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第一部
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しおりを挟む私だって初めはメソメソ泣いたり、好かれようと努力もしたけれど
5歳の誕生日を1人静かに過ごしたあたりで、これは無理だなと悟ったわ。
ちなみに兄2人の誕生日は
城の中まで民衆の楽しむ声が聞こえてくるほどの
国を挙げてのどんちゃん騒ぎである。
たった5歳で自分でも、見切りを付けるのが早かった気もしなくも無いけど
結果的に、無駄に媚びを売ったりしなくて済んで良かったとも思う。
その頃から、話しかけられれば淑女の話し方で対応しつつ
心の中では割とザックリした言葉づかいで考えるようになったかな。
しかし、まったく、本当に、ここは窮屈な国だ…。
物造りが得意なドワーフの血と魔術を得意とするエルフの血。
どちらも混ざっているせいか、結構なんでもこなせる能力が備わっている私だが
どちらかと言えば、エルフの血が濃くでているのか
魔術を自在に操る方が簡単だし楽しいと思えたりする。
私の全体的な見た目がエルフ寄りであれば、強く批判される事も無かっただろうに
あいにくと、49歳という年齢の割には
身長がドワーフの幼児体型で、顔の造詣が美形のエルフという
変態にネットリとモテル顔と体つきの為に、エルフ達からは余計に醜悪に見えるらしい。
人間国の言葉でいえば確か、10歳前後の美少女、という見た目らしい。
まあ、その辺が兄達や他のエルフ達から嫌われる要因っぽいけど。
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