いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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501:ぬいぐるみ

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最後のプレゼンはやはり銃だ。
マトグラーサとルカリアと共同で。
銃と銃弾はセット。


「ニバーセル軍で正式に採用されることでしょう。
銃弾も砂漠での作業が可能となった今、大量生産が可能です。
ええ、砂漠で作っているのですよ。製法はここでお話しできませんが、
広い土地がいるとだけ。」
「実際にはいくらに?」
「そうですね。十分の一ですね。」

おお!って。
蜘蛛の数が増えた?働く人間が増えた?
砂漠での労働を許可。
これは画期的なことらしい。
もちろん、領主の納める力を使っての砂漠石採取は昔から行われてきた。
砂漠の端の開拓も。
が、それなしにでの労働だ。
別に砂漠に入ってもいい。が、入ったところで爆裂石の採取か、
砂トカゲなどの動物の捕獲、森で薪を取るぐらいだ。
ああ、砂レンガの砂を取るんもあるな。が、それも端での作業だ。
それが同意のもとに中まで入っての作業ができる。
だから?ということではない。
月があろうとなかろうと関係ないのだ。
そんな文言はない。
必ず、月が昇るまで戻ってくるとか、そういうのが。
マトグラーサで見たあの作業方法が違法でも何でもないということだ。
おそらく、これからはきっちり同意書をかかせるだろう。
その前に、マトグラーサに不利益は起こさないと契約している。
解釈の問題だ。運よく生き伸びて、約束の金を請求しようにも、
金を払うこと自体がマトグラーサの不利益だとなれば、払ってもらえない。
払わなければ、マトグラーサが砂漠に沈むとか、
金を払う以上の不利益を被ることを約束しないといけないのだ。
それに誰が気付くか。
気付いたところで、その不利益を起こせるのか?
起せるのならそんなところで働く必要はないだろう。
マトグラーサは言葉をうまく使う。
石使いよりもだ。


「銃本体の方も量産が進んでおります。開発も。
あのルポイドも大型獣討伐に使用する大量購入をしていただけました。」

ジャリ肉になるんじゃないのか?
中の石肉は大丈夫だろうけど。
そうか、大型の弾丸、大砲?
火薬がないから砂漠石で押し出すのなら今までもあったはず。
弾の性能が上がったからか?
柔い弾なら、砂漠石の威力で粉々になる。
大きな弾をより大きな力で押し出す。
それには強い弾がいるんだ。
可能にしたのが砂玉。
サイもそれで狩れるか。
砂漠石の威力に耐える砂玉。
蜘蛛、クーちゃんすごいな。

が、あくまでも球体。
大きくなれば、空気抵抗もあるだろう。
あの流線型の形を作り出すことは不可能だ。
あくまでも蜘蛛たちが作り出す砂玉なんだから。
が、クーちゃんに確認しておこう。


「へーい。へーい。」




会合はこれにて終了。王様は休憩中に帰っていた。
よろしく頼むも今回は関係ない。

前回で決まったことを実行できるかできないかの監査なのだから。
だから資産院はお疲れなのだ。

イリアスの第3王子はマトグラーサの従者に連れていかれてる。
土地の交渉だろうな。
自分の土地だとしても、
それを売る、しかも他国に売るということはどういうことか。
本当に不要な土地なぞないはずなのに。
何もない、何も生産できない土地だとしても、
国境を守ることもできる。
まさか内陸なのか?
だとしたら、飛び地で他国の領土になるなんて。
それはないな。
海側か、国境沿いか。




これから見本市だ。

あの預けた塩袋はあっさりと盗まれたとのたまった。
いいよ、もう。そんなことより筍だよ。

外に出れば、皆商品をならび終えている。

「ソヤ!」
「え?ねーちゃんどうしたの?しんどそうだよ?」
「ああ、大丈夫。あれかな何にもなかった?」
「うん。くっついたり泣いたりはしてたけど。」
「懲りないね。じゃ、セサミナ様、展開しましょうか?」
「姉さん、ほんとに顔色が悪い。」
「あー、大丈夫。ああ、ボルタオネが話があるって。」
「わかりました。」
「マティス?後お願いね。ソヤは、ドーガーの手伝いしてくれる?
ソヤをきれいにして服着替えてもらって。」
「え?着替えるの?」
「うん。ドーガーのそばにいて。で、いやな感じがしたら教えて?」
 「え?うん。わかった。」

マティスが言うには気に敏感で無意識に操っているそうだ。
さ、筍のことは後だ。


展開すれば、すでに展示してある商品が見える。
指定されたスペースいっぱいに。
あっと言う間に小奇麗なお店になった。

会合で配ったものは概ね好評だ。
マトグラーサも。
タフトもだ。
文句は言っていたけどね。だったら置いていけばいいのに。
ちゃっかり持って帰ったしね。

さすが、トックスさんだ。
ミンクも、宝石類も少量ある。
これの大量展示は鶏館だ。



「マリー!!」
「はい、テール様。お客様第一号ですね。
なにか、気に入ったものはございますか?」
「あの動物のは?」
「ああ、あれはこのタオルをゴムで止めただけですよ。
そうですね。タオル地のぬいぐるみもいいかもしれませんね。
お待ちを。」

開けたコンテナの板で、バックヤードは作っている。
その中で、タオルでウサギと豚、アヒルと砂トカゲのぬいぐるみを作る。
糸を買っておいてよかった。

テール君にだけ渡すと子ども扱いしているようだから、
数を出そうか。うん、ファンファンはきっと買うね。
指を入れれるようにもしておこうか。
ああ、小袋付きで。



「これなんかどうです?」
「可愛いですな!!」

ファンファンがいつの間にか来ていて食いついた。

「動物だけでなく、野菜や果物でもいいですよ?
野菜も馬の餌だと思われていますが、実際いかがでしたか?」
「あれはうまかったですね!ん?」
「ああ、マリーです。申し訳ない。
人手不足。兼任なんですよ。」
「ああ!!」
「マリー!果物?あの赤いのも?」
「そうですね。作ってきましょうか?」
「わたしも欲しい!果物と野菜も!」
「はいはい。お待ちください。
ああ、マーロ殿とカーチ殿はセサミナ様とお話し中ですね。
ファンロ様、テール様とご一緒でお待ち願いますか?」
「もちろんだ。テール殿。向こうに座らせてもらいましょう。」
「はい。」

ファンファンは子供をうまく扱うな。
父親だからか?いや、だったら、娘たちはあーはなってないよな。
んー、ああ、褒めて育てるのは5歳ぐらいまでということか。
成人するまでそれをやるとダメだな。
いや、やっぱり子供の性格だよね。
子育ては難しいねぇ。

セサミンはボルタオネと、マティスは全般な商品の説明販売。
ドーガーもだ。ソヤは傍について、マティスとの間を往復している。


野菜と果物のぬいぐるみ。プリンもだ。
少し大きめのクッションも。上のプニカは外せるように。
マジックテープはないから、ボタンで。
蜜が垂れる表現がうまくできたと思う。


外に出ると、ファンファンのマペット劇場だ。
意外な才能だ。

「おや!あんなところにおいしいお野菜が!
テール殿!もらってきて!」
「はーい!」

爺と孫だ。
「はい、テール様。」
「ありがとう。」

カーチがテールの笑い声はかなり気にしている。
父親の座を奪われてた気がするのだろうか。
では、このプリンクッションはカーチに渡しておこう。


「モウ。あの館はボルタオネが引き取りたいらしい。」
「ああ。そうですか。
しかし、コットワッツの滞在地はあの場所だと定められております。
それは?」
「こちらから資産院に交渉します。
あの区域から2つ手前がボルタオネの滞在の館。
その土地と交換ということで。」
「なんでも、あの館は元々ボルタオネの所有の館だそうだ。あの区画もな。」
「そうでございましたか。それは資産院の許可が出ればよろしいのでは?
詳しいお話はまた明日にでも。すこし、カーチ殿の顔色が優れませんし。」
「あ、ああ、申し訳ない。」

ここには膜が張れないから。

「お茶を。
これは、テール様へのお土産です。」


緑茶をのんで少し落ち着いたのか、マーロに大丈夫だと言っていた。
マーロはお茶の効力に気付いたのだろうか。
もっと分けてほしいと言ってきた。
そう言えば、親方たちは普通にコム茶を飲んでたな。


「お茶の香りはいいですよ。
寝る前に香を焚くようになさってください。
それらも入れておきまましょう。
これはお茶葉にならなかったものを乾燥させたものです。
布にくるんで枕元に置いても。」


全て一番茶だ。


「におい消しにはブラスの炭もいいのですよ。
籠に入れておくだけです。お持ち帰りください。」

あー、ブラスのことを考えないと。
ガイライ達の住むところも。
風の草原にブラスを植えてみようかな。
いや、先に雨の日の後の筍だ。

「モウ?姉さん?後はこちらで。
先の戻られますか?」
「愛しい人。家に戻っておけ。セサミナ様の傍には私がいるから。」
「んー?大丈夫ですよ。
折角各領国の一押しの品々。見て回りましょう。」
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