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622:エッグスタンド
しおりを挟むまさしく、アラビア、スークだ。
小さな間口で奥が深い。
同じ商品を扱う店が密集している。
愛想よく、いらっしゃい、良かったら見ていって、という店主はいない。
わたしたちを見て、上から下まで観察。
それだけだ。
「これ、手に取ってみてもいいの?」
「いいよ?金額は店の者にきけばいい。値切りはないな。」
「なるほど。作ってる職人さんは?」
「この裏で作ってるな。大抵、家族だ。」
「へー。」
金細工、銀細工、銅細工、
陶磁もある。
驚いたことにラーメン鉢と、化粧瓶、オイル瓶もあった。
ゴムを使っているわけではない。
「形に隠匿っていうのは難しいね。
見て真似ることができるもの。ああ、ゴムは使えないんだ。
でも、ほら、ぴったりだ。
気密性はないけど、木やカンランでフタをするより持つよね。
そうか、陶磁に化粧水を入れるという発想がなかたってことか。」
が、装飾が派手だ。
もはや、ラーメン鉢でも化粧水瓶でもない。
装飾品だ。いい仕事すぎる。
○○すぎるという言葉は全部が全部褒め言葉ではないと思う。
素敵すぎるはいいが、美人すぎるというのはなんか違うような?
過ぎたるは、なお及ばざるが如し、ということだ。
買うものはこれといってないが、
エッグスタンドを買う。銀細工だ。
大きさはいろいろだったので、
普通の卵がはいる大きさを買う。
店の人がこちらを
じっと見ているが、説明するのも面倒だ。
金額を聞き、2つだけ買うことにする。
化粧瓶とオイル瓶はナーチアのお土産にしよう。
奥に行けば生活雑貨が豊富だった。
こっちの方がいいな。
こういうものがここにあるということだけ覚えておこう。
100均で大量買いはしないのだよ。
必要なものだけ!
が、実際には籠一杯になんやかんやと買ってしまう。
見せ方がうまいのだろうな。
もちろん、ここは1リング級ばかりだが、
表で買えばさらに0が2つ3つつくのだろう。
ニックさんとガイライは館で使うのか、
日用品を買っていた。
そのさらに奥が皮革製品と食料品。
トックスさんになにか買っていこうかな。
見たことある皮が並んでいた。
「これは陸鳥?」
「そうだよ。染めなくてもこの艶と色がいいだろ?」
首周りだ。
「街道で、これの卵がおいしいって聞いたんだけどほんと?」
「ああ、うまい。向こうで売ってるよ?卵採りが大儲けさ。」
「へー。楽しみ。
しかし、陸鳥も災難だよね。
皮も取られるし、卵も取られるし。
肉はだめなんだっけ?」
「ダメダメ!血肉が体に付いたら10日は臭ってるよ。」
「うわー。じゃ、この皮取るの大変だったね。
じゃ、ものすごく高いね、これ。きれいだから欲しいんだけどな。
おいくらなんでしょ?」
「1枚10リングだ。」
「ん?安くない?え?そんなら全部買っちゃうよ?」
「ほんとか?これ、誰も買わないんだよ。
持ってると陸鳥が乗せてくれないんだ。
だから、ここでは売れない。あんた達何で来た?
馬車か?」
「兄さん、親切だね。そんなの黙って売ればいいのに。」
「外のもんのいうこったな。
そんなことをする奴はここには一人もいないよ?
あとで、損をするのはこっちだからな。」
「そうか。そうだね。うん。陸鳥には乗らないから、売ってもらえる?
こっちも売る時にはそのことちゃんと伝えるようにするよ。
で、評判良かったらまた仕入れたいけど、定期的に入るの?」
「どうだろ?卵が売れるから、何匹か飼育してみようってことなってな。
でも産まないし、チャクやカンラン食べてるのに死んだんだよ。
そのひと群れ、20匹分なんだ。そのまま捨てるのも悪いだろ?
なにか使えるところを使えないとさ。」
「そりゃ、そうだね。後は?」
「燃やしたよ。なんで?」
「爪が結構鋭かったような気がしたからね。なにかに使えるかなと。」
「あー、残念。みんな燃やしたよ。」
「じゃ、皮は全部いい?200?」
「毎度あり!」
「マティスは?なにか買わないの?」
「ここではないな。」
「師匠たちは?」
「先に食料品の方を見ている。
どんなものか先に聞いておいたほうがいいだろ?」
「すまんこってす。」
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