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31 最後の一刺し
その夜、屋敷は妙に静かだった。静かというより、誰もが音を立てないようにしている夜だった。
廊下を行く足音は短く、扉の開閉も慎重で、食器の触れ合う音さえ、いつもより布を一枚挟んだみたいに鈍い。
何かが壊れかけている家では、むしろこういう夜のほうが落ち着かないのだと、セリーヌは子供の頃から知っていた。
夕食はまた、それぞれの部屋へ運ばれた。父は書斎。母は居間。エレオノールは自室。
セリーヌもまた、小卓へ置かれた温かな皿を前にして、ほとんど手をつけずにいた。
誰も同じ部屋にいたくないのだろうし、同じ部屋にいて会話を保てる気もしないのだろう。母がいったん戻したはずの「家族の形」が、また静かにほどけている。
それでよかった。今夜だけは、むしろそのほうが都合が良い。
マルトが食器を下げに来た時、セリーヌはいつもより早く休むふりをした。
「今夜はもう結構よ。朝は少し遅くていいわ」
「かしこまりました」
侍女は燭台の火を一つだけ残して出ていく。扉が閉まる。足音が廊下の向こうへ消える。そこまで聞き届けてから、セリーヌはゆっくり立ち上がった。
準備そのものは、もうほとんど済んでいる。
衣装箱の底に隠した細鎖と耳飾り。換えた銀貨。覚え書き帳のうち、自分が持っていくべき頁だけを抜いた薄い束。教会町の未亡人の名と、舟賃の額を書いた小さな紙。どれも一つの小袋へ収まる量だった。
大きな鞄は持たない。着替えも少ない。行きの舟と中継の河岸を思えば、重さより、目立たないことのほうが大事だ。
寝台の脇へ膝をつき、床下へ押し込んでおいた布袋を引き出す。
布は柔らかいが、結び目は固くしてある。誰かに見られても、旅支度には見えない程度の塊だ。
セリーヌはそれを開き、中身を一つずつ確かめた。銀貨、装身具、薄い控え、ごく小さな裁縫道具、ハンカチ、替えの襟布…… どれも過不足はない。
足りないのは、置いていくもののほうだった。
セリーヌは立ち上がり、部屋を見回した。壁紙の小花模様。白木の鏡台。母の趣味で揃えられた椅子。窓辺の薄いレース。
どれも「地味で落ち着いた娘」にふさわしい部屋として整えられてきたものだ。好きか嫌いかを考えたことも、あまり無かった。ただ自分の部屋として長く使ってきただけだ。
けれど今夜は、それらがもう自分のものではないように見える。
ここへは戻らない。少なくとも、今までの娘としては。
そのことを思っても、涙は出なかった。代わりに、胸の奥には静かな重みだけが増していく。
悲しいというより、よく知った場所が自分を必要としていないのだ――と、今さらはっきり見えてしまった感じに近かった。
机へ向かい、便箋を一枚出す。
父母へ長々と何か書くつもりはない。言い訳も、恨み言も、今さら紙に載せれば向こうの都合の良い物語にされる気がした。
だから残すなら、必要なことだけだと決めていた。ペン先を選び、短く書く。
――探さないでください。
――私は私のために出ます。
――今まで私が引き受けていたものまで、これからは当然と思わないでください。
それだけ書いて、少し考える。
署名を入れるか迷い、結局入れなかった。
字を見れば自分のものと分かる。ならば名前は要らない。読む者の胸へ、そのまま落ちればいい。
便箋を折り、封もせず、机のいちばん見えるところへ置く。父宛でも母宛でもなく、ただここに。
最初に入るのが誰であっても、いずれ全員の目に入る場所だ。
燭台の火が小さく揺れた。風ではない。廊下のどこかで扉が閉まり、その空気が遅れて伝わったのだろう。
そしてもう一つだけ、やることがあった。
覚え書き帳から抜いた頁の束を持ち、セリーヌはそっと扉を開けた。二階の廊下は暗すぎず、明るすぎず、夜としてちょうどいい灯りだった。
高窓は黒く沈み、燭台の火だけが金の縁や額の角を拾っている。
家族が自室へ引いてから少し時間が経っている。この頃合いがいちばん人の目が薄い。
音を立てずに歩く。
表階段へは向かわず、まずは談話室の前を抜け、リネン室の脇を通り、裏階段へ出る。使用人たちの動線に近い階段だが、夜半前の今ならかえって人が途切れる。
台所の片づけはもう終わり、朝の準備にはまだ早い。そのあいだの、家が半分だけ眠る時間だった。
一階へ下りる途中で、セリーヌは一度だけ立ち止まった。下のほうから、低い声が聞こえる。
父の声だ。書斎ではなく、小書斎のあたりらしい。
もう一人は母だろう。言葉までは拾えない。争っているのではなく、疲れたまま同じ話を繰り返している調子が分かった。
――まだ起きているのだ。
それは少し意外で、少しだけ当然でもあった。
今日までの数日で、父も母も「この家をどう整え直すか」を決めきれていない。ならば夜遅くまで話すだろう。
セリーヌはその声をやり過ごし、一階の奥へ向かう。
帳場そのものではないが、父が家へ持ち帰った細かな控えや、急ぎではない勘定の仮帳面をしまう小さな棚が、書斎の前の脇室にある。
そこは本来、家族が夜中に行く場所ではない。
だがセリーヌには、どの引き出しに何が入っているか、ほとんど分かっている。脇室の扉は閉まっていたが、鍵は掛かっていない。
中へ入ると、紙と木と、インクの乾いた匂いがした。
棚の下段から二番目の引き出しを開ける。そこには、父が「あとでまとめる」と言いながら後回しにしている、取引先ごとの控えが雑に束ねられている。
その中の数枚は、本来なら今日のうちに整理しておくべきものだった。
――乾物問屋。
――花染め布の支払い順。
――例の傷物の布地の振り分け。
セリーヌは、それらの「本来なら自分が明日さりげなく整えておくはずだった」紙だけを、束の中で位置を変えた。
抜き取るのではない。消すのでもない。
ただ、今までなら見つけやすいよう上へ出していたものを、別の控えの下へ沈める。
父が自力で探せばいずれ辿り着くだろう。だがすぐには気づかない。
その「すぐではない」遅れが、数日のうちにじわじわ効くはずだった。
それだけで十分だと思った。全部を奪わない。派手に壊さない。
ただ、これからはもう、自分が朝のうちに手を入れて整えておくことはない。
それを家の側が、きちんと困って知ればいい。
引き出しを閉め、元の位置へ戻す。部屋を出る前に、セリーヌは一度だけ息を整えた。
静けさの中で、自分の鼓動だけが少し速い。
けれど、怖さはもう最初の頃とは質が違っている。
見つかるかもしれない恐れではなく、本当にこのあと自分がいなくなるのだという実感が、少しずつ体に追いついてきていた。
廊下へ出ると、父母の声はまだ続いていた。今なら、近づけば何を話しているかもっと拾えるかもしれない。
けれどセリーヌはそちらへ行かなかった。
今さら聞いても意味がない。向こうは向こうで、明日からの形を考えている。自分も自分で、もう別の明日へ向かっている。
裏階段を上り、自室へ戻る。扉を閉めた瞬間、屋敷のすべての音が一枚遠くなった気がした。
もうこの部屋で夜を過ごすのは、今夜が最後になるかもしれない。そう思っても、やはり涙は出なかった。
寝台へ入る前に、窓の前へ立つ。外は完全に夜だ。
温室の屋根も、白い石縁も、月のない暗さの中では半分しか見えない。
けれどその向こうに川がある。船着きがある。小舟がある。朝になれば、それらはまた当たり前みたいにそこへ現れる。
セリーヌはレースの端を少しだけ持ち上げ、庭のほうを見つめた。
明日の朝、まだ夜の色が残る頃に起きる。侍女を呼ばず、自分で支度をし、裏の動線を使って出る。
庭番小屋の手前でジュリアンと落ち合う。そこから川へ下り、小舟に乗る。
それだけだ。
それだけなのに、胸の内ではいろんなものが静かにほどけていく。
――怖い? 少しだけ。
怖さより前に、ようやく息が出来る場所へ向かう感じのほうが強い。
寝台に横になるが、眠れる気はしなかった。だが目を閉じれば、考えが散らばらない。
燭台の火は低く、部屋の隅だけがやわらかく残る。父母の声も、もう聞こえない。屋敷全体が、遅い時刻の沈黙へ沈み始めている。
その沈黙の中で、セリーヌはただ、自分の呼吸の数だけを数えた。
そして、数え終わる頃には、明日の朝が本当に来るのだと、ようやく体の奥まで分かってきた。
※いつもありがとうございます。
短期集中型の作品が一つ終わりますので、次を本日から投稿致します。
「ガリ勉地味女は要らないから婚約破棄?ありがとうございます!」
やっと婚約破棄が叶ったヒロインと、その豪快な家族の物語です。
廊下を行く足音は短く、扉の開閉も慎重で、食器の触れ合う音さえ、いつもより布を一枚挟んだみたいに鈍い。
何かが壊れかけている家では、むしろこういう夜のほうが落ち着かないのだと、セリーヌは子供の頃から知っていた。
夕食はまた、それぞれの部屋へ運ばれた。父は書斎。母は居間。エレオノールは自室。
セリーヌもまた、小卓へ置かれた温かな皿を前にして、ほとんど手をつけずにいた。
誰も同じ部屋にいたくないのだろうし、同じ部屋にいて会話を保てる気もしないのだろう。母がいったん戻したはずの「家族の形」が、また静かにほどけている。
それでよかった。今夜だけは、むしろそのほうが都合が良い。
マルトが食器を下げに来た時、セリーヌはいつもより早く休むふりをした。
「今夜はもう結構よ。朝は少し遅くていいわ」
「かしこまりました」
侍女は燭台の火を一つだけ残して出ていく。扉が閉まる。足音が廊下の向こうへ消える。そこまで聞き届けてから、セリーヌはゆっくり立ち上がった。
準備そのものは、もうほとんど済んでいる。
衣装箱の底に隠した細鎖と耳飾り。換えた銀貨。覚え書き帳のうち、自分が持っていくべき頁だけを抜いた薄い束。教会町の未亡人の名と、舟賃の額を書いた小さな紙。どれも一つの小袋へ収まる量だった。
大きな鞄は持たない。着替えも少ない。行きの舟と中継の河岸を思えば、重さより、目立たないことのほうが大事だ。
寝台の脇へ膝をつき、床下へ押し込んでおいた布袋を引き出す。
布は柔らかいが、結び目は固くしてある。誰かに見られても、旅支度には見えない程度の塊だ。
セリーヌはそれを開き、中身を一つずつ確かめた。銀貨、装身具、薄い控え、ごく小さな裁縫道具、ハンカチ、替えの襟布…… どれも過不足はない。
足りないのは、置いていくもののほうだった。
セリーヌは立ち上がり、部屋を見回した。壁紙の小花模様。白木の鏡台。母の趣味で揃えられた椅子。窓辺の薄いレース。
どれも「地味で落ち着いた娘」にふさわしい部屋として整えられてきたものだ。好きか嫌いかを考えたことも、あまり無かった。ただ自分の部屋として長く使ってきただけだ。
けれど今夜は、それらがもう自分のものではないように見える。
ここへは戻らない。少なくとも、今までの娘としては。
そのことを思っても、涙は出なかった。代わりに、胸の奥には静かな重みだけが増していく。
悲しいというより、よく知った場所が自分を必要としていないのだ――と、今さらはっきり見えてしまった感じに近かった。
机へ向かい、便箋を一枚出す。
父母へ長々と何か書くつもりはない。言い訳も、恨み言も、今さら紙に載せれば向こうの都合の良い物語にされる気がした。
だから残すなら、必要なことだけだと決めていた。ペン先を選び、短く書く。
――探さないでください。
――私は私のために出ます。
――今まで私が引き受けていたものまで、これからは当然と思わないでください。
それだけ書いて、少し考える。
署名を入れるか迷い、結局入れなかった。
字を見れば自分のものと分かる。ならば名前は要らない。読む者の胸へ、そのまま落ちればいい。
便箋を折り、封もせず、机のいちばん見えるところへ置く。父宛でも母宛でもなく、ただここに。
最初に入るのが誰であっても、いずれ全員の目に入る場所だ。
燭台の火が小さく揺れた。風ではない。廊下のどこかで扉が閉まり、その空気が遅れて伝わったのだろう。
そしてもう一つだけ、やることがあった。
覚え書き帳から抜いた頁の束を持ち、セリーヌはそっと扉を開けた。二階の廊下は暗すぎず、明るすぎず、夜としてちょうどいい灯りだった。
高窓は黒く沈み、燭台の火だけが金の縁や額の角を拾っている。
家族が自室へ引いてから少し時間が経っている。この頃合いがいちばん人の目が薄い。
音を立てずに歩く。
表階段へは向かわず、まずは談話室の前を抜け、リネン室の脇を通り、裏階段へ出る。使用人たちの動線に近い階段だが、夜半前の今ならかえって人が途切れる。
台所の片づけはもう終わり、朝の準備にはまだ早い。そのあいだの、家が半分だけ眠る時間だった。
一階へ下りる途中で、セリーヌは一度だけ立ち止まった。下のほうから、低い声が聞こえる。
父の声だ。書斎ではなく、小書斎のあたりらしい。
もう一人は母だろう。言葉までは拾えない。争っているのではなく、疲れたまま同じ話を繰り返している調子が分かった。
――まだ起きているのだ。
それは少し意外で、少しだけ当然でもあった。
今日までの数日で、父も母も「この家をどう整え直すか」を決めきれていない。ならば夜遅くまで話すだろう。
セリーヌはその声をやり過ごし、一階の奥へ向かう。
帳場そのものではないが、父が家へ持ち帰った細かな控えや、急ぎではない勘定の仮帳面をしまう小さな棚が、書斎の前の脇室にある。
そこは本来、家族が夜中に行く場所ではない。
だがセリーヌには、どの引き出しに何が入っているか、ほとんど分かっている。脇室の扉は閉まっていたが、鍵は掛かっていない。
中へ入ると、紙と木と、インクの乾いた匂いがした。
棚の下段から二番目の引き出しを開ける。そこには、父が「あとでまとめる」と言いながら後回しにしている、取引先ごとの控えが雑に束ねられている。
その中の数枚は、本来なら今日のうちに整理しておくべきものだった。
――乾物問屋。
――花染め布の支払い順。
――例の傷物の布地の振り分け。
セリーヌは、それらの「本来なら自分が明日さりげなく整えておくはずだった」紙だけを、束の中で位置を変えた。
抜き取るのではない。消すのでもない。
ただ、今までなら見つけやすいよう上へ出していたものを、別の控えの下へ沈める。
父が自力で探せばいずれ辿り着くだろう。だがすぐには気づかない。
その「すぐではない」遅れが、数日のうちにじわじわ効くはずだった。
それだけで十分だと思った。全部を奪わない。派手に壊さない。
ただ、これからはもう、自分が朝のうちに手を入れて整えておくことはない。
それを家の側が、きちんと困って知ればいい。
引き出しを閉め、元の位置へ戻す。部屋を出る前に、セリーヌは一度だけ息を整えた。
静けさの中で、自分の鼓動だけが少し速い。
けれど、怖さはもう最初の頃とは質が違っている。
見つかるかもしれない恐れではなく、本当にこのあと自分がいなくなるのだという実感が、少しずつ体に追いついてきていた。
廊下へ出ると、父母の声はまだ続いていた。今なら、近づけば何を話しているかもっと拾えるかもしれない。
けれどセリーヌはそちらへ行かなかった。
今さら聞いても意味がない。向こうは向こうで、明日からの形を考えている。自分も自分で、もう別の明日へ向かっている。
裏階段を上り、自室へ戻る。扉を閉めた瞬間、屋敷のすべての音が一枚遠くなった気がした。
もうこの部屋で夜を過ごすのは、今夜が最後になるかもしれない。そう思っても、やはり涙は出なかった。
寝台へ入る前に、窓の前へ立つ。外は完全に夜だ。
温室の屋根も、白い石縁も、月のない暗さの中では半分しか見えない。
けれどその向こうに川がある。船着きがある。小舟がある。朝になれば、それらはまた当たり前みたいにそこへ現れる。
セリーヌはレースの端を少しだけ持ち上げ、庭のほうを見つめた。
明日の朝、まだ夜の色が残る頃に起きる。侍女を呼ばず、自分で支度をし、裏の動線を使って出る。
庭番小屋の手前でジュリアンと落ち合う。そこから川へ下り、小舟に乗る。
それだけだ。
それだけなのに、胸の内ではいろんなものが静かにほどけていく。
――怖い? 少しだけ。
怖さより前に、ようやく息が出来る場所へ向かう感じのほうが強い。
寝台に横になるが、眠れる気はしなかった。だが目を閉じれば、考えが散らばらない。
燭台の火は低く、部屋の隅だけがやわらかく残る。父母の声も、もう聞こえない。屋敷全体が、遅い時刻の沈黙へ沈み始めている。
その沈黙の中で、セリーヌはただ、自分の呼吸の数だけを数えた。
そして、数え終わる頃には、明日の朝が本当に来るのだと、ようやく体の奥まで分かってきた。
※いつもありがとうございます。
短期集中型の作品が一つ終わりますので、次を本日から投稿致します。
「ガリ勉地味女は要らないから婚約破棄?ありがとうございます!」
やっと婚約破棄が叶ったヒロインと、その豪快な家族の物語です。
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