純情天邪鬼と、恋

花町 シュガー

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高校生編

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「はぁ…っ、はぁ……!」

ゲームラストの当日。
なんと盛大に寝坊をかまし、全力疾走から幕が開けた。

(なにしてんの僕!? 馬鹿かよっ!)

昨日全然眠れなくてこうなったとか小学生?
いや今時の小学生でも絶対しないって!

約束時間を大幅に遅刻し、既に昼。
もしかしたら、もう一ノ瀬は集合場所にいないかもしれない。
どうしよう、呆れて帰ってたら。
もしくは他の知らない誰かと、先にテーマパーク内に入ってたりしたら……

(嫌だっ)


僕には今日しかないのに。


そんなのは、絶対ーー



「杠葉!」



「っ、いちの……せ?」


ハッと視線を上げた先。
笑いながら両手を振ってるいつもの顔があった。

「あぁ良かったー来ないかと思った、安心した…」

「なん、で……」

「ん? 誘ったの俺だし待ってて当然だろ。
ってか走って来たのか? なんか飲み物買う?」

「い、いやいいっ」

え、ちょっと今何時か知ってる?
普通怒られる場面なんだけど、なんで逆に心配されてんの?
なにこれ??

「じゃぁさ杠葉……杠葉ー? やっぱ今日どっか悪い?」

「ぁ、平気! 平気だから」

「そう? ならいいけど。なんかあったら早めに言えよ」

「ぅ、ん」

「よしっ。んじゃ取り敢えず時間的に昼飯食ってからアトラクションかなって思うけど、何か先乗っときたいやつある?」

「……特に」

「おっけ。じゃあ行くか」

(はぁぁ……くっそ)

僕女でもないし、そもそもただのゲームなんだからそんな気遣わなくてもいいのに。
謝る隙も与えないとか完璧かよ。

その優しさは痛いんだよ、本当に。

「ーーっ」

ギュッと唇を噛み締めて、先に歩き出した背中を追いかけるよう前を向いた。



***



「杠葉見える?」

「見えるってば。大丈夫だから押さないで」

「悪りぃ悪りぃ」

軽食をとって、アトラクション乗ったりショップ行ったりとテーマパーク内を周って。
適当に歩いてたら、あっという間に時間が過ぎていて。

気づけばもう夕方のショーが始まる直前。
猛ダッシュで人だかりを駆け抜け見える位置までやって来た。

「これ見んの久しぶりかも。杠葉は?」

「…見たこと、ない」

「まじ!? もっと前行く?」

「い、いい!ここで十分だから」

「そう?」

なんなの本当その行動力は!?
周りにも見たい人いっぱいいるんだし、遠くからでも全然平気だし。

(というか、一ノ瀬は楽しめた…かな……)

僕が遅刻してしまってからのスタートなのもあったけど、正直いつ告白が来るか分からず緊張しっぱなしで気づけばこんな時間だった。
僕が変なのが伝わったのかいつも以上に話を振ってくれてたのに、上の空でなにも覚えてなくて。
絶対絶対、面白くなかったはずだ。

せっかく…今日で最後なのに……

多分、これを見たら終わってしまう。
告白はこの後か、帰り道か。

(あと、少し)

もう少ししたらーー


「お、始まるぞ!」


「っ、」


見上げた先、大きな花火が綺麗に打ち上がった。








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