いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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560:花の香

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1日は短いので、今日は行商の準備をすることに。
ウダーの村長に対してだ。勝って見せる!

その意気込みで、材料を厳選していく。
スカーフ、干し肉。甘味も少々。


そのことはセサミンには連絡している。
月の入りとともに、教育係がやって、
どこまでしきたり等を知っているのかと、
草原の民の成り立ちを聞いて来たそうだ。

一通りのことを説明。
今回のことも聞いていると思うがと話したそうだ。

深いため息をついて出発となったとか。

「来年の雨の日も呼ばれないかもしれませんね。」


領主というのは簡単にはなれないということだ。





リーン、リーン。
リーン、リーン、リーン。


半分すぎたころに、ガイライと師匠から同時に連絡があった。
内容は分かっている。

(なーに?)
(モウ!なにやらかしたんですか!)
(モウ!どういうことですか!)
(いや、マティスが自分の招待状でガイライと師匠を呼ぶのが照れるっていうから)
(照れるわけではない!嫌なだけだ!)
(嫌とか、照れるとか!だったら呼ばなければいい!
こっそり行くことだってできるんですから!)
(それはわたしが嫌だ。一緒に楽しみたい!)
(モウ、中央からの招待状ですよ?王族でもめったに手にすることはできないのに)
(だって、ドロインさんが楽しませてくれる前払いだって)
(前払い!)
(そそ。トックスさんとソヤも行くよ。)
(ソヤ!なんと驚きです。トックスさんはわかりますが)
(トックスさんはドロインさんをエスコートするの)
(タトーロインを?え?)
(ソヤはね、中央の人に対する挨拶も知っていたし、
ドロインさんの孫娘さんたちに気に入られてね。
ちょっとしたハーレム状態だったんだよ)
(ダメだ。トックスさんもソヤもダメだ。制御するものがいない)
(師匠!失礼ですね!ちゃんとしました!楽しかったですよ?
ビャクもクーちゃんもお土産もって帰ったでしょ?)
(あれは彼らの物なので、わたしには回ってきませんでしたよ!)
(あ、そうか。ドロインさんからお酒ももらってたよ?
お好み焼きは?おいしかったでしょ?)
(酒!あれか!お好み焼きはもちろんおいしかったですよ。
聞きたくないんですが、何の肉ですか?)
(トラ)
(あーーーー。)
(はは!ガイライにはちゃんと布買ったから。ニックさんの香辛料も。
ニックさんイは?招待状行ってる?)
(ええ、わたしと連名で。トックスのところで服を調達することになるでしょう。)
(そうなるんだね。師匠?カップ君たちもいいと思うよ?)
(ええ、そうでしょうね。配下の者もと有りましたから。)
(雨の日の2日前ね。その前からメイガ、ナマコ、カエル狩りと忙しいから、
ばっちり休みを勝ち取ってね)
(もちろん。それと、マティス君?)
(なんだ?)
(土地の管理者になりましたね?)
(草原、ラーゼムが独立したのは当然話は知ってるだろう?)
(ええ。ラーゼムにはオート院長とツイミが説明に向かいます。)
(なにか問題ですか?師匠?わたしも地主ですよ?)
(え?どこ?まさかマトグラーサが狙っていた土地?
繁栄を宣言した?名前無しで登録されてますよ?)
(えへへへへ。そうなんですよ、わたし、土地持ちなんです。)
(その話はまたあとで。というか、あなたの領土です。
あなた、地主ではなく国王ですよ?)
(わお!)
(ああ、いいんですよ。じつはそういう土地は点在していますから!
国に属さない、個人の土地がね。納税はしっかりしてください)
(はーい。じゃ、マティスのは?なにが問題?
(愛しい人問題ですよ!!だれがマティスの愛しい人なのかって!)
(ああ。)
(結婚のために土地を習得したと。2人の連名になっているから。
賭けの話は?ああ、その参加者がその地に向かうそうですよ?)
(あははははは!頑張って!)
(暢気な!あなたたちは?いつ行くんですか?)
(明日、出発して、ピクトのウダーで行商をする。
それから、山越えで入るな。明後日だ。)
(あなたが方の方が確実に早いですね。
着いたら結界を)
(え?まずいんですか?だったら先に行ったほうがいい?)
(行ったことある地なんですか?)
(もちろん。下見無しで選びませんよ)
(だったら、どうしてあの地を?風が強くて立ってられないと)
(そこは根性ですよ!)
(あー、またあとで詳しく聞きます。移動でいけるなら先に。)
(わかりました)


予定変更だ。
先に挨拶。で、山脈を超えてウダーに。
虫対策をしないと。
いや、ナルーザ側にだけ虫はいるのかな?海沿いの山から入ればいいかな?
風が強すぎるから虫も飛べないはず。これだ!


「では行こうか?」
「はい。」

抱えてもらって絶壁の家に。
荷物はここに置いておいて、上に上がれば相変わらず強い風。

なんとか、中央に立つ。
これは感覚的にわかる。

「こ、こだよね?」
「あ、ああ。そうだとわかる。」
「じゃ、挨拶するよ?」
「ああ、私もいっしょに。」
「もちろん。」


『我らの名はマティスと愛しい人だ。
今日からここの管理者になった。
強き風でこの地を守ってくれてありがとう。
白き大地は、なんと素晴らしきものか!大事に使わせてもらおう。
風に身をゆだねて疾走するのは何と楽しきことか!
またたくさんの友を連れて来よう。
我らの許可したもの以外は入れないでおくれ。
が、あなた方が、必要と思う方なら大歓迎だ。
2人で歓迎もしよう。
ここの地を豊かにするのではなく、
この地で生まれるもので、コットワッツに貢献しようと思う。
風は素晴らしき力だ。いずれ、ひとだけではなく、船をも運ぶ力にもなろう。
この地の恵みをコットワッツに。この地の風と大地に感謝を!!』

懐から、塩とお酒とお米と、出した途端に風に持っていかれる。


一瞬だけ風が止まる。
その時、ふわっと花の香が漂った。

「「え?」」


ほんとに一瞬だ。
力を抜いてしまったので、2人とも飛ばされた。


「「ぶははははは!!!」」

砂まみれだ。
ちょうど砂漠まで飛ばされたので、
砂漠沿いに砂漠石を回収しながら走っていく。
重いコンダラ大活躍。
デルサートル、テルニ側は明日だ。
今日はこのままピクト側の境界石を確認。

「これ、山にも続いてるね。
この山も習得したんだろうか?」
「ピクト、ナルーザが領土としていないということか?」
山を、境界石沿いに登っていく。

当然、熊、モクヘビ、と豊富にいる。
土蜜もだ。
ナルーザ側の何もない山肌と違ってこちらにはピクト側と同じように木々がある。
海風が影響しているのかな?
先に山頂まで登り、ここでも挨拶をした。

風はないので、塩とお米とお酒を先に振り撒いた。

『我らの名はマティスと愛しい人だ。
今日からここの管理者になった。
この豊かな恵みの山までもが管理地になったことはとても感謝している。
逆に、管理者などとおこがましいかもしれないが、
我らの許可したもの以外は入れないでおくれ。
が、あなた方が、必要と思う方なら大歓迎だ。
2人で歓迎もしよう。
熊やモクヘビ、土蜂にすれば、我らは天敵になろうが、許しておくれ。
無駄にせず感謝を持って食させてもらっている。ありがとう!

この地に豊かさを!この地に緑を!この地に感謝する!!』


「ここに櫓を立てようか?
高いところで新年の月が見れるぞ?」
「ほんとだ!自分の管理地で見れるなんて!なんて贅沢なんだ!!」

ツリーハウスのかっこいいもの作ろう!


「くふふふ。楽しみだね。」
「だが、この地はピクト側から入ってこれるな。」
「うん、だから許可制にしたよ?」
「だからだ。境界石が越えられない。見えているのに。」
「あー、そうか。変に思うかもしれないね。
でも、この山はあの村長さんところが管理してるぽいから、
話しておこうか?」
「管理者になったと?」
「うん。」
「話の流れだな。まずはこの山の、海近くの
この地は今までどうだったかと聞こうか?」

熊、モクヘビは二人で。土蜜の回収はマティスに任せて、山を下りた。
それから山沿いに西に走り、ウダーの村に。
途中、広大な畑がある。きっとトウキビだ。

男の子になる?ばれてるからいいよね。

「ここって、師匠の弟子夫婦だよね?」
「・・・・そうだ。」
「では行こう!」


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