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その後
やり過ぎには要注意 3
しおりを挟む現在、何故か出場者ほぼ総出で陵王へと優勝の座を明け渡そうとしているが……。
なお、妃嬪の位は四夫人、九嬪、二十七世婦……と多数に渡るが、空白も多い。
皇帝である黒曜があまり後宮を拡大したくない方針だからだ。
なにせ後宮はお金もかかるし、管理も大変。
なんなら黒曜的には妻は一人で充分。
だがしかし、政治的なあれこれや諸々あってそういうわけにもいかないという現実もある。
そんなこんなで重役なんかに押し付けられた妃嬪たちが彼女たちだ。
因みに陵王こと蝴蝶の位は充媛。
この三人をはじめ、高位の妃嬪たちの間では下の立場である。
本来なら「充媛ごときの分際で」と侮られといて可笑しくないのだが……(実際当初は声に出さずともその気配がありありとあった)何を間違ったかいまや「胡蝶お姉さま!」と皇后の座に持ち上げられようとしている始末。
もはや、どうしてこうなった?!状態です。
解せぬ……と心の中で呟きながら、陵王は千姫を覗き込む。
「千姫様?どこかお具合でも?」
いつもなら最年少の立場を利用して「胡蝶お姉さまぁ」と甘えてくる千姫。
あまりにいつもと異なる様子に体調でも悪いのかと心配になった。よく見れば、顔色もあまりよくない。
「い、いえ……大丈夫、です」
ふるふると首を振る姿は、どうみても大丈夫には見えない。
「体調が悪いのでなければ、なにか心配事でも?私でよろしければ話を聞きますよ?」
華奢な肩にそっと手を置き、そっと柔らかな笑みを浮かべれば天女のような微笑みに千姫の瞳がじわりと滲んだ。
「あ……」
千姫の細い指が、縋るように陵王の袖口を掴む。
「……その、……お姉さま、少しだけその、お話を…………」
そうして千姫は窺うように他の妃嬪たちを上目遣いでさっと見渡し、
「あの……出来れば二人だけで……」
その言葉に、妃嬪たちの間に静かな緊張が走った。
妃嬪一同の想いを言葉にするならきっとこうだ。
ああん?テメェ抜け駆けしようってかっ?!
さすがにこんなにガラが悪くはないが、気持ち的にはたぶんそんな感じ。
「お願いっ」
懇願を込めたその言葉は、妃嬪たちに向けられたものだった。
今まさに千姫に食ってかかろうとしていた彼女たちだったが、あまりに真剣なその声音と表情に仕方なく口を閉じる。
そうして陵王は千姫と話をすることになった。
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