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69話

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 「ふぉぉっ!?これは!!」

 「あらぁこれは美味しいわぁ~!」

 「おじい様!おばあ様!これはセイ様がおつくりになったのですわ!」

 「ほぉー!!さすがスカラーでありクリエーターじゃな!」

 メリダの祖父の領地の一角、魔の山に住んでいるということとエスメラルダとメリダがそこにソフィアをつれ避難していたことから地下トンネルがつながっているためお礼と婚約の話をするためセイジュ達4人とセルジュが訪れメリダがセイジュの自慢をこれでもかとした結果、料理を作ることになりふるまった結果一口食べた祖父母は驚きながらも満面の笑みをうかべていた。

 「あのサウナや美容品の数々、メリダちゃん凄い素敵な旦那様に嫁いでよかったですわねぇ」

 「はい!毎日すごーーーく!幸せです!!」

 「大事にして頂けてるのねぇよかったわぁ~」

 「はい!」

 「一気に孫娘が3人になったようで嬉しいのぉ、アンジェリーナ様もマーリン様も今後はわし等を祖父母と思い気軽に顔をだしてくだされ」

 「ありがとうございます、大変うれしくおもいます」

 「ありがとうございます。私には身内がおじい様しかおりませんでしたので心から嬉しくおもいます」

 好好爺のように蕩けて笑うメリダの祖父にアンジェリーナとマーリンも優しい笑顔で礼をいった。

 「セイジュ殿もこのような何もない領内だが気に入ってくれると嬉しい」

 「え?まだすべて見て回ったわけではありませんが、すごく魅力的なところだと思っております」

 「ほっほっほ!そういってくれると嬉しいが気を遣わんでもよいぞ?」

 「いえ!本当にございます!例えばあの大きな湖のある村なんて最高です!」

 「ん?あそこは特産品など特にない場所だが……」

 「あそこは豊富な水脈があり、温泉がでます」

 「なに!?まことか!」

 「はい、王都より平坦な道が続いておりますし、整備し温泉地として温泉とサウナを売りにすれば観光地になるのではないですか?」

 「な!?」

 淡々と答えるセイジュが嘘をついているとは思えず祖父は絶句していた。

 「おじい様どうです?私のセイ様はすごいでしょ!」

 「あ、ああ…このダムズ=ダイナンこれほど驚いたことはない」

 「ダムズおじいさま、もし温泉地としてその村をご開拓なさるのであればホルマトロ家お父様にご協力を仰いでみますわ!」

 「私もマリアンヌ教会おじいさまにご相談いたしますわ!」

 「ほっ!?よもやこの年でもうひと踏ん張りできることになりそうだとは!」

 「セイ?お願いできますわよね?」

 「やらせていただけるのであれば頑張ります」

 「セイ様よろしくお願いいたします!明日お母様にご報告いたしますわ!!」

 「あ、それであればご一緒に湖の向こうにある山も開拓させていただけませんか?」

 「それは構わんがあの山になにかがあるのかね?」

 「あそこでほしいものは2つです。1つは粘土ともう1つは石灰岩です」

 「それがとれるのか?必要なのであれば構わんよ」

 「ありがとうございます。明日さっそく目をつけていた温泉の水脈を掘ってみます」

 「なに!?調査済みであったのか」

 「調査というわけではありませんが気になってつい…申し訳ありません」

 「あっはっはっはっは!かまわんよ!」

 豪快に笑ったダムズはこの先、さらに驚きの人生をあゆむことになるとはこの時はわからなかった。

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 「えぇ!温泉地!?」

 「はい!本日セイ様が温泉がでる水脈を掘ってくると朝早くからお出かけになられましたわ!」

 「まぁ!!」

 「アンジェがホルマトロ家に協力をしてくれるようにお願いしてくださるといっておりましたわ!マーリンも教皇様にお願いしていただけるそうですわ!」

 「ホルマトロ家とマリアンヌ教会の協力を取り付けれるなんて成功しかしないわね!」

 「はい!おじいさまも昨日からものすごくお元気になられ色々お仕事をなさるといっておりましたわ!」

 「こうしてはおられません!ハスクの元と教皇様に文をださねばなりませんわ!」

 翌日、学園に向かう前にエスメラルダに昨日の件を伝えるとエスメラルダは嬉しそうにバタバタと忙しそうに動き始めた。

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 「うん、やはり何本か主流となる源泉がありましたね」

 「そ、そうにございますね…」

 「土地の高低差や細かな形状も記載できましたし、これをもとに温泉を村中にいきわたる水路の図面をダムズ様にご相談しながら引いてみましょう!」

 「そ、それがよろしいかと」

 セイジュについていくようにいわれたリコーが長い金属の筒を地面深くにどんどんさしていき温泉がふきでるのを数回みて驚きすぎて困惑しながらなんとか頷いていた。
 
 「あれ?ハスク様!ハンス様にお父さんも!」

 「やぁセイ、随分上機嫌じゃないか温泉がでたようだね」

 「え?もうしってらっしゃったんですか?」

 「くっくっく!朝早くにアンジェが自慢してきたからね。それで?首尾は上々かい?」

 「はい!いくつかの主流となる源泉を掘り当てまして!それで水路を作れれば村中に温泉を牽けるのではないかとダムズ様にご相談に」

 「なんと…もうそのような…」

 「それで土地の形状と高低差を地図に書き込んできたのでそれをうまく使えればと思いまして」

 「くっくっく!さすがだね。その話にホルマトロ家とモンド商会も協力することになってね、とりあえず地図を見せてくれるかい?」

 「え?そうなんですか!ホルマトロ家にお力を貸していただけるなら温泉地以外にもかなりやれることが増えますね!」

 「その辺もおいおいだね、とりあえずみんなに君の意見をきかせてくれるかい?」

 「はい!」

 ハスク、ハンスそしてモンドが力を貸しにきてくれたことを心から嬉しそうにセイジュはますます温泉地に向け加速していった。

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 「この年でここまで心躍ることになるとは思わなんだ!」

 「セイちゃん!さすがだわ!これからもよろしくお願いしますね!」

 「ダイナン領とホルマトロ領に新たな雇用も増え言うことなしですな」

 「ハスク様ご協力感謝する!ホルマトロ家とモンド商会の流通網を使えるのは非常に心強い!」

 「セイ?なにを考えておりますの?」

 「え?あのですね温泉の熱を使い温室を温めれば暖かい地方や他国の植物も育てることが可能ではないかと、珍しい植物がみれる大きな温室は観光の目玉になりそうかなと、それと農家の方々も1年中安定した収穫ができるのではないかと考えておりました」

 「セイちゃん!素敵だわ!!」

 「ええ!お母様!セイ様ぜひお作りください!!私たのしみです!」

 「なんと…もうそのようなことを考えておるとは」

 「はっはっは!昔からこの子はそうなのでございます」

 「我が家がこのように明るくにぎやかになって私もうれしいわぁ、メリダちゃんいい旦那様ね」

 「はい!おばあ様!セイ様は最高の旦那様です!!」

 セイジュの地図をもとに図面を引き水路や温泉の場所などの案がまとまり着工が開始された日、ダムズの邸宅で関係者を集め豪華な食事会が開かれセイジュの更なるアイディアをきいたり交流を深めることで全員が幸せそうな顔をしていた。

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 「え?セ、セイジュ様ほんとうによろしいのですか!?」

 「はい、もちろんです」

 「さっそくおじいさまに文をかきますわ!」

 「あ、お願いします」

 「はい!!」

 孤児たちや貧しい人達にも温泉を使ってほしいと考えたセイジュは色々しらべ数ある宗教や国などで孤児院を運営したり、貧しい人々の支援をしているのがマリアンヌ教会しかないとわかり、ダムズから好きな一画をもらえることになったため村はずれにマリアンヌ教会の巡礼者が無料で休め温泉に入れる休憩場所を立てることにしマーリンは嬉しそうに教皇にそのことを伝える文を書いた。なお建設費や維持に必要な経費をホルマトロ家とモンド商会がもつという話になったが話を聞いたグラドス家も賛同し参加することになった。

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 「あの、皆さん」

 「はい?」

 「セイどうしましたの?」

 夕食前にセイが全員によびかけそれぞれに小さな箱を1つずつ差し出した。

 「セイジュ様こちらは?」

 「あけてみてください」

 マーリンの問いかけにセイジュが答えると3人は箱をあけた。

 「まぁ!」

 「綺麗ですわ」

 「素敵です!!」

 「遅くなりましたが婚約の指輪がやっと完成しましたのでお受け取りください。あ、右手薬指にお付けください」

 「うわぁ!」

 「ふふふふ!」

 「綺麗ですわぁ、ありがとうございますセイ」

 メリダにはピンクサファイア、マーリンはトルマリン、アンジェリーナにはルビーがあしらわれた指輪をそれぞれが嬉しそうに指につけ眺めていた。

 「あら?セイ様はお付けにならないのですか?」

 「作成するさい傷をつけてしまったりすると困るので僕はこれです」

 セイジュは3人に送った宝石があしらわれたペンダントトップをみせると3人は嬉しそうに笑顔を浮かべ4人で楽しく夕食を食べた。
 

 
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