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物語の始まり

神殿巫女は見た

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 召喚が行われた日の神殿は早朝から、異様な雰囲気に包まれていました。

 上位の魔術師の方、魔力の高い上位貴族、神官達は神託が告げられた日から昼夜を問わず神殿に有る、召喚魔方陣に魔力を限界まで供給に務めてられました。

神託の中には、聖女様の降臨とクラーク公爵家、キャスル侯爵家の託宣の花嫁も含まれていた為か皆さん神経質になられていたのでしょう。

召喚当日は、神殿を取り巻く魔素は限界になっていたと思います。
神殿が魔素に犯される中、神殿内部に激しい魔力の歪みや、魔素の嵐が唐突に吹き荒れたのです。

召喚の瞬間の出来事です。

魔術師、神官、魔力の高い貴族の方々に巫女、皆、衝撃に耐えきれず阿鼻荘厳になってしまいました。

気を失う者、嘔吐するもの、頭痛に耐えきれず転げ回る者、地獄絵図でしたが、潮が引くように魔素は正常化されてたのです。
神殿内部の魔力値は正常化され、その後、召喚された花の乙女達が顕現する、花の間に、神官長様を筆頭に、神官と巫女のペアーを何組か作り入室してみました。

通常、閉ざされている花の間の扉を開けると、室内には数十人の全裸の美少女達が召喚されていました。

神官長様が、怯える花の乙女達に害意が無いことを伝えた後に神官が、聖女と託宣の花嫁を探して、巫女が全裸の少女にローブを掛けて、一人ずつ花の間から連れ出しました。
取り違えてしまったら大変な事になります。

私とペアーを組んでいた神官が淡いピンクの髪の少女の手の甲に魔力を当てると、聖女の紋章が浮かび上がったのです。

私は驚愕の為、歓声を上げてしまいました。
『聖女の降臨です』

神官、巫女、今日のその場に立ち会えた事を神に感謝したでしょう。

聖女様の、お姿は淡いピンクの髪に、チェリーピンクの瞳。
幼さを残す裸体はミルク色で、豊かな胸が印象的でした。

聖女様は涙を流しながら、ユウカという人物を探していらっしゃいました。

どうやら、従者の方と召喚の折りに離れてしまわれたようです。

聖女の従者等、何て幸せな方何でしょう。

私達は、聖女様を別室に御案内し身の回りの、お世話をいたしました。

聖女様は、まるで高貴な姫様のような言動と立ち振舞いでした。元の世界でも、そのような教育をされていたんでしょう。

花の乙女達も美少女達でしたが、言動は庶民的でしたからね。




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