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「蛇鍋、おいしいね。
ポン酢もおいしくできているしね。
これ、豆ソースとお酢を混ぜたものね。
まだ販売になってないけど、
昆布だし入れてるの。ひとつお裾分けしますよ。」
お醤油を入れる陶器製の瓶だ。
密封性のある蓋が付いている。
結局豆ソース、焼肉ソース、ポン酢はこの瓶で販売。
コットワッツにもある陶器工場で作っている。
化粧水を容れる瓶よりも機能性を優先しているので、
ゴム部も大きい。
ワイン容れる容器の小さい版だ。
「いいのか?」
「これが広がれば、今度昆布を持ってきたときに売れるからね。
先行投資です。みなさんに振舞ってくださいな。」
「はは!いつ来れるんだ?」
「ニバーセルの生産院に頼んでいるからね。昆布は。
今度王都に行くのは、えっと、混合はじめだから、それ以降かな?
それまで、冷蔵庫と冷蔵庫、使ってみてくださいね。良ければお買い上げを。
不要なら引き取りますから。」
「ま、使ってみようか。コットワッツのプリンとアイス。みな喜んでたな。」
「まだありますよ。冷蔵庫に入ってます。冷凍庫にはアイス。
作り方は扉に貼ってますから。
アイスは日持ちするけど、プリンは食後に食べましょう。」
「・・・よく入るな。」
「たくさん動いたからね。」
「そうだな。腹が減れば食べればいい。健康な証拠だ。」
「でしょ?」
「なるほど!」
「え?なにが?」
マティスが何かに感心している。
いいけどさ。
「それで?これが、コタツ?
温かいな。」
「樹石を使ってるんですよ。」
「樹石か。炭焼きの器に使うんだろ?」
「違いますよ。樹石は燃やすんじゃなくて、温度を保つんですよ。」
「そうなのか?」
「炭焼きや、樹石の容器、燃えないよう気に使うのは樹石が燃えきって、
白く軽くなったものです。
これね。
この中に樹石を入れて、願い言葉のように暖かくってお願いしてるんですよ。
ここに小さい砂漠石は使ってますよ。
火傷するような温度にならないように制御がかかってます。」
「あんた、石使いか?」
「うふふふ。ティスのこと、マティスだって知ってるんでしょ?
マティスだろって聞いたのは聞こえてましたよ?
後の話はあえて聞かなかったことにしてますから。」
「おう、そのほうがいいな。」
「剣のマティスの伴侶は異国の石使い。これはみんなが知ってること?」
「伴侶ではないな、傍にいるのが異国の石使いだ。
で、愛しい人は4人ほどいると。」
「ルンバ、私の愛しい人は、愛しい人だけだ。」
「ああ、だろうな。雨の夜会で楽しいことになるそうじゃないか?」
「その話も知ってるの?どこから聞いたか聞いてもいいですか? 」
「ロンできいた。石狩りで集まる村だ。
そこで、熊と蛇を売りに行った時にな。」
「みんな暇なんだね。ああ、賭けは?それには乗ったらダメだよ?
どうせ払ってくれないんだから。」
「だろうな。村の連中にも胴元が怪しいからやめとけとは言ってるがな。」
「賭ける人は賭けるんだろうね。一番人気は?」
「ニバーセル、スダウト家の娘だったかな?
が、この話、ニバーセル内だけだと思ってるだろ?」
「え?違うの?」
「ピクトとダカルナ、デルサートルの年頃の娘も名乗りを上げてるんだ。」
「大人気だね?マティス。」
「愛しい人、楽しそうだな。」
「いや、楽しくはないけど、いや、ちょっとは楽しいけど、
そんな他国の娘さん、
いや、ニバーセルの娘さんたちもマティスにあったことないんよ?
え?あるの?」
「ない。」
「ですよね。それがどうやってお嫁さんになるの?
そもそもマティスのこと好きなの?」
「あはははは!好きだから結婚するって考えは庶民だな。
剣のマティスの名は大陸中に轟いたんだぞ?
それがいままた、弟領主の護衛として傍にいる。
剣の腕もそのままに。誰だって手に入れたいさ。」
「・・・・。」
「ん?」
「剣の腕はあの時より数段上になっている。」
「小童!慢心してるぞ?」
「はい。」
「剣のマティスが小童!いいな!俺と手合わせしてくれよ。
俺もそれなりだとは思っている。
月が沈む少し前はどうだ?その時は風が止むんだ。」
「ああ、お願いしよう。」
そうと決まれば桶を出して、体を拭いて、早々に寝るべ。
こたつは樹石は一山セットで。
10リング回収完了です。
「フカルンバというのはピクトの王族の名前の一つに間違いがない。
そこらへんは覚えているし、軍でも習った。
シェジェというのは王位継承権18位だったはずだ。」
「順番あるのね。18位。遠いね。」
「それが、1位から16位まで次々に死んだ。
流行り病という話だったがな、毒殺という話もあったそうだ。」
「え?ルンバが?17位が?」
「それは分からずだ。結局どちらも王位についていない。
なったのは王の兄だ。17位とルンバが放棄したからな。」
「でも、弟が先に王様になったの?」
「その兄より継承権が上だったそうだ。なにも年齢で決まるわけではない。
総合的に判断されるらしい。資産とかな。
放棄した時点で誰も継承権を持つものがいなくなったらしい。
それで、さかのぼって兄に。兄弟の誰かが継承するとその子息が優位になる。
ルカリアのライガーは余程の幼少期に父王をなくしたか、
今の王が巧みだったかだな。すでに砂漠に出ていたから詳しくは知らないがな。」
「詳しいね。」
「・・・ワイプに聞いた。フカルンバという名前に覚えがあったから。」
「さすがマティスだ!」
「ワイプではないのか?」
「疑問に思ったら知ってそうな人にすぐ聞くのはさすがだよ?」
「そうか!」
「じゃ、ルンバの伯父さんが今の王様?」
「いや、その息子に移っているそうだ。
王位についたのは1年もないらしい。」
「それ、その息子、今の王がやらかしたんじゃないの?」
「わからん。それで国が納まっているのならいいのだろう。
どこも同じだ。」
「ピクトの石狩りは良くないよ?」
「それは中央が判断するだろうな。」
「中央の人って各地を回ってるの?
問題はないかって身分を隠して。」
「まさか!報告に対してどうするかを決めるだけだ。
国があり、院がある。それらがする仕事だ。」
「そうか、そう考えれば、そうなるね。で、砂漠に関して視察があると?」
「らしいな。が、それも数年に一度くらいの割合で
なんらかの理由を付けてあるらしい。
接待狙いだ。」
「うわー、露骨だね。ああ、そうあるとサイの肉はあったほうがいいね。」
「サイの肉な。セサミナとの会食に出しただろ?
えらく喜んでいた。サイの肉でも処理方法が違うとセサミナは話していた。
ミクナが今までで一番うまいと。他の2人もそういっていた。
生きた状態では毒毛は触れないからな。どうするかだ。」
「品種改良でどうにかできるのかな?」
「わからんな。」
そんな話をしながら眠りについた。
まだ月明かりがある。
ルンバとマティスはもう起きて、準備をしている。
準備運動は大事よね。
「始めようか!」
剣対剣だ。
わたしは絨毯に乗るわけにはいかないから、
離れたところで撮影です。
かなり小型化は出来ている。
アップとアウトだけの指示だ。あと、ルンバでルンバのアップ。
小型しても10分がいっぱいです。
「諸事情で、この範囲でお願いします。
あと、時間的には、10分てどれくらい?」
「月が沈むまでだな。」
「ちょど良いね。一瞬暗くなるまでね。」
「かまわないか?」
「なんでもいいさ。この中でってことだな。
剣だから近接戦だぞ?」
「ま、そうだね。じゃ、そういうことで。」
「始め!」
マティスは三日月だ。
ルンバはかなり長い剣。身長も師匠より高いから長いという感じはしないな。
が、剣と体術が加わる。
長い手足。そして長い剣。
懐には入れないだろう。
力負けするようなことはないが、決定打にかける。
手合わせなので、寸止めが基本だ。
お互い寸止めまで行かない。
上段、下段、と攻めるが躱される。
ああ、だけど。
さすが、剣のマティスだ。流れをつかんだ。
後は攻めるのみ。
「せぃっ!」
「参った!!」
「双方、お見事!」
「マティス!好き好き大好き!愛してる!!」
わたしとの手合わせでは、
マティスが合わしてくるから、舞になる。
純粋に手合わせとなれば、ここまで!ここまで格が違うのか。
わたしこそ小童だな。
「正直に言うと、剣のマティスより俺の方が強いとずっと思っていた。
いや、剣のマティスだったら俺の方が上だった。
それ以上になってるな。ありがとう。やはり、鍛錬のワイプの修行か?」
「違う!!」
「ははは!嫌がるな!」
「うふふふ。いまは愛しい人のマティスだから強いんですよ。
次回来た時はわたしとも手合わせお願いできますか?」
「え?奥さんも?いや、それはちょっと。」
「ああ、愛しい人、気をあげてみろ。それでは誰も相手にしてくれないだろう。」
「あ、そうか。」
ふんぬ、と護衛職の時よりも気をあげる。
「は!なるほど!!まさに修行者だな!
わかった。次な。いまはさすがにダメだ。」
「ええ。台所の鍋に、カンランのスープがありますから。
食べてください。じゃ、マティス!山登ろうか!海側に行こう!」
「今から?海側を?」
「ええ。風が強いってのを経験したい。」
「いや、強いというか、近づけないんだよ。」
「そうなんですか?じゃ、そこから外れて向こうに行きますよ。」
「そうなると、また豪風の地だ。吹き飛ばされるぞ?」
「そん時はそんときで。」
「無理はするな。海側は俺でも行かない。いけないんだよ。
あんたたちなら大丈夫かな?ダメなら戻って来いよ?」
「はい!」
ここで、山に入れば良かったんだが、風のきついのを防ぐには
熊の毛皮だと売りつけられた。
いや、あるからと頑張ったが、
ちょっと肌触りが違うかなって思ったのがいけなかった。
「そうだろ?やり方があるんだよ。
ピクト独特かもしれないな。な?買うだろ?」
「「買います!」」
トックスさんのトラ皮の加工になんか役立つかもとおもったのよ。
「どう独特なんだろうね?
最後にする仕上げが違うのかな?」
「そいつが何を食べて育ったかってことだな。
熊は、蛇も食べるが好物は土蜜だ。
薄めた蜜で洗うんだよ。そうすると艶が出るんだ。」
「その法則はなんでも当てはまるわけじゃないよね?」
「そりゃそうだろ?」
それはそうだ。
豚は木の実や草は食べている。生息地で食べも物も違うから。
ミンクの毛皮にするには砂トカゲの皮の裏だ。
豚が砂トカゲを食べていたら怖い。
で、2頭分、200リングを請求された。
「高い!ここの儲けがすべて飛ぶ!それでもたらん!いらん!!」
「なに!加工の話はいい情報だったろ?それもついてるんだ、200リングだ。」
「くーーー。」
「ははは!ま、飯を用意してくれたんだろ?仕方がないな、150でいいよ。
また来てくれよ?」
「惨敗だよ、マティス。」
「そうだな。次は頑張ろう。」
ここでの売り上げはパーだ。
来た道と逆を歩いていく。
熊の皮の話で時間を取ったのか、子供たちが畑に出ていた。
雑草を取っているのかな?
「おーい!」
子供たちが手を振る。
こっちもだ。
「トウミギ楽しみだね!収穫時が楽しみだ!」
「またおいしい食べ方教えてね!」
「もちろん!!また来るからね!」
収穫時にそのまま食べても甘くていいかもしれないな。
「お金稼がないとね。どーんて買い取れるように。」
「ああ。土蜜は売れるぞ?ザバスから予約をもらっている。
あとは、熊と蛇の干し肉、皮だな。
毛皮は服飾には向かないか?」
「熊はね。ちょっとごっついからね。でも、機能的にはいいんでしょ?
風が強い時にいいってどういうことなんだろうね?
それに、山では風は感じなかったけどね。樹々がさえぎってたのかな?
風が強かったら、木も平原みたいに変形してるし、熊も蛇も生活できんよね?」
「境界の外から登ってみようか?」
かなり外側から登り、山の側から海に側に出ようとした。
なるほど、風が吹き上げている。
地面からだ。
海側からは気付かない。
が、逆だと吹き上げる風で近づけないのだ。
「熊の皮着てみる?」
「着るのか?」
「うん、せっかくだから。こう、頭はかぶって、
腕のところ、ちょっと待って、縫い付けよう。
前はボタン付けようか?」
「ぶひゃひゃひゃ!!!かわいー!!!」
熊の着ぐるみのようだ。
もちろん写真を撮った。
風に強い。
ずっしり重いからか?
毛の流れで、後ろに風を流すから?
なるほど。これは価値ありだ!
「ここから風が吹き上げているな。」
山が、1mほどわれて、そこから風が吹いてくる。
平原の風がこちらにも吹き込んでいるんだ。
動物たちはどうやって行き来をしてるんだろう?
蛇は木々を飛び移って。
熊は風の影響を受けてない。
なるほど。
もちろん、狩りました。
「渡れる?」
「無理だな。移動で。」
見えてるから、そこに移動だ。そこから進んでやっと境界石が見えた。
「安心だね。誰も入ってこれないよ。」
「熊皮は薄めた土蜜で洗ってみよう。ルンバも驚く毛皮に仕上げような。」
「もちろん!200で売ってやる!!蛇皮は染めて艶を出そう。小物を作ろう!」
それから、平原に。
「すごい!風で飛ばされない!」
「本当だな。脱ぐと?・・・ぶは!!!」
マティスがぶっ飛んだ。
じゃ、わたしも!!
ぶはーーーー!!!!
あははははは!!!!
あっという間に中央まで戻ってこれた。
もちろん砂だらけだ。
背負子はさきに移動して置いてよかった。
このままモコモコ熊さんでデルサートルの境界石まで走っていこう。
もちろんコンダラを引きながら。
ポン酢もおいしくできているしね。
これ、豆ソースとお酢を混ぜたものね。
まだ販売になってないけど、
昆布だし入れてるの。ひとつお裾分けしますよ。」
お醤油を入れる陶器製の瓶だ。
密封性のある蓋が付いている。
結局豆ソース、焼肉ソース、ポン酢はこの瓶で販売。
コットワッツにもある陶器工場で作っている。
化粧水を容れる瓶よりも機能性を優先しているので、
ゴム部も大きい。
ワイン容れる容器の小さい版だ。
「いいのか?」
「これが広がれば、今度昆布を持ってきたときに売れるからね。
先行投資です。みなさんに振舞ってくださいな。」
「はは!いつ来れるんだ?」
「ニバーセルの生産院に頼んでいるからね。昆布は。
今度王都に行くのは、えっと、混合はじめだから、それ以降かな?
それまで、冷蔵庫と冷蔵庫、使ってみてくださいね。良ければお買い上げを。
不要なら引き取りますから。」
「ま、使ってみようか。コットワッツのプリンとアイス。みな喜んでたな。」
「まだありますよ。冷蔵庫に入ってます。冷凍庫にはアイス。
作り方は扉に貼ってますから。
アイスは日持ちするけど、プリンは食後に食べましょう。」
「・・・よく入るな。」
「たくさん動いたからね。」
「そうだな。腹が減れば食べればいい。健康な証拠だ。」
「でしょ?」
「なるほど!」
「え?なにが?」
マティスが何かに感心している。
いいけどさ。
「それで?これが、コタツ?
温かいな。」
「樹石を使ってるんですよ。」
「樹石か。炭焼きの器に使うんだろ?」
「違いますよ。樹石は燃やすんじゃなくて、温度を保つんですよ。」
「そうなのか?」
「炭焼きや、樹石の容器、燃えないよう気に使うのは樹石が燃えきって、
白く軽くなったものです。
これね。
この中に樹石を入れて、願い言葉のように暖かくってお願いしてるんですよ。
ここに小さい砂漠石は使ってますよ。
火傷するような温度にならないように制御がかかってます。」
「あんた、石使いか?」
「うふふふ。ティスのこと、マティスだって知ってるんでしょ?
マティスだろって聞いたのは聞こえてましたよ?
後の話はあえて聞かなかったことにしてますから。」
「おう、そのほうがいいな。」
「剣のマティスの伴侶は異国の石使い。これはみんなが知ってること?」
「伴侶ではないな、傍にいるのが異国の石使いだ。
で、愛しい人は4人ほどいると。」
「ルンバ、私の愛しい人は、愛しい人だけだ。」
「ああ、だろうな。雨の夜会で楽しいことになるそうじゃないか?」
「その話も知ってるの?どこから聞いたか聞いてもいいですか? 」
「ロンできいた。石狩りで集まる村だ。
そこで、熊と蛇を売りに行った時にな。」
「みんな暇なんだね。ああ、賭けは?それには乗ったらダメだよ?
どうせ払ってくれないんだから。」
「だろうな。村の連中にも胴元が怪しいからやめとけとは言ってるがな。」
「賭ける人は賭けるんだろうね。一番人気は?」
「ニバーセル、スダウト家の娘だったかな?
が、この話、ニバーセル内だけだと思ってるだろ?」
「え?違うの?」
「ピクトとダカルナ、デルサートルの年頃の娘も名乗りを上げてるんだ。」
「大人気だね?マティス。」
「愛しい人、楽しそうだな。」
「いや、楽しくはないけど、いや、ちょっとは楽しいけど、
そんな他国の娘さん、
いや、ニバーセルの娘さんたちもマティスにあったことないんよ?
え?あるの?」
「ない。」
「ですよね。それがどうやってお嫁さんになるの?
そもそもマティスのこと好きなの?」
「あはははは!好きだから結婚するって考えは庶民だな。
剣のマティスの名は大陸中に轟いたんだぞ?
それがいままた、弟領主の護衛として傍にいる。
剣の腕もそのままに。誰だって手に入れたいさ。」
「・・・・。」
「ん?」
「剣の腕はあの時より数段上になっている。」
「小童!慢心してるぞ?」
「はい。」
「剣のマティスが小童!いいな!俺と手合わせしてくれよ。
俺もそれなりだとは思っている。
月が沈む少し前はどうだ?その時は風が止むんだ。」
「ああ、お願いしよう。」
そうと決まれば桶を出して、体を拭いて、早々に寝るべ。
こたつは樹石は一山セットで。
10リング回収完了です。
「フカルンバというのはピクトの王族の名前の一つに間違いがない。
そこらへんは覚えているし、軍でも習った。
シェジェというのは王位継承権18位だったはずだ。」
「順番あるのね。18位。遠いね。」
「それが、1位から16位まで次々に死んだ。
流行り病という話だったがな、毒殺という話もあったそうだ。」
「え?ルンバが?17位が?」
「それは分からずだ。結局どちらも王位についていない。
なったのは王の兄だ。17位とルンバが放棄したからな。」
「でも、弟が先に王様になったの?」
「その兄より継承権が上だったそうだ。なにも年齢で決まるわけではない。
総合的に判断されるらしい。資産とかな。
放棄した時点で誰も継承権を持つものがいなくなったらしい。
それで、さかのぼって兄に。兄弟の誰かが継承するとその子息が優位になる。
ルカリアのライガーは余程の幼少期に父王をなくしたか、
今の王が巧みだったかだな。すでに砂漠に出ていたから詳しくは知らないがな。」
「詳しいね。」
「・・・ワイプに聞いた。フカルンバという名前に覚えがあったから。」
「さすがマティスだ!」
「ワイプではないのか?」
「疑問に思ったら知ってそうな人にすぐ聞くのはさすがだよ?」
「そうか!」
「じゃ、ルンバの伯父さんが今の王様?」
「いや、その息子に移っているそうだ。
王位についたのは1年もないらしい。」
「それ、その息子、今の王がやらかしたんじゃないの?」
「わからん。それで国が納まっているのならいいのだろう。
どこも同じだ。」
「ピクトの石狩りは良くないよ?」
「それは中央が判断するだろうな。」
「中央の人って各地を回ってるの?
問題はないかって身分を隠して。」
「まさか!報告に対してどうするかを決めるだけだ。
国があり、院がある。それらがする仕事だ。」
「そうか、そう考えれば、そうなるね。で、砂漠に関して視察があると?」
「らしいな。が、それも数年に一度くらいの割合で
なんらかの理由を付けてあるらしい。
接待狙いだ。」
「うわー、露骨だね。ああ、そうあるとサイの肉はあったほうがいいね。」
「サイの肉な。セサミナとの会食に出しただろ?
えらく喜んでいた。サイの肉でも処理方法が違うとセサミナは話していた。
ミクナが今までで一番うまいと。他の2人もそういっていた。
生きた状態では毒毛は触れないからな。どうするかだ。」
「品種改良でどうにかできるのかな?」
「わからんな。」
そんな話をしながら眠りについた。
まだ月明かりがある。
ルンバとマティスはもう起きて、準備をしている。
準備運動は大事よね。
「始めようか!」
剣対剣だ。
わたしは絨毯に乗るわけにはいかないから、
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かなり小型化は出来ている。
アップとアウトだけの指示だ。あと、ルンバでルンバのアップ。
小型しても10分がいっぱいです。
「諸事情で、この範囲でお願いします。
あと、時間的には、10分てどれくらい?」
「月が沈むまでだな。」
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「かまわないか?」
「なんでもいいさ。この中でってことだな。
剣だから近接戦だぞ?」
「ま、そうだね。じゃ、そういうことで。」
「始め!」
マティスは三日月だ。
ルンバはかなり長い剣。身長も師匠より高いから長いという感じはしないな。
が、剣と体術が加わる。
長い手足。そして長い剣。
懐には入れないだろう。
力負けするようなことはないが、決定打にかける。
手合わせなので、寸止めが基本だ。
お互い寸止めまで行かない。
上段、下段、と攻めるが躱される。
ああ、だけど。
さすが、剣のマティスだ。流れをつかんだ。
後は攻めるのみ。
「せぃっ!」
「参った!!」
「双方、お見事!」
「マティス!好き好き大好き!愛してる!!」
わたしとの手合わせでは、
マティスが合わしてくるから、舞になる。
純粋に手合わせとなれば、ここまで!ここまで格が違うのか。
わたしこそ小童だな。
「正直に言うと、剣のマティスより俺の方が強いとずっと思っていた。
いや、剣のマティスだったら俺の方が上だった。
それ以上になってるな。ありがとう。やはり、鍛錬のワイプの修行か?」
「違う!!」
「ははは!嫌がるな!」
「うふふふ。いまは愛しい人のマティスだから強いんですよ。
次回来た時はわたしとも手合わせお願いできますか?」
「え?奥さんも?いや、それはちょっと。」
「ああ、愛しい人、気をあげてみろ。それでは誰も相手にしてくれないだろう。」
「あ、そうか。」
ふんぬ、と護衛職の時よりも気をあげる。
「は!なるほど!!まさに修行者だな!
わかった。次な。いまはさすがにダメだ。」
「ええ。台所の鍋に、カンランのスープがありますから。
食べてください。じゃ、マティス!山登ろうか!海側に行こう!」
「今から?海側を?」
「ええ。風が強いってのを経験したい。」
「いや、強いというか、近づけないんだよ。」
「そうなんですか?じゃ、そこから外れて向こうに行きますよ。」
「そうなると、また豪風の地だ。吹き飛ばされるぞ?」
「そん時はそんときで。」
「無理はするな。海側は俺でも行かない。いけないんだよ。
あんたたちなら大丈夫かな?ダメなら戻って来いよ?」
「はい!」
ここで、山に入れば良かったんだが、風のきついのを防ぐには
熊の毛皮だと売りつけられた。
いや、あるからと頑張ったが、
ちょっと肌触りが違うかなって思ったのがいけなかった。
「そうだろ?やり方があるんだよ。
ピクト独特かもしれないな。な?買うだろ?」
「「買います!」」
トックスさんのトラ皮の加工になんか役立つかもとおもったのよ。
「どう独特なんだろうね?
最後にする仕上げが違うのかな?」
「そいつが何を食べて育ったかってことだな。
熊は、蛇も食べるが好物は土蜜だ。
薄めた蜜で洗うんだよ。そうすると艶が出るんだ。」
「その法則はなんでも当てはまるわけじゃないよね?」
「そりゃそうだろ?」
それはそうだ。
豚は木の実や草は食べている。生息地で食べも物も違うから。
ミンクの毛皮にするには砂トカゲの皮の裏だ。
豚が砂トカゲを食べていたら怖い。
で、2頭分、200リングを請求された。
「高い!ここの儲けがすべて飛ぶ!それでもたらん!いらん!!」
「なに!加工の話はいい情報だったろ?それもついてるんだ、200リングだ。」
「くーーー。」
「ははは!ま、飯を用意してくれたんだろ?仕方がないな、150でいいよ。
また来てくれよ?」
「惨敗だよ、マティス。」
「そうだな。次は頑張ろう。」
ここでの売り上げはパーだ。
来た道と逆を歩いていく。
熊の皮の話で時間を取ったのか、子供たちが畑に出ていた。
雑草を取っているのかな?
「おーい!」
子供たちが手を振る。
こっちもだ。
「トウミギ楽しみだね!収穫時が楽しみだ!」
「またおいしい食べ方教えてね!」
「もちろん!!また来るからね!」
収穫時にそのまま食べても甘くていいかもしれないな。
「お金稼がないとね。どーんて買い取れるように。」
「ああ。土蜜は売れるぞ?ザバスから予約をもらっている。
あとは、熊と蛇の干し肉、皮だな。
毛皮は服飾には向かないか?」
「熊はね。ちょっとごっついからね。でも、機能的にはいいんでしょ?
風が強い時にいいってどういうことなんだろうね?
それに、山では風は感じなかったけどね。樹々がさえぎってたのかな?
風が強かったら、木も平原みたいに変形してるし、熊も蛇も生活できんよね?」
「境界の外から登ってみようか?」
かなり外側から登り、山の側から海に側に出ようとした。
なるほど、風が吹き上げている。
地面からだ。
海側からは気付かない。
が、逆だと吹き上げる風で近づけないのだ。
「熊の皮着てみる?」
「着るのか?」
「うん、せっかくだから。こう、頭はかぶって、
腕のところ、ちょっと待って、縫い付けよう。
前はボタン付けようか?」
「ぶひゃひゃひゃ!!!かわいー!!!」
熊の着ぐるみのようだ。
もちろん写真を撮った。
風に強い。
ずっしり重いからか?
毛の流れで、後ろに風を流すから?
なるほど。これは価値ありだ!
「ここから風が吹き上げているな。」
山が、1mほどわれて、そこから風が吹いてくる。
平原の風がこちらにも吹き込んでいるんだ。
動物たちはどうやって行き来をしてるんだろう?
蛇は木々を飛び移って。
熊は風の影響を受けてない。
なるほど。
もちろん、狩りました。
「渡れる?」
「無理だな。移動で。」
見えてるから、そこに移動だ。そこから進んでやっと境界石が見えた。
「安心だね。誰も入ってこれないよ。」
「熊皮は薄めた土蜜で洗ってみよう。ルンバも驚く毛皮に仕上げような。」
「もちろん!200で売ってやる!!蛇皮は染めて艶を出そう。小物を作ろう!」
それから、平原に。
「すごい!風で飛ばされない!」
「本当だな。脱ぐと?・・・ぶは!!!」
マティスがぶっ飛んだ。
じゃ、わたしも!!
ぶはーーーー!!!!
あははははは!!!!
あっという間に中央まで戻ってこれた。
もちろん砂だらけだ。
背負子はさきに移動して置いてよかった。
このままモコモコ熊さんでデルサートルの境界石まで走っていこう。
もちろんコンダラを引きながら。
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