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何も知らないストーカー、ショートケーキを食べる
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あの後レイには誘いの返事とお礼を行って、彼女の寂しそうな背中を見送った。
先ほどまで毒の入っていたカップを見ながら、大公のとんでもない発言を思い出して口角が上がる。
向かいのビャクは気味悪そうにそんな私を見ると、怒った口調で私を呼んだ。
「やはり、さっきの貴族に匿って貰うべきだ。」
「ダメよ。レイも巻き込むことになる。」
「向こうから提案してきたんだ。承知の上だろ。」
ビャクの発言に同意する部分があるのだろう。
ハジメやアダムも援護はしてくれないようだ。
じっと黙って私を見る三人に、肩を竦めて見せた。
「彼女は数少ない友人だから、大事にしたい。」
「ですが、我々としても誰が敵で味方なのかハッキリしなければ、貴女を守りきれません。」
その通りだ。
だが、残念なことに王都のレイのお屋敷もそう変わらないだろう。
なぜなら、レイが飲むカップにも毒が入っていたのだ。
きっと犯行はハロルドの手の者ではない。
王家とフローレンス家は因縁があると言えど、それが内戦の引き金にならないよう不戦の契約がある。
そもそも彼は、私を殺したいわけではないのだから。
「どこへ行っても一緒よ。私がこの国に来た時点で、安全な場所はない。」
ハジメが厨房からくすねてきた茶葉を受け取って、カップの中に少量出した。
どうやら、毒はカップだけではなく、茶葉を全体に混ぜ込まれているらしい。
これ以外の茶葉は、すべてしけっていたりカビが生えていたりと飲める状態ではなかったとハジメが言った。
「ハーブティー。この国ではよく飲まれてる品種だね。」
特別珍しいものでもない。
おそらくこの国の人なら、誰もが飲んだことのあるものだ。
「では購入者が犯人ではなく、別の誰かによって混入させたれたのでしょう。」
「厨房で誰かが入れたんだろ。」
「なら、この屋敷の誰かだ。」
ハジメとビャクがそう討論する中、アダムは黙って私を見ている。
確かに、この屋敷の誰かだろう。
ここにはメイドはいないし、雑用をするのは大公の所の騎士団員たちだ。
外部からの侵入もできない
何人かが日替わりで駐屯して、家事や警備わ行なっている。
討論の結果、急いで犯人を探しに行こうと立ち上がる二人を制して、座るよう促した。
「この厨房に入れるのは騎士団員と私達、それに大公だけ。騎士団員は毎日変わっているから、そんな人数を一人一人調べてたら、私今度こそ毒殺されちゃう。」
それに私達は、今後国賓として扱われるのだ。
客人の分際で、騎士団員の尋問はできない。
私がそう伝えると、ビャクが舌を打った。
ではどうするですかとハジメが私の指示を乞う中、私は茶葉の箱を二人に見せて問いかけた。
「ところで、この茶葉の製作秘話があるんだけど聞いてくれない?」
私がにっこりと微笑むと、ハジメとビャクは眉を寄せて私を見つめ、アダムだけが頷いて私の話を聞く姿勢になった。
先ほどまで毒の入っていたカップを見ながら、大公のとんでもない発言を思い出して口角が上がる。
向かいのビャクは気味悪そうにそんな私を見ると、怒った口調で私を呼んだ。
「やはり、さっきの貴族に匿って貰うべきだ。」
「ダメよ。レイも巻き込むことになる。」
「向こうから提案してきたんだ。承知の上だろ。」
ビャクの発言に同意する部分があるのだろう。
ハジメやアダムも援護はしてくれないようだ。
じっと黙って私を見る三人に、肩を竦めて見せた。
「彼女は数少ない友人だから、大事にしたい。」
「ですが、我々としても誰が敵で味方なのかハッキリしなければ、貴女を守りきれません。」
その通りだ。
だが、残念なことに王都のレイのお屋敷もそう変わらないだろう。
なぜなら、レイが飲むカップにも毒が入っていたのだ。
きっと犯行はハロルドの手の者ではない。
王家とフローレンス家は因縁があると言えど、それが内戦の引き金にならないよう不戦の契約がある。
そもそも彼は、私を殺したいわけではないのだから。
「どこへ行っても一緒よ。私がこの国に来た時点で、安全な場所はない。」
ハジメが厨房からくすねてきた茶葉を受け取って、カップの中に少量出した。
どうやら、毒はカップだけではなく、茶葉を全体に混ぜ込まれているらしい。
これ以外の茶葉は、すべてしけっていたりカビが生えていたりと飲める状態ではなかったとハジメが言った。
「ハーブティー。この国ではよく飲まれてる品種だね。」
特別珍しいものでもない。
おそらくこの国の人なら、誰もが飲んだことのあるものだ。
「では購入者が犯人ではなく、別の誰かによって混入させたれたのでしょう。」
「厨房で誰かが入れたんだろ。」
「なら、この屋敷の誰かだ。」
ハジメとビャクがそう討論する中、アダムは黙って私を見ている。
確かに、この屋敷の誰かだろう。
ここにはメイドはいないし、雑用をするのは大公の所の騎士団員たちだ。
外部からの侵入もできない
何人かが日替わりで駐屯して、家事や警備わ行なっている。
討論の結果、急いで犯人を探しに行こうと立ち上がる二人を制して、座るよう促した。
「この厨房に入れるのは騎士団員と私達、それに大公だけ。騎士団員は毎日変わっているから、そんな人数を一人一人調べてたら、私今度こそ毒殺されちゃう。」
それに私達は、今後国賓として扱われるのだ。
客人の分際で、騎士団員の尋問はできない。
私がそう伝えると、ビャクが舌を打った。
ではどうするですかとハジメが私の指示を乞う中、私は茶葉の箱を二人に見せて問いかけた。
「ところで、この茶葉の製作秘話があるんだけど聞いてくれない?」
私がにっこりと微笑むと、ハジメとビャクは眉を寄せて私を見つめ、アダムだけが頷いて私の話を聞く姿勢になった。
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