いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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647:性能

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皆のところに戻ると、ジュリエットこと、タンダートは眠っていた。
ジュリエットはいつも眠っているのだ。


ガイライがコーヒーを入れてくれる。
顔色はいい。話せたことでなにかが吹っ切れたのだろうか?
が、それと、今回のことは別だ。

人がいれてくれたコーヒーはおいしいね。
マティスと2人でおいしいというとガイライは喜んでいた。

ざっと、食事会のこと、親子問題、
マンザスのことを説明、
わたしの見解も話す。



成分はマンザスの葉のみを乾燥させたもの85%
青い花の種、これが15%。
種と呼んでいるが、実際は子房?額の膨れたところ。

この割合だと依存性はない。
趣向品止まりだ。
じゃ、青い花の種100%だとなんにも、煙いだけ。
3割から7割、この範囲で依存症が出る。

これ、ただ比率を変えて人にとってまずい度合いを示してもらっただけだから
何とも言えないけどね。
ここでは実験しようがない。

思うに、この青い花は近くの植物と似たものに擬態する。
性能とかね。
そうやって生き残って来たんだろうね。
過酷な環境に生きる動植物はその地に生きるために姿かたちから改造していく。
生き残り競争をしてるんだよ、生き物は。
種の保存ね。
己の遺伝子、もしくは己と同じ遺伝子を残す競争なんだ。
だから、人は動物を殺して食べることができる。
同種でもだ。己の血筋がまず大事だからね。
人の話はいいか。

この植物、青い花、これが悪いわけではないんだ。
地図でみるエルトナガから、
デルサトール、ピクト、ダカルナの湾までこの青い花が
たどり着くには、こう、海流にのってぐるっと回るか、
鳥かなんかが食べて、その糞に種が入っていたか、
誰かが、あの湾で海に流したか。
あの湾は海流が一定だ。
ただ知らないだけかもしれない。
岸近くに、ぐるっと回る海流があってもおかしくない。
それ、知らないよね?
船がないんだったら仕方がないよね。


だから、エフエが持ってきたものは、ま、商品としてはいいんだろうね。
だけど、割り合いを勝手に増やされると困るわけだ。
そして、よく見ればわかる。
ザスと青い花の種の違い。これを勝手により分けて自分で配分できる。
ザスの葉と組み合わさって鎮静作用がさらに発揮される。
それが過ぎると麻薬だ。これがないと生きていけない状態。
麻薬って言葉ないのね?



「その花は売ろうと言っていた?」
「そう。ドロインさんも、ツイミさんも知らないって言ってた。
ドロインさんは青い花は初めて見たと言ってたよ?」
「どうしてそれがルロイドの原料だと?」
「秘密です。」
「・・・・。純然たる、ルロイドの原材料ではないんですよね?」
「おそらく。採取した場所に応じて進化しているはず。
こういっちゃうとわかると思うんですが、2人の領地に生えていました。
一抱えぐらい。
数株はわたしの植物園に確保していますが、
後は枯れてしまいました。
枯れたものも、別の植物園移しています。
現状維持はできるようにはしてるんで、変化はない、はず。」
「どうしてこれが、その依存性があるものだと思ったか聞いても?」
「故郷の植物群とこことの違いは大きく分けて、大きさと色が違うパターン。
それと形は見知ったものでも味が違うものがある。
葡萄は姿かたちは故郷では芋、サトイモかな?なんせ、芋なんですよ。
でも、ブラスは大きさと色が違うだけ。
そうなると味は一緒のはず。
リンゴも芋の部類だ。
それはいいんですけどね。
あの花を見つけたとき、いろいろためしたんですよ。
で、変色したものを水で練ったら、ルロイドだと。
花から鎮静効果が出る、それは故郷でも思い当たる植物があるんです。
採取法もほぼ同じだった。
これ、実際したわけじゃないんですよ?
ちらっとどこかで見た程度なんです。
不確かな情報なんですよ。でも、あり得る。
なので、青い花からの商品化はあきらめました。
知らないだけで、人が寄ってくるほどの価値があれば、
領地が乱される。それは避けたい。」
「まやく?とは?」
「説明はむずかしいんですが、それを摂取することによって、
痛みや、心の辛さがなくなり、いや、感じなくなり、
多幸感がある。それを得るためにそれに頼ってしまいます。
例の水もね。スー兄が頻繁に飲むなと。
わたしたちの御脳様万歳や、ドーガーのお出汁命、チョコ命、
それの何倍もひどい状態だ。
やがて、それを買うために違法で金を作るようになる。
じゃ、金持ちはいいのか?ってことになるけど、
廃人になるんですよ。
そうなると、国としては収入がなくなる。
国が国民を守るのは慈善事業じゃない、稼いでくれないと困る。
じゃ、マトグラーサの砂漠での労働は?
麻薬欲しさに働くかな?
あり得る話かもしれない。
が、それは生産率は悪いんですよ、どう計算してもね。
まっとうに働かせるほうが利益が上がる。
労働力は必ずいるんですよ。
こっちは分からないけど、例えば、荷物一つ運ぶことを考えればいい。
麻薬欲しさに運び手がいるとしても、それはまともに荷物を持てるか?
1銀貨で済むところが、麻薬代で赤字だ。
では、健康を維持できるもの?
線引きが難しいけど、それは麻薬ではなく栄養剤だ。
だけど、体が健康でも、心が病む。
では、安価な麻薬は?
故郷でも麻薬が出回っているが、唯一の救いが高いからだ。
自分で栽培する人もいるが、
設備投資で資産がいる。
手軽に手に入り、それで廃人を量産するなら、それは毒だ。
麻薬が高いのはそれで儲ける人がいるってことだ。
それが人でも国でも。どこかで儲ける人がいる。
故郷の麻薬の売人はね、絶対に麻薬には手を出さないっていわれてる。
これは故郷での話だ。
こっちでは分からない。労働力のかわりになりえる砂漠石があるから。」
「・・・・。」
「心が病まない、体も健康、そして安価。
そして生きていくのに必要、これはなんだか知ってますか?」
「マヤクより厄介なもの?」
「うふふふ、違いますよ!それはおいしいご飯だ。」
「ああ、なるほど。」
「昔読んだ物語でね、麻薬は人類の敵だとするけれど、
人が生きていくうえで必要な要素があと一つ増えるだけだと、
敵役がいうんですよ。主人公はどう答えた忘れてしまったんですけどね。
わたしはあり得ると思った。
便利なものはすぐに広がり、なかった時代には戻れない。
銃も、これも、使い方次第だ。
それで、心が落ち着いて、
明日からがんばろーってなるんならいいのかもしれない。
それは毒ではなく薬だ。
程度の問題かな?
でもね、故郷でも国家で売り出して、戦争になったところもある。
戦争が始まれば、兵士に与える国もある。
故郷でもそうだったって。栄養剤ってことにしてね。」
「・・・・モウちゃんは、マンザスそのものも知っていたんだな?」
「あのトラがいた荒野。あの森に茂っていたのマンザスなんですよ。」
「え?そうなの?ガイライ気付いたか?」
「いや、トラばかりで。そもそもマンザスがどういうものかしらん。」
「小枝をソヤと2人で集めたの。
落ちてる小枝はいい香りがしたから。
で、トックスさんに聞いたら知らないって。枝だけだったから。
でもドロインさんは知ってた。香りでわかったみたい。
そこで、トラの話も聞いたの。
あの小枝ね、煮出すと肉が柔らかくなる、毛皮もいい感じに仕上がった。
あの荒野で食べた豚とポット、お肉が柔らかいでしょ?
マンザスの葉を食べてるから。
トラがひとを襲ったのはマンザスを食べていたから。
エフエもそう言ってたけど、実験したかどうかは分かんないよね。
それでね、塩袋なんだけどね。」
「あなたの商品でしたよね?」
「メディングに3年縛りを掛けて、レタンのヘレーナさんに作ってもらってる。
わたしが指定した人だけが作れて、わたしだけだ、発注仕入れることができる。
その条件で密封性が維持できる。
あとは勝手に作っても、ヘレーナさんがわたし以外に売っても、
それはただの魚の皮だ。
小さいものは豆袋と呼んでいます。製法も同じ。
コーヒー豆の香りを維持できる。これも縛りを掛けている。
香辛料なんかもね。何枚かはタトートのバザールで売ったの。
これを運ぶには今のところ塩袋がいいとされている。
今のところだよ?
塩袋が比較的安価で大量に手に入るなら当分はそのまま。
当分?3年です。わたしが隠匿を掛けている3年縛りを。
メディング以上の隠匿の使い手がいないのなら、3年だ。
塩袋に願いを掛けることができる。
割合が1.5割を超えないように。
越えればその性能を維持できないとね。

そうなると塩袋は使わないようになる。
麻薬として売ろうと考えているならば。
知らないでも、もっと比率を変えればいい商品ができると思って
売り出すと、塩袋ではダメだとなる。
いっそ、マンザスは無しにして青い花だけで売るかもしれない。
香は関係ないからね。
そうなる前に、これの危険性を世間に発表しないといけない。
だけど、別にいいじゃないかという考えの方が強いだろ?この世界は。
故郷でもそうだった。
実際にダメ人間が増えて、働かない、国家の収入が激減、
それでやっと国が禁止にする。
だけど、すでに蔓延しているんだよ。
で、裏社会で売られる。銃もそうだけど、出てしまっては止められない。
研究して、薬学の方面で役立つことがある。
0にはできない。
だけど、モウモウ商品が麻薬の搬入に使われることは許し難しなんだ。
だからね、制限を掛ける。
青い花の成分が15%を超えたらダメだと。
マンザスに混ざっている青い花のことに気付いて、
勝手に青い花のだけ集めて割合を増やそうって輩のことはしらない。
その前に、その依存性に気付いて言い値で買えっていうネルウカート国が、
許さないだろうね。
なんらかの対抗手段を打ち出すはずだ。
勝手にすればいい。」
「その依存性に気付いていると?」
「それは分からない。だけど、みな賢いんだ。
わたしが知っていることはここでは皆は知らないが、
きっと誰かが知っている。」
「危険性、依存性を公表すれば?」
「どうやって?犯罪者に与え続ける?ほら、こんなに危険って?
公表すれば、依存性があるということを宣伝するようなもんだ。
興味本位で手をだす馬鹿がいる。必ずだ。
自分は大丈夫、
節度をもって使うから依存まではいかない、
15%だと弱いから19.5%で吸ってみる、
自分がするならまだいいよ、それを人に強要する馬鹿もでる。
薬だよ?気分が落ち着くよ、大丈夫だよ?
世間でいってることは大げさだよ?
知るきっかけは与えられない。」
「15%以上の割合になったら、15%を維持できるようにもできますか?
塩袋の性能を落とさないで。」
「マンザス以外のものが15%以上?
違うな、依存性が出る物質が紛れ込むなら、依存性が出ない割合まで落とす?
それはわたしの願いで?ダメです。
わたしの願いはあくまでも自分本位。
他人がどうなろうと知ったこっちゃないんです。
モウモウ商会の塩袋が麻薬の運搬に使われることが許せないだけだ。
だったら使えないようにするだけ。
維持したままとなると、余剰分の成分を飛ばすか無効化する必要がある。
塩袋にそんな力はない。わたしもお願いはできない。
用途目的の隠匿になる。原石級の。
それを赤の他人の為に掛けますか?」
「3年です。持たせなさい、塩袋の性能を。
原石級?掛けたことあるんですね?」
「はい。」
「何をとは聞けないでしょうし、問えませんね。
原石、ん?あるんですか?」
「1つがコットワッツの年間予算だと言われました。57万リング?」
「それ、いつの話ですか?
原石級と呼ばれるものはここ数十年出ていない。
リングで換算できないですよ?」
「無理矢理リング換算すれば?」
「10億?」
「・・・・。
それを掛ける価値があると?3年後は?
皆が皆、塩袋を作れる。」
「3年以内に、それは禁止になるからですよ。」
「は!ならないね!2年以内に戦争があるんだろ?
戦争の恐怖を忘れるためにみながそれに手を出す。
国も禁止にはできない。飴となるからだ。
3年の間に世界は麻薬に侵される。銃よりも早くだ!!
手っ取り早く、塩袋を作らないほうがいい!!」

そうだよ!
塩袋を作らなければ、流通しないんだから!

「塩袋が安価で手軽だから利用しているだけですよ。
砂漠石を使えば問題は無い。ただ、価格が倍になるだけ。
この段階で制御する手段がこちらにあるのなら利用しない手はない。」
「知ったこっちゃない!」



師匠が、師匠の顔で言う。



「モウ?我が弟子よ、よく考えなさい。
あなたが危惧したようにまやくが蔓延すれば、
働くなるんでしょ?
あなたのしらないおいしいものが消えるんですよ?」











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