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【6】
【後】すべてが終わったら
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三十分としない間に、テーブルの上には急遽集められたとは思えないほどのお菓子が並べられた。金装飾を施された皿に飾られている様は食べ物という概念すら飛び越えてしまいそうだ。
年頃の女子ならガン見必須の光景なのだろうが、『年頃の女子』というには少し中身が(も)追いついていないポルトは、カロンの首を抱きしめながら部屋の隅で拗ねている。
「ポチ!ほら!良いものあるからこっちこいよ!」
何度呼んでも顔すら向けない。仕方なく後ろから少女を抱え、ずるずると引きずるようにテーブルの側まで運ぶ。そしてテーブルの上にあった焼き菓子をひとつつまむと小さな口元へ持っていった。
「はい、どーぞ」
「……」
そっぽを向いたままのポルト。フォルカーはいつかのように焼き菓子に軽いキスをすると「こっちの方が良かった?」などと阿呆な質問をしてきたが、勿論ポルトは見向きもしない。
「そうだ!お前リボン好きだろ?リボン!狼に結んだり、俺のチェーンメイルに結んだりしてるじゃんか。お前にもやってやるから!なっ?」
隣の部屋にある衣装から拝借してきたリボンを結んでみる。しかし短い毛がピンピンと跳ね、見るからに馬鹿っぽい感じに仕上がり思わず吹き出した。ポルトの機嫌は更にだだ下がる。
「ポチごめんって。もう言わないから」
彼女が動かないので仕方なく長椅子の方を動かす。その身体を足で挟むように後ろに座った。
「っつーかよ?お前が聞かれたことにちゃんと答えないせいだろ?いつものことじゃん」
片腕で身体を強く引き寄せ、目的を果たしたもう片方で丸い頭を抱え込む。そして細く柔らかい金色の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「ほら、おかえりーポチ。おかえりだぞー?おかえりーおかえりー」
「………」
「意固地……っ」
ただこうしてわかりやすく拗ねるのも珍しいことだとわかっているので、フォルカーはポルトが落ち着くのを大人しく待った。
「――殿下は……」
「お?」
「殿下はカールトン様がお嫌いなのですか?だからあんなに怒るんですか?」
「べ・別に怒ってねーし。侍女ならまだしも余所の従者なんて興味もねぇよ。ただ他人のものにちょっかい出してくるのは頂けねぇな」
「……ちょっかい出してるのは私の方かもしれませんけれど」
「どっちも一緒!」
「一緒じゃないし……」
ポルトは少し黙って何かを考えている。そして何かを切っ掛けに「はっ」と顔を見た。
「もしかして…妬いてる…?」
「は・はぁ…っ?お前、何自意識過剰な……」
「誰も言わないから黙ってましたけど…殿下って友達いないじゃないですか」
「あん?」
「私の他に一緒に飲み屋に行けるような特定の方っています?内緒話できるような方とかお昼寝の場所を知ってる方は?」
「………」
「いないでしょ?」
「ク…クラ……」
「親戚はノーカン!」
「なんでだよ!」
「だいたい、酒場に行けば誰かしら騒げる相手は見つかるもんだし、他に男がいたらナンパの邪魔だろ!」
「この前風邪で寝込んだ時だって、陛下以外にお見舞い来なかったですよね?クラウス様もお仕事でお祈りしに来たんだし…。私が寝込んだ時は隊長が来てくれましたけど?」
「!?」
「それってつまりそういうことですよね?」
「バ…馬鹿かお前!俺は王子だぞ!?お前等みたいにお気楽な身分じゃないの!」
「ぼっち」
「ぼっち違ぇーし!」
ポルトは神妙な面持ちでふむふむと頷く。
「なるほど…。最近やけにつっかかってくるからなんだろうと思ってたんですけど…。唯一友達のポジションにいそうなのが私だから、他の人と仲良くすると怒るんですね。納得しました」
そのどこか得意げな表情に、一発デコピンを喰らわせたくなる衝動をフォルカーはぐぐぐと抑えた。
「相変わらず馬鹿なことばっかり考えるんだから。殿下って実は寂しがり屋さんなんですね」
「何言ってんの?馬鹿なの?アホなの?お前ひとりいなくなった所で―――……」
勢いに乗ったままのフォルカーが大口を開ける。しかし、『またこのパターンか』とでも思ったのか深い深いため息をついた。五歳くらい老けた気分だ。
「――…って言いてぇ所だけど……。はぁ………。こればっかりは替えがきかねぇからな……」
「……私がいなくなったら…寂しい?」
「……!」
言葉の続きを待つ瞳がじっと見つめている。 悔しくも照れくさそうに口元を歪ませるフォルカー。
「……ああ。寂しいし、不便だ」
「ふべ……」
「お前は俺様用によくしつけてあるからなっ」
今度はフォルカーがぷいっと横を向く。
「………」
「……」
横目でポルトを見るとかなり不服そうな顔をしていた。
女にこの手の質問をされたことは何度だってある。その都度瞳を見つめ、髪をなでながら「当然だ」、「答えるまでもない」と言っていた。呼吸するよりも簡単なことだったのに、何故かこの少女の前では素直に言葉が出てこない。
(『寂しい』、か……)
最初の頃を思えば、彼女がこんな質問をするようになるなんて随分と丸くなったものだ。
今なら…花びらを緩める蕾につられるのも悪くないかもしれない。
「じゃあ…こうしようぜ?お前の父親役も母親役も、兄妹役も友達も…恋人役も、諸々全部俺がする。だから、しばらく婚活とかそういう類のものは全部止めなさい。よくわからん人間にホイホイついていきそうで落ち着いていらんねぇよ」
「――――……」
「……な・なんだよ。嫌なのかよ」
ポルトは違和感を感じたのか少し首をひねり床石を見つめる。
しばらく考えて…コクンと首を振った。縦に。
「くそ…」
予想していた結果と違う。
「だって今婚活してないし……」
「え?じゃ、なんであいつに蜂蜜ミルク……」
「身近であんな事件が起きているのに、そんな気分になんてなれませんよ。友達はともかく、今は特に家族役も恋人役も必要ないというか……」
ポルトからしてみれば、翌日にはどうなっているかわからない身の上。ここで誰かと一緒になったとしても不幸な未来しか想像出来ない。
「ゆくゆく必要になるかもしれねーから!そこはアレだ、もしもの時の備えってやつ!予行練習!可能性の伸びしろ!」
「伸びしろ?」
「そう!伸びしろ!」
「確かに後々のことを考えたら必要になるかもしれない伸びしろです。手練れの殿下が練習台になってくれるなら、「いざ本番!」と言う時に的のど真ん中射抜けそうですし」
「………!」
フォルカーの口が何か言いたげに(でも言いたくなさそうに)ごにゃごにゃ動く。
「ただ…今やることじゃないような……」
「今!今から!」
「今?」
「今ッ!!」
「今……」
歯切れの悪いポルトに苛ついたフォルカーが立ち上がる。そして書簡が積んである机に向かうと何かをゴソゴソあさって帰ってきた。
不思議そうな顔で見上げているポルト、その白い頬に何かをポンと押しつける。
「もう印章押したから。決定事項だから」
そう言って見せたのは書簡にも使うファールン国の印章。王太子の印だ。黒いインクでイタズラのようにつけられていた。
「あーーーーーッッ!!こんな大事なもので遊んじゃ駄目でしょーーー!!!」
「残念でしたー遊びじゃありませーん。今日からお前のプライベートにもめちゃくちゃ口出してやるからな。姑のようにねちっこく粘着してやるからな!覚悟しとけよ、あぁん?」
「っ!?」
「じゃ・じゃあ、私だって…今まで以上にめちゃくちゃ口出ししてやりますからね…っ!殿下だって嫁の実家に来た時みたいに堅っ苦しくしてやるんだからっ」
「そりゃー楽しみだ。最近の俺は真面目に仕事してるし?女遊びもしてねーし?何処かツッコミ所ありますかね?それとも恋人みたいに何かおねだりしたいの?いいぜ?食い物か?ドレスか靴か宝石か?お前らから徴収した税金で贅沢させてやるぜ?」
「頼み辛…っ!」
「こっちの方ならいつでもどうぞ?」
わざとシャツのボタンを多めに外し誘うような視線を向けたが、ポルトに「いりませんっ」と眉間にシワを作られる。
ポルトは袖口でインクを拭き、黒くなった布地をじっとみつめた。
「――――……。殿下…、さっき仰ってたこと…その…上手く説明出来なかったこと……」
「……!お・おう、聞くぞ。なんだ?」
「言えない」
「言えねーのかよ。くそ、なんか微妙に期待しちまったじゃねーかっ。つか、お前、変なことしてんじゃねーだろうな?」
「変なこと……ではないと思うのですが……」
カールトンへの執拗な接触に酒場の徘徊。彼から見たら『変なこと』しかしていない。欠片ほど反論も無理だ。
「――――……。全てが良くなるように…頑張ってる途中です。信じて貰えるかどうかはわからないけど……。みんなが幸せになれるように頑張ってる。でもまだ言えない。全部終わったらちゃんと言うから……」
顔を上げて彼の瞳をしっかりと見つめた。この気持ちが真っ直ぐ伝わるように。
「全部…話すから……。待っててくれますか?」
「……本当だな?」
深く頷く。
フォルカーは何も言わないまま、しばらく黙って何か思案している。そのうちポルトの様子を見ながら数度軽く頷いた。
「……わかった」
「!」
「終わったらちゃんと言えよ?約束だからな」
「はい…!必ず…っ」
フォルカーはテーブルの上で飾られているだけだった焼き菓子のひとつを手に取り、ポルトの口元へと持っていく。
「喰うだろ?」、そう目で促すと、ポルトは素直に頬張った。
年頃の女子ならガン見必須の光景なのだろうが、『年頃の女子』というには少し中身が(も)追いついていないポルトは、カロンの首を抱きしめながら部屋の隅で拗ねている。
「ポチ!ほら!良いものあるからこっちこいよ!」
何度呼んでも顔すら向けない。仕方なく後ろから少女を抱え、ずるずると引きずるようにテーブルの側まで運ぶ。そしてテーブルの上にあった焼き菓子をひとつつまむと小さな口元へ持っていった。
「はい、どーぞ」
「……」
そっぽを向いたままのポルト。フォルカーはいつかのように焼き菓子に軽いキスをすると「こっちの方が良かった?」などと阿呆な質問をしてきたが、勿論ポルトは見向きもしない。
「そうだ!お前リボン好きだろ?リボン!狼に結んだり、俺のチェーンメイルに結んだりしてるじゃんか。お前にもやってやるから!なっ?」
隣の部屋にある衣装から拝借してきたリボンを結んでみる。しかし短い毛がピンピンと跳ね、見るからに馬鹿っぽい感じに仕上がり思わず吹き出した。ポルトの機嫌は更にだだ下がる。
「ポチごめんって。もう言わないから」
彼女が動かないので仕方なく長椅子の方を動かす。その身体を足で挟むように後ろに座った。
「っつーかよ?お前が聞かれたことにちゃんと答えないせいだろ?いつものことじゃん」
片腕で身体を強く引き寄せ、目的を果たしたもう片方で丸い頭を抱え込む。そして細く柔らかい金色の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「ほら、おかえりーポチ。おかえりだぞー?おかえりーおかえりー」
「………」
「意固地……っ」
ただこうしてわかりやすく拗ねるのも珍しいことだとわかっているので、フォルカーはポルトが落ち着くのを大人しく待った。
「――殿下は……」
「お?」
「殿下はカールトン様がお嫌いなのですか?だからあんなに怒るんですか?」
「べ・別に怒ってねーし。侍女ならまだしも余所の従者なんて興味もねぇよ。ただ他人のものにちょっかい出してくるのは頂けねぇな」
「……ちょっかい出してるのは私の方かもしれませんけれど」
「どっちも一緒!」
「一緒じゃないし……」
ポルトは少し黙って何かを考えている。そして何かを切っ掛けに「はっ」と顔を見た。
「もしかして…妬いてる…?」
「は・はぁ…っ?お前、何自意識過剰な……」
「誰も言わないから黙ってましたけど…殿下って友達いないじゃないですか」
「あん?」
「私の他に一緒に飲み屋に行けるような特定の方っています?内緒話できるような方とかお昼寝の場所を知ってる方は?」
「………」
「いないでしょ?」
「ク…クラ……」
「親戚はノーカン!」
「なんでだよ!」
「だいたい、酒場に行けば誰かしら騒げる相手は見つかるもんだし、他に男がいたらナンパの邪魔だろ!」
「この前風邪で寝込んだ時だって、陛下以外にお見舞い来なかったですよね?クラウス様もお仕事でお祈りしに来たんだし…。私が寝込んだ時は隊長が来てくれましたけど?」
「!?」
「それってつまりそういうことですよね?」
「バ…馬鹿かお前!俺は王子だぞ!?お前等みたいにお気楽な身分じゃないの!」
「ぼっち」
「ぼっち違ぇーし!」
ポルトは神妙な面持ちでふむふむと頷く。
「なるほど…。最近やけにつっかかってくるからなんだろうと思ってたんですけど…。唯一友達のポジションにいそうなのが私だから、他の人と仲良くすると怒るんですね。納得しました」
そのどこか得意げな表情に、一発デコピンを喰らわせたくなる衝動をフォルカーはぐぐぐと抑えた。
「相変わらず馬鹿なことばっかり考えるんだから。殿下って実は寂しがり屋さんなんですね」
「何言ってんの?馬鹿なの?アホなの?お前ひとりいなくなった所で―――……」
勢いに乗ったままのフォルカーが大口を開ける。しかし、『またこのパターンか』とでも思ったのか深い深いため息をついた。五歳くらい老けた気分だ。
「――…って言いてぇ所だけど……。はぁ………。こればっかりは替えがきかねぇからな……」
「……私がいなくなったら…寂しい?」
「……!」
言葉の続きを待つ瞳がじっと見つめている。 悔しくも照れくさそうに口元を歪ませるフォルカー。
「……ああ。寂しいし、不便だ」
「ふべ……」
「お前は俺様用によくしつけてあるからなっ」
今度はフォルカーがぷいっと横を向く。
「………」
「……」
横目でポルトを見るとかなり不服そうな顔をしていた。
女にこの手の質問をされたことは何度だってある。その都度瞳を見つめ、髪をなでながら「当然だ」、「答えるまでもない」と言っていた。呼吸するよりも簡単なことだったのに、何故かこの少女の前では素直に言葉が出てこない。
(『寂しい』、か……)
最初の頃を思えば、彼女がこんな質問をするようになるなんて随分と丸くなったものだ。
今なら…花びらを緩める蕾につられるのも悪くないかもしれない。
「じゃあ…こうしようぜ?お前の父親役も母親役も、兄妹役も友達も…恋人役も、諸々全部俺がする。だから、しばらく婚活とかそういう類のものは全部止めなさい。よくわからん人間にホイホイついていきそうで落ち着いていらんねぇよ」
「――――……」
「……な・なんだよ。嫌なのかよ」
ポルトは違和感を感じたのか少し首をひねり床石を見つめる。
しばらく考えて…コクンと首を振った。縦に。
「くそ…」
予想していた結果と違う。
「だって今婚活してないし……」
「え?じゃ、なんであいつに蜂蜜ミルク……」
「身近であんな事件が起きているのに、そんな気分になんてなれませんよ。友達はともかく、今は特に家族役も恋人役も必要ないというか……」
ポルトからしてみれば、翌日にはどうなっているかわからない身の上。ここで誰かと一緒になったとしても不幸な未来しか想像出来ない。
「ゆくゆく必要になるかもしれねーから!そこはアレだ、もしもの時の備えってやつ!予行練習!可能性の伸びしろ!」
「伸びしろ?」
「そう!伸びしろ!」
「確かに後々のことを考えたら必要になるかもしれない伸びしろです。手練れの殿下が練習台になってくれるなら、「いざ本番!」と言う時に的のど真ん中射抜けそうですし」
「………!」
フォルカーの口が何か言いたげに(でも言いたくなさそうに)ごにゃごにゃ動く。
「ただ…今やることじゃないような……」
「今!今から!」
「今?」
「今ッ!!」
「今……」
歯切れの悪いポルトに苛ついたフォルカーが立ち上がる。そして書簡が積んである机に向かうと何かをゴソゴソあさって帰ってきた。
不思議そうな顔で見上げているポルト、その白い頬に何かをポンと押しつける。
「もう印章押したから。決定事項だから」
そう言って見せたのは書簡にも使うファールン国の印章。王太子の印だ。黒いインクでイタズラのようにつけられていた。
「あーーーーーッッ!!こんな大事なもので遊んじゃ駄目でしょーーー!!!」
「残念でしたー遊びじゃありませーん。今日からお前のプライベートにもめちゃくちゃ口出してやるからな。姑のようにねちっこく粘着してやるからな!覚悟しとけよ、あぁん?」
「っ!?」
「じゃ・じゃあ、私だって…今まで以上にめちゃくちゃ口出ししてやりますからね…っ!殿下だって嫁の実家に来た時みたいに堅っ苦しくしてやるんだからっ」
「そりゃー楽しみだ。最近の俺は真面目に仕事してるし?女遊びもしてねーし?何処かツッコミ所ありますかね?それとも恋人みたいに何かおねだりしたいの?いいぜ?食い物か?ドレスか靴か宝石か?お前らから徴収した税金で贅沢させてやるぜ?」
「頼み辛…っ!」
「こっちの方ならいつでもどうぞ?」
わざとシャツのボタンを多めに外し誘うような視線を向けたが、ポルトに「いりませんっ」と眉間にシワを作られる。
ポルトは袖口でインクを拭き、黒くなった布地をじっとみつめた。
「――――……。殿下…、さっき仰ってたこと…その…上手く説明出来なかったこと……」
「……!お・おう、聞くぞ。なんだ?」
「言えない」
「言えねーのかよ。くそ、なんか微妙に期待しちまったじゃねーかっ。つか、お前、変なことしてんじゃねーだろうな?」
「変なこと……ではないと思うのですが……」
カールトンへの執拗な接触に酒場の徘徊。彼から見たら『変なこと』しかしていない。欠片ほど反論も無理だ。
「――――……。全てが良くなるように…頑張ってる途中です。信じて貰えるかどうかはわからないけど……。みんなが幸せになれるように頑張ってる。でもまだ言えない。全部終わったらちゃんと言うから……」
顔を上げて彼の瞳をしっかりと見つめた。この気持ちが真っ直ぐ伝わるように。
「全部…話すから……。待っててくれますか?」
「……本当だな?」
深く頷く。
フォルカーは何も言わないまま、しばらく黙って何か思案している。そのうちポルトの様子を見ながら数度軽く頷いた。
「……わかった」
「!」
「終わったらちゃんと言えよ?約束だからな」
「はい…!必ず…っ」
フォルカーはテーブルの上で飾られているだけだった焼き菓子のひとつを手に取り、ポルトの口元へと持っていく。
「喰うだろ?」、そう目で促すと、ポルトは素直に頬張った。
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