いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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846:酒器

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「では、この話はまずはいいですね。
ルビス?チュラル?下町、都下、王都での話を。
モウが撃たれたこと、緑目のこと。
どこからどこまで拡がっていましたか?」



2人が調べてきた話、
匂いの防ぎ方、石の使い方、今後の方針。
クーたちがオート院長の護衛についてること。


「そうですか。タミナ殿絡みですね。
報告を持ってくる前にオート院長の傍にいるとは。」

タミナが変装したツイ兄を敵視しているのは、
みなが気付いていた。
自分より美人だから気に入らないのかと思っていたが、
存在そのものが気に入らなかったようだ。


「あのねーちゃん、ちょっと怖いよね。
睨んでくるんだよ。」
「そうそう。こっちは仕事してるのにね。」

2人はタミナを嫌っている。
もちろん俺もだ。

「けどさ、ダナフとサーナルは、
すごく褒めるんだよな。いい女だって。
そうなの?」
「人それぞれの好みがありますからなんとも。
それより、ダナフとサーナルと話すことがあるんですか?」
「あるよ?こっちからはないけど、
向こうから声かけてくるよ?
最初はモウ様たちからもらったお菓子が欲しいのかなって。」
「あげたんですか?」
「「まさかー!!」」
「それでも話かけてくる?何のはなし?」
「うーん。今になにしてるの?とか?
もちろん内容は言わないよ。
けど、ワイプ様の指示でどこに行ったかは知ってるから、
その土地の話?おいしいものとか?」
「あとは?」
「あと?・・・・・・。」
「えっと、怒らない?」
「怒りませんよ?報告しないほうが怒ります。」

・・・怖い。

「「ワイプ様の悪口!!!あははははは!!!」」

「はいはい。それは出て当然ですね。
かまいませんよ。ただ、悪口で留まっているのなら
何も改善しませんからね?直してほしいのなら
話してくださいね?」
「「はーいい。」」
「他の人の悪口?というか愚痴もですけど、それは?
オート院長とか?」
「それもあるかな?ツイ兄もだよ?
それは睨みつけてやったら黙った!!」
「わかりました。それ、次から報告してくれますか?
今まで通り同じように話して後で報告するって知られないように。」
「・・・難しい。」
「そうですか?石にお願いしますか?」
「そんなことしたら、俺らが言ってることも覚えちゃうじゃん!!」
「同じようにいってるんですね?」
「あ!」
「はいはい。だったら覚えて報告を。」
「「はーいい。」」




モウ様の言霊!!


「彼女の宣言!!
これは大陸でいちばん強いのでは?
理とまで言い切った。
誰ですか?宣言のことを教えたのは!!」
「おそらくガイライ殿では?モウ様が疑問に思っていることを
鍛練中に教えてもらっているとおっしゃてましたし。」
「師匠のわたしに聞かないのはなぜ?」
「ワイプ様が教えないからでしょ?」
「マティス君には?」
「マティス様はこのあたりのことは疎い。」
「セサミナ殿には?」
「心配しますから。」
「あなたには?」
「わたしにですか?そうですね。
聞かれれば、そのことに対してモウ様が有利になるように
説明して手配しますので、それをさせたくないためか、
税関係以外は聞いてきませんね。」
「・・・税でも有利になるような手配をしてはいけません!!」
「?なぜ?」
「・・・いいです。筋が通ってるのなら。」
「ええ。もちろんです。」

ツイ兄はほんと元気になったな。



「ど、どうしよ!!移動できない!」
「呼寄せもだ!!」

え?
あ!俺もだ。
え?


「”文言の理解をもって”なので、
理解できていないということ?」




-----聞いて!!



それからモウ様の説明があって、
俺はできるようになり、2人は、
ワイプ様とツイ兄の説明を聞いて、
できるようになった。

「びっくりした!!
モウ様さまよりまだ軽いのにできないから!!
あ!重さって言ったの俺じゃないからね!」
「ルビス?その考えが問題ですよ?」
「そう?モウ様にもう少しで追い越すって言ったら、
ものすごく喜んでたよ?で、干肉くれた!
大きくなれよぉーってなんか変な声で!!な?」
「うん!はやく大きくなるんだ!モウ様より!!
なんかすっごいものくれるって!
なんだろう?楽しみ!!」
「勉強道具じゃないですか?」
「「いらない!!」」

俺もいらないな。

「あ!オーロラがソヤに計算を教えてもらうそうですよ?」
「ん?銃の取り寄せの話をしていた時ですね。
どうしてそうなったんですか?」

オーロラのいうコープルの話は
報酬がいるので、
ソヤを紹介するということに。
型はまた進化していること。

「わかりました。さ、仕事に戻りましょう!!」


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


(ワイプ様?コープルの話、問題です)
(知ってるのですか?)
(多少)
(先に話を。問題なら止めましょう)
(すぐにでもルポイドに行くのでは?)
(マティス君に話すのは先に聞いてからといえばいいでしょう)
(オーロラ殿はルグ殿の家族。ルグ殿にも話を通しましょう。
でないとあとで問題なる)
(ああ、そうですね。しかし、どうしてルグのオーロラなんですかね?)
(よくわからないですが、オーロラ殿もルグ殿も信頼し合っていますよ?)
(これも聞いておかないと)


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘









「父上?わたしにすべて話してくれたわけではないですね?」
「だとしたら?」
「理解できませんし、納得できません。
なので、モウ殿との話も今は言えません。」
「・・・・それで?」
「これはわたしの力不足、ここで文句を言っては始まらない。
わたし独自で動いてもいいですか?」
「ほうぉ?お前が?1人で?」
「いえ。護衛を雇いますよ?」
「ははは!!モウでも雇うのか?」
「雇えるものなら雇いたい。が、今は無理でしょう?
なので、父上?あなたを雇いますよ?」
「ははははは!!このわたしを?中門顔役の?
父であるわたしをか?」
「ええ。報酬は、これ。
モウ殿がくださったものですね。わたしに!
それを特別に譲りましょう!」
「お前!それはもともとわたし宛のものであろう?」
「いいえ。これはすべてわたしのものです。
もちろん、おじい様と母上にはお渡ししますよ?
が、父上に渡す、渡さないはわたしが決める。
これ、いいですね。ガラスの酒器。
酒も大きいものが1本、小さいですがあと、3本ほど有りますよ?
それと海のもの?匂いが出るから、
かなりしっかり梱包していますと、書いてますね。
かるく焼くみたい。絵が描いてます。
どうします?」
「・・・・・。」
「ただ、わたしを守ってくれるだけでいい。
助言もいらない。王都にいる間だけでいい。」
「・・・・・。」
「あと、わたしが聞いたことには全て答えてください。
答えられないのなら、今は答えられないと言ってくださればいい。」
「今は?」
「ええ。いずれ全て答えてもらいますから。」
「ははは!わかった。
お前、いや、クインタの護衛に付こう。
王都を離れるまで。
あー、いや、中門に戻るまでだ。」
「やはりなにかあるのですね?」
「今は答えられない。」
「はは!ええ、それでかまいません。
まずは、この焼き菓子をいただきましょう。
コーヒー入れますよ?
あ、これだけは先に教えてください。」
「なんだ?」
「モウ殿とツミール殿に守りの気を付けましたか?」
「?いいや?」
「警戒を!!」
「!くわしく話せ!!」











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