宇宙(そら)きゃんっ! 私、ぼっち女子高生だったんだけど、転校先で惑星降下アウトドア始めたら、女の子にモテモテになりました!

MITT

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第七話「お買い物行くのですよ?」③

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「せやなぁ……この道めっちゃ狭いもんな……。おっちゃん達、ごめんなぁ!」

「ああ、こっちこそ脅かしちまって、悪かったよ……けど、立ち止まって地図なんか広げて……道でも迷ったのか?」

「実はそうなんや……おっちゃん、この住所の店ってしらんか? ここら来るの初めてなんで、道に迷ってしもうてたんや」

 言いながら、携帯端末の地図をおじさん達に見せるアヤメ先輩。
 おじさん達も、端末を覗き込んで、どれどれとか言って、道案内でもしてくれそうな雰囲気だった。
 
 意外と親切な人達なのです! 怖そうな見た目の割にいい人!
 
 ……そんな人達に、危うく偏見で武力行使とかするところだったのです……大いに反省。

「なぁ、ここってランドウォーカーじゃねぇか」

「そうだねぇ……この住所だと、この広場に当たると思うし、そう言う事なら間違いない。なんなら、道案内でもしようか?」

「おっちゃん達、知っとんのか? なら、頼んでもええかな? ここらナビゲーションシステムも当てにならんでなぁ」

「ここらは、管理区域外だからなぁ……。でも、ここって、クオンに降下するような奴ら向けの店なんだが……最近は女子高校生も地上降下なんてするようになったのか?」

 ……まさかの同好の士?
 密かに流行ってるって聞いてたけど、本当っぽいのです。

「わたくし達は、部活で……なんですの。おじ様達も……地上降下されてる方なので?」

「まぁな……政府は推奨しないとか言ってるけど。やっぱ、あのどこまでも高い空……果てしない地平線。地上ってのは、最高だからなぁ……俺達、週末になると揃って降下して、キャンプってのが定番なんだ」

「そうだよねぇ……。けど、僕らとしては君達みたいな若い子達がクオンの地上世界に興味持ってくれてるなんて、それだけで嬉しいよ。こんなコロニーの調整管理された環境なんて、本来不自然なんだからね。まだまだ入植は先の話だけど、この環境に甘えてたら、いざその日が来た時に困る……僕は若い子こそ、地上世界の体験をすべきだと思うよ」

「だが、クオンの地上世界はまだまだ厳しい環境だからな……どうだ? もう降りてみたのか?」

 言いながら、おじさん達が歩き始めるので、ユリ達も付いていくのです。
 ごちゃごちゃややこしい作りの旧区画でも、道案内があるなら、とってもお気楽なのです。

「一応あたしらも、実際に一回降下しとってな。色々大変やったんや……そこのユリちゃんがおらんかったら、あたしらも苦労してたと思うわ」

「そうなんですわ。事前に色々調べたりとかはしてたけど、もう想定外だらけで結局一時間程度で引き上げましたの。次はもっとちゃんと準備の上で、予定もちゃんと立てていかないと……なのですわ」

「せやなー。ユリちゃん色々頼もしいけど、後輩におんぶに抱っこなんて先輩としての立場がないからなぁ」

「……なるほど。そっちの白いワンピースの子は、地上生活の経験者か……と言うか、外国人? なんだか、凄く変わった髪色してるし……銀髪なんてここらじゃ見ないもんな」

「……な、なのです。ユリ……エスクロンからの留学生なのですよ……」

「エスクロン? あの巨大海洋惑星……星間企業エスクロン社国の?」

「なのですよー。エスクロン、海底温泉一度はおいで、ヨサコイヨサコイ、ホトホト屋に決定! のCMで有名……なのです」

 海の底から、海上を見上げる海底温泉ってのが密かな名物。
 観光客にも大人気なのです! 
 もっとも、わざわざ潜水フェリーなんてを使わないと行けないので、地元民と言えども気楽には行けないのです……。

「あたしもそれ知ってるわ。あれって、エスクロンの観光CMだったんやね……」

「確かの海の底でお風呂入るみたいな温泉付きのホテルなんですよね……。素敵ですよね……けど、あれって海の中からも丸見えなんですのよね? の、覗かれたりとかしないのですか?」

「……陸から離れた水深50mの海中ホテルなのですよ。潜水艦でも使わないと、覗きなんて無理なのですよ……。そんな根性ある覗きさんとか、ある意味尊敬に値すると思うのです」

 でも、実際にあったって話なのだから、男の人の欲望ってのは良く解らないのです。
 
 軍事教練なんか参加すると、時間も場所も限られてるから、男女一緒にシャワーとかなったりするし……。
 そこまでしてお風呂覗きとか……理解に苦しむ話なのです。
 
 ユ、ユリは男の子の裸とかガン見したりはしなかったのです!
 他の子はキャーキャー言って逆にのぞき見とかやってて、男の子のほうが涙目になってたりしてたんだけど……。
 
 逆セクハラとか駄目なのですよ……。
 
「……なんだか、外国の話聞くと色々面白いね……言葉も普通に通じてるみたいだし、僕らも偏見持ってちゃダメだね」

 太っちょメガネさんが相槌を打つ。
 
 そう言えば、こんな年上の男の人と、自然にお話出来てるのです。
 ユリ一人だったら、こんな風に打ち解けたりとか出来なかったと思うのです……先輩達はさすがなのですよ。
 
 ……やがて、ちょっと開けた広場みたいな場所にでると道にはみ出さんばかりのがらくた市……みたいなのが目に入ってくる。
 
 看板も出てて「Land Walker」って手書きの英語で書かれた木の板が無造作に置かれている。
 
「ここなのですか?」

「そうそう、チョット待ってね! 女の子のお客さんって珍しいけど、ここの店長も女の子だから、紹介してあげるよ」

 二人組が店の奥に入っていくと、ショートカットの女の子を連れてくる。
 ショートパンツにエプロン姿、男の子みたいなカッコだけど、なんとなく見覚えある。
 
「いらっしゃいませーっ! って、誰かと思ったら、エリー達じゃない。何、道に迷ってたんだって?」

「ハセガワ先輩、お久しぶりっす!」

「先輩、お久しぶりですわ。と言うか、ナビゲーションシステムの圏外とか先に言っといてくださいよ。旧区画とかそもそも地図がいい加減ですし……ここなんて、思いっきり無人の廃墟ってなってますよ」

 あ、解ったのです! 活動記録に映ってた人!
 
 エトランゼに整備記録を残してくれてたOBのハセガワさんだ。
 この人、こんな商売やってたのですか……まだハタチくらいだと思うのに、凄いのです。

「あはは……ホントだ。でも、おかげで家賃も安いし、ガサ入れも滅多にないから、こう言う商売やるには、むしろいいとこよ。まぁ、厳密にはお爺ちゃんの店で、私は学生バイトなんだけどね……」

「……こんな怪しげなところだなんて、聞いてないで……。ユリちゃんとかめっちゃ警戒して、索敵ドローンとかまで飛ばしてたし……なんや、スラム街ってこんな感じらしいやん」

「そうねぇ……。確かに外国の地上世界では、こんな旧区画とかって、貧困層やならず者のたまり場になるって話だもんね。まぁ、実際うちのお客もそこの二人みたいにガラ悪いのばっか」

「ぼ、僕は紳士のつもりなんだけどなぁ。あ、自己紹介がまだだったね。僕はダン・イノウエ。こっちのシャクレがシュワルスキー・コバタ」

「誰がシャクレだ……。シュ、シュワとでも呼んでくれ!」

 シュワさんが、照れくさそうに手を差し出してくれるので、思わず握手。
 
 おっきい手なのです!
 そう言えば、ユリも名乗ってなかったのです。
 
「クスノキ・ユリコ……なのです」

「なるほど、だからユリちゃんなのか……。こうしてみるとその銀髪綺麗だな……ところどころ、赤い髪が混ざってるけど、それがいい! さ、触ったりするのはさすがに駄目だよなぁ」

「シュワッ! 何抜け駆けしてんだよ、お嬢さん……奇遇ですね。僕も日本系で祖父はエスクロン人なんですよ。まぁ、行ったことはないんで、祖父からのまた聞きばかりなんですけどね!」

 シュワさんを押しのけて、今度はダンさんがユリの手を両手でしっかり握ってくれる。
 
 一日に、二人も男の人に手を握られるなんて……ユリの人生でも記録更新なのですよ!
 
「なんや、おっちゃん達……うちらじゃなくて、ユリちゃんばっか行って、あたしらはどうでもいいんか? あたしはアヤメ、こっちのちっこいのはエリーや! 皆、サクラダ高校の現役女子高生なんやで!」

「ああ、なるほど……ハセガワ店長の後輩って事か。いやぁ、僕らも外国人と触れ合う機会って滅多にないからさ。ついテンション上がっちゃった! ゴメンゴメン、確かに君らも可愛いよね! あ、いかがわしい意味じゃなくて、純粋に女の子としてって意味だよ」

「そ、そうだ! 俺達はそこら辺のナンパ野郎とちがって、女の子と仲良くなりたいとか、身体目当てとかそんな事考えてないぞ! 純粋に困ってる子達に親切心で声をかけただけだからな!」

「うん、実際助かったで! おっちゃん達ありがとなー」

 けど、アヤメさんの一言で、二人共露骨にしょげ返る。 
 あれー? なんかダメージ受けてるのですよ……?
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