いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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「いいか!この作戦は時間との勝負だ!!」

イエス!マム!!

カップ君も呼んで作戦会議。

ビャクとクーちゃんはオート君に付いていると
カップ君から聞いている。
どうなったかと聞くと、もう少し待てとのこと。
師匠が調整しているらしい。
そうなの?報酬は奮発するね。

ホワイトボードを持ち出し、タイムスケジュールを説明。
おそらくわたしが水風呂、氷風呂に入れば本当にガクブルになる。
思考も低下するだろう。
そうなると、なにかあった時に対処できないが、
ふりだけだと、ガイライ・ニック・ワイプ級の者たちが見れば、
見抜いてしまうだろう。

やっぱり撃たれたのは嘘なんだ、と。

撃たれて血が出たことはわかっている。
地面に血、豚の血だが、それが落ちていたが、
弾はなかった。
ということは体の中にあると皆思っているはず。

無傷だと知ってるものは、今のところは
ラーフィングとメディング、そしてムムロズたち、
そして、ファンファンことラルトルガ領主ファンロとボルタオネ領主テール君。
彼らの近くにいる密偵にコットワッツから心配するなと連絡が来たことがばれてもいい。
ガイライが話していても、それがうそか本当かまではわからない。
そこから拡がる分は別に構わない。
こちらが不利になるのなら、これからの付き合いを考えればいいだけだ。


この館はそのまま。
なかに入ることはできないはず。
敷地にもだ。
皆が旧王都の守りがかかっていると思ってくれている。
この、皆がそうだと思い込む力が、まさに力となる世界。
なので、日々に感謝する。
八百万やおよろずの何もかもにだ。


「まずは、マティスとわたし、カップ以外は箱馬車で門前で待機。
あの手この手で引き留めがあるだろうが、
想定内だ。
門すら開かないかもしれないが、それも想定内。

プクプク10回分ぐらいは粘れ。

そこにわたしを抱えたマティス登場。
本当に顔色悪いと思う。震えもあると思う。
セサミナは存分に心配しなさい。
が、問題ないからね。
ルグ、ドーガーはセサミナを守ることだけに専念。
新人3人は笑わなければそれでいい。
監督の迫真の演技に感心してもダメだ。
無の精神で。

ここで、ルグがオーロラを降ろす。
2人に付いていけと。
これはあとあとのことを考えてだ。
どういうことか?
臨時総会で言われたように、驚異の力を持つ石使いモウ、
一度は大陸に名を馳せた剣のマティス。
この2人を管理できているのかと言われた。
なので、常にこちらも監視を付けているという体だ。

ふふ。そんないやそうな顔しないの!
突っ込まれる隙を見せちゃダメ。
ルグとドーガーは付けられない。領主の方が大事だから。
だから、新人を付ける。
しかも子供だ。
コットワッツ人手不足はわかっている話。
こりゃ!オーロラも拗ねないの!
近いうちに、新人傍付き見習いはすごいってことになるから!


で、マティスは、
ここにわたしたち不在で滞在するのは、
今の状況を見ても問題ありありなのが一目瞭然。
わたしが送ろう!って送っちゃって。

我々はルポイドに行く。
出国手続きは頼むぞってね。

そこに、カップ君が帰ってくる。
まだ、ザワザワしているはず。
えー、どうしよう!!ってワニワニしながら、
元雇い主、資産院のワイプのところに行く。
もちろん、この時の状況はよく観察しておくように。
数日後にコットワッツに戻れと連絡が来るから、
それまでここに王都で待機。
友達2人は計算室で仕事?
だったら安心だ。
移動で一度帰っておいで。
マースちゃんが待ってるからね。
ソヤはそろそろ戻らないとね。豆ソースの仕事もしないと。
で、ソヤと一緒に正式にコットワッツに戻ってくる。

以上だ!
なにか質問は?はい!ルグ!」

「門から出てからの移動の方がいいのでは?」
「なぜ?」
「王都内で力を見せることは、
それこそあとでなにを言われるかわかりません。
王都内では無理だということにしたほうがいいのでは?」
「そうか。セサミン?どう?」
「結局は移動の力を見せるのですから、同じかな。
この場合、兄上だからできるという条件なので。」
「そうなるね。が、用心に越したことはない。
外に出れるなら出てから。
足止めがひどいようなら、計画通りに。ほかは?カップ君?」
「コットワッツに戻るときに、フーサカとラートも一緒でいいですか?」
「そうだそうだ。彼らにも聞きたいことはあるからね。
もちろん。で、そのとき、医家の2人もお願い。」

医家の話をする。

「そのスダウト家の方は?」
「付いてきたとしても身分は隠しているだろうからいいんじゃない?」
「わかりました。」
「ほか!ドーガー?」
「残ってもいいですか?」
「なぜに?」
「薬草のこと、気になります。
父に使っていたのが眠草だけとは思えない。」
「そうだね。いい?セサミン?」
「はい。逆に医家の2人。ある程度調べてほしい。」
「わかりました。」
「とりあえず、いったん帰ろ。
ペリフロも待ってるからね。
で、王都に戻ると。移動で。
そこからは調査ね。カップ君とは常に連絡を。
で、ドーガーが迎えに来たという形にしようか?
移動では帰れないし。
カップ君の友達2人と医家の護衛もいるしね。
たぶん襲われる。確保を。
カップ君とドーガーで手に負えないのなら、
その襲ってきた人たちが欲しいから呼んで?」
「姉さん?それはどうするんですか?」
「とりあえず?」
「わかりました。」
「で、ドーガーは、それまでは、んー?
ん!女装しちゃおうか?」
「お願いします!!!」
「愛しい人?あまり手の込んだことをすると
ドーガーは再現できないぞ?」
「あ、そうか。自分でやってみて?
かつら、ブラとヒップはOK?
喉仏隠して、目の色も変える。
眉毛は整えるよ?
粉は?そうそう!うまいよ!
で、口元にほくろね。艶ほくろ。一気に色っぽくなる。

服はこれ。
で、イメージは荒野の貴婦人。
荒々しいのに色気がある。
で、アイライナー。これ、黒塗料と陸鳥のブツとを混ぜたもの。
これを、こう、目じりにいれる。ほくろもこれでちょん、てね。
紅はこれ。
それはつけすぎ!!
指に布撒いて?で、くわえて?ぬぱって!
余分なものは取れた。
で、粉。こっちにとって、パタパタって。
ん!いいね。」

鏡をみて喜んでいる。

「セサミナ様!どうですか?」
「うん。女性だな!良かったな!」
「はい!」
「もっと本格的なのは次回ね。
で、急遽男の姿に戻らないとまずい時は、


しかしてその実体は!
愛の戦士!キューティードーガーだ!!

って言えば元に戻るから。
ゆってみ?あの型で決めるとさらに良し!」




元に戻ると思っての言霊だ。
で、あのアニメのバックボーンを知っているのはわたしだけ。
あれは元の姿、アンドロイドの状態に戻ると。
元素固定装置とかなんとか?
これはわたしの言霊に近いな。
ああ、この考え方。そうか、なるほど。
あらゆる元素が、あらゆる形になってくれると。

だから、あのスパッツ状態が元の姿だ。

では、ドーガーは?
服、化粧、カツラ、カラコン、ブラ、ヒップなどなど。
後付けのものは全てどこかに行った。
あとは?
生まれたままの姿だ。
で、ジョジョ立ち上体そらし。




ぎゃー!!!

「「「ドーガー!!!!!」」」


(モウ!)
(ああ、ガイライ心配しないで。ほんと。うん。)
(説明を!)
(できん!)
(ガイライ?ドーガーだ)
(?問題はないんだな)
(愛しい人にはない。ドーガーは死ぬ)
(マティス!今のはわたしが悪いから!!)
(驚いただけ?ですよね?)
(うん。やられたよ。でも、あれは芸ではない)
(弱冠楽しそう?)
(楽しんでない!いいこと思い出しただけ!)
(問題なければいいですよ?)
(ごめんね。仕事中でしょ?)
(ふふふ。これはあとで、話しますよ。いま、抜け出すこともできない)
(ん。優先はそっちだからね。そろそろここをでるから)

水風呂にはいることも説明して心配しないようにとだけ。
ドーガーはそういう時は服を呼寄せるんだと、
オーロラに教えてもらっていた。

「モウ様、、、、申し訳ありません!」

小さくなっているドーガー。
みんなに上着をかぶせられている。
これは本当にわたしが悪かった。

「いや、大丈夫。ほんとよ?
こっちこそごめん。どこかに飛んでいったかつらは、ここに。
後のことを想像して。
服を着ている状態で呼寄せることもできるから。」

練習すればオフもオンもできるだろう。
いいよね?移動と呼寄せの応用だから。

言霊と元素固定のことをこちらの都合のいい様に解釈しよう。
元ネタがあるというのはなんと素晴らしいことか!

全てのことに感謝!



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