いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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807:誘導

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ツイミさんとオーロラを扉まで見送ったルグが、こっちに来る。
ん?

「モウ様?」
「ん?なに?ルグ?」
「・・・・異議ありです!」
「へ?」
「わたしはあんなふうにならなかった!!」

ルグが怒っている。
わたしに対してだ。初めてじゃない?

「いや、だって、化粧はしてなしてないし、すぐばれるような胸パット
ああ、おっぱいはだめでしょ?
お尻もお肉付けてね。
けっこう手間がかかってるのよ?
ルグの時は簡易だから、そう、簡易。」


とはいうものの、おそらく本人の骨格が問題なんだと思う。


「あと、その骨と筋肉は隠しようがない。
こう、貫禄のあるマダム、貫禄のあるご婦人にならなれるよ?
セサミンとか、アバサ、ルーはいい感じになるかな?
そこまで筋肉ついてないから。
ドーガーは、派手目に化粧すれば、それなりに見えるとおもう。
着る服でもカバーできるし。
してみたい?」

「したいです!!」

考えなしに返事をするドーガー。
わたしの誘導に気付いていない。
これで、セサミンにも無理なく女装できる。
ぐふふふふふ。


「・・・・?・・・・!」

しまった!セサミンが気付いた?

「姉さん!商談がダメになったんでしょ?
することがほかにあるはず!」

「あ!ほんとだ!マティス!!」

マティスがすぐに戻ってきた。

「写真をとったぞ?大体とれたとおもう。どうした?」
「わたし、砂と水を取ってくる。ムムロズさんとこの。
呼寄せてもいいけど、ばれないように取りたいし、
今どうなってるかも見てくる!!」
「いっしょにいくぞ?」
「いや、ツイミさんに樽便もたせて送ってくれる?
で、状況を師匠に報告してくれるから、
どうすればいいかだけ聞いてきて?」
「・・・・・。」
「館内でわたしとツイミさんにまで、
守りの気を纏わせたのが疑問だし、
ツイミさんの身に何かあったら大変だから。
それと、アバサとルーをコットワッツに送って?」
「それもそうだな。
守りの気か?愛しい人にも?」
「そうなんよ。違和感あったし、門から出て、
ツイミさんはなくなったっていうけど、わたしのはまだあったから、
タミナ嬢に移したよ?」 
「かなり離れていても継続できるんだな。
それも聞いておこう。」
「うん、お願い。
守りの気ではないけど、マティスの気配はいつもあるように思うよ?」
「ふふふ。私も愛しい人の気配は常にある。」
「それさ?おトイレの時も?」
「なにをしているか迄は意識しないとダメだがな。」
「あとで、プライバシーとは何ぞやという講義をしようね?」
「?」

意識すればわかるということだろ?それは!!
大問題なような気がするが、いいのかな?


男になったツイミさんが戻ってきた。
いや、もともと男だ。
オロちゃんも一緒にシャワーを浴びたようだ。
きれい好きなのかな?

とにかく行ってきますと、マティスと恒例の儀式を済ませた。

─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘



もどると、モウ様とマティス様が抱擁している。
いつものことだな。


「オーロラも浴びたのか?」
「うん。」
「からだを洗ってもらいましたよ。」




─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「ここな。
で、ここで、服を脱ぐ。
で、こうすると、湯が出る。
石鹸はこれな。しってる?使い方?」
「ええ。大体は。
いいですね。湯が使えるというのは。」
「すごいな。領主館は!」
「ああ、これらのものはおそらくモウ様が作ったものだと思いますよ?
他ではありません。
王様も知らないと思いますよ?」
「え?そうなの?
ルグはほかにもないっていってたけど、ここだけってこと?」
「そうですね。
モウ様が作ったものですからね。
モウ様が異国の方だというのはご存じでしょ?
だから、あまり人には言わないほうがいいですね。」
「それはルグも言ってた。」
「ええ。そうでしょうね。」
「お前、名前は?ツイミ?」
「そうです。ツイミとお呼びください。」
「ツイミも、モウのこと、様で呼ぶの?」
「あの方がいなかったら、
わたしたち家族は生きていけなかったからですよ。
いや、違うな。
生きてはいけたでしょう。だけど、生きることが楽しくなったんですよ。
感謝しているのです。」
「ふーん。
感謝するから?様をつける?」
「そうですね。ああ、わたしの場合はですよ?
これ、モウ様にいうと、もっと他のことに感謝しろって叱られます。」
「ほかのことって? 」
「おいしいごはんを食べられることとか?」
「ああ!それは分かるな!
モウはいつも感謝しろっていうんだな。
それは自分にじゃなくてだ。
おいしいごはんにか。わかるな。
うん!うまい飯!感謝だな!」
「ええ。感謝ですね。」

服を脱ぎ、尻にあてたものを
さわって驚いていた。
あの、それは下ばきなので、
他人のものをそんなに触るものでもないですよ?

湯を浴びていると、
してやろうかと?
しきりに声をかけてきた。



「そうですね。
ここの使い方はあなたの方がよく知っているようだ。
教えてもらえますか?」
「もちろん!」


彼も服を脱ぐが、かなり痩せている。
いや、ロクに食べていないのか?
わたしもここまでではなかったし、
カップもここまでひどくなかった。
ルビスたちも祖母が尽くしてくれていた。
こちらに呼んでからのほうが、不自由させていたほどだ。

ルグ殿のオーロラ?引き取ったってことか?


「やっぱり大人だな。」
「え?」
「そこ、でかい。」
「ああ!」
「あ!男同士ならいいんだよな?
これはルグがうるさいんだ。」
「そうでしょうね。」
「女がいるときは特にダメなんだって!」
「ああ、先ほどね。モウ様がいたから。」
「いや、モウは別にいいんだよ。
だって、マティスもでかいとか言ってたから!」
「あー。」
「で、2人とも怒られた。
モウが言うのには、ルグが一番の常識人だって。」
「それはそうですよ?
彼はコットワッツ傍付き筆頭ですよ?」
「偉いの?」
「もちろん。あらゆることを把握しているのが筆頭です。
ええ、あらゆることですよ?」

いいも悪いもだ。
が、彼は少し清すぎる。
コットワッツ自体がか?
それでやってこれたということか。

いや、そんなことはない。別の誰かが補佐している?
・・・。
セサミナ殿自身か!


「どうだ?なんかおかしいか?
ルグにしてもらったんだ。
ルグは何でも知ってるんだよ。
まだ手合わせしてないけど、んー、これはたぶん俺の方が強いな。
でも、なんか、強いんだよ。」
「そうでしょうね。
あー、その、ここらあたりはいいですよ?
それよりも、なかなか手が届かない、背中をおねがいします。」
「そうか!ルグもかな?」
「届いたとしても、人に洗ってもらうのは気持ちいですよ?」
「ルグもそうかな?」
「ええ。オーロラ殿は上手ですね。
ルグ殿にしてあげれば、喜ばれるのでは?」
「そうかな?これで?どう?」
「ええ、あー、さっぱりしますね。
ありがとうごさいます。
じゃ、変わりましょうか?」
「え?ああ、ルグにしてもらうから、いい。」
「そうですか。ルグ殿のあの筋肉はうらやましいですね。」
「そうだろ!俺、細いから。」
「うちの一番下の弟が気にしてましてね、同じように。
モウ様に肉と乳?あとチーズをいっぱい食べろと言われて、
あっという間にいい肉付きになりましたよ?」
「そうなの?いっぱい食べるよ!」
「ええ。」
「あとな、ルグはな、、、、」



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


(彼、ほんとうに子供ですね。見た目よりも)

ルグ殿に報告だけ。
先程のやり取りを話す。

事情はよくわからないが、ルグが、ルグが、ルグがと、
彼にしてもらったことがうれしくて仕方がないらしい。
本当はルグ殿にしたいが、
できているか不安ということだ。
わたしはその実験台。
わたしは、ワイプ様と同じように警戒心を持たれることは少ない。
最初から警戒されたのはモウ様だけだ。

・・・・ワイプ様と似ていたからか?



(迷惑をかけたようだ)
(いえ、自分がしてもらってうれしかったことを
誰かにしたいと思っているんですよ)
(ああ)
(なので、次は自分にしてほしいと)


「いいな!オーロラ!今度はわたしのからだを洗ってくれるか?」
「もちろん!この人、ツイミにもうまいと褒められたからな!
してやるよ!」
「そうか!楽しみだ。」

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