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776:大人向け
しおりを挟む練習もまあまあとしようか。
演技指導してもどうにもならない。
うん、3人でわたしを褒めてくれるのはなんで、息ぴったりなの?
うれしいけど。
うん、チミ達は何も言わなくていい。
ただ、びっくりして、そのまま倒れなさい。
トックスさんはさっくりベストを作ってくれた。
ポッケがいっぱい。で、血のりパック入り。
じゃってことで、
トックス村の人たちの分、カレーとカレーうどんをお持ちかえり。
ありがとうございます。
3人は、そのポッケにいろいろ詰めている。
アバサとルーは香辛料の話ででた、
胡椒爆弾を作ってる。
オーロラは、トックスさんに聞いた話をルグに。
お金の束を入れ替えている。
あとは、今まで書き写したなにか。
後で見せてもらおう。
「これは?」
「いらない。」
「買ったの?あれにもらったの?」
「持たされた。これいっぱいリングたまれば大金持だって。」
「もらっていい?ああ、売ってくれる?1リングで。」
「・・・。」
「ふふ。これから貯めていけばいい。
はい。最初の一枚だ。これからもっと増えるように、
わたしも守りを付けてやろう。」
『この者の所に正統な労働の対価が来るように』
黙って、袋を渡してきた。
手に入れた1リングは大事にポッケに。
この袋があれば、シクロストのところに巡りつけるな。
とりあえずしまっておこう。
皆でカレーうどんを!
もちろん、服は着替える前だ。
ドーガーは絶賛凹ミング。
オーロラが8歳と聞いたからだ。
『すこし早いですが、行きましょうか?セサミナ様!』
「わかった。」
あの馬車で3頭立てで出発。
御者はドーガーだ。後ろにわたしとマティス。
中にセサミナ様たち。
会合の館だ。
何事もなく、館に。
馬車はここで待機。
馬は厩に。
ここで馬車に何かされないの?と聞けば、
それをするとあとあと問題になるとのこと。
「マリー!!」
すぐにやってきたテール君が走って来る。
コクも一緒だ。
「ちょっとぶりですね?お元気そうで何より。」
「そうだ!ちょっとぶりだ。
マリー!紹介する。わたしの護衛!クックだ。」
ぶ!笑いそう。ダメだ。
フックさんがクックさんなってる。
「初めまして、クック殿。」
「は、はじめまして。えっと?マリー殿?」
「ええ。わたしの名はいろいろ。
テール様からはマリーと呼ばれていますので、それで。」
名を変えているが、彼がフックだというのは
髪型を変えているが、気付くものは気付くだろう。
カーチとマーロはセサミンと話している。
(コク?どう?何か問題あった?)
(今のところは)
(じゃ、これからあるんだ)
(はは!そうなるな)
(手伝うことは?)
(テールの守りにフックが付いているからそれはいい)
(カーチ?)
(そうだな)
(テールをコクが守ってカーチをフックが守るのは?)
(フックにまだ抵抗がある)
(あー)
(はやめにイスナと話を)
(わかった)
「マリー?」
「はい。テール様?眠くはないですか?」
「ヒルネをたっぷりだ。だから眠くない。」
「素晴らしいですね。さすが、テール様です。
しかしね、こういうのは話が長いと眠くなる。
そのために、これ!酸っぱい飴です。
目が覚めますよ?じわじわと酸っぱい味が溶けてきますと、
最後は甘い蜜です。噛まないように。
クック殿にも。どうぞ?
今食べてみますか?」
「先にわたしが。」
「溶けきるまで時間がかかるので、噛んでもいいですよ?」
甘い飴の廻りに酸っぱい飴を。
これ好きなの。
「!!」
「噛んでみてください。」
ガリ
「!あー、なるほど。
目が覚めましたよ。しかし、これは、テール様には早いのでは?」
「そうか。じゃ、素直に甘い飴で。コーヒー味ですよ?香だけですが。」
「コーヒー!!それ!」
「ではこれ、袋に入れておきます。
あ、コクも欲しそう。テール様からあげてください。」
「コクも?これ?はい。」
(あまいが、いいな)
(よかった。甘さ控えめもつくっとくね)
(たのむ)
そこに、わたしに殺気を浴びせる集団が。
もう!
あ!タンタンもいる!
「ファンロ殿!またなにか新しいことを始めたようですね!」
セサミンが気付いて話してくれる。
だって、わたしの臣だよ?主に殺気が集まれば気付くだろう。
あー、ガイライもか!
(ガイライ?)
(ははは!大丈夫ですよ。殺気の程度はセサミナ殿よりわかりますから)
(そうだね、マティスも笑ってるもの)
(ええ)
(会合では?問題なし?)
(もちろん)
(ん。後でおいで。映画鑑賞会をするから)
(エイガ?)
(うん、動く絵かな?)
(へー。面白そうです)
(じゃ、あとでね)
(わかりました)
「セサミナ殿!わかりますか!
歌というものに力を入れようかと!
低俗と言われてますが、モウ殿のそれはそんなことはない。
わたしの声もいいと言われましたしね。
まずは音楽、楽器を。
いま、楽器の本場、ジットカーフから取り寄せているんですよ。」
「ああ、そうなんですか?モウ!」
これはダメだと、早々にセサミンが話を振ってきた。
「ファンロ様、さすがですね。
歌が価値あるものとお気付きになるとは!
しかしですね・・・・。」
「え?」
少し身ひそめ、小声ではなす。
「ファンロ様?大々的にやるなんてもったいないですよ?
楽器の注文しているなら、それはいいとして、それ以上は。
ファンロ様が極めて、それを皆に披露したほうが、盛り上がりませんか?」
「な!なるほど!」
「きっと、ファンロ様をさらに尊敬しますよ?
あとで、簡単な呼吸法と、わたしの知っている大人向けの歌をお教えします。
こっそり練習して、お披露目!どうです?
きっと凄いことになりますよ!!」
「な!なんと!」
「ね?なので、この話、もう言わないほうがいいですよ?
中止だということにしては?」
「わかりました。」
「では、近いうちに。」
「そうですね、では。」
「「くふふふふふ。」」
ファンファンはご機嫌に、
歌はやめだと言っている。
「モウ?」
「問題解決です。」
「そ、そうか。」
何の歌がいいかな?
男歌のいいやつ?
あー、芝居のことも考えないと。
忙しいな!おい!
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