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715:価値はない
しおりを挟む「ん?わからんか?
お前はモウの臣ではないが、臣の腕を捧げているガイライの臣なのだろ?
だったら、モウの臣だ。
彼女のなにを守るつもりなのだ?
知識か?違うだろう?
彼女を守るんだろ?
彼女の人生は彼女の物だ。
そして緑の目だというのなら、尚更だ。
彼女の望むとおりに生きればいい。
それを守るのだろう?
そして、彼女は主として何をお前たちに望んでいる?
おそらくはなにも望んでいないな。
お前自身の人生を生きよと言っていないか?
腕を預かっているといっただろ?
セサミナ殿に対しては弟としてだな。
そして弟に対する助言をしているな。
それ止まりだ。
ガイライにもな。息子としての助言止まりだ。
それが双方が壊れない妥当な付き合いだ。
モウはそれを理解しているな。
だから預かり、それを守ると言っているんだよ。
ガイライもそうだが、賢領主と言われるセサミナ殿がだ、
なぜ、臣の腕を捧げた?
領主の立場、軍部上位の立場。
よりよく政を行なうのが統治者、そのためにあらゆることを行なう。
軍とは国の為、統治者の為、国民の為、あらゆる犠牲を払っても
最後に国が成り立てばいい。
搾取せねばならない。
利用しなければならない。当然だ。
己の立場だと、彼女を壊してしまうからだろ?
それは、彼女を知れば知るほどできない。
ではどうするか?
臣になるしかないんだよ。
搾取する立ち位置なんだよ、2人はな。
それなのに、それをできない立場に自らなったのだ。
守るだろうな、彼女なら。
決まっているものだ、臣の腕を捧げる相手というものは。
お前もそうだろう?
その時に深く考えないものだ。
伴侶、そして対象がマティスでよかった。
彼女がもし、統治者の立場になれば、命を削ってまでも、
世のために奔走するだろう。
それで、国は良くなるか?
なるだろうな。が、一瞬だ。彼女の命を削るほどの価値はない。
それが政なんだ。
一個人を犠牲にして行なうものは政ではないな。」
「おかしいだろ!!それだけのことがわかっているなら、
なんでお前はそうなんだ!!
おかしい!お前のやることに全て犠牲が出ている!
それが俺だ!!俺個人を犠牲にしていただろう!!」
「あはははは!!
なにを言うか。お前は今こうやって王都にいるではないか?
死んでいないだろ?そして軍部に戻ってきた。
なにが犠牲になったんだ?」
「!」
「20年の時間か?それは仕方がない。
20年。あのまま軍部にいれば、お前は死んでるぞ?」
「軍を離れたのは俺の意志だ!」
「当たり前だ。あのまま離れなければ、お前は南に飛ばす予定だった。
それこそ、ペチナ殿の探索を口実にな。」
「・・・・どうして?」
「お前は優秀なんだよ。そしてガイライもな。
2人揃っていれば欲が出る。そして、2人とも壊れる。
いや、潰される。
だから戻って早々に本軍の外に出たのだろ?
20年。動き出したんだよ。それはわかるだろ?
何もなければ、お前はイリアスで石になっている。
その方いいのなら、今なら間に合う。帰れ。」
「お前は!お前はいつもそうだ!!」
「ははは!お前は聞かないからな。
どこかで納得してくれていた。
が、これからはもっと話そう。
犠牲ではないが、今まで以上に負担を掛けるだろう。
ヤッチもいるからな。あれともよく話さないとな。」
「・・・・ヤッチは樹脂蜜育ち?」
「そうよ。サッチは乳の出が悪かったからな。
わたしが育てたというのはサッチに叱られるな。
手伝いだな。
いや、これもな、手伝いってどういうことだと。
子を育てるのに手伝いとは何だと。
どういえばいい?難しいな。」
「サッチの石は?」
「まだあるぞ?会合が終われば来るがいい。」
「・・・・。わかった。」
「まだなにかあるか?」
「王の代替わりのことを。」
「?」
「モウちゃんだ。話を聞きたいらしい。」
「1億の懸賞金か?」
「いや、俺も詳しくは知らないし、疑問もない。
それで興味もない。だが、モウちゃんが知りたいっていうのなら、
確かなところからの話は仕入れておきたい。」
「なるほどな。
王の引継ぎがなかったんだ。
よく聞く代替わりの話。
あれだぞ?命を奪ったものが次の王だというのは、
戯言だぞ?まさか、それを信用していたんではあるまいな?」
「・・・・・してた。」
「あはははははは!世間一般はそう思っているということだな?
しかし、ニック迄もがそう思っているのは、うむ、仕方がないか。
あのな、王の言葉を引き継ぐんだ。
そのお言葉の後、王は息を引き取るらしい。それを聞いたものが次の王だ。
が、現王は聞いていない。そうおっしゃった。
が、前王はお亡くなりになったんだよ。
だから、現王に権力がない、と言われるが、実際そうではない。
国を運営しているのは中央院だからだ。
それは昔からだ。その言葉というものがあったかどうかもわからん話だからな。
が、代替わりの気配なく現王になった。
だから、1億の懸賞金の話が出てきたんだ。
王の統治の力とは何だとな。
その話で現王に力がないということ、運営者は中央院だと
知らしめた。
だからな、中央院の間抜け共を黙らす力が王の力だと言われているぞ?
そもそも王の言葉とは何だ?前王も知らないかもしれん。
誰も知らんし、確認しようがない。
そういう話だよ。」
「それは、なんとなくは分かるが。
いや、モウちゃんの聞きたいことはそこじゃない。
なんで、今の王が王になったんだってことだろうな。」
「?王と名乗ったからだろ?」
「だよな。」
「王がモウに興味を持っているのは知ってる。
此度の面談も、モウの甘味が無くなったと、言ったらしい。
メレントがモウのところで仕入れてくるといった話が漏れてな、
この騒ぎだ。
サブコとノトンは立場を悪くしているし、
この期にあの2人がしゃしゃり出て来た。
マトグラーサの夜会で歌ったのだろ?
その話も出ていたな。
知っているか?」
「ああ。」
「そうか。わたしは出てないんだ。もったいないことをしたな。
メレントの話では他にも素晴らしい歌があるとモウが言ったそうだぞ?
芝居も良かったが、あの声での歌か。
聞きたいものだ。
いや、それはいいな。
どこでモウと王の接触があったのか。
ガイライからダクツか?頻繁に会っているだろ?
あの甘味の数々なら納得だがな、
コットワッツは食い物に隠匿は掛けないとか。
あの豆ソースは違うようだが、安価なものだ。
食つながりが?」
「・・・ワイプに聞いてくれ。」
「ワイプなぁ。あれが師匠だと?
お前、どこまであれを信用している?」
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