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ストーカーは今日も続く
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午後、お昼時である。
普段一番忙しくなるこの時間帯が、噂のおかげで最高潮の忙しさを叩き出している。
アダムとハジメは厳しい訓練をしていると言えども疲れているようだし、私に限っては例のお嬢様に呼ばれないよう必死に接客をしているせいで、今にも倒れそうなほどヘトヘトである。
塩が甘くて砂糖がしょっぱいのか、コーヒーが白くて牛乳が黒いのか、何がなんだか分からなくなり始めた。
そんな頃、さらなる波乱が店にやってきた。
顔面丸出しの大公である。
思わず息を飲んで、うわっと声に出てしまった。
しかし幸運な事に、誰も私の声には気づかなかった。
皆同じくして、息を飲んだからである。
「い、いらっしゃいませ。こちらへどうぞ。」
我に返って、大公を慌てて奥の席に案内すれば、その後ろに続くのは彼の護衛、ビーくん、ババロちゃん、ワンコくんである。
やっと大公らしい出歩き方を覚えたらしいが、なにもこの店に来る必要ないのに。
しかも今はタイミングが悪い。
「先にお飲み物は何になさいますか?」
「……疲れてるみてぇだが平気かよ。」
ボソリといった呟きはどうやら、私に向けてのものらしい。
小さくえぇと返せば、鋭い瞳が私を見つめている。
嘘か本当か探っているようだ。
彼には昔から、人の所作や目線で嘘を見抜く特技がある。
めちゃくちゃ目が良かったり、嘘が見抜けたり、ほんと常人離れしすぎている。
「正直言うとすごく疲れてる。けどまだ仕事が山程あるから。」
「もう一人は?」
ビャクの事かと察して、なんて言おうか一瞬迷った。
ここで物騒な話をするわけにもいかないし、かと言って奥に大公を連れて行くのもさらなる噂になりかねない。
口をつぐんで私が数秒考えると、大公がめんどくさい奴がいるなと呟いた。
目線の先には、エリザベス嬢が座っている。
どうやら、彼も防壁のことはご存知らしい。
「いつからいるんだ?」
「お昼前かな、彼女の接客はアダムがやってるから。」
忌々しそうに彼女を睨むと、ビーくんババロちゃんに目配せをして、席から立ち上がった。
「ビーとババロを貸してやる。お前は裏に回って話の続きだ。」
いいなと、有無を言わせるつもりのない声色に大人しく首を縦に振った。
余程なのお嬢様が嫌いと見た。
いったい何をされたのだろう……。
ババロちゃんは昔酒場で働いていたし、ビーくんはそのルックスからすでに淑女方の注目を掻っ攫っている。
ワンコくんと大公は、早々に店を出て行く。
すると、すかさず始まるのは大公への賛美の声だった。
ほんとここ数年の間に、随分と人気になったものである。
私がアダムにビーくん達のことを話すと、彼は一瞬嫌そうな顔で二人を見たが、ハジメの鶴の一言で二人に店員用のエプロンを手渡した。
オタマ片手にアダムを叱る姿は、まるで母親のようだ。
いや、あんな坊主なママは嫌だけれども……。
私が大公に報告してくると言うと、ビャクにも休憩するように言うよう睨まれた。
ハジメの隣には、剥かれた芋が入った樽が三つ。
剥きすぎだと言いたげなハジメに苦笑いして、私は裏口から外に出た。
普段一番忙しくなるこの時間帯が、噂のおかげで最高潮の忙しさを叩き出している。
アダムとハジメは厳しい訓練をしていると言えども疲れているようだし、私に限っては例のお嬢様に呼ばれないよう必死に接客をしているせいで、今にも倒れそうなほどヘトヘトである。
塩が甘くて砂糖がしょっぱいのか、コーヒーが白くて牛乳が黒いのか、何がなんだか分からなくなり始めた。
そんな頃、さらなる波乱が店にやってきた。
顔面丸出しの大公である。
思わず息を飲んで、うわっと声に出てしまった。
しかし幸運な事に、誰も私の声には気づかなかった。
皆同じくして、息を飲んだからである。
「い、いらっしゃいませ。こちらへどうぞ。」
我に返って、大公を慌てて奥の席に案内すれば、その後ろに続くのは彼の護衛、ビーくん、ババロちゃん、ワンコくんである。
やっと大公らしい出歩き方を覚えたらしいが、なにもこの店に来る必要ないのに。
しかも今はタイミングが悪い。
「先にお飲み物は何になさいますか?」
「……疲れてるみてぇだが平気かよ。」
ボソリといった呟きはどうやら、私に向けてのものらしい。
小さくえぇと返せば、鋭い瞳が私を見つめている。
嘘か本当か探っているようだ。
彼には昔から、人の所作や目線で嘘を見抜く特技がある。
めちゃくちゃ目が良かったり、嘘が見抜けたり、ほんと常人離れしすぎている。
「正直言うとすごく疲れてる。けどまだ仕事が山程あるから。」
「もう一人は?」
ビャクの事かと察して、なんて言おうか一瞬迷った。
ここで物騒な話をするわけにもいかないし、かと言って奥に大公を連れて行くのもさらなる噂になりかねない。
口をつぐんで私が数秒考えると、大公がめんどくさい奴がいるなと呟いた。
目線の先には、エリザベス嬢が座っている。
どうやら、彼も防壁のことはご存知らしい。
「いつからいるんだ?」
「お昼前かな、彼女の接客はアダムがやってるから。」
忌々しそうに彼女を睨むと、ビーくんババロちゃんに目配せをして、席から立ち上がった。
「ビーとババロを貸してやる。お前は裏に回って話の続きだ。」
いいなと、有無を言わせるつもりのない声色に大人しく首を縦に振った。
余程なのお嬢様が嫌いと見た。
いったい何をされたのだろう……。
ババロちゃんは昔酒場で働いていたし、ビーくんはそのルックスからすでに淑女方の注目を掻っ攫っている。
ワンコくんと大公は、早々に店を出て行く。
すると、すかさず始まるのは大公への賛美の声だった。
ほんとここ数年の間に、随分と人気になったものである。
私がアダムにビーくん達のことを話すと、彼は一瞬嫌そうな顔で二人を見たが、ハジメの鶴の一言で二人に店員用のエプロンを手渡した。
オタマ片手にアダムを叱る姿は、まるで母親のようだ。
いや、あんな坊主なママは嫌だけれども……。
私が大公に報告してくると言うと、ビャクにも休憩するように言うよう睨まれた。
ハジメの隣には、剥かれた芋が入った樽が三つ。
剥きすぎだと言いたげなハジメに苦笑いして、私は裏口から外に出た。
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