いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

文字の大きさ
491 / 869

491:36番目※

しおりを挟む



「師匠?お弁当作っておきますね。」
「ええ、お願いします。」
「それがおかしいんだ!」
「モウ、わたしもそう思いますよ?」
「もちろんみんなのもあるよ。オート君にも渡しておこうか?」
「ああ、それは喜びますね。
婚約者殿も来るでしょうから、2人で食べれるものを。」
「いいねー。ランチデートか。
護衛側はやってられんけどね!」
「そういうこった。あのお嬢さんの方が気配に敏感だがな。」
「そうなんだ。遠い王族らしいよ。
なんか甘いおやつも付けておこうかな。
師匠からってことにしておいてね。
彼女さんに変に勘繰られても困るから。」
「それはないでしょう?」
「甘いね。ベリースイートだ。
わたしはかわいい女子に好かれたい。
なので、些細な敵意ももたれたくない。
このかわいいには、性格が含まれる。
はっきりいうと、オート君の彼女に好かれたい。
だから、部下の弟子の女の人から差し入れ?どういうこと?
という心を痛むようなことは避けたい。」
「?よくわかりませんが、うまく伝えましょう。」
「そうしてください。」
「おいおい、マティスよ?これはどうなんだ?」
「愛しい人はそうなのだ。テムローサもセサミナの奥方たちも、
ドーガーの奥方たちも、ルポイドの館の女官もだ。
きゃー素敵です!と叫ぶぞ?」
「うふふふ。うらやましい?マティス?」
「まったく。愛しい人が素敵なのは分かっている。
同じように叫んでいいなら叫びたい。」
「・・・うん。」
「姉さんはそこで照れるんですね。」
「だって、一番マティスにそう思ってもらいたいもの。」
「セサミナ!私たちはいったん帰る。来客が来る前に戻るから。
どうしたいかだけ考えてくれればいい。
ワイプ!そこの棚にコーヒーと緑茶、菓子は収納している。
食い終わったら、食器だけ流しに運んでおけ!」



あっという間にベットの上でした。

「家に帰ったの?」
「仕方がないだろ?愛しい人があまりにも可愛らしいこというから。」
「あ!は、はずかしい!!」

愛しい人を抱きしめ、寝床に潜る。


「ん?みんなは?」
「まだ話している。茶と菓子を置いてきている。」
「うん。みんなに任せておこう。
できることをお手伝いすればいいよね?」
「それでいい。」
「お風呂は?」
「あとだ。」
「んー。脱がして?」

屋台を出すときに着替えてはいる。
ゆったりとしたニバーセルの服だ。
スカートは好まない。いつも私と同じズボンをはく。


前をはだけ、ズボン、下ばきをずらしただけ。
そのまま。

あっ ん


全身を舐めたいが、風呂前にすると、嫌がるからだ。
あとで、風呂の中ですればいい。

抱き上げ下から突き上げる。
王都内では常に膜を張っている。匂いよけだ。
だから、彼女の肌からは彼女の匂いだけ。

首元から胸先に舌を這わす。

あっ あっ マティ マティ


「愛しい人?明日の会合を休もうか?」
「ん、ん?な、なんで?」
「あまりよくないことばかりが決まるだろう。
ワイプの仕事が長引いたのもそのせいだ。」
「セサミンによくな、いん、の?」
「それは問題ない。あれは領主だ。切り抜けないでどうする?
なんとでもする。だからそばにいることもない。」
「セサミンがそういった?ち、違うでしょ?わたしに聞かせたくない話だから?
ん、ん。一緒だよ。いずれ聞くんだから。
コットワッツには凄腕の護衛がいますよって示さないと。」
「そうか?ならば、すこし気合をいれようか?」
「うん。かっこいい護衛のマティスが見たい!ああーー!!」


発言できないが、よからぬことをいう輩がいれば
黙らせればいい。
赤い、どの衣裳を着てもらおうか。


「あっ!マティスが悪い顔してる!その顔好き!」
「ふふふ。そうなのか?ならば期待しておけ。」
「ん?うん!」


風呂に移動し、全身を磨く。
足の爪先から、髪の先まで。

「髪、伸びたね。切ろうか?」
「以前は乾かすのが面倒だったからな。いまはすぐ乾くから。」
「そうか!ドライヤー売り出そうか?」
「ん?」
「髪を乾かす道具。風を起こすの。
風は便利だよ。扇風機とか掃除機も風かな?時代は風力だね。」
「いろいろあるのだな?それはスパイルに行くときの手土産にしよう。」
「いいね!そうしよう!アイデアだけだからね。
そこから考えてくれるからね。うん!さすがだ、マティスだ!
髪の毛洗わせて?」
「ああ。」


彼女だけ椅子に座って、私は床に。
前から洗ってもらうのが好きだ。

「ジャンプーハットも売れそう。」
「ホットサンドメーカーもいいかも。」
「まずはコーヒーウォーマーだね。
コーヒーメーカーはちょっと難しいか。
これも提案してみよう。」

彼女は私にはわからない言葉を並べて考えている。
その間わたしは彼女の正面を洗う。

脇の毛は伸びてるのだろうか?

「もう!それは雨の日でしょう!」

覗き込もうとしたがダメなようだ。
仕方がないな。

「んー。流すよ?」
「交代だ。からだを磨こう。」
「洗ったでしょ?」
「磨くんだ。」
「はいはい。」

黒の実のオイルでまっさーじをしながら磨いていく。
外も中もだ。

「後ろもいい?」
「ん。」

ゆっくり、ほぐしていく。
からだは骨があるのかと疑わしくなるほど、やわらかく、
私に絡みついてくる。
全身で。
前は何もしなくても柔らかく、あふれていく。
からだを洗う前に流したとしてもだ。

後ろから抱くことになるが、仕方がない。
前も一緒にほぐしたいから。

彼女はからだをそらせて私に口づけを送ってくれる。
胸がそらされるこの体勢も好きだ。
が、結局向かい合って抱き合うことになる。

風呂の床はいつの間にか寝そべっても柔らかいものになっている。
砂漠石の膜とプカプカも組み合わせているのだろうか?

私が寝てしまえば、彼女が躍ってくれる。
この眺めも好きだ。
寝床とは違い、明るい。湯気があるが、そんなものは関係ないのだ。
汗と水滴とが、私に落ちてくる。

汗までも甘い。



彼女はそのまま寝てしまった。
爪を磨いて終わりにしよう。




─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘




「「「・・・。」」」
「頂きましょうか?
どちらにしろ、姉さんは少しは寝ないと体に悪い。
あ、これは新作なんですよ。シュークリームです。
クリームがはみ出るので、上を割って、掬って食べるほうがいいですね。
わたしは先ほど頂きましたから。
こっちのクッキーにしようかな?」
「俺は塩っ気が欲しいな。酒を飲んだ後だからな。」
「では、おかきかな?緑茶ですかね。このクッキーは胡椒とチーズですよ。」
「わたしは両方ほしいです。」
「ええ。」
「それで?資産の方でなにか面白いことはあったのか?」
「そうですね。明日の会合で話がでますがね。
マトグラーサの砂漠石採取のやり方は大陸中央も認めることになりました。
ピクトもデルサトールの採取方法も認められます。
要は砂漠石の採取方法は各国に一任すると。
もちろん、強制的には違法です。が、
借金や犯罪者、相手に非がある場合、
契約書を交わして同意した場合のみです。
あってないようなものですが、中央から監査が入ります。
これで、中央はいつでも各国に入ってくる口実ができ、
砂漠石産出国は産出高を伸ばせると。
監査の費用は各国もち。接待し放題ですね。
新年に王の言葉があります。
そこで砂漠で強制労働をさせてはいけないとだけ。
同意さえすればいいということなんですが、抜け道はいくらでも。」
「糸を使われればどうにでもなるな。」
「ええ。が、ここに来て、糸そのものの効果が疑問視されています。
すぐに破綻する。高い金を出した領国からは不評のみ。
もちろんうまく行ったこともあるでしょうが、
それを公表することはない。」
「糸単独の話ですよね?」
「ええ。糸と香木。この組み合わせです。
ボルタオネはそのために代替わりしたと言っていいでしょうね。」
「まだボルタオネにあるのか?香木が?」
「あるのでしょう。森をすべて伐採すれば見つかるのでは?」
「・・・それ、姉上からコクに話しておいてもらいましょう。」
「コク?黒馬ですよね?」
「姉上の話では香馬と。以前もらった香木もコクが探してきたもので、
この裏の呪いの森は36番目のボルタオネの森だとか。」
「ちょっと待って!ほんとに待って!
以前見せてくれた香木の話ですよね?偶然見つけたのではなくて、
呪いの森はボルタオネの森で、
その森から香馬が見つけたと?
あの時はわたしも不勉強だったんですか、
香木について調べたんですよ。
あー、ちょっと、コーヒーともう一つ、しゅーくりーむください。」



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘




「なんだ?まだ話していたのか?」

大広間に戻ると、むさくるしいという言葉しか出ないような空間になっていた。

『風よ、このむさい匂いを遠くに』

窓をあけて、清々しい空気を入れる。
なるほど、風は便利だ。

『ありがとう』

礼も忘れずに。


「セサミナ?考えたか?」
「すいません。まったく。」
「仕方がないな。少し寝てこい。こっちで考える。」
「お願いします。」

『眠れ、セサミナ。目覚めれば、疲れも取れている』
「ふわー。」

寝床に移動させればいいだろう。
ドーガーは?寝てるのか。


「セサミナをつき合わす必要があるのか?」

みなにコーヒーを入れる。
数滴だが、栄養剤も入れておこうか。


「土地のことですよ。不備がないように。」
「そうか。それなら仕方がないな。どこでもいいんだ。
石を売ることで50万リングもすぐ作れる。
そういえば海峡石は?あのコールオリンは?」
「海峡石はどこで見つけたかということで大騒ぎに。
コールオリンも同じです。」
「これは?」

砂トカゲ、いまは沼トカゲの骨を磨いたもの。
クジラの骨を磨いたもの。
海の底で見つけたサンゴ。これは赤い。

真っ白なもの、白いが半透明なもの、
真っ赤なもの。


「・・・・。ダメです!
あなたたちじゃないと採取できない物ですよね?
大騒ぎになるから駄目です。」
「裏街道で売ろうか?そういうところあるから。」
「おお。さすがニックだ。あれか?素敵すぎます!って言おうか?」
「いや、やめてくれ。」
「ちなみにそれなんです?」
「これは沼トカゲの骨、これはクジラの骨、
赤いのは海の底だ。愛しい人曰く虫らしい。」
「虫?え?」
「彼女も詳しく知らない。知っていれば問題ない。うごめくわけでもないしな。
赤ければ赤いほど価値があるそうだ。彼女の故郷ではな。」
「動植物は同じなんですよね?」
「大まかにはとしか。それと大体が大きい、赤いものが多いとか。
彼女は言霊で言葉を理解している。
我々もだ。味が故郷で同じなら、その物の言葉に聞こえるとか。
だから葡萄味は葡萄と聞こえるらしい。モモもな。」
「なんとも彼女らしい。」
「モウは寝ているのか?」
「そうだ。半分前に起きるだろうな。
2人の領主が食べるものを作らないといけないからな。
お前たちの分で、なにか希望があるか?」
「おにぎりとカラアゲ、卵焼き、さんどいっちも。
卵と肉で。あと食後はアイスがいいのですが、無理ですか?
あ、卵と乳は買ってきてますよ。」
「彼女に聞いてみよう。ガイライとニックもそれでいいか?」
「「それで十分。」」
「わかった。半分前に送ろう。」
「じゃ、資産院にもどるわ。ガイライは?」
「天秤院を見て来よう。軍部も。」

まずは米を炊かなければ。









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

処理中です...