国一番の美女を決めるミスコン(語弊)にエントリーしたら優勝しそうな件…………本当は男だし、なんなら皇帝の実弟なんだが、どうしよう?

黒木  鳴

文字の大きさ
6 / 16
その後

やり過ぎには要注意 3

しおりを挟む


現在、何故か出場者ほぼ総出で陵王へと優勝の座を明け渡そうとしているが……。

なお、妃嬪ひひんの位は四夫人、九嬪、二十七世婦……と多数に渡るが、空白も多い。
皇帝である黒曜があまり後宮を拡大したくない方針だからだ。

なにせ後宮はお金もかかるし、管理も大変。

なんなら黒曜的には妻は一人で充分。

だがしかし、政治的なあれこれや諸々あってそういうわけにもいかないという現実もある。
そんなこんなで重役なんかに押し付けられた妃嬪ひひんたちが彼女たちだ。

因みに陵王こと蝴蝶の位は充媛。

この三人をはじめ、高位の妃嬪ひひんたちの間では下の立場である。
本来なら「充媛ごときの分際で」と侮られといて可笑しくないのだが……(実際当初は声に出さずともその気配がありありとあった)何を間違ったかいまや「胡蝶お姉さま!」と皇后の座に持ち上げられようとしている始末。

もはや、どうしてこうなった?!状態です。

解せぬ……と心の中で呟きながら、陵王は千姫を覗き込む。

「千姫様?どこかお具合でも?」

いつもなら最年少の立場を利用して「胡蝶お姉さまぁ」と甘えてくる千姫。
あまりにいつもと異なる様子に体調でも悪いのかと心配になった。よく見れば、顔色もあまりよくない。

「い、いえ……大丈夫、です」

ふるふると首を振る姿は、どうみても大丈夫には見えない。

「体調が悪いのでなければ、なにか心配事でも?私でよろしければ話を聞きますよ?」

華奢な肩にそっと手を置き、そっと柔らかな笑みを浮かべれば天女のような微笑みに千姫の瞳がじわりと滲んだ。

「あ……」

千姫の細い指が、縋るように陵王の袖口を掴む。

「……その、……お姉さま、少しだけその、お話を…………」

そうして千姫は窺うように他の妃嬪ひひんたちを上目遣いでさっと見渡し、

「あの……出来れば二人だけで……」

その言葉に、妃嬪ひひんたちの間に静かな緊張が走った。
妃嬪ひひん一同の想いを言葉にするならきっとこうだ。

ああん?テメェ抜け駆けしようってかっ?!

さすがにこんなにガラが悪くはないが、気持ち的にはたぶんそんな感じ。

「お願いっ」

懇願を込めたその言葉は、妃嬪ひひんたちに向けられたものだった。
今まさに千姫に食ってかかろうとしていた彼女たちだったが、あまりに真剣なその声音と表情に仕方なく口を閉じる。

そうして陵王は千姫と話をすることになった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

聖女の力に目覚めた私の、八年越しのただいま

藤 ゆみ子
恋愛
ある日、聖女の力に目覚めたローズは、勇者パーティーの一員として魔王討伐に行くことが決まる。 婚約者のエリオットからお守りにとペンダントを貰い、待っているからと言われるが、出発の前日に婚約を破棄するという書簡が届く。 エリオットへの想いに蓋をして魔王討伐へ行くが、ペンダントには秘密があった。

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

処理中です...