
かなり組織的に砂を掘り起こしている。
吐き出す石はないようだ。
掘って、大きな石を取っている。
が、数が少ないと、怒鳴り声が聞こえる。
砂漠の中央はやはり、ポポポポと吐き出している。
だが、誰もとるものがいなければ、また砂に沈んでいく。
踊る気にもなれなくて、
それをただ見ていた。
「帰りましょう。
姉さん?知ってますか?砂嵐って人さらいって言われるんですよ。
いつの間にか知らないところに飛ばされるそうです。」
「・・・みたいだね。わたしもそういうことになってるよ?
気付いたらコットワッツに砂漠に居たって。」
「そうですね。でも、姉さん以外にはいないと信憑性が欠ける。
ね?あの走っていた男たちが、コットワッツの、
そうだな、綿畑の近くに倒れ込んでいたら
それっぽいですよね?」
「!だけど!マトグラーサの砂漠では見捨てたんだ!
これからだってそうだ!ここだって、また、同じことが起きる!」
「そうですね。でも、たまたま、姉さんとわたしがいたんだ。
彼らは運がいい。ね?
なにも彼らがかわいそうだとか、そんなことではないんですよ?
働き手が手に入るかなって思っただけです。
悪人かもしれませんしね。その時はその時ですよ。それを見抜くことはできる。
領主ですから。ああ、今日はなんて運がいい。
働き手が見つかった。ね?姉さん、彼らを綿畑の方に
わたしも一緒に。そこはルグたちが寝ずの番をしてますから。
兄さん、後はお願いします。
明日の半分には戻りますから。」
「お前を尊敬するよ、セサミナ。」
「ありがとうございます。さ、姉さん、死体はいらないんですから。 」
「うん、うん。お願い。あの人たちは逃げることが一番なんだ。
逃げたいんだ。生きたいんだ。そう思っているのなら、
きっとどこででも生きていける。あの場所以外で。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
縋りつく愛しい人を抱きかかえて、
西の砂漠に戻れば、正に死にかけだ。
5人か。
綿畑まで運び、あとは、セサミナがうまく片付けるだろう。
へたに体を治す必要もない。
それで、死んだのならそれまでだ。
彼女は大丈夫だと言い聞かせると、そのまま寝てしまった。
「西もマトグラーサもいかぬようにしよう。
ワイプに丸投げだ。西の砂漠はすぐにでも改善するだろう。
二度と逃げられるようにな。」
「そうでしょうね。・・・兄さん、勝手をしましたか?」
「いや、助かった。私の不手際だ。
今思えばそうなるであろうと、容易に想像できたのに。」
「・・・姉さんは先の先まで考えているから。
あの者たち全員を連れだことも容易でしょう。
でも、その後は?各自の故郷に?その後は?
そして毎月同じようなことが行われるたびに救い出す?
それを行うものを粛正する?
ガイライ殿が教えてくれました。大会でライガーに話したことを。
ガイライ殿に話したことを。
彼女はもちろん、神ではない。神様でも何もしない。
では動かなければならないのは誰か?わたしですよ。
ただ、まずは領民の為に。
姉さんにお任せくださいとお伝えください。」
「お前の負担が大きくなりはしないか?」
「ふふふふ。疲れたときは、その時は、甘えさせてください。」
「もちろんだ。ありがとう、セサミナ、お前がいてくれてよかった。」
「その言葉は、わたしが言いたい。兄さんと姉さんの弟でよかった。
では。」
セサミナはすぐに指示を出している。
私たちも戻ろう。
とりあえず、ルポイドか。
「・・・・・セサミンは?」
「ああ、半分までには戻ってくる。
礼を言っていた。動くべきは自分だからと、任せてくれと。」
「そう。うん、そうだね。セサミン、えらいね。」
「そうだな。疲れたときは、甘やかせてくれと言っていたぞ。」
「うん!そういってもらえれば、甘やかしがいがあるね!
うん。」
「まだ、月は昇っている。もう少し寝とけばいい。」
「ああ、沈む合わさりの月が見れなかったね。また今度ね。」
「そうだ。いつでも見れるんだからな。」
『さ、起こすまでゆっくりお眠り』
「・・・う・・・ん。」
少し外が騒がしいな。
(ワイプ!)
(な!何事!)
(寝てたのか?)
(まさか!報告待ちなんですよ)
(来てくれ、ルポイドだ。呼ぶぞ?)
(え、待って!)
ツイミ!ツイミ!少し出ます
オート院長にはうまく話してください
(いいですよ)
『ワイプ!来い!』
「なんですか?モウは?」
「そこで寝てる。」
少し顔色が悪く、丸くなって眠っている愛しい人を見て、
ワイプが声をあげる。
「!マトグラーサ?」
「静かに、西の砂漠だ。」
「・・・東は?」
「石は取れてなかったな。」
「聞きましょう。順番に、箇条で結構。」
セサミナと各砂漠を廻った話をする。
西の砂漠の中央あたりまでは問題はない。ピクトのやり方は別として。
「逃げた?その壊れた人たちが?」
「そうだ、それはその時は捨て置いた。それから東に。
大型の石は出ないと騒いでいた。
東砂漠の中央はそれこそ、豊富に石は吐き出されていたがな。
彼女は黙ったままだった。
あとはセサミナが彼女の負担にならないように持っていってくれた。」
「あなた、ちょっと不用意ですよ。考えればわかるでしょ?」
「そうだ。壊れたものが、そのままだったら、
言われるがままに石を集めているだけなら、
彼女も何も思わない、いや、思うことはあっても、何もしないだろう。」
「当然です。何もしなくてもいいし、何も思わなくてもいい。
たまたま逃げ出した時、あなたたちがいただけです。
後はセサミナ殿が、言葉がわるいですが、うまく処理する。」
「そうだな。セサミナもこれは自分がするべきことだと。
・・・デルサートルはだれも納める力がないというのは本当か?」
「は?そんなわけないでしょう?」
「小さな村から発展したから、ただ、大きな村にすぎないと、
貴族だって勝手に名乗ってるだけだと、城に住んでいる城人が話ていた。」
「その話も最初から!!!」
「・・・・それはやはりおかしいですね。
1番城に住んでいるのが帝王です。その方は、中央出身の方。
納める力もあります。でないと、砂漠の挟まれたあの狭い土地で
生活できないでしょ?」
「しかし、力で押さえつけて、砂漠に向かわせていた。
壊れた者たちはおとなしく従っていたが。」
「どう壊れているのかが分かりませんが、それが納める力では?
砂漠石の産出量は多くもないですが、減りもしていまさせん。
しかし、いままでも、そのような方法なら、話は必ず漏れる。
おかしいですね。」
「東は?」
「東も、増えも、減りもしていません。ただ、その報告が
正しいかどうかさえも疑わないといけませんね。
中央が発表している数字なので。」
「調べるのか?しかし、他国のことだ、お前の仕事でもないだろう?」
「把握するだけですよ。」
「肉はどうなった?」
「あの後すぐに、買い取りを申し出て、その場で調理してもらいましたよ。
で、大騒ぎとなりました。他の肉もすべて同じでしたから。
案の定、コットワッツに抗議をという話になりましたから、
コットワッツにに金を払っていないのにそれはおかしいと。
支払先を言っていただければ、こちらから回収しますと言えば、
うやむやになりました。中央院の仲介だそうで。
で、砂のようなので石使いに移動してもらいましょうという流れに。
あんな大きな石を取り出して、動かせる砂が、やはり1粒。
平気で、予算を請求してくるんですよ?倒れそうになりましたよ。」
「それで?」
「仕方がないでしょ?もう一度やってダメならということで、
わたしが移動させましたよ。小声でね。
いま、その石使いが一躍有名になりました。
赤い塊以上だと。」
「そいつ、いいように使われるのならいいが、
使えないとわかると殺されるぞ?」
「本人はまんざらでもんなさそうですよ。
赤い塊だと名乗った、元うちの石使いですよ。
エデト殿が帰った後、戻ってきました。
悪ぶれた様子もなく、まんまと中央院の専属に納まりましたよ。
うちはもう雇うことはできませんから、ええ、予算的に。
それと、5万、モウの資産が入りましたが?」
「ルポイドだろ?あの石絡みだ。正規の仕事料だ、問題はない。」
「そうですか。ならば結構。では戻りますよ。
それぞれの報告が上がってきます。
あなたの話と合わせれば、かなりの裏付けは出来ますね。」
「10リングだ!」
「ええ。あなた用の資産預け入れ作りますか?」
「誰が!」
「そうですか。いま、手持ちがないので、次回ですね。」
「忘れるなよ?ああ、そうだ。弁当を作ったが、結局食べずじまいだ。
カップたちだろ?動いているのは。食わせてやってくれ。」
「素晴らしいですね。ありがたく。」
少しだけでも彼女と寝ることが出来るだろう。
ワイプに弁当を持たせ、少し眠ることになった。
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「愛しい人、起きて。
セサミナが戻ってくるまで、あれらの相手をせねばならない。」
「・・・・ん。んー。うん。お風呂入ってくる。」
「ああ、別に急がなくていいから。」
「ん。」
彼女を風呂に、扉君の家に送り、ドアを叩く従者の相手をする。
「なんだ?」
「お目覚めでしょうか?
元首エデト様がお呼びなのですが。」
「少ししたら伺おう。悪いがセサミナ様はまだ、おやすみ中だ。
合わさりに月の日に石を集める者の習性だ。
用事があるのはモウだろ?かまわないな?」
「はい、そのように伺っております。
では、ご用意ができます迄、お待ちいたしております。」
「すまんな。女性は時間がかるから。これを。内緒だぞ?」
ザバスの飴玉を渡した。
彼女が飴は常に携帯し、なにかあれば1つ渡す、常識だと言っていた。
これでいいのだろうか?
「うわ!ありがとうございます。」
うむ、正解のようだ。
待たすと思ったが、彼女はさっと湯を浴びただけのようだ。
少し眠って顔色も戻ったか。よかった。
「エデトが呼んでいるようだ。」
「そうだね。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
待たせたと外に出ると満面の笑みでそんなことはありませんと従者が答える。
さすが、教育は行き届いているなと感心してしまった。
「あの、モウ様?」
「はい?」
「アイス、ありがとうございました。
もう、みんな、アイスのとりこなんですよ。」
「ふふふ。それはよかった。はいこれ、飴ちゃんね。
そんなに喜んでもらえたのがうれしいかったから。」
飴ちゃんを1つ。
「うわ!今日はなんて良い日だ!2つ目です!」
ん?
どうやらマティスも待たせている間に渡したらしい。
うん、いいよ。そのタイミングで。
「こちらでございます。」
と、通された部屋には、まさに謁見の間。
じーじとテルマ、エデトと奥さん。
眼に包帯を巻いているのが気になる。
で、2人の息子。
で、なんだかのお偉いさんたち。
「お待たせしてなければいいが。
申し訳ないが、セサミナ様はまだおやすみ中だ。
合わさりの月の日の習慣なのだ。
ご容赦願いたい。」
「いや、かまわない。話がしたいのは、モウ殿だ。
かまいませんか?」
「モウ?かまわないか?」
頷くだけ。
「それで?」
「まて!なぜその女子は声をださぬ!出ないわけでもあるまい!」
「早く済ませてほしいのだが?」
「お前も!無礼であろう?ルポイド元首に対して!」
「静かにしていただきたい。彼らはセサミナ殿の護衛、
誰に敬意を払わなくてもいい立場です。」
「だったら、そのセサミナのそばにいればよろしかろう。」
「エデト殿?毎回そちらが呼んで、毎回別の者が我らを場違いだという。
ならば、我らは帰るまで。それほど、立場というものを大事になさるなら、
そのようにすればいい。」
「マティス殿、申し訳ない。おじい様、どうぞ、お静かに。
この部屋に呼んだのは身内だからですよ。」
「・・・。」
「元老院ではないのです。引退を。軍部隊長テルマが兼務です。
わたしも軍部を兼務です。2人で。その補佐は息子達と。」
「それで?」
「先に妻を紹介したい。ずっと病に臥せっていたのですが、
無事に回復をしまして。シモーネ、マティス殿と、モウ殿だ。」
「初めまして、妻のシモーネと申します。このような姿で申し訳なく。」
「マティスだ、妻のモウ。お聞きしてもよろしいか?眼をどうされた?」
「いえ、怪我とか、見えぬとかではなく、
ずっと寝ていたから光が入ると目が痛いと。しばらくすれば戻るそうなので。」
「そうか。その話か?」
「少し話を聞いていただきたい。」
「手短に。」
緑の目の話をご存じか?
なにかに1つの対象のみに生きる。それに執着すると。
それが、他の者に利があるものならいいのだが、例えば、
殺戮や破壊、害のあるものなら即、処罰される。
突然なんだそうだ。
大体が、一つのもの、物だ。
見たこともないものに執着することもある。
それを利用しようというものもいる。
それを調べ、その内容を教えろと。
そうすれば必要なものを与えようと。
それはいいだろう、お互いが利用したんだ。
緑の目はその研究に一番よい場所に納まった。
が、知れば知るほど執着が薄れていくこともある。
別の物に興味が移るんだ。
現物を見たときに完全に途切れたと。
が、いままでの研究内容を、
その内容を利用した人物が、良からぬことで利用した。
そのことで、長年の仕組みが崩れたこと、新しい体制になること、
これから、厳しい時代が来ること、
利用できることは利用するだろう。
わたしは友を失い、父は孫のように思う娘を失う。
「そうか。話は終わりだな?
もうじきセサミナ様が目覚められる。
友を失ったとしても、商談はうまくいったはずだ。
それは今後も?」
「それはもちろん。」
「ならば、問題ないな。失礼する。」
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