いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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「モウ!今度こそ彼をください!」
「俺も欲しい!」
「はい、残念。彼はルグのオーロラだ。」
「ルグ殿?どうして?」
「いろいろと。」
「コットワッツ従者だと?
どうにもできないということですか?」
「セサミンはすでにそう思っている。
決定権は当然本人にあるけど、
わたしはオーロラの意思を尊重するだけだ。
交渉次第だね。」
「わかりました。」
「鍛錬は?」
「オーロラ?ニックさんの鍛錬は応用が利くよ?
マティスの鍛錬とはまた違う。
筋肉の付け方も教えてくれるだろう。
教えてもらう?」
「・・・・ルグに教えてもらうからいい。」
「ふふ。そうだね。
みなと一緒にするときは参加すればいい。
わたしも教えてもらってるから。
もちろん、ルグもだよ?」
「オーロラは剣も使う。なかなかいいぞ?」
「マティスが言うの?
じゃ、後で手合わせしようか?」
「・・・・ルグとマティスとしてからだったら。」
「あ!わたしもしたい!
あの時よりも鍛えている!いいかな?」
「・・・・うん。」
「手合わせはいいとして、天文院から、コットワッツに雇われたと?」
「まだ、契約はしてない。今は。今は俺はなに?」
「見習いだね。今は。」
「そうですか。
では、ツイミ?報告を。」

「わかりました。」



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘

なるほど。
そこに行きつくまでの過程も
簡潔に報告か。

なるほど。
自分の考えは報告に入らない。
擬音語も擬態語も、いわば自分の考えとなるのか。

勉強なるな!


・・・・・。

できんけどな!!


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「クインタ殿には守りの気がわたしたちにも纏わせていると、
直接話されました。
クインタ殿は表情も変えず、黙っていました。」
「え?ムムロズの気?」
「うん、館に移動したとたんに。
それはツイミさんにもあったとおもう。
だけど、守りの気というには違和感あったよ?
ぬちゃって感じで。あ、また擬態語だ。
んーへばりつく感じ?」
「いえ、わかりますから。それはツイミも?」
「館を出たときに何かがはがれる感じがしただけです。
それまではなにも。
ぬちゃ?ではなかったですね。
はがれる感じは、そうですね、胸当てを取った時のような?」
「ああ!!ふはって感じ?」
「その言葉は的確ですね。」
「でしょ?」
「・・・・それが分かるのはあなた方だけです。
胸の締め付け感がなくなったと思えばいいですか?」
「そうです。」

ニックさんが砂漠石を取り出した。

「これか?」

ツイミさんになにかした?

「?あ!そうです。思えば、館に入ってすぐにこの感覚はありましたね。
胸当ての圧迫だけではなかったようです。」
「すぐ?ムムロズが来てからではなく?」
「すぐですね。
懐にいてくれていた、ビャクとクーが警戒してましたので、
そっちの方に気が取られていたようです。」
「ビャクとクーはずっといた?」
「ムムロズ殿が来てから?
いえ、落ち着いてからいなくなりました。
ムムロズ殿はわたし、ツイミだと気付いておられて、
あの女性の姿をみてむせてましたから。」
「ビャクとクーがいなくなったのは、わたしがお仕事頼んだからです。
そこが安全ならタミナについてって。」
「そのタミナ?その話は後だ。で、
もう一回な。ちょっと、立ってくれる?ワイプは横に。」
「?ええ。」

また石を出す。
さっきはなにも言ってないよね?火水風とおなじ?
そうか、
考えるだけでいい類なんだ砂漠石での守りは。

「で、こう。」

「あ!」
ツイミさんが前によろける。
こけることはない。
師匠が抱きとめているから。

・・・・・。
緑目になっても嗜好は変わらないと。
善き哉。

「愛しい人?」
「へ?いや、それ、空気で締め技つかったのと同じ理屈?」
「いや、空気をどうこうしてるわけじゃない。
砂漠石が拘束してるんだよ。」

いつもおもうことだけど、
砂漠石先生がすることはみんな素直に受け入れるよね。
なんで石が、いやエネルギーの塊が人の指示に従うのか。
故郷に置き換えれば、なにになるんだろ?




─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


だからゆうたでしょ?
きーつけよって。
つぎからちゃんときーつけなさい。
そしたら、もうないから。

なんで?

あんたがきーつけるし、
こんなん、かあさんがゆるせへんからね。
ああ、これ、あとのこるで?
ほんまに、もう!
ほら、これ、ぬるから。

それ、いやや。めだつもん。
あのしろいのは?
こうてくれた?

ええけど、しみるで?



ほれ。

ぅぎゃーーー!!!


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘

赤チンかマキロンか。
なんか黄色いのもあったな。
ガーゼの。あれはなんやったんやろ?
油紙でフタしたような?

あの1週間つけっぱなしの絆創膏は画期的なんだよね。
ん?砂漠石で?売れるね!

いや違う!
今考えることではない!

やはり、言霊、願いだ。
残留思念?
気を付ければ、こけることはないんだ。
違う?
あれ以上に酷いけがはしなかった。
母さんが許さないから?
だったら、最初から許すなよ?という話か?
違うな。
そうわたしが思っていたからだ。
リリクの耳の傷と同じ。
オーロラにはそれ以上の傷は当然ついている。
これ以上は付かないと気を付けなかったから?
それを知らなかったから?
そこまで万能ではないか。
当たり前だ。

が、生きていれば、大丈夫だったと感謝するだろう。
ダメならそれは死んでいるんだ。

神は越えられない試練を与えないってか?
考え様だ。
それに、かみさんはそんなことしないよ。
してたら怖いわな。

考え、望みが現象として起せる世界。
その媒介、増幅できるのが砂漠石。
いわば、砂漠石が神だ。


見えないから敬えたんだ。
見えればそれの奪い合い。


ここの先人はやはり素晴らしい。

砂漠石があるからできる。
感謝、敬う対象ではない。
これが徹底している。

感謝の対象にすると、それを多く持っている人をも、
敬う対象となる。
土地ですらそうなる。
ここでは?
砂漠石の争奪戦だ。
いや、砂漠の争奪戦。
それがない。
あったのは利権争い程度。
金儲けの手段としてだ。


日々に感謝。先人に感謝。
わたしは、砂漠石にも砂漠にもこの世界にも感謝しよう。

それを許してほしい。

「愛しい人?」
「いやごめん。砂漠石で、ツイミさんを拘束していたということね。
縄をかけてる感じ?で、ひっぱってこかす?」
「こかす?転がす?」
「あれ?こかすって方言?うそ!」
「いや、意味はわかるんだが、意味と音が合ってない。」
「あー、ちょっとこれは後で研究だ。ニックさん、どうぞ?」
「いいか?これな、昔は結構使ってたんだ。
小さな石で事足りる。」
「いまは使ってないの?なんで?便利っぽいけど?」
「加減が難しい。で、結構事故が起きた。
しめつけ過ぎで骨が折れるとかな。
折れるだけで済めばいいけど、
わざとするものもいる。もともと軍暗部で使っていたから、
外のもんはしらんだろう。
おまけに、こんな小さな石だ、
拘束除けを使われれば石がもったいないだけだ。」
「ツイミさん?それで傷なんかついてないよね?」
「?ええ。」
「ムムロズはこの使い方はうまいぞ?」
「よかった。」

傷でもついたら、有言実行、
ムムロズさんをコキュッとなしないといけないからね。




「俺も、それなりに使える。
次はモウちゃんにもするが、いいな?マティス?」
「?かまわんが?ツイミと同じことだろ?
愛しい人?私が受け止めるからな!」
「うれしげにいうな!モウちゃんにしたのは違う。
へばりついてたんだろ?
ムムロズの気だよ。それを後から追える。
自分の気配だ。すぐにわかるんだよ。」
「それも砂漠石で?」
「そうだ。モウちゃんが言うように糸を付けて手繰り寄せるとか、
そんなこと考えもしなかった。石は使わなくてもできるなんてな。
砂漠石だからできると。」
「そうみたい。じゃ、それ、わたしにしてください。
おなじような感じになるものなの?」
「自分以外の他人気配だ。
違和感と見られてるような感じだな。
が、それをわかるものは少ないんだよ。」
「なるほど。わたしはムムロズさんに舐められたと。」
「だれも、モウちゃんがそこまで気の気配に敏感なんて思わないよ。
モウちゃんの気もわからない。
わからなくしてるんじゃないだろ?
俺たちよりも自在に操ってるんだよ、モウちゃんは。」
「そういうの実感がないからわからんね。
じゃ、やってくださいな。」
「いや、先に私に。」
「いいけど?これな?」
「・・・・ニックだ。
うっとうしい!!外せ!!
しかし、べちゃ?それはわからない。」
「・・・うっとうしいって。
感じ方はそれぞれだからな。その確認だから。
じゃ、モウちゃん?これ。どう?」


・・・・・・


「モウちゃん?」
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