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47話
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「さて、向こうはどうでるのかな?」
「さぁ?とりあえずまだ情報の裏が取れてませんからね」
「ああ、今は目の前の戦いに集中しろ、向こうがどのような手を使ってくるかわからん」
「ご安心ください、油断は一ミリたりともしておりません」
マチルダ救出から明けて翌日、闘技大会決勝をまえに控室で待機していた。
「リカルド様?むしろエドワードとハンスがやりすぎない様に注意した方がよろしいようですよ?」
「スターク、私は冷静だよ?むしろアンジェのナイトに注意したほうがいいよ」
「ふふっ、そうだな」
「よく言いますよ、フォーメーションを変えてまでやりに行く気満々じゃないですか」
「けじめの問題だよ」
「私も冷静です」
「嘘はいわないでください!槍を使わず直接手を下そうとしているじゃないですか!」
「槍を使わないのは先ほどセイジュ様が新たな小手をくださったから感触を確かめるためです」
「それエグすぎません?それに使いこなせるのもエドワードかダン様くらいですよね?」
「体、特に関節部への負担が尋常じゃないからね、それに耐えうる肉体の持ち主しか使いこなせない代物だね」
俺はエドワードの左小手にハンスの盾と同じ金属のニードルを仕込んでいて拳で相手を殴るとニードルが勢いよく飛び出し相手に突き刺さるようになっていたが反動も大きく使い手を選ぶものだったがエドワードはそれを使いこなせていたたため手渡した。
「連続5発までしか撃てませんのでまだまだ精進が必要です」
「5発どころか1発くらったら死んでしまうから大丈夫だよ…」
「とりあえず、勝利を目標にはするがくれぐれも殺らないように注意してくれ…」
「聞いてかい?セイ?セイ!」
「え?あ、はい!大丈夫です!またいつアンジェリーナ様が襲われるかわかりませんし、次はメリダ様やカリン様まで被害にあうやもしれませんからちゃんと今後の憂いを断ち切ります!」
「はぁ~…セイ……ほら言わんこっちゃない…」
急に話しかけられ俺は思ったことを答えただけなのにハンスは頭をおさえ大げさにため息をつき、リカルドは苦々しい顔をしスタークは驚いた顔、エドワードは腕を組み満足そうにうなずいていた。
====================================
「それではこれより決勝戦を開始します!両チームは配置についてください!」
「コルグ様、槍をもっていませんよ!」
「はっ!王族の私にけがをさせたくないのであろう!」
「ぐっしっしっし…間抜けな野郎どもですねぇ…こちらは当初の作戦通りで?」
「ああ、構わん!ゴーダの父が逃げて当初の予定通りとは行かないが、ここで優勝して誰が次の王にふさわしいか証明してやる」
「よくいいますねリカルドにはそのままご退陣なさってもらうおつもりのくせに」
「兄は残念だがここで大けがをしてしまうからな…ふははははは!」
「戦う前から何をあんなに上機嫌に高笑いなさってるのでしょうか…」
配置に向かいながら常に上機嫌なコルグを見てスタークは意味が分からず困惑していた。
「おおかたエドが槍をもっていないのは自分に怪我をさせないためだから私たちは攻撃してこないとでもおもっているんだろ」
「ああ…そういえばそこまでの馬鹿ですもんね…私はまた昨日の件で気がふれたのかと思いましたよ」
「そのくらいの馬鹿だったらよかったんだけどね…」
「はぁ~…とりあえず配置につけ、エドワードあの盾をたのむぞ」
「お任せください、あのような薄い板きれでは何も守れないことを教えてさしあげてみせます」
「ぷっ!たしかにデカいだけでペラペラだ」
ハンスの予想があまりにも的確だと思ったリカルドは深いため息をついて頭を振り気持ちを切り替え指示を出した。
「セイどうだ?あれが王国騎士鎧だよ」
「はぁ…皆さん重そうで大変ですねぇ、その割もろそうです」
「くっふっふっふ…今の我々もそう思うよ」
「ですねぇ」
俺の作った防具をまとったハンス達が動くだけでふっふと息をあげ暑そうにしているコルグ達を見てある種、同情するかのような眼をしていた。
「双方、準備はよろしいですね?では……はじめ!」
「行きます!」
開始の合図とともにエドワードが右手に剣を構え猛ダッシュをした。
「馬鹿が一つ覚えの剣一本で突っ込んできたぞ!」
「ははっ!この盾でふせい……ぐっはっ!」
コルグの言葉に最前列にいた男が盾を地面に突き刺すように構えたがエドワードが左拳でその盾を殴りつけると打ち込まれたニードルで盾が粉砕されそのままの勢いで男は胸に一撃を食らい意識を失った。
「なっ!拳だとっ!?」
「驚いている場合じゃぁないと思うよ?」
「おのれ!ぐふっ!!」
「なっ!」
「よそ見している暇もありませんよ?」
「!?ぎゃぁぁぁ!!」
吹き飛び倒れた仲間を見て動揺し動きを止めた相手をハンスが盾でなぐりつけ、もう一人をスタークが新たに手を加え先端が三又に分かれたしなる剣で顔を思いっきり殴りつけた。
「貴様ら!」
「コルグ様はやらせ…なっ!?うわぁっ!」
「あ、その糸は今回は刃がついていませんが下手に動くと鎧ごと体がバラバラになる可能性もありますのでお気を付けください」
「ひぃ!?」
コルグを守ろうとした相手の周りを俺はくるくると高速で周り、短剣の柄の先からでている魔銀で編み込んだワイヤーを巻き付け最後に短剣を地面に突き刺しピンと張った。
「役立たずどもが!」
「さて…コルグどうするか?」
「くっ!」
「大人しく降参したほうがいいんじゃないのかい?」
「ぐぬぬぬっ…愚弄しおって…!」
「愚弄もなにも愚行を行ったのはあなたですよ」
「なにおぉ!!貴様らなど私一人で十分だ!」
ハンスとスタークの煽りにのりコルグが剣を抜いた。
「死ねぇ!…なっ!?」
「コルグ様、その剣には刃がついております反則です」
コルグが剣を振り上げた瞬間、エドワードが剣の峰でコルグの剣を粉砕した。
「仕方ありませんね!重そうな鎧を少し軽くして動きやすくして差し上げますよ」
「なっ!…よ…鎧が…」
スタークがめんどくさそうに数回剣を振るうと剣はコルグの鎧のつなぎ目を破壊し自慢の鎧は甲冑と盾だけになった。
「クソが!当初の予定通りイーサンがあのアンジェリーナを人質に取ってきていれば!それを逃げだしおって!!」
「「 あ゛? 」」
苦々しく言ったコルグの言葉に俺とハンスの怒りの声がハモった。
「あちゃ~…それを今の状況で言っちゃいますか…」
「…愚行中の愚行…最悪手です」
「はぁ~…もういい…まだ聞きたいことがあるのだ…くれぐれもそこだけは頼む」
スタークが額に手をやり天を仰ぎ、さすがのエドワードも顔をひきつらせチラチラと俺とハンスを見、リカルドはなにかをあきらめたように祈った。
「セイ…リカルド第一王子様からお許しがいただけたようだ…」
「そのようですね…」
「そして私、ハンス=ホルマトロがホルマトロ公爵家次期当主として抑えをといて全力をだすことをゆるすよ」
「ありがたき幸せ…では!」
怒りに任せて俺は日ごろ抑え込んでいたすべての力を開放した。
「くっ!!」
「近くだとこんなに!」
「スターク!リカルド!距離をとれ!!まきこまれる!!」
スタークとリカルドは焦ったエドワードにつかまれ大きく俺たちから距離をとった。
「なぜ貴様ごとき平民のゴミがこのような力をもっている!」
「あ~お言葉ですが彼はマリアンヌ教会が認めてくださった賢人で王国錬金術師ですが?」
「そんなもの金を積めばいくらでも手に入る称号ではないかっ!」
「はぁ~…コルグここにどれほどの教会関係者がきているとおもっているんだい?君たった今、教会と国王様を愚弄してしまったんだよ?その辺りかいしているかい?」
「うるさい!私が次の王になればよいだけの話ではないか!」
「それは無理だね…」
「無理でしょうねぇ…」
「はい、無理だと思います」
「ぐぬぬ…貴様らぁ~…」
ハンス、スターク、エドワードの言葉と態度を見てコルグは顔を真っ赤にし激怒した。
「コルグ…お前はなぜそうなってしまった…周りを見ろ…今この国で力を持つもの皆がお前の敵になってしまった…もう終わりにしよう…」
「くっ!兄上…いやリカルド!貴様がいるから私はこうなったのだ!王族以外などいくらでも変わりはいる!たかだか数軒敵になった程度どうでもいい!」
「どこまでも…いや…もうなにもいうまい…コルグ…貴様はあまりにも自分の大事なものを見失い、そして周りの大事なものを気づつけすぎた…」
「うるさい!この国に必要なのは次期国王の私だ!ほかのものなどどうでもいい!すべては私の道具でいいのだ!」
「コルグ!!」
激高したコルグが両手をあげ魔力をあつめバスケットボールほどの火の玉をつくりあげようとした。
「セイ!」
「はい」
ハンスの言葉に俺は片手を火の玉に向け水の生活魔法を渾身の力で撃ちだした。
「なっ!…」
「馬鹿だね…目の前の魔力の化け物をわすれたのかい?もう君を守るものなどないんだ、あきらめろ」
「うるさい!まだ甲冑も盾だって私には…あ…」
「盾などもうありませんよ…コルグ様」
「貴様…!」
「せめてもの手向けだ…その歪んだ悪しき心をご自慢の鎧ごと女神マリアンヌ様より加護をうけし我が聖なる盾で打ち砕いてやろう!」
魔法をかき消され驚きながらもコルグが構えた盾を俺が吹き飛ばすとハンスは会場じゅうに響き渡る声で少々芝居がかったようにいうと盾でコルグの胸元へ渾身の一撃を撃ちだした。
「がはっ!!」
盾の先端から撃ちだされた極太なニードルが甲冑を貫くとそのままの勢いでコルグを吹き飛ばし地面に倒れ落ちると同時にこなごなに砕け散った。
「審判!」
「は…はっ!?しょ勝負あり!勝者リカルド王子チーム!」
倒れたコルグの呼吸を見て焦ったスタークが審判を呼び我に返った審判は俺たちの勝利をつげた。
「さぁ?とりあえずまだ情報の裏が取れてませんからね」
「ああ、今は目の前の戦いに集中しろ、向こうがどのような手を使ってくるかわからん」
「ご安心ください、油断は一ミリたりともしておりません」
マチルダ救出から明けて翌日、闘技大会決勝をまえに控室で待機していた。
「リカルド様?むしろエドワードとハンスがやりすぎない様に注意した方がよろしいようですよ?」
「スターク、私は冷静だよ?むしろアンジェのナイトに注意したほうがいいよ」
「ふふっ、そうだな」
「よく言いますよ、フォーメーションを変えてまでやりに行く気満々じゃないですか」
「けじめの問題だよ」
「私も冷静です」
「嘘はいわないでください!槍を使わず直接手を下そうとしているじゃないですか!」
「槍を使わないのは先ほどセイジュ様が新たな小手をくださったから感触を確かめるためです」
「それエグすぎません?それに使いこなせるのもエドワードかダン様くらいですよね?」
「体、特に関節部への負担が尋常じゃないからね、それに耐えうる肉体の持ち主しか使いこなせない代物だね」
俺はエドワードの左小手にハンスの盾と同じ金属のニードルを仕込んでいて拳で相手を殴るとニードルが勢いよく飛び出し相手に突き刺さるようになっていたが反動も大きく使い手を選ぶものだったがエドワードはそれを使いこなせていたたため手渡した。
「連続5発までしか撃てませんのでまだまだ精進が必要です」
「5発どころか1発くらったら死んでしまうから大丈夫だよ…」
「とりあえず、勝利を目標にはするがくれぐれも殺らないように注意してくれ…」
「聞いてかい?セイ?セイ!」
「え?あ、はい!大丈夫です!またいつアンジェリーナ様が襲われるかわかりませんし、次はメリダ様やカリン様まで被害にあうやもしれませんからちゃんと今後の憂いを断ち切ります!」
「はぁ~…セイ……ほら言わんこっちゃない…」
急に話しかけられ俺は思ったことを答えただけなのにハンスは頭をおさえ大げさにため息をつき、リカルドは苦々しい顔をしスタークは驚いた顔、エドワードは腕を組み満足そうにうなずいていた。
====================================
「それではこれより決勝戦を開始します!両チームは配置についてください!」
「コルグ様、槍をもっていませんよ!」
「はっ!王族の私にけがをさせたくないのであろう!」
「ぐっしっしっし…間抜けな野郎どもですねぇ…こちらは当初の作戦通りで?」
「ああ、構わん!ゴーダの父が逃げて当初の予定通りとは行かないが、ここで優勝して誰が次の王にふさわしいか証明してやる」
「よくいいますねリカルドにはそのままご退陣なさってもらうおつもりのくせに」
「兄は残念だがここで大けがをしてしまうからな…ふははははは!」
「戦う前から何をあんなに上機嫌に高笑いなさってるのでしょうか…」
配置に向かいながら常に上機嫌なコルグを見てスタークは意味が分からず困惑していた。
「おおかたエドが槍をもっていないのは自分に怪我をさせないためだから私たちは攻撃してこないとでもおもっているんだろ」
「ああ…そういえばそこまでの馬鹿ですもんね…私はまた昨日の件で気がふれたのかと思いましたよ」
「そのくらいの馬鹿だったらよかったんだけどね…」
「はぁ~…とりあえず配置につけ、エドワードあの盾をたのむぞ」
「お任せください、あのような薄い板きれでは何も守れないことを教えてさしあげてみせます」
「ぷっ!たしかにデカいだけでペラペラだ」
ハンスの予想があまりにも的確だと思ったリカルドは深いため息をついて頭を振り気持ちを切り替え指示を出した。
「セイどうだ?あれが王国騎士鎧だよ」
「はぁ…皆さん重そうで大変ですねぇ、その割もろそうです」
「くっふっふっふ…今の我々もそう思うよ」
「ですねぇ」
俺の作った防具をまとったハンス達が動くだけでふっふと息をあげ暑そうにしているコルグ達を見てある種、同情するかのような眼をしていた。
「双方、準備はよろしいですね?では……はじめ!」
「行きます!」
開始の合図とともにエドワードが右手に剣を構え猛ダッシュをした。
「馬鹿が一つ覚えの剣一本で突っ込んできたぞ!」
「ははっ!この盾でふせい……ぐっはっ!」
コルグの言葉に最前列にいた男が盾を地面に突き刺すように構えたがエドワードが左拳でその盾を殴りつけると打ち込まれたニードルで盾が粉砕されそのままの勢いで男は胸に一撃を食らい意識を失った。
「なっ!拳だとっ!?」
「驚いている場合じゃぁないと思うよ?」
「おのれ!ぐふっ!!」
「なっ!」
「よそ見している暇もありませんよ?」
「!?ぎゃぁぁぁ!!」
吹き飛び倒れた仲間を見て動揺し動きを止めた相手をハンスが盾でなぐりつけ、もう一人をスタークが新たに手を加え先端が三又に分かれたしなる剣で顔を思いっきり殴りつけた。
「貴様ら!」
「コルグ様はやらせ…なっ!?うわぁっ!」
「あ、その糸は今回は刃がついていませんが下手に動くと鎧ごと体がバラバラになる可能性もありますのでお気を付けください」
「ひぃ!?」
コルグを守ろうとした相手の周りを俺はくるくると高速で周り、短剣の柄の先からでている魔銀で編み込んだワイヤーを巻き付け最後に短剣を地面に突き刺しピンと張った。
「役立たずどもが!」
「さて…コルグどうするか?」
「くっ!」
「大人しく降参したほうがいいんじゃないのかい?」
「ぐぬぬぬっ…愚弄しおって…!」
「愚弄もなにも愚行を行ったのはあなたですよ」
「なにおぉ!!貴様らなど私一人で十分だ!」
ハンスとスタークの煽りにのりコルグが剣を抜いた。
「死ねぇ!…なっ!?」
「コルグ様、その剣には刃がついております反則です」
コルグが剣を振り上げた瞬間、エドワードが剣の峰でコルグの剣を粉砕した。
「仕方ありませんね!重そうな鎧を少し軽くして動きやすくして差し上げますよ」
「なっ!…よ…鎧が…」
スタークがめんどくさそうに数回剣を振るうと剣はコルグの鎧のつなぎ目を破壊し自慢の鎧は甲冑と盾だけになった。
「クソが!当初の予定通りイーサンがあのアンジェリーナを人質に取ってきていれば!それを逃げだしおって!!」
「「 あ゛? 」」
苦々しく言ったコルグの言葉に俺とハンスの怒りの声がハモった。
「あちゃ~…それを今の状況で言っちゃいますか…」
「…愚行中の愚行…最悪手です」
「はぁ~…もういい…まだ聞きたいことがあるのだ…くれぐれもそこだけは頼む」
スタークが額に手をやり天を仰ぎ、さすがのエドワードも顔をひきつらせチラチラと俺とハンスを見、リカルドはなにかをあきらめたように祈った。
「セイ…リカルド第一王子様からお許しがいただけたようだ…」
「そのようですね…」
「そして私、ハンス=ホルマトロがホルマトロ公爵家次期当主として抑えをといて全力をだすことをゆるすよ」
「ありがたき幸せ…では!」
怒りに任せて俺は日ごろ抑え込んでいたすべての力を開放した。
「くっ!!」
「近くだとこんなに!」
「スターク!リカルド!距離をとれ!!まきこまれる!!」
スタークとリカルドは焦ったエドワードにつかまれ大きく俺たちから距離をとった。
「なぜ貴様ごとき平民のゴミがこのような力をもっている!」
「あ~お言葉ですが彼はマリアンヌ教会が認めてくださった賢人で王国錬金術師ですが?」
「そんなもの金を積めばいくらでも手に入る称号ではないかっ!」
「はぁ~…コルグここにどれほどの教会関係者がきているとおもっているんだい?君たった今、教会と国王様を愚弄してしまったんだよ?その辺りかいしているかい?」
「うるさい!私が次の王になればよいだけの話ではないか!」
「それは無理だね…」
「無理でしょうねぇ…」
「はい、無理だと思います」
「ぐぬぬ…貴様らぁ~…」
ハンス、スターク、エドワードの言葉と態度を見てコルグは顔を真っ赤にし激怒した。
「コルグ…お前はなぜそうなってしまった…周りを見ろ…今この国で力を持つもの皆がお前の敵になってしまった…もう終わりにしよう…」
「くっ!兄上…いやリカルド!貴様がいるから私はこうなったのだ!王族以外などいくらでも変わりはいる!たかだか数軒敵になった程度どうでもいい!」
「どこまでも…いや…もうなにもいうまい…コルグ…貴様はあまりにも自分の大事なものを見失い、そして周りの大事なものを気づつけすぎた…」
「うるさい!この国に必要なのは次期国王の私だ!ほかのものなどどうでもいい!すべては私の道具でいいのだ!」
「コルグ!!」
激高したコルグが両手をあげ魔力をあつめバスケットボールほどの火の玉をつくりあげようとした。
「セイ!」
「はい」
ハンスの言葉に俺は片手を火の玉に向け水の生活魔法を渾身の力で撃ちだした。
「なっ!…」
「馬鹿だね…目の前の魔力の化け物をわすれたのかい?もう君を守るものなどないんだ、あきらめろ」
「うるさい!まだ甲冑も盾だって私には…あ…」
「盾などもうありませんよ…コルグ様」
「貴様…!」
「せめてもの手向けだ…その歪んだ悪しき心をご自慢の鎧ごと女神マリアンヌ様より加護をうけし我が聖なる盾で打ち砕いてやろう!」
魔法をかき消され驚きながらもコルグが構えた盾を俺が吹き飛ばすとハンスは会場じゅうに響き渡る声で少々芝居がかったようにいうと盾でコルグの胸元へ渾身の一撃を撃ちだした。
「がはっ!!」
盾の先端から撃ちだされた極太なニードルが甲冑を貫くとそのままの勢いでコルグを吹き飛ばし地面に倒れ落ちると同時にこなごなに砕け散った。
「審判!」
「は…はっ!?しょ勝負あり!勝者リカルド王子チーム!」
倒れたコルグの呼吸を見て焦ったスタークが審判を呼び我に返った審判は俺たちの勝利をつげた。
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